彼の哄笑が聞こえる。@新人公演『スカーレット・ピンパーネル』
2008年7月11日 タカラヅカ とにかく、おもしろかった。
新人公演『スカーレット・ピンパーネル』。
今回の話題は抜擢された主演の紅ゆずるに尽きる、のだと思う。
数日前からこんな僻地ブログにも彼の名前で検索が来まくっている。そしてもれなく3年前の記事に行きつく。がっくり。(ところで、「檀ちゃんの太股」で検索したの誰? ノリいいなヲイ・笑)
わたしもベニーは好きだし、それこそ3年前からずーっと見守ってきた子の晴れ姿、うれしいしわくわくだし、実際彼はよくやっていたしきれーだし、誇らしいキモチでいっぱいなんだが。
でも、ナニよりわたし的に「キタ!」のは、ショーヴラン@しゅんくんだ。
登場した瞬間から、トップテンション。
すでに「そこにいる」人だった。
なんかすごく鋭角的に、まっすぐに、届いたの。
あ、こーゆー人、って。
オープニングはカットされているから、彼とピポー軍曹とのやりとりはナシ。「コメディ・フランセーズ」からの登場。
マルグリット@まりもちゃんへの脅迫。彼女への執着と怒り。どす黒いモノが蠢いている。
次が、「マダム・ギロチン」だ。
登場して、歌になる。
もともと派手な歌だよ、盛り上がる歌だよ。
それにしたって、初速がすごい。
エネルギーの塊が、ぶつかってくる、感じ。
背景と、主役クラスのキャラクタのちがい。
舞台にはたくさん人がいるのに、モブの人たちと、ショーヴランの、存在の違い。彼だけがライトを浴びてマイクを使って台詞を言っている、とかゆー次元のことじゃなくて、ほんとうに登場した瞬間に、彼に目が行った。
彼が「特別」であることがわかる。
なにか別次元でイッちゃってる、闇雲な爆発。
場の空気関係ナシ。ほんと、びっくりするくらい唐突。
その、世界と関係なく爆発している孤独な魂に、涙が出た。
浮いてるのよ、まちがいなく。
ショーヴランだけ別物。
「マダム・ギロチン」を歌うパリ市民たちだって十分ダークなんだけど、ショーヴランは彼らすらぶっちぎってる。
狂気と暴力と退廃の真っ只中にいてなお、独立した闇が燃えている。
新人公演な分、ダークさや怖さ、歪みは薄くなっている。人数も減っている上に、若者たちにそんな狂ったものをモブで出せといっても無理だろう。
そんななかで、ショーヴランだけ狂気まっしぐら。
彼は、「世界」を変えようとしている。
舞台の空気は彼について来ていない。なのに彼は突き進む。力尽くで、空気を変える。彼が燃えあがることで、爆発することで、強引に空気を自分の側に寄せる。
ねじ伏せる。
そこにあるもの、世界を、舞台を。
意識してやっているというより、たんに暴走してるだけだろう(笑)。
無意識だろうと、ブレーキをかけられないだけの暴走だろうと、そんなのどーでもいい。
わたしは、ショーヴランの狂気に魅せられた。
最初の「マダム・ギロチン」で心臓がばくばくして、涙が出て。
そっから先は、ショーヴラン主役。
主役交代?! つーかはじまったばっかでパーシー@ベニーは銀橋で1曲歌っただけやがな? まだパーシーの見せ場がないまま、それだけで主役交代はフェアじゃないだろう。
……と、セルフツッコミは入るけれど、仕方ない。
「マダム・ギロチン」のショーヴランで射抜かれてしまったので、そっから先は彼が主役(笑)。
おかげで、パーシー、ムカつく(笑)。
こっちはマジに話してんの。シリアスなの、真面目なの。それをいちいちギャグでかき回しやがって、うざいっつーの。
グラパン、ギャグやりすぎ。お笑いに走るのはある意味簡単なんだから、楽な方に逃げて客席にこびるな〜〜。
と、ショーヴラン目線で『スカピン』をたのしみました(笑)。
もちろん、わたしのなかには複数のチャンネルが同時に存在しているので、パーシーが主役としてのふつーの見方もして、彼の光とやわらかさをオイシク味わっておりました。
マルグリットがなびかないことにも、苛々(笑)。や、ショーちゃん目線ですから!
彼の独り相撲ではなく、昔はほんとーにアツい恋人同士だったことが、あったんだろう。理想に燃える少女を惑乱させるくらいの熱は、ショーヴランにはふつーにあるって。
ショーヴラン主役だから、彼の歌がカットされてるのを、心から惜しんだしな。
わたしにもっと見せて、ショーヴランを。あの狂った歌をもっと聴かせて!
ふつーのラインよりはるかに高いところにある、ショーヴランのテンション。その高さが、彼のふつー。
こわい人。とてもついていけない。……そこがイイ。
マルグリットとの過去が独りよがりではないと思える以上、弟アルマン@真風を拷問するときの優柔不断さや、マルグリットに対峙するときのサディスティックさ(かわいさ余って憎さ百倍)ぶりに、説得力がある。
ショーヴランの狂気がぞくぞくさせてくれるからこそ、彼が力尽くでねじ伏せた世界を、パーシーがあっけらか〜んと陽気にひっくり返すのも、ショーヴラン目線でムカつきつつ、たのしかった。
自分の中で視点が確立したために、オセロゲームみたいに白と黒、表と裏が次々覆されていく感覚がより顕著になった。
おもしろい。
『スカーレット・ピンパーネル』って、こんなにおもしろい話だったのか!
おもしろい物語だということはわかっていたけれど、本公演では感じたことのないおもしろさだった。
ショーちゃん目線でパーシーに翻弄されると、すっげーおもしろいぞ?! 本気でムカつく、とゆーのは、本気で、物語にハマりこんでいるとゆーことだ。本気で、おもしろいとゆーことだ。
パーシーはなんつーか、サワヤカだ。
たおやかでキラキラしていて、アタマがよさそーには見えない(笑)。
スカピン団のブレーンはデュハースト@みやるりだろう。パーシーは人望でリーダーを務めるタイプで、おつむはライト感覚。つまり、天然。
天然はこわいぞ? こーゆータイプが「正義の味方」だと、悪役は絶対太刀打ちできない(笑)。なにしろ天然、ナチュラルボーン。
天使みたいな天然ヒーローと、いつも煮えたぎっているハイテンション悪役の一騎打ち。
ほんとーにふたりが闘うわけじゃないが、ふたりはそれぞれ出てきたときに舞台のムードを変える。
パーシーはキラキラペパーミントグリーンな空気に、ショーヴランは黒と赤茶の重い空気に。
オセロが裏、表、裏とターンごとにひっくり返されるように。
快感だった。
ふたつの力がせめぎ合う、そのカタルシス。
しゅんくんって、おもしろいなあ。
彼の場合、ぶっちゃけ顔が好みではないので(すまん、わたしはベニーが好きだ)、恋に落ちることはまずナイと思うんだが、芸風が素敵すぎる。
本公演では役作りも薄くて、「ナニやってんだよヲイ」ってくらい精彩に欠けているんだが、自分が真ん中になると途端輝き出すよなー。主演でなくても、真ん中でナニかするとなると、スイッチ入るみたいだ。
いい人とかかわいい役とかではなく、真の悪人こそが、彼のハマり役だと思う。
なまじ顔がかわいいから、女の子みたいな扱いばかりされてきたけれど、彼の持ち味は真逆だってば。
「悪」や「黒」を演じられる持ち味は、大事にして欲しい。てゆーか、ドSキャラは、貴重種だってこと。保護しろ、保護!!
これで頬がシャープになってくれればなあ……。
麻尋しゅんがショーヴランだったから、新人公演『スカーレット・ピンパーネル』は、おもしろかった。
や、わたし的に。
新人公演『スカーレット・ピンパーネル』。
今回の話題は抜擢された主演の紅ゆずるに尽きる、のだと思う。
数日前からこんな僻地ブログにも彼の名前で検索が来まくっている。そしてもれなく3年前の記事に行きつく。がっくり。(ところで、「檀ちゃんの太股」で検索したの誰? ノリいいなヲイ・笑)
わたしもベニーは好きだし、それこそ3年前からずーっと見守ってきた子の晴れ姿、うれしいしわくわくだし、実際彼はよくやっていたしきれーだし、誇らしいキモチでいっぱいなんだが。
でも、ナニよりわたし的に「キタ!」のは、ショーヴラン@しゅんくんだ。
登場した瞬間から、トップテンション。
すでに「そこにいる」人だった。
なんかすごく鋭角的に、まっすぐに、届いたの。
あ、こーゆー人、って。
オープニングはカットされているから、彼とピポー軍曹とのやりとりはナシ。「コメディ・フランセーズ」からの登場。
マルグリット@まりもちゃんへの脅迫。彼女への執着と怒り。どす黒いモノが蠢いている。
次が、「マダム・ギロチン」だ。
登場して、歌になる。
もともと派手な歌だよ、盛り上がる歌だよ。
それにしたって、初速がすごい。
エネルギーの塊が、ぶつかってくる、感じ。
背景と、主役クラスのキャラクタのちがい。
舞台にはたくさん人がいるのに、モブの人たちと、ショーヴランの、存在の違い。彼だけがライトを浴びてマイクを使って台詞を言っている、とかゆー次元のことじゃなくて、ほんとうに登場した瞬間に、彼に目が行った。
彼が「特別」であることがわかる。
なにか別次元でイッちゃってる、闇雲な爆発。
場の空気関係ナシ。ほんと、びっくりするくらい唐突。
その、世界と関係なく爆発している孤独な魂に、涙が出た。
浮いてるのよ、まちがいなく。
ショーヴランだけ別物。
「マダム・ギロチン」を歌うパリ市民たちだって十分ダークなんだけど、ショーヴランは彼らすらぶっちぎってる。
狂気と暴力と退廃の真っ只中にいてなお、独立した闇が燃えている。
新人公演な分、ダークさや怖さ、歪みは薄くなっている。人数も減っている上に、若者たちにそんな狂ったものをモブで出せといっても無理だろう。
そんななかで、ショーヴランだけ狂気まっしぐら。
彼は、「世界」を変えようとしている。
舞台の空気は彼について来ていない。なのに彼は突き進む。力尽くで、空気を変える。彼が燃えあがることで、爆発することで、強引に空気を自分の側に寄せる。
ねじ伏せる。
そこにあるもの、世界を、舞台を。
意識してやっているというより、たんに暴走してるだけだろう(笑)。
無意識だろうと、ブレーキをかけられないだけの暴走だろうと、そんなのどーでもいい。
わたしは、ショーヴランの狂気に魅せられた。
最初の「マダム・ギロチン」で心臓がばくばくして、涙が出て。
そっから先は、ショーヴラン主役。
主役交代?! つーかはじまったばっかでパーシー@ベニーは銀橋で1曲歌っただけやがな? まだパーシーの見せ場がないまま、それだけで主役交代はフェアじゃないだろう。
……と、セルフツッコミは入るけれど、仕方ない。
「マダム・ギロチン」のショーヴランで射抜かれてしまったので、そっから先は彼が主役(笑)。
おかげで、パーシー、ムカつく(笑)。
こっちはマジに話してんの。シリアスなの、真面目なの。それをいちいちギャグでかき回しやがって、うざいっつーの。
グラパン、ギャグやりすぎ。お笑いに走るのはある意味簡単なんだから、楽な方に逃げて客席にこびるな〜〜。
と、ショーヴラン目線で『スカピン』をたのしみました(笑)。
もちろん、わたしのなかには複数のチャンネルが同時に存在しているので、パーシーが主役としてのふつーの見方もして、彼の光とやわらかさをオイシク味わっておりました。
マルグリットがなびかないことにも、苛々(笑)。や、ショーちゃん目線ですから!
彼の独り相撲ではなく、昔はほんとーにアツい恋人同士だったことが、あったんだろう。理想に燃える少女を惑乱させるくらいの熱は、ショーヴランにはふつーにあるって。
ショーヴラン主役だから、彼の歌がカットされてるのを、心から惜しんだしな。
わたしにもっと見せて、ショーヴランを。あの狂った歌をもっと聴かせて!
ふつーのラインよりはるかに高いところにある、ショーヴランのテンション。その高さが、彼のふつー。
こわい人。とてもついていけない。……そこがイイ。
マルグリットとの過去が独りよがりではないと思える以上、弟アルマン@真風を拷問するときの優柔不断さや、マルグリットに対峙するときのサディスティックさ(かわいさ余って憎さ百倍)ぶりに、説得力がある。
ショーヴランの狂気がぞくぞくさせてくれるからこそ、彼が力尽くでねじ伏せた世界を、パーシーがあっけらか〜んと陽気にひっくり返すのも、ショーヴラン目線でムカつきつつ、たのしかった。
自分の中で視点が確立したために、オセロゲームみたいに白と黒、表と裏が次々覆されていく感覚がより顕著になった。
おもしろい。
『スカーレット・ピンパーネル』って、こんなにおもしろい話だったのか!
おもしろい物語だということはわかっていたけれど、本公演では感じたことのないおもしろさだった。
ショーちゃん目線でパーシーに翻弄されると、すっげーおもしろいぞ?! 本気でムカつく、とゆーのは、本気で、物語にハマりこんでいるとゆーことだ。本気で、おもしろいとゆーことだ。
パーシーはなんつーか、サワヤカだ。
たおやかでキラキラしていて、アタマがよさそーには見えない(笑)。
スカピン団のブレーンはデュハースト@みやるりだろう。パーシーは人望でリーダーを務めるタイプで、おつむはライト感覚。つまり、天然。
天然はこわいぞ? こーゆータイプが「正義の味方」だと、悪役は絶対太刀打ちできない(笑)。なにしろ天然、ナチュラルボーン。
天使みたいな天然ヒーローと、いつも煮えたぎっているハイテンション悪役の一騎打ち。
ほんとーにふたりが闘うわけじゃないが、ふたりはそれぞれ出てきたときに舞台のムードを変える。
パーシーはキラキラペパーミントグリーンな空気に、ショーヴランは黒と赤茶の重い空気に。
オセロが裏、表、裏とターンごとにひっくり返されるように。
快感だった。
ふたつの力がせめぎ合う、そのカタルシス。
しゅんくんって、おもしろいなあ。
彼の場合、ぶっちゃけ顔が好みではないので(すまん、わたしはベニーが好きだ)、恋に落ちることはまずナイと思うんだが、芸風が素敵すぎる。
本公演では役作りも薄くて、「ナニやってんだよヲイ」ってくらい精彩に欠けているんだが、自分が真ん中になると途端輝き出すよなー。主演でなくても、真ん中でナニかするとなると、スイッチ入るみたいだ。
いい人とかかわいい役とかではなく、真の悪人こそが、彼のハマり役だと思う。
なまじ顔がかわいいから、女の子みたいな扱いばかりされてきたけれど、彼の持ち味は真逆だってば。
「悪」や「黒」を演じられる持ち味は、大事にして欲しい。てゆーか、ドSキャラは、貴重種だってこと。保護しろ、保護!!
これで頬がシャープになってくれればなあ……。
麻尋しゅんがショーヴランだったから、新人公演『スカーレット・ピンパーネル』は、おもしろかった。
や、わたし的に。
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