誰でもよかった……でも、君だった。@凍てついた明日−ボニー&クライドとの邂逅
2008年7月18日 タカラヅカ 今ごろになって『凍てついた明日−ボニー&クライドとの邂逅』の感想。……だって他に書くモノが溜まっていて、なかなかここにたどりつけなかったんだもん……。
配役が発表になったとき、たのしみにしていたんだ。
レイモンド@コマ。
コマならきっと、愉快に、そしてステキにレイモンドを創り上げてくれると。
……えーと。
すみません、この役でコマ株がかなり落ちました(笑)。
技術がどうあれ、爆発したり暴走したりするのがコマくんだろ? なんで、ただ足りないままで終わってしまうの?
レイモンドは初演に比べ歌が増えていたりするのに、すげー地味になってました。
台詞がはっきり聞こえないのもイタイな。
コメディ担当でもあるはずなのに、笑えない……。言い回しやアクションに気を取られ、自爆した感じ?
もっとコマくんならではのレイモンド像はなかったのか??
脇役として、比重の低い役に成り下がることが、今回の意義だったんだろうか。もっとガチンコ勝負してほしかったな。
この役でコマ株暴落したけど、また別の役で上がってくれるだろーから、あまり気にしてない(笑)。コマはハズすときはハズすけど、クリティカルもキメてくれるから、ギャップをたのしんでるよー。
ボニー@さゆちゃんもまた、よくやっていたのだとは思う。
ボニーだと思わなければ、あんな感じでいいのかも。
新進女優だとか美貌の皇后とかヴァンパイアの耽美少女だとか孤独な強盗だとかは演じられなくても、セリメーヌ@『君を愛してる−Je t’aime−』みたいな役は、とてもキュートに演じられるから、そこを突き詰めていけば、それはソレでいいのかもしれない。
ふつーの女の子、というのは、ファンタジーでフェアリーになりがちなタカラヅカのなかではかえって新鮮な個性かも?
ただ、みなこと同じ衣装、つーのは気の毒でしょーがなかった。とくに2幕のボレロ・スタイル。あのボレロはいかんやろ、オギー。
ジェレミーの衣装がAチームBチームでちがっていたんだから、ボニーの衣装だって変えられたんだろうに。
さゆちゃんはボレロ無しにしてやるくらいの配慮は、演出家には必要だってば。
ネル@リサちゃんは、後半さらによくなっていた。
クライドに対する温度と距離がイイ。
たしかに愛しているけれど、距離があるんだよね。愛しているのに、アナタがこわい……アニスが言うように。
姉弟とはいっても、確実に「別の人間」である距離感。その絶望。
テッドとの関係も、だんだん色が付いて来たなー、と。
あの朴念仁を誘惑してくんないかな、ネル。バツイチの手管で。……そうやって、傷を舐め合ってくれよ。キミたち、悲しすぎるからさ。
ボニー母@五峰姐さんの演技は、よくわかりません。
初演のシビさんのコピーに見え、コピーできてないあたり、どういう意図があってあんなことになっているのか、わかんねぇ。
五峰さんいい女なんだけど、芸幅がすげー狭いから、一種類の役しか出来ないんだよなあ……ハマる役だと雰囲気ごとすごーくイイんだけど。
この役は……??
クライド母@京さんは、納得の巧さ。
こーゆー役やったら、すげーハマるよなー。「どれだけまちがっていてもいい、生きていて欲しい」……滔々と語る様が、たしかに愚かで……そう、「親」というものの勝手さと愚かさで、泣ける。
ここまで来てしまう前に、息子と向かい合うべきだったのに、困難な現実から目を背け続けて。取り返しのつかないところまで、来てしまった。
クライドと血がつながっていることが、よくわかる。
この公演で、いちばん男を上げたのは、ガオリくんじゃないか?
と、思うほどに、ロイ@ガオリがかっこいい。
なんなの、あの色気。
台詞無し、ダンスとマイムだけで、すごい存在感。
動作がすごくきれいなの。
彼が動いた瞬間に、目がいくの。無駄に多いオーディエンスの中、あそこに重要人物がいるってわかる。
2幕だっけか、歌うハマコの後ろに、初演フィナーレ衣装で登場するガオリがかっこいい。顔は帽子で見えないんだけど、その動きで彼だとわかる。
あのハマコと並んで遜色ない「男役」としての美しさって、どうよ?
いつの間にそんなことに?
エロくて黒くて、危険で。
ロイという男がどんな人間か、あざやかに記憶に刻まれるよ。
れのくんはオーディエンス。
大した役割はない。……ない、のに、あちこちにいる。
そう、舞台の真ん中に。
とても、目立つ位置に。
彼は、お花担当ですか(笑)。
部屋が殺風景だと、とりあえず花を飾るでしょ? 野郎しかいなくてむさ苦しかったら、マスコットとして女の子を置くでしょ? 暗い色ばっかで落ち込むと、明るい差し色を入れるでしょ?
れのくんは、そーゆーポジション?
なにをするでもなしに、ただ美貌を活用する。
いいなあ、オギー。わかってる使い方ですよそりゃ(笑)。
アニス@みなこちゃんは、どうも舞台荒し体質だとわかった(笑)。毎回主役を奪う勢いで演技されると大変だ。
引く演技ができるようになったら鬼に金棒だよな。
髪型といい、着こなしといい、「アニス」という少女がよくわかった。
お金持ちのお嬢様ってわけじゃなく、中流家庭の女の子。
なんつーか、ユーミンの「DOWNTOWN BOY」をすごく思い出すんだよ。
あんなにナイーブな人にはそれまで会ったことなかったという歌い出しではじまる、恋の歌。
不良少年と恋をした、ふつうの家の女の子。
彼についていくことは出来ず、泣きながら恋を終わらせた女の子。
お嬢様なんかじゃない、等身大の姿が、よりいっそう痛いよね。
でもって、テッド@ヲヅキ。
いいところでカマしたり噛んだり、忙しいヤツだな(笑)。
なんか見るたびナニかやらかしていたよーな?
1幕は2番手なのに、どんどん影が薄くなっていくのがつらい。
役としての描き方のせいもあるけれど、ヲヅキ自身欲がないとゆーか、自分の立場に甘んじている印象。
主役を喰うぐらいの気合いで臨んだら、どんなタペストリーが織られただろう?
それでもあのガタイ、あの美しさは群を抜いている。WSなんかに出てちゃダメだろキミ、と言える出来映えなのがウレシイ。
作品がおもしろいからこそ、足りない人たちにはかなり歯がゆいモノを感じるし、また、それすらも、この作品を彩るひとつだろうとも思う。
好きにキャスティングしていいなら、AチームBチーム混ぜて、選抜チームを作ってみたいなあ。
ボニー@みなこでジェレミー@まなはるだと、ジェレミーの比重はどうなるかとか、でかいジョーンズ@彩風くん相手でも、ボニー@みなこは母性を見せることができるのかとか?
役替わり無しの人たちも、別の役で見てみたいし。
レイモンド@ヲヅキなら満足できる比重になったのかしら、とか、ジェレミー@あずりんだったらどこまでやれたんだろうとか? ジョーンズ@ハウルだとさぞや美しかろうとか?
……たんに好みの人を並べただけか(笑)。
なんにせよ、作品の厚みゆえにWSとは名ばかりの、重さのある公演だった。
初演に引き続き、今回も観ることが出来て良かった。
配役が発表になったとき、たのしみにしていたんだ。
レイモンド@コマ。
コマならきっと、愉快に、そしてステキにレイモンドを創り上げてくれると。
……えーと。
すみません、この役でコマ株がかなり落ちました(笑)。
技術がどうあれ、爆発したり暴走したりするのがコマくんだろ? なんで、ただ足りないままで終わってしまうの?
レイモンドは初演に比べ歌が増えていたりするのに、すげー地味になってました。
台詞がはっきり聞こえないのもイタイな。
コメディ担当でもあるはずなのに、笑えない……。言い回しやアクションに気を取られ、自爆した感じ?
もっとコマくんならではのレイモンド像はなかったのか??
脇役として、比重の低い役に成り下がることが、今回の意義だったんだろうか。もっとガチンコ勝負してほしかったな。
この役でコマ株暴落したけど、また別の役で上がってくれるだろーから、あまり気にしてない(笑)。コマはハズすときはハズすけど、クリティカルもキメてくれるから、ギャップをたのしんでるよー。
ボニー@さゆちゃんもまた、よくやっていたのだとは思う。
ボニーだと思わなければ、あんな感じでいいのかも。
新進女優だとか美貌の皇后とかヴァンパイアの耽美少女だとか孤独な強盗だとかは演じられなくても、セリメーヌ@『君を愛してる−Je t’aime−』みたいな役は、とてもキュートに演じられるから、そこを突き詰めていけば、それはソレでいいのかもしれない。
ふつーの女の子、というのは、ファンタジーでフェアリーになりがちなタカラヅカのなかではかえって新鮮な個性かも?
ただ、みなこと同じ衣装、つーのは気の毒でしょーがなかった。とくに2幕のボレロ・スタイル。あのボレロはいかんやろ、オギー。
ジェレミーの衣装がAチームBチームでちがっていたんだから、ボニーの衣装だって変えられたんだろうに。
さゆちゃんはボレロ無しにしてやるくらいの配慮は、演出家には必要だってば。
ネル@リサちゃんは、後半さらによくなっていた。
クライドに対する温度と距離がイイ。
たしかに愛しているけれど、距離があるんだよね。愛しているのに、アナタがこわい……アニスが言うように。
姉弟とはいっても、確実に「別の人間」である距離感。その絶望。
テッドとの関係も、だんだん色が付いて来たなー、と。
あの朴念仁を誘惑してくんないかな、ネル。バツイチの手管で。……そうやって、傷を舐め合ってくれよ。キミたち、悲しすぎるからさ。
ボニー母@五峰姐さんの演技は、よくわかりません。
初演のシビさんのコピーに見え、コピーできてないあたり、どういう意図があってあんなことになっているのか、わかんねぇ。
五峰さんいい女なんだけど、芸幅がすげー狭いから、一種類の役しか出来ないんだよなあ……ハマる役だと雰囲気ごとすごーくイイんだけど。
この役は……??
クライド母@京さんは、納得の巧さ。
こーゆー役やったら、すげーハマるよなー。「どれだけまちがっていてもいい、生きていて欲しい」……滔々と語る様が、たしかに愚かで……そう、「親」というものの勝手さと愚かさで、泣ける。
ここまで来てしまう前に、息子と向かい合うべきだったのに、困難な現実から目を背け続けて。取り返しのつかないところまで、来てしまった。
クライドと血がつながっていることが、よくわかる。
この公演で、いちばん男を上げたのは、ガオリくんじゃないか?
と、思うほどに、ロイ@ガオリがかっこいい。
なんなの、あの色気。
台詞無し、ダンスとマイムだけで、すごい存在感。
動作がすごくきれいなの。
彼が動いた瞬間に、目がいくの。無駄に多いオーディエンスの中、あそこに重要人物がいるってわかる。
2幕だっけか、歌うハマコの後ろに、初演フィナーレ衣装で登場するガオリがかっこいい。顔は帽子で見えないんだけど、その動きで彼だとわかる。
あのハマコと並んで遜色ない「男役」としての美しさって、どうよ?
いつの間にそんなことに?
エロくて黒くて、危険で。
ロイという男がどんな人間か、あざやかに記憶に刻まれるよ。
れのくんはオーディエンス。
大した役割はない。……ない、のに、あちこちにいる。
そう、舞台の真ん中に。
とても、目立つ位置に。
彼は、お花担当ですか(笑)。
部屋が殺風景だと、とりあえず花を飾るでしょ? 野郎しかいなくてむさ苦しかったら、マスコットとして女の子を置くでしょ? 暗い色ばっかで落ち込むと、明るい差し色を入れるでしょ?
れのくんは、そーゆーポジション?
なにをするでもなしに、ただ美貌を活用する。
いいなあ、オギー。わかってる使い方ですよそりゃ(笑)。
アニス@みなこちゃんは、どうも舞台荒し体質だとわかった(笑)。毎回主役を奪う勢いで演技されると大変だ。
引く演技ができるようになったら鬼に金棒だよな。
髪型といい、着こなしといい、「アニス」という少女がよくわかった。
お金持ちのお嬢様ってわけじゃなく、中流家庭の女の子。
なんつーか、ユーミンの「DOWNTOWN BOY」をすごく思い出すんだよ。
あんなにナイーブな人にはそれまで会ったことなかったという歌い出しではじまる、恋の歌。
不良少年と恋をした、ふつうの家の女の子。
彼についていくことは出来ず、泣きながら恋を終わらせた女の子。
お嬢様なんかじゃない、等身大の姿が、よりいっそう痛いよね。
でもって、テッド@ヲヅキ。
いいところでカマしたり噛んだり、忙しいヤツだな(笑)。
なんか見るたびナニかやらかしていたよーな?
1幕は2番手なのに、どんどん影が薄くなっていくのがつらい。
役としての描き方のせいもあるけれど、ヲヅキ自身欲がないとゆーか、自分の立場に甘んじている印象。
主役を喰うぐらいの気合いで臨んだら、どんなタペストリーが織られただろう?
それでもあのガタイ、あの美しさは群を抜いている。WSなんかに出てちゃダメだろキミ、と言える出来映えなのがウレシイ。
作品がおもしろいからこそ、足りない人たちにはかなり歯がゆいモノを感じるし、また、それすらも、この作品を彩るひとつだろうとも思う。
好きにキャスティングしていいなら、AチームBチーム混ぜて、選抜チームを作ってみたいなあ。
ボニー@みなこでジェレミー@まなはるだと、ジェレミーの比重はどうなるかとか、でかいジョーンズ@彩風くん相手でも、ボニー@みなこは母性を見せることができるのかとか?
役替わり無しの人たちも、別の役で見てみたいし。
レイモンド@ヲヅキなら満足できる比重になったのかしら、とか、ジェレミー@あずりんだったらどこまでやれたんだろうとか? ジョーンズ@ハウルだとさぞや美しかろうとか?
……たんに好みの人を並べただけか(笑)。
なんにせよ、作品の厚みゆえにWSとは名ばかりの、重さのある公演だった。
初演に引き続き、今回も観ることが出来て良かった。
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