ゆみこさんがキラキラしていて、とまどいしきりです(笑)。

 基本的に地味な実力者が好きなので、わたしが言うところの「地味」つーのは、悪い意味で言っているつもりは、ありませんが。

 ゆみこの地味オーラ、恐るべし!!

 と、以前このブログに書いたところ、「太字で、でかい字でソレを書くか」と友人のドリーさんに注意されたりもしました。
 わたしがどんだけ好意的な意味で使っている言葉でも、一般的にマイナスとされていることをでかでかと書くのはどうよ、と。
 まったくもってその通りなんですが、そのことに限らず、「一般的にマイナスとされていること」を一切書けなくなってしまうと、わたしごときのスキルではナニも書けなくなってしまうので、結果アレなことも書き続けてますが。

 そんなふーに、タカラジェンヌとして「地味」と言われることは「マイナス」であり、ブログにでかでかと書くことはヨクナイ!と言われるよーな類いのことなわけです。
 その地味なとこをかわいいと思い、花組への組替えあたりからソコを愛でていたとしても。(雪にいた下級生時代は、派手な子だと思ってたんだよ……花組に行って、地味に見えて驚いた)

 ジェンヌには欠点があるからいいんだと思う。欠けたところ、足りていないところをいじりつつ、つつきつつ、まったり眺めるのがたのしい。
 彼らはナマモノであり、欠けたままではいない、同じままではいない。
 彼らは、変わっていくんだもの。
 それを見るのが醍醐味。
 若いウチは100点満点でない方が、たのしい。

 そーやって、地味でも実力と魅力のある人、として長年見守ってきた彩吹さんが。

 どーしたことだ、キラキラしてます!!

 全国ツアー『外伝 ベルサイユのばら-ジェローデル編-』において。

 物語的には不要であるとしか言えない、意味のない出番もないお衣装だけ豪華な、場の空気をぶち壊すためだけに登場するフェルゼン様。

 なんかもー、無意味に、輝いてます。ぺかー、とのーてんきに、発光してます。

 輝く? ぺかー? のーてんき?
 な、なんかゆみこらしくない形容ばかり並んでますがなっ。

 キラキラだよ? ゆみこが、キラキラ。ゆみこに対し、こんな形容をする日が来ようとは。
 「ゆみこの地味オーラ、恐るべし!!」って書いたのはたかだか2年半前だ。

 雪組に戻ってからのゆみこちゃんは、確実に成長しているのだと思う。
 花組にいたときは感じなかった真ん中としての実力を、たしかに開花させているんだ。

 真ん中に必要なのは、「場を統べる力」。多少の駄作も力尽くで別物にしてしまう力技。
 美貌とか華とか輝きとかで惑乱するのもアリだが、別のアプローチだってある。

 ゆみこちゃんは実力で真ん中へにじり寄っていく人なんだなー、と思った。
 多少足らない部分があるとしても、他の部分でソレを補う。
 ゆみこの場合は、技術。群を抜いた歌唱力だったり、あたたかみのある芝居だったり、抜群のスタイルとそれを使ったダンスだったり。
 それまで、実力があることは知ってるけど、真ん中で世界を塗り替えるほどの圧倒的な力じゃないよなー、と思っていたんだけど。
 なんかだんだん、真ん中もアリかも?な、突き抜けた豊かさを感じるのだわ。

 場違いに登場するフェルゼン様は、空気読まずにまず1曲うっとり浸って歌いきるわけなんだけど。
 この歌が、すげー美しくて。
 もともとすばらしい歌手だと思っていたけれど、さらにびっくりするくらい、うまかった。
 いやあ、キャリエールよりフランツより、フェルゼンの方が合うって、すごいじゃないの、ゆみこちゃん。
 歌の力だけで、理屈をねじ伏せてくれるんだよね。物語関係なく、とりあえず場面変わりました、別次元スタートっす!

 そして、フェルゼン様はすごくご機嫌でした。
 いや、芝居としてではなく、演じているゆみこちゃんが、たのしそうだった。

 ゆみこといえば繊細でナチュラルな芝居をする、というイメージで、歌舞伎をやっているところは想像できなかったんだが。
 このフェルゼン様はとことん型にはまった大芝居、潔いまでの植田歌舞伎っぷりで、大ウケした。
 ゆみこが本気で「フェルゼン」を演じている。長年の伝統を受け継ぎ、「フェルゼン」という「記号」を演じている〜〜(笑)。
 場面をぶち壊してキラキラ出てくるわ、空気読まずに大芝居はじめるわで、すげーかわいいイキモノと化していた。

 フェルゼン効果だろうか、『ミロワール』でも、なんかすごーくゆみこちゃんがかわいらしく、キラキラして見えた。
 『ミロワール』はいいショーだよね、キレイで、たのしくて。暗転多いけど(笑)。

 重ねてきた経験と、磨いてきた技術ゆえに、どんどん真ん中が似合う人になってきてるんだなあ。
 人は変わっていく。だから、おもしろい。
 あれほど大きな字で「地味」と書いた人に、「キラキラ」と書くようになるんだもの。

 今回のゆみこちゃんを眺めていて、思ったこと。
 いろいろ考えて考えて演じるより、ぺかーっと、ただ「たのしいっ」と笑っている方が、舞台での輝きにつながるのでは……?
 なんてな。

 
 フェルゼン@ゆみこちゃんが愉快すぎたため、登場としてはいつもそのあとになるソフィア@となみちゃんの印象が、わたしには薄く感じられたのは、こまったもんだ。
 フェルゼン様に笑い転げた、そのあとだもんよ。

 それでもとなみちゃんは納得の美しさで、出番も人格もナッシングなひでー状態で、懸命に心をつないで知的な美しい女性を演じてくれました。
 ラストの修道院、水しぇんが彼女の腕の中で死んでいくのはとても美しいと思います。

 
 ロベスピエール@ひろみちゃんの成長ぶりは、すばらしいよな。
 ひろみちゃんはどんどんいい男になる。包容力が増し、存在感が増し。
 てゆーか、『エリザベート』のときのダメダメっぷりから、急激に上がってますがな。革命家に見えずどーしたもんかななエルマーと、今回の頼れるリーダーっぷりは、えらい差だ。

 
 芝居もショーもそらくん大活躍で、すげーキモチイイ。あの美貌を存分に愛でられるわー。
 客席降りでは、らぎくんがすぐ横で、もーどーしたもんかと。うはうはっ。

 キングの唯一の見せ場がハマコポジションの歌手って、そりゃ抜擢ではなく罰ゲームだろ……な、謎な扱いの数々に首を傾げつつ、せしるの唯一の見せ場がシンデレラって、ドレスのオカマはせしる的に新鮮味がないんだよなあ、とゼイタク言いつつ、谷みずせのラ・ファイエット侯のヘタレっぷりに心躍ったことを記し、筆を置くとしよう。


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