またしても、「2008年ポケットカレンダー」の話。

 たしか最初にポケカレが発売になったときの謡い文句は「いちばん人気があった舞台スチールをミニ・サイズのカレンダーに」だったと思う。
 だから最初の絵柄はどれもすごーくキャッチーだったし、「なるほど、これがいちばん売れたんだ、そりゃそうだな」と納得できる写真ばかりだった。

 でも今年のポケカレにはそんな謡い文句、ないよねえ?
 去年のにもなかったような?

 ポケカレは、ポケカレ・オリジナルの絵柄になっちゃったの?
 だとしたら、いったい誰が選んでいるの?

 なんつーか、ファンのニーズとは微妙にズレているような気がするんだけど。

 ……てなふーに、誰も思ってないのかなあ?
 他の人には、「ド真中!!」な選択なのかな。

 たとえばわたしひとりが全員の写真を選ぶとしたら、ひとりずつのスターの「いちばんかっこいい・素敵な写真」は選ばない。

 ひとりのスターの写真を選ぶなら、「いちばんかっこいい・素敵な写真」を選ぶよ。
 なにしろ1年間眺めるわけだから、本気でいちばん好きなモノを選ぶさ。
 まず、日本物はパス。青天なんかもってのほか。
 髪型はシンプルで、奇をてらわない。もちろん地髪。ショーの1場面用にとんがらせたり、派手なヅラをかぶっていたりしない。
 原色ギラギラ、黄色に紫のツートンカラーとか、ありえない配色の衣装は論外。ラテンのビラビラとかも嫌。ターバンも却下。日本人でターバンが地髪以上に似合う人なんていない。
 ソフト帽もかっこいいけど、顔が隠れてしまったら意味がない。
 基本芝居の写真になるな。スーツ姿で、端正なもの。
 その人がシンプルにいちばん美しい姿を選ぶ。

 てなふーに、「いちばんかっこいい・素敵な写真」を選ぶと絶対、「派手派手、これぞタカラヅカ!」なものにはならない。

 ひとりだけなら、それでいい。
 しかし、その調子で全員の写真を選んだら?

 そうなると、約40人のほとんどの絵面が似かよってしまう。
 男役は芝居の写真がほとんどで、地髪ばっか。娘役はショーの衣装でもかわいいものがあるからそっちを選んでいるかもしれないけど、大半の男役が地味にスーツ。日本モノ、青天なんて絶対1枚もありえない。

 ……商売として、商品ラインナップとして、それはちょっとまずいかなと。

 だからわたしひとりが全員の写真を選ぶとしたら、ひとりずつのスターの「いちばんかっこいい・素敵な写真」は選ばない。
 かっこいいかどうかではなく、別の観点で選ぶ。

 全部を並べたときの視覚効果を第一に考える。

 一覧表を見た人が、「うわ、こんなにいろいろあるのね」と思うように、あえていろいろ混ぜなければ。
 派手派手ショー場面も、悪趣味な姿も、これはどうよ?なものも、適度に混ぜなきゃ。全部が全部シックにおしゃれになってしまっては、全体を俯瞰したときにくすんでしまう。

 ファン目線ではなく、「商品販売」を念頭においた選び方をすれば、そうなる。
 「タカラヅカってこんなにいろいろあるのよ」と言うために、わざといろんなものを混ぜる。もちろん日本モノの青天も。

 その人がいちばん美しい写真ではなく、ヅカファン以外のための選び方。……たとえば、ヅカに興味ない販売企画上層部のおじさん相手のため、とか。
「あのおっさんが一発でOK出すなら、こんなもんだろ。NG出されてもウザいし、おっさんのよろこびそーな絵を選んでおけばいいや」とか。
 ……「お客がよろこぶもの」を一生懸命企画しても、全部上に握りつぶされ、いつのまにか「お客のため」ではなく、「上がうんと言うもの」を企画していることになる、よくある大人の事情を想像してしまいました。ほほほ。

 みんなみんな、この1年間の「ベストショット」がちゃんとポケカレに採用されていたならいいね。

 まっつは……わたし的に「いちばん」の絵ではなかった。
 でも、それはそれでヨシ、程度の絵だったからいいや。

 

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