らいに捕まると、逃げられなくなる。

 つーことで、花組色男のひとり、夕霧らい氏の話です。

 今回、『メランコリック・ジゴロ』にて、らいの使いっぷりに感動しました。

 らいにこの役をさせますか!! さすがだ正塚!!
 らいの役?
 通行人ですよ!!

 名前があるかどうか知りません。
 最初の駅の場面で、アネット@ゆまちゃんをダニエル@まとぶ、スタン@壮くんで騙しているところに、本筋とはまったく関係なく現れる通行人、

 それぞれコート姿に大きな鞄を持った、大人の男と女。
 男がらい、女がくまちゃん。
 役はただの通行人。「駅」にはいろんな人がやってくる、というだけの、ただの背景。

 しかし。

「家のこと、気になるのか」
「今さら、こわいものはないわ……」

 ただごとではない雰囲気ゆんゆん。

 なんかそこだけ別世界なんですけど?!
 なんなのその濃ゆさ、深刻さ?!
 なんの説明もなく現れ、わずかなやりとりだけで、「なんなの、あの不倫カップル?」と、観客の記憶に残ってしまうものすごさ。

 すげーや、らい。すげーや、くまちゃん。
 そして、すげーや正塚。よくぞこの役をこのふたりにやらせた。
 ふたりともアピール上等!な弱肉強食をデフォルトとする花組っ子だもんよ。
 いつもエンジン全開、戦闘意欲満々、やりすぎ注意、のふたりが不倫カップルって……。

 でもってこのふたり。
 実はここだけのキャラではなくて。
 ラストシーン、同じ「駅」の場面にも出てきてるのよ。
 これまたダニエルがフェリシア@彩音ともつれているときに。
 らいとくまちゃんも駅にやって来てるのよ。
 冒頭場面とちがって、ふたりに台詞はない。ライトも当たらない。
 それでも。

 濃い〜〜ぃい物語が展開されているの。

 なにもかも捨てて、女は男と生きることを選んだ。
 季節は冬。
 ふたりが向かったのは、カーニバルのある街。
 日常を忘れ、熱情に身を任せるにふさわしいはず。
 そこで、どのようなドラマがあったのか。
 カーニバルは終わり、ふたりの時間も終わった。
 言葉もないまま、男と女は強く抱きしめ合う。

 片手だけで。

 もう片手には、それぞれの鞄。それぞれが担うべきもの。
 鞄を投げ出して、両手で抱き合うことはない……できない、ふたり。

 女は、なにかを振り切るように列車へ駆け込む。ふたりで乗ってきたはずの列車へ、ただひとりで。
 男は女を見送り、黙って歩き出す。列車が走り出すのとは、反対の方向に。

 ……てなことを、ダニエルとフェリシアが「もう会えない!」「俺がジゴロだからか?!」とかやってる横で、ライトの外で、やってるわけですよ、らいとくまちゃん!!(笑)

 本筋とは関係ないとか、ライト当たってないとか、そんなことぜんぜん関係なく、めっちゃ濃ゆくメロドラマ演じてますよ。

 あーもー、ステキ過ぎだー。
 少女マンガと同じ画面で、ドロドロ昼メロおっぱじめてるんだもん。
 それがまた、絵になるんだもん。
 ふたりのただごとならぬ雰囲気と、それを裏付ける美形っぷりがたまりません。
 ……にしてもくまちゃん、きれーになったなー。博多座で代役やってたときからは別人だー。

 この不倫カップル役以外では、らいはふつーにカフェの客やってます。さわやかぶって。
 ふつーに二枚目やってます、はい(笑)。←何故か笑う。

 
 ショー『ラブ・シンフォニーII』でも、らいの魅力は全開ってゆーか、いくらでもキザってヨシ、アピってヨシのショーでこそ、本領発揮か。
 やー、もー、らいらいすごいから。
 らいの近くの前方席に坐ったらまず持って行かれるもんな。
 目線固定の「キミを見てるよ」アピール。
 そして要所要所のウインク。
 ばちこーん、とゆー強いモノではなく、すげーソフトに「ふふふっ」てな軽やかな笑い声が聞こえそうなウインクをふつーに投げてくる。
 ふつーなんかい。これが標準装備ですか。

 わたし今回チケ取りがんばってさ、前方か通路際しか取ってないんだけど、らいにはうっかり持って行かれそうに何度もなってるよ。
 だってすげーかまってくれるんだもん。まっつは目線ひとつくれないのに。
 まっつがあんまりそっけないので(笑)、かまってくれるらいや、握手やハイタッチをしてくれるまとぶさんにグラつきますよ……くらくら。

 らいはなー、あのガタイもいいんだよなー。
 デカくて、適度に厚みがあって。
 顔立ちがもともと好みなうえに、色気ダダ漏れのマメな釣り男っすよ。ときめくわぁ。
 ギャンブラーとしてカードから出てくる場面にて、前列の男たちが一斉に反り返る振りがあるんだが、みんなが「振り」として「美しく」反り返っているに、らいは「ポーズ」を取ってるんだよなあ……客席見てるんだもの……(笑)。

 今回、らいに撃ち抜かれそーになったのは、あることに気づいたときがもっとも激しかった。

 「ラブ・ゲーム」でらい氏、上手端でサイコロの上に乗ってるじゃないですか。
 中央にでっかいダーツボードが登場し、まとぶんと彩音ちゃんがその上でゴロゴロする場面。
 真ん中もエロいことやってるけど、周囲のカップルもそれぞれアダルトにエロいポーズを決めるとこ。

 あそこでらいらいは「女の子にキスをする」のがキメポーズ。チューをして、そのまま静止。
 てのはべつにいい。他のカップルもえらいことになってるわけだから、キスなんてまともなキメだ。(他は女のむき出しの太股に男が頬寄せてたり、女の下腹部に男が顔うずめてたりしてるからな・笑)

 たかがキス。
 ……なんだけど。

 らいって、キスするとき、口開けるんだ……。

 や、現実はどうあれ、ドラマでも舞台でも、チューするときは口閉じてるじゃん?
 基本「重ねるだけ」だから。舌からめてみせるわけじゃないから。
 「見て美しいキス」はあくまでも口を閉じて、唇を重ねるだけのもの、でしょ?
 それが当たり前だと思っていたから、らいがエロ全開に口開けてチューにいく様を見たとき、腰抜かしました……。
 らいのキスはベロチュー基本なんすね……。
 触れるだけのバードキスぢゃないんだ……。

 ど、どうしよう。めっさときめいた(笑)。
 なんなのよあのエロ男。
 潔いまでのエロっぷり、R15上等な役作り!

 不倫がハマるとかベロチューとか、このまま大人のエロ男を極めて下さい。
 
 
 注・夕霧らい氏は新公学年です。


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