そしてわたしは途方に暮れる。@赤と黒
2008年3月13日 タカラヅカ なんとも途方に暮れる作品だった。
星組DC公演『赤と黒』初日観劇。
まず、脚本・演出がひどい。
時代遅れもいいとこ。
悪い意味での「タカラヅカ」の見本のようだった。
素材はおもしろいのに、レシピが最悪。これじゃどんな腕利き料理人もおいしい料理は作れまい。
この脚本と演出って、ヅカのパロディかなぁ。竹の塚みたいなテイストの演出を、かしこまって「シリアス作品」として観なければならない居心地の悪さ。
センスの悪さと古さゆえに「お笑い作品」と成り果てているけれど、作者がコレをシリアス作品だと思って書いていることを知っているので、「笑ってはいけない」と心に言い聞かせて観ているのに、観客は容赦なく笑う。
笑っちゃダメだよ、キモチはわかるけど我慢しなきゃダメだってば。演じている人たちに失礼だよ。
一緒に笑うこともできず、笑いが起こるたびに「この笑い声で舞台に悪影響が出ませんように。トウコちゃんがんばって!!」と拳を握ってはらはらした。
キャストの無駄な豪華さへの、居心地の悪さ。
こんなに人、いらないじゃん、この話。
主役3人以外は、脇を締めることのできる上級生と子役もできる下級生数人でよかったんじゃないの? スタークラスは不要じゃん。
「出番を作ること」だけを目的とした、無意味な2役。おかげで作品の焦点がボケる。
「この人たちだけで興行が打てる」スターたちが、ただのモブに甘んじていることへの、苦い思い。
新生花組が中日と青年館とWSと3興行やったんだから、層の厚い星組なら余裕で3興行できるはずだ。何故、しない? もったいなさすぎる。
笑われながらも少年の演技を続ける主役、繊細な演技をぶちこわすアホな脚本と演出、いっそコメディにしてくれと絶望する展開……。
なんかもー、すべてにおいてトホホだった。
どーしよコレ、と、途方に暮れた。
別の脚本・演出で観たい。
古典と時代遅れの違いを理解するセンスのある、生きたクリエイターに、一から作り直して欲しい。
寿命の尽きた作品を、そのまま焼き直したものではなく、「生きた作品」を観たい。
作品のどーしよーもなさが、くやしくてならない。
主演のふたりは、すごーく興味深い演技をしているのに。
作品のアレさを、力尽くでねじ伏せるべく、その才能を発揮しているんだ。
これだけの役者を無駄遣いするのは、勘弁してくれよほんと。頼むよ……。
教養ナッシングのため原作は未読ですが、じつに愉快なストーリーだと思いました。
つか、好みだと思う。
だからこそ、「なんでこんな料理をするんだ……」と、じれじれしっぱなし。
いくらでもおもしろくできるだろうに、と。最低限、観客が失笑するよーなことには、ならないように。
キャリア十分のトウコが少年役だ、つーことで観客が笑うのまでは止められないと思うけど(原作がそうなんだから仕方ないじゃん。つか、そこで笑うのはルール違反)、それ以外の古すぎることや現代との感覚の違いによる笑いは、起こらなく出来るはず。
あーもー、くやしいなー。
でもって。
トウコちゃんの美少年プレイは、素晴らしいです。(プレイゆーな)
ジュリアン・ソレル@トウコ。
ほんとに、息づく若い魂が見える。
若さゆえの野心や傲慢さ、浅はかさが愛しい。
強く攻撃的なときでも、そこになにかしらの「もろさ」を感じさせるのは、彼女の最大の魅力だと思う。
この若い獣を愛したい、と思わせる力。
もちろん、その美しい姿も含め。
相変わらずきれいだ……。
あの濃さがいいのー。
また、レナール夫人@あすかの大人の女ぶりが、匂い立つようだ。
控えめに、抑えているのになお、静かな熱がにじんでいく、その魅力。
このジュリアンだから、このレナール夫人なんだ。そう思わせる、絶妙のバランス。
このふたりでこの題材で、なんでこんなつまらない脚本と演出をやらせるんだ。もったいない〜〜。うおー。
星組デビューのマチルド@ねねちゃん、出てきた途端場が華やぐ輝きはさすが。
しかし、難しい役だったね……。盛大に笑われてしまって気の毒。悪いのは脚本で、キミのせいじゃないよ……。
うん。わたしにはマチルドが妄想少女セシリィ@『Ernest in Love』にしか見えなくて困った。
「会いたい〜〜悪いヤツ〜〜♪」と歌ってぴょんぴょんしてくれた方がよかったわ……コメディで笑われるのは本望だろうけど、シリアスに同じことやって観客に爆笑されるのは可哀想だよ……。
材木オタクのフーケ@れおんは、この役だけならよかったのにね……。
2役のコラゾフ公爵もよくやっていたけれど、ひとつの作品で演じ分けが出来るほど器用な人じゃないことを露呈する結果に。
どっちかひとつだけなら、いいデキだったのになあ。片方だけでは2番手スターには役不足だというなら、そもそも彼をこの芝居に出す必要はなかったんだ。
モブで踊っているときの、さらさら前髪にうっかりときめいたことは秘密(笑)。
フーケはあの前髪でやっちゃダメだったのかなあ。若くなりすぎる? やー、そんなことよりまず見栄え重視でいいじゃん。……ダメ?
ジェラード・ペルー@『エル・アルコン−鷹−』で「しい様」だったのに、このレナール氏役ですっかりもとの「しいちゃん」に戻ってしまった、しいちゃん(笑)。
ほんとにしいちゃんは演技の引き出し少ない人だなあ……。
なんかすごーく浮いていた気が……。レナール夫人と「夫婦」に見えないのが大変だなー、と。だって会話成立してないじゃん……。
いやまあ、そういう役作りなんだと思っておこう。しいちゃんには点数甘い……(笑)。
すずみさん以下、もったいなさすぎ。
コスプレ眺めるだけですか。
なにしろ作品がアレ過ぎるので、いっそアレだからこそ、トウコとあすかがどこまでやってくれるか、それをたのしみにするのはアリだと思う。
つーか、なんとかしてくれ。
彼らの実力にわくわくしている者としては、ソレを期待してしまう。
初日にこれだけ笑われた作品を、笑いの起こらない感動作品に作り替えてしまうことを、心から願う。
舞台は役者のものだ。
障害を乗り越え、栄光を掴んでくれ。
星組DC公演『赤と黒』初日観劇。
まず、脚本・演出がひどい。
時代遅れもいいとこ。
悪い意味での「タカラヅカ」の見本のようだった。
素材はおもしろいのに、レシピが最悪。これじゃどんな腕利き料理人もおいしい料理は作れまい。
この脚本と演出って、ヅカのパロディかなぁ。竹の塚みたいなテイストの演出を、かしこまって「シリアス作品」として観なければならない居心地の悪さ。
センスの悪さと古さゆえに「お笑い作品」と成り果てているけれど、作者がコレをシリアス作品だと思って書いていることを知っているので、「笑ってはいけない」と心に言い聞かせて観ているのに、観客は容赦なく笑う。
笑っちゃダメだよ、キモチはわかるけど我慢しなきゃダメだってば。演じている人たちに失礼だよ。
一緒に笑うこともできず、笑いが起こるたびに「この笑い声で舞台に悪影響が出ませんように。トウコちゃんがんばって!!」と拳を握ってはらはらした。
キャストの無駄な豪華さへの、居心地の悪さ。
こんなに人、いらないじゃん、この話。
主役3人以外は、脇を締めることのできる上級生と子役もできる下級生数人でよかったんじゃないの? スタークラスは不要じゃん。
「出番を作ること」だけを目的とした、無意味な2役。おかげで作品の焦点がボケる。
「この人たちだけで興行が打てる」スターたちが、ただのモブに甘んじていることへの、苦い思い。
新生花組が中日と青年館とWSと3興行やったんだから、層の厚い星組なら余裕で3興行できるはずだ。何故、しない? もったいなさすぎる。
笑われながらも少年の演技を続ける主役、繊細な演技をぶちこわすアホな脚本と演出、いっそコメディにしてくれと絶望する展開……。
なんかもー、すべてにおいてトホホだった。
どーしよコレ、と、途方に暮れた。
別の脚本・演出で観たい。
古典と時代遅れの違いを理解するセンスのある、生きたクリエイターに、一から作り直して欲しい。
寿命の尽きた作品を、そのまま焼き直したものではなく、「生きた作品」を観たい。
作品のどーしよーもなさが、くやしくてならない。
主演のふたりは、すごーく興味深い演技をしているのに。
作品のアレさを、力尽くでねじ伏せるべく、その才能を発揮しているんだ。
これだけの役者を無駄遣いするのは、勘弁してくれよほんと。頼むよ……。
教養ナッシングのため原作は未読ですが、じつに愉快なストーリーだと思いました。
つか、好みだと思う。
だからこそ、「なんでこんな料理をするんだ……」と、じれじれしっぱなし。
いくらでもおもしろくできるだろうに、と。最低限、観客が失笑するよーなことには、ならないように。
キャリア十分のトウコが少年役だ、つーことで観客が笑うのまでは止められないと思うけど(原作がそうなんだから仕方ないじゃん。つか、そこで笑うのはルール違反)、それ以外の古すぎることや現代との感覚の違いによる笑いは、起こらなく出来るはず。
あーもー、くやしいなー。
でもって。
トウコちゃんの美少年プレイは、素晴らしいです。(プレイゆーな)
ジュリアン・ソレル@トウコ。
ほんとに、息づく若い魂が見える。
若さゆえの野心や傲慢さ、浅はかさが愛しい。
強く攻撃的なときでも、そこになにかしらの「もろさ」を感じさせるのは、彼女の最大の魅力だと思う。
この若い獣を愛したい、と思わせる力。
もちろん、その美しい姿も含め。
相変わらずきれいだ……。
あの濃さがいいのー。
また、レナール夫人@あすかの大人の女ぶりが、匂い立つようだ。
控えめに、抑えているのになお、静かな熱がにじんでいく、その魅力。
このジュリアンだから、このレナール夫人なんだ。そう思わせる、絶妙のバランス。
このふたりでこの題材で、なんでこんなつまらない脚本と演出をやらせるんだ。もったいない〜〜。うおー。
星組デビューのマチルド@ねねちゃん、出てきた途端場が華やぐ輝きはさすが。
しかし、難しい役だったね……。盛大に笑われてしまって気の毒。悪いのは脚本で、キミのせいじゃないよ……。
うん。わたしにはマチルドが妄想少女セシリィ@『Ernest in Love』にしか見えなくて困った。
「会いたい〜〜悪いヤツ〜〜♪」と歌ってぴょんぴょんしてくれた方がよかったわ……コメディで笑われるのは本望だろうけど、シリアスに同じことやって観客に爆笑されるのは可哀想だよ……。
材木オタクのフーケ@れおんは、この役だけならよかったのにね……。
2役のコラゾフ公爵もよくやっていたけれど、ひとつの作品で演じ分けが出来るほど器用な人じゃないことを露呈する結果に。
どっちかひとつだけなら、いいデキだったのになあ。片方だけでは2番手スターには役不足だというなら、そもそも彼をこの芝居に出す必要はなかったんだ。
モブで踊っているときの、さらさら前髪にうっかりときめいたことは秘密(笑)。
フーケはあの前髪でやっちゃダメだったのかなあ。若くなりすぎる? やー、そんなことよりまず見栄え重視でいいじゃん。……ダメ?
ジェラード・ペルー@『エル・アルコン−鷹−』で「しい様」だったのに、このレナール氏役ですっかりもとの「しいちゃん」に戻ってしまった、しいちゃん(笑)。
ほんとにしいちゃんは演技の引き出し少ない人だなあ……。
なんかすごーく浮いていた気が……。レナール夫人と「夫婦」に見えないのが大変だなー、と。だって会話成立してないじゃん……。
いやまあ、そういう役作りなんだと思っておこう。しいちゃんには点数甘い……(笑)。
すずみさん以下、もったいなさすぎ。
コスプレ眺めるだけですか。
なにしろ作品がアレ過ぎるので、いっそアレだからこそ、トウコとあすかがどこまでやってくれるか、それをたのしみにするのはアリだと思う。
つーか、なんとかしてくれ。
彼らの実力にわくわくしている者としては、ソレを期待してしまう。
初日にこれだけ笑われた作品を、笑いの起こらない感動作品に作り替えてしまうことを、心から願う。
舞台は役者のものだ。
障害を乗り越え、栄光を掴んでくれ。
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