『春野寿美礼ラストディ』ポスター限定発売、という事件。
2007年12月29日 タカラヅカ さて、12月24日の花組千秋楽。
オサ様を見送るために奔走していたこの日、もうひとつの闘いがあった。
それが、『春野寿美礼ラストディ』ポスター限定発売だ。
何故か千秋楽1日限りの販売。売り場は全国のキャトレと各ラストディ会場のみ。
オサ様ファンなら絶対欲しいだろう。ポスターとして飾る・飾らないの問題じゃなく、「2007年12月24日」の日付の入ったグッズなんだ。
遠征組のわたしは、前日以前からアタマを抱えていた。
千秋楽当日は、朝から入り待ちして、日比谷でずーっと過ごし、夜の出待ちまでする予定だ。しかもそのまま夜行バス。
ポスター持ったままで、あの驚異の人混みの中立ち続けるの?!
押し合いとか起こったら、ポスターぐちゃぐちゃだよ?
夜行バスだって、貴重品の運搬には向かない。びんぼー人のわたしは4列シートの格安バス利用だ、狭いし荷物を守れる場所もないし。
オサ様ポスターが、人や荷物にぶつかって、ぶつけられて、ぐしゃぐしゃになっちゃったらどうしよう? おろおろおろ。
購入したあと、ロッカーに入れる? 空いてるロッカーって、どこまで行けばあるだろう? それとも、厳重装備で即宅急便?
ナイ頭をしぼっていろいろいろいろ考える。
なんで当日1日だけの限定発売なんだろう。
前もって売ってくれていれば、大阪で買っておいたのに。
運搬、保管方法に悩むまでもなかった。
何故ならば。
「購入」自体が、闘いだったからだ。
入り待ちのあと、某喫茶店に避難したわたしとどりーず東組のメンバーは、凍えたカラダを熱いお茶で溶かし、とりあえず生きた心地を取り戻していた。
開演の1時半まではまだ時間がある。ゆっくりと英気を養い、きちんと食事をしてからそれぞれの劇場へ向かおう。
つーことでわたしは、友人たちに「ちょっとポスター買いに行ってくる」と言って立ち上がった。
お茶も飲みかけ。でも、キャトレ開店したころだから、様子見に行ってくる。あんまりものすごい列だったら、一旦戻ってきて先にごはんしようかな。
すげー気軽に、財布と携帯だけ持って出かけた。
甘かった。
劇場キャトレはすでに完売。
あわててシャンテへ向かう。
シャンテ地下のキャトレでは、行列が店の外まで伸びていた。
最後尾を探して、あわてて並ぶ。つか、最後尾を探した。列はわけのわからない蛇行をし、えんえん伸び続ける。
なんなのこの人数。
キャトレははるか遠い。
それでも人は並び続ける。増え続ける。
列がすごかったら先にごはんをしようなんて、無理。完売の恐怖があるから、なにを捨ててもまず購入するしかない。
「これ、なんの行列ですか?」
一般人が声を掛けてくる。
せ、説明しづらいな……。
「お一人様3本まで」だった限定ポスターは、急遽「お一人様1本まで」に変更されていた。それでも劇場は売り切れだし、シャンテはこの有様。
というか、列がいっこうに進まない。
お一人様1本で、1本1000円のポスターだ。会計に時間がかかるはずもない。何故こんなに進みが遅い?
どこの牛歩サークルだ?
答えは、「限定発売専用レジ」を作っていないため、だ。
一般の買い物客も混ざっているためだ。ふつーにいろんなグッズや書籍を購入するために並び、カードで会計したりもする。
そりゃ時間かかるわ……。
てゆーか。
限定モノを販売するとき、専用レジを作るのは鉄則だろう。
コミケだって行列必至の大手サークルでは「新刊専用列」「既刊専用列」を分ける。値段もあらかじめ、行列にお品書きを回覧することで告知してある。購入者は前もってお金を用意し、スムーズに購入していくさ。
素人だってやっていることだ。
たくさんの人が長時間行列をする=ウチのサークル大人気! というイメージ戦略のためにわざと会計を遅らせる牛歩サークルでもない限り。
何故、プロの販売店がそんな初歩の初歩をしない?
まあ、時間だけならまだいい。何時間並んでも、確実に購入できるならば。
最悪は、まだその先にあった。
「購入していただけるかどうか、わかりません」
すでに30分は並ばせたあとで。
行列の最後尾はシャンテを縦断する勢いで伸びているというのに。
「ポスター購入目的で並んでいる方と、そうでない方の区別がつかないので、人数が把握できません」
上がる悲鳴、ブーイング。
限定販売をしておきながら、並ばせておきながら、人数把握できていないだと?
あ、ありえない……。
販売業やってたことあるけど、これはありえない大失態だ。
どんだけクレームになって上層部巻き込んだ騒ぎになるか。や、ふつうなら。
タカラヅカはふつーじゃないから、きっと平気なんだろうけど。
限定販売をするときは、専用レジを分ける。あらかじめ整理券など発行する。
無駄に並ばせない、購入できない人を並ばせない。
会社の名誉にかけて、努力するだろう。混乱と事故のないように。
「並ばれても、購入できないかもしれませーん。ご承知の上、お並びくださーい」
て、並ぶ前に言えよ。
みんなもうえんえん並んだあとだ、なにを言われても列から動かない。
「購入できないかもしれませんよ」
係の人が並び続ける人たちに、いちいち言って回る。さも「並んでいるのは自己責任、買えなくても店のせいにしないでね」と言わんばかりに。
キャトレがアホなのは、今にはじまったことではないが。
限定発売を、オサファンをなめてかかっていたのだろう。
それ用の準備をナニもせず、ふつーの営業日の感覚で店を開け。
開店と同時に客がなだれ打って来店、あれよあれよという間に行列が出来る。
列を指揮するヒマもないから、列はわけのわからない蛇行をし、周囲のいろんなものに迷惑を掛ける。
一般客とポスター目的客とか入り交じり、手の付けられない状況に陥る。
まあ、ポスターいっばいあるから大丈夫だろう……と思っていたら、行列はシャンテの端まで延びる勢い。ちょっと待て、こんなに並んで在庫保つ?
そこであわてて数を数えだした。
やだー、並んでる人の方が、ポスター在庫よりはるかに多い〜〜、どーしよー。
でもポスター買わない人もいるかもしんないしぃ。そんなの誰にもわかんないよねええ?
てな思考回路が、なりゆきが頭に浮かぶ。
行列が予定外に伸びた段階で、何故手を打たない?
レジをひとつでいいから専用にし、「ポスター購入希望の方はこちらへ」と既成列から誘導すればいい。並び順は変えずに、あくまでも順番に。
無軌道に伸びた列を整理し直すんだ。周囲に迷惑の掛からない場所に移動させるんだ。
ひとり1本なんだから、専用列の人数を数えるだけで事故を防げる。
落ち着いてきたら、レジの数を増やすなりして一気に販売を終わらせるんだ。
そんな、素人でも考えつくことが、何故できない?
ヅカファンはおとなしいから、理不尽なことをされても黙って耐えるから、野放しってか。
キャトル・レーヴの販売業としてのレベルの低さに、眩暈がした。
さて、わたしは大行列の最後尾を探して並んだ段階で、「なんとかならないもんか」と動いていた。
ポスター発売場所は全国のキャトレとラストディ会場。たぶん、いちばん混むのがこの東宝とシャンテのキャトレだろう。案外ラストディ会場では簡単に購入できるんじゃないか。
アタマではわかっているが、ラストディ会場での販売は「最後のチャンス」だ。そこで購入できなかったらアウト、もう手に入らないってことだろう。
それなら、会場が開く前に販売しているキャトレで、押さえておきたい。安心したい。
それは、ここに並んでいる人たちの共通の思いだろう。誰が好きこのんで何時間も並ぶモノか。確実に手に入れたいだけなんだ。
周囲の人と話しながら、情報収集。
「福岡、名古屋のキャトレ完売」「ラストディ会場前にはすでに行列」……入ってくる情報の、きびしいこと。
結局、1時間並んだかな。
ようやく店内に入れ、レジがもう少し、というあたりで、名古屋の木ノ実さんから連絡。
「ポスターふたり分買えた!」
ありがとう!!
……てことで、わたしは列から脱落した。1時間並んで、購入まであとちょいだったが、手に入った時点で購入権利は後ろに並ぶ別の人に譲るべき。
一緒に理不尽な列に並び続けたオサファンの人たちに、挨拶とエール交換をして別れた。
ポスター購入からすでに大変だけど、どうか1日、がんばりましょう!!
……てゆーか、わたしの後ろで1時間以上並び続けていた人たち、無事に購入できたんだろうか……。
ラストディ会場ではふつうに購入できたらしいが、ラストディのチケットすらなくて、キャトレで購入することだけを頼りにしていた人とかいたら、どうするんだろう、歌劇団。
大切な大切な、記念の日なのに。記念のグッズなのに。
ひどい扱いだ……。
「帰ってこないから心配したよー」
「ちょっと行ってくる、って言ったまま……」
喫茶店に戻り、友人たちに泣きつく。おなかすいたよー、つらかったよー。並ぶことが苦痛なんじゃなく、キャトレの対応のアホさ加減にストレス溜まったよー。
そんな、歴史には残らない闘いが、たしかにあった、あの日。
オサ様を見送るために奔走していたこの日、もうひとつの闘いがあった。
それが、『春野寿美礼ラストディ』ポスター限定発売だ。
何故か千秋楽1日限りの販売。売り場は全国のキャトレと各ラストディ会場のみ。
オサ様ファンなら絶対欲しいだろう。ポスターとして飾る・飾らないの問題じゃなく、「2007年12月24日」の日付の入ったグッズなんだ。
遠征組のわたしは、前日以前からアタマを抱えていた。
千秋楽当日は、朝から入り待ちして、日比谷でずーっと過ごし、夜の出待ちまでする予定だ。しかもそのまま夜行バス。
ポスター持ったままで、あの驚異の人混みの中立ち続けるの?!
押し合いとか起こったら、ポスターぐちゃぐちゃだよ?
夜行バスだって、貴重品の運搬には向かない。びんぼー人のわたしは4列シートの格安バス利用だ、狭いし荷物を守れる場所もないし。
オサ様ポスターが、人や荷物にぶつかって、ぶつけられて、ぐしゃぐしゃになっちゃったらどうしよう? おろおろおろ。
購入したあと、ロッカーに入れる? 空いてるロッカーって、どこまで行けばあるだろう? それとも、厳重装備で即宅急便?
ナイ頭をしぼっていろいろいろいろ考える。
なんで当日1日だけの限定発売なんだろう。
前もって売ってくれていれば、大阪で買っておいたのに。
運搬、保管方法に悩むまでもなかった。
何故ならば。
「購入」自体が、闘いだったからだ。
入り待ちのあと、某喫茶店に避難したわたしとどりーず東組のメンバーは、凍えたカラダを熱いお茶で溶かし、とりあえず生きた心地を取り戻していた。
開演の1時半まではまだ時間がある。ゆっくりと英気を養い、きちんと食事をしてからそれぞれの劇場へ向かおう。
つーことでわたしは、友人たちに「ちょっとポスター買いに行ってくる」と言って立ち上がった。
お茶も飲みかけ。でも、キャトレ開店したころだから、様子見に行ってくる。あんまりものすごい列だったら、一旦戻ってきて先にごはんしようかな。
すげー気軽に、財布と携帯だけ持って出かけた。
甘かった。
劇場キャトレはすでに完売。
あわててシャンテへ向かう。
シャンテ地下のキャトレでは、行列が店の外まで伸びていた。
最後尾を探して、あわてて並ぶ。つか、最後尾を探した。列はわけのわからない蛇行をし、えんえん伸び続ける。
なんなのこの人数。
キャトレははるか遠い。
それでも人は並び続ける。増え続ける。
列がすごかったら先にごはんをしようなんて、無理。完売の恐怖があるから、なにを捨ててもまず購入するしかない。
「これ、なんの行列ですか?」
一般人が声を掛けてくる。
せ、説明しづらいな……。
「お一人様3本まで」だった限定ポスターは、急遽「お一人様1本まで」に変更されていた。それでも劇場は売り切れだし、シャンテはこの有様。
というか、列がいっこうに進まない。
お一人様1本で、1本1000円のポスターだ。会計に時間がかかるはずもない。何故こんなに進みが遅い?
どこの牛歩サークルだ?
答えは、「限定発売専用レジ」を作っていないため、だ。
一般の買い物客も混ざっているためだ。ふつーにいろんなグッズや書籍を購入するために並び、カードで会計したりもする。
そりゃ時間かかるわ……。
てゆーか。
限定モノを販売するとき、専用レジを作るのは鉄則だろう。
コミケだって行列必至の大手サークルでは「新刊専用列」「既刊専用列」を分ける。値段もあらかじめ、行列にお品書きを回覧することで告知してある。購入者は前もってお金を用意し、スムーズに購入していくさ。
素人だってやっていることだ。
たくさんの人が長時間行列をする=ウチのサークル大人気! というイメージ戦略のためにわざと会計を遅らせる牛歩サークルでもない限り。
何故、プロの販売店がそんな初歩の初歩をしない?
まあ、時間だけならまだいい。何時間並んでも、確実に購入できるならば。
最悪は、まだその先にあった。
「購入していただけるかどうか、わかりません」
すでに30分は並ばせたあとで。
行列の最後尾はシャンテを縦断する勢いで伸びているというのに。
「ポスター購入目的で並んでいる方と、そうでない方の区別がつかないので、人数が把握できません」
上がる悲鳴、ブーイング。
限定販売をしておきながら、並ばせておきながら、人数把握できていないだと?
あ、ありえない……。
販売業やってたことあるけど、これはありえない大失態だ。
どんだけクレームになって上層部巻き込んだ騒ぎになるか。や、ふつうなら。
タカラヅカはふつーじゃないから、きっと平気なんだろうけど。
限定販売をするときは、専用レジを分ける。あらかじめ整理券など発行する。
無駄に並ばせない、購入できない人を並ばせない。
会社の名誉にかけて、努力するだろう。混乱と事故のないように。
「並ばれても、購入できないかもしれませーん。ご承知の上、お並びくださーい」
て、並ぶ前に言えよ。
みんなもうえんえん並んだあとだ、なにを言われても列から動かない。
「購入できないかもしれませんよ」
係の人が並び続ける人たちに、いちいち言って回る。さも「並んでいるのは自己責任、買えなくても店のせいにしないでね」と言わんばかりに。
キャトレがアホなのは、今にはじまったことではないが。
限定発売を、オサファンをなめてかかっていたのだろう。
それ用の準備をナニもせず、ふつーの営業日の感覚で店を開け。
開店と同時に客がなだれ打って来店、あれよあれよという間に行列が出来る。
列を指揮するヒマもないから、列はわけのわからない蛇行をし、周囲のいろんなものに迷惑を掛ける。
一般客とポスター目的客とか入り交じり、手の付けられない状況に陥る。
まあ、ポスターいっばいあるから大丈夫だろう……と思っていたら、行列はシャンテの端まで延びる勢い。ちょっと待て、こんなに並んで在庫保つ?
そこであわてて数を数えだした。
やだー、並んでる人の方が、ポスター在庫よりはるかに多い〜〜、どーしよー。
でもポスター買わない人もいるかもしんないしぃ。そんなの誰にもわかんないよねええ?
てな思考回路が、なりゆきが頭に浮かぶ。
行列が予定外に伸びた段階で、何故手を打たない?
レジをひとつでいいから専用にし、「ポスター購入希望の方はこちらへ」と既成列から誘導すればいい。並び順は変えずに、あくまでも順番に。
無軌道に伸びた列を整理し直すんだ。周囲に迷惑の掛からない場所に移動させるんだ。
ひとり1本なんだから、専用列の人数を数えるだけで事故を防げる。
落ち着いてきたら、レジの数を増やすなりして一気に販売を終わらせるんだ。
そんな、素人でも考えつくことが、何故できない?
ヅカファンはおとなしいから、理不尽なことをされても黙って耐えるから、野放しってか。
キャトル・レーヴの販売業としてのレベルの低さに、眩暈がした。
さて、わたしは大行列の最後尾を探して並んだ段階で、「なんとかならないもんか」と動いていた。
ポスター発売場所は全国のキャトレとラストディ会場。たぶん、いちばん混むのがこの東宝とシャンテのキャトレだろう。案外ラストディ会場では簡単に購入できるんじゃないか。
アタマではわかっているが、ラストディ会場での販売は「最後のチャンス」だ。そこで購入できなかったらアウト、もう手に入らないってことだろう。
それなら、会場が開く前に販売しているキャトレで、押さえておきたい。安心したい。
それは、ここに並んでいる人たちの共通の思いだろう。誰が好きこのんで何時間も並ぶモノか。確実に手に入れたいだけなんだ。
周囲の人と話しながら、情報収集。
「福岡、名古屋のキャトレ完売」「ラストディ会場前にはすでに行列」……入ってくる情報の、きびしいこと。
結局、1時間並んだかな。
ようやく店内に入れ、レジがもう少し、というあたりで、名古屋の木ノ実さんから連絡。
「ポスターふたり分買えた!」
ありがとう!!
……てことで、わたしは列から脱落した。1時間並んで、購入まであとちょいだったが、手に入った時点で購入権利は後ろに並ぶ別の人に譲るべき。
一緒に理不尽な列に並び続けたオサファンの人たちに、挨拶とエール交換をして別れた。
ポスター購入からすでに大変だけど、どうか1日、がんばりましょう!!
……てゆーか、わたしの後ろで1時間以上並び続けていた人たち、無事に購入できたんだろうか……。
ラストディ会場ではふつうに購入できたらしいが、ラストディのチケットすらなくて、キャトレで購入することだけを頼りにしていた人とかいたら、どうするんだろう、歌劇団。
大切な大切な、記念の日なのに。記念のグッズなのに。
ひどい扱いだ……。
「帰ってこないから心配したよー」
「ちょっと行ってくる、って言ったまま……」
喫茶店に戻り、友人たちに泣きつく。おなかすいたよー、つらかったよー。並ぶことが苦痛なんじゃなく、キャトレの対応のアホさ加減にストレス溜まったよー。
そんな、歴史には残らない闘いが、たしかにあった、あの日。
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