月組バウホール公演『HOLLYWOOD LOVER』観劇。

 いろいろ思うところはあったが、いちばんショックだったのは。

 わたし、そのかってやっぱりダメかもしれない。

 と、いうことだった。

 そのかは好きだ。
 出てくれるとうれしいし、よろこんで見る。注視する。
 ビジュアルも芸風も好き。ジェンヌとして、舞台人として好き。不思議ちゃんな素顔も好き。
 スカステだのTCAの出だので、いまだにまっつとラヴいエピソードを披露してくれるところも好き(笑)。

 だが、それとはまったく別、まったく無関係なところで、きつい。

 今回のそのかの役、ハートフルな三枚目、「いい人」なカメラマン、ビリー役は……きつかった。

 ケロに似ている。

 やっぱりこの人、似てるよ。
 姿が似ている、演技が似ている。
 ケロがもしいれば、ケロがこの役を演じていれば、まったく同じではないにしろ、近いディテールで演じただろうと思える。

 そのかの姿に、ケロを見てしまう。
 それがつらい。

 最近のそのかは別にケロには見えなくて、ふつーにそのかとしてかっこ良くてかわいくて、毎回よろこんで眺めていた。
 だからもうすっかり、油断していた。ケロがどうこうとか関係なく、忘れて、そのか自身を愛でていた。

 それが。
 ……油断していただけに、きつかった。

 好きな人に似ている、というのは、こんなにもつらいことなのか。痛いことなのか。

 ましてや、一緒にいるのはゆーひくんだ。ケロの弟、ケロの相棒だ。
 すっかり大人になったゆうひくんと、幼さの残るケロが一緒にいる。親友役を演じている。

 ……もうダメかも。
 そのかを見るのはつらすぎるかも。

 と、びーびー泣きながら思い……。

 それでも、そのかを、好きでしょうがない。

 好きな人に似ている、というのは、ケロ云々を抜いても、そのかが「好みの男である」ということなんだ。
 つらくて、痛くて、もう嫌だ、もう見たくないと思いつつ……そのかから、目が離れない。どきどきする。

 こんな感情があるなんて、知らなかった。
 矛盾しまくり、混乱しまくり。
 似ている、似ていない、似ているから好き、似ているからキライ、似ていても、それとは別に好き。いっそまったく似ていなければいいのに。あの人に見えるくらい、いい男なの?
 矛盾しまくり、混乱しまくり。
 ああもお、恋に落ちるしかないんじゃないの、コレ??

 そのかが好きだ〜〜!!

 いやその、すでにわたしのハートはまっつのもの(笑)なんで、今さらどうこうはなりませんが。
 まっつがいなかったら、そのかにまっしぐらだったんだろーか。そしてこんな痛い思いをしょっちゅー味わうことになっていたんだろうか。ぶるぶる。

 わたしはケロファン友だちがほとんどいないんでアレだけど、ケロ友の多いチェリさんのもとにはやはり、「『ハリラバ』のそのかが似ている!」と感想が集まっているようだし。
 あああ、ケロファンはみな、多かれ少なかれ悲鳴を上げているのだなぁ……。(うれしい悲鳴もあるのかな?)

 
 千秋楽も観に行ったのだけど、それは東宝でオサ様を見送った翌日で。
 オサ様を失った翌日に、涙も乾かないウチに、なんであたしここにいるの? よりによってそのかを見ているの? と、うろたえました。
 ケロの面影を見てしまい、息も絶え絶えになる人を、オサ様を失った翌日に見ている……って、マゾですかわたしは。
 何重もの意味で、胸の痛みを味わいましたともさ。

 それでも、そのかを好きだと思う。
 見ていたいと思う。
 ある意味象徴的だ。オサ様楽の翌日に、ビリー@そのかを見るなんて。

 この傷みを繰り返し、それでもわたしはこの美しいファンタジー世界を愛し続けるのだな、と。てか、毒にずっぽりハマっちゃって、抜け出せない、解脱できないんだな、と。

 
 そのかがすげーいい男ですよ、お客さん。
 バカで鈍感でやさしくて、ふつーに妻と息子に甘い若いパパで、泣けるほどいい男なの。
 一見の価値あり。


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