世界はスターを待っている・その2。
2008年7月26日 タカラヅカ ドラマのお約束、「無名の新人がチャンスを掴んで一躍大スター」……お約束ってのは、それだけ愛されているパターンだってこと。
みんなが大好きな「スター誕生」、「シンデレラ・ストーリー」。
……もちろん、わたしが語っているのは、「あまねくすべての人々が大スターだと認め、ひれ伏すほどの圧倒的カリスマ性を持ち、すべての人が美貌と華を認め、非の打ち所のない技術を有し、ヅカ関係以外のマスコミも、ヅカを見たこともない一般人も、嗜好の枠を超えて魅了するほどの才能を持ったタカラジェンヌ」が登場する、という意味じゃない。
現代にそんなジェンヌは登場しないだろう。価値観が多様化し、趣味娯楽の選択肢が広がった今、たったひとつの価値観なんか、あるわけがない。
すべての人を唸らせることなんかできない。人間はひとりずつチガウのだから。
その前提の上で、より多くの人たちに好まれるためには、個人の資質だけでなく「シチュエーション」の後押しが必要、という話。
一般人が嫌悪と不信を持つシチュエーションでデビューするより、最初から好感を持つシチュエーションでデビューした方が有利だよね? って話。
わくわくしたい。夢が見たい。
スター誕生を、みんな待ちわびている。
重要なのは、知名度。
みんながわくわくするのは「無名の若者が抜擢されてスターになる」ってことであり、すでによく知っている、今現在路線扱いされている人が路線の役をもらうことでは、ない。それじゃわくわくしない。
抜擢もシンデレラ・ストーリーも、「無名」でないとダメ。
つーことで、登場時は「抜擢」で「スター誕生」だった人たちが、その後失速するのもまた、よくあること。
サクセスもののドラマなら、実力が認められて抜擢されて主演、でゴール、ハッピーエンドでいいけれど、タカラヅカはまだ先があるから大変だ。
新公主演のあとに、トップスターまでの道のりがあるからだ。
一般大衆は抜擢が好きでシンデレラ・ストーリーが好き。
なのにタカラヅカはシステム上それらが存在しない。
どんなに実力があって納得の抜擢を受けて新公主演をし、華々しく注目を浴びた子でも、そこから先新公主演を独占したり、本公演やバウ公演などで重要な役を独占したりする状態が続くと、人気は下降する。
人々が好きなシンデレラ・ストーリーでなくなってしまうからだ。
オイシイ立場の独占はシンデレラでなく、シンデレラの姉、ヒールのやることだからだ。
独占すること自体がマイナス・イメージになって、人気につながらない。
抜擢によりスター誕生!と新公主演しても、そのあとトップスターになるまで5年から7年、ヘタすりゃ10年とかかかっちゃう現状では、そりゃー飽きられるって。
10年間も主要な役をやり続けたら、ちっとも「シンデレラ」じゃないし、「スター誕生」でもない。人々が大好きなパターンじゃない。
価値観が多様化した現代、「みんなが好きなパターン」という後押し無しに「汎用的人気スター」を作るのは、そりゃ難しいだろう。
それゆえに「路線」として安泰コースを何年も歩き続けている人たちよりも、「脇」とされていた大空祐飛の人気が際立ってきたりするんだろう。「脇からの抜擢」はみんなが好きなシンデレラ・ストーリーだもの。
や、ゆーひくんほんと脇の人だったんだってば。新公主演してるけど、ずーっと脇扱いだった。それが長い時間を掛けて、真ん中へやって来たの。
もちろんゆーひくん自身の魅力あってのことだが、シチュエーションの後押しもあっただろう。なんせ、彼の歩んでいる道のりがすでにドラマめいてる。
また、最初の抜擢をまちがえると、思うように人気にならないんだよなー。
ベニーと似たケースに、月組の龍真咲がいる。
彼もまた新公ですらろくに役がつかず、副組長の役とか、路線扱いの子なら与えられない役をやっていた。素顔がきれいだからスカイフェアリーズはやっていたけれど、初期のスカフェならいざ知らず、今のスカフェが路線とは関係ないことは周知の事実。組ファンなら知っていても、他組ファンには無名。
それがまさかの抜擢でスター路線へ出てきた。……が。
まったくの無名の下級生の抜擢だったが、新公ではなくWS主演だった。
先に語った通り、WSは話題にはなっても、誰も、観に行かない。バウ公演つーのは、出演者のもともとの人気で集客するもので、「知らない子だから観に行こう」とは、ディープな人以外考えない。
実際に観た人は極少ないまま、名前だけがライト層にも認知される。
そのため、多くの人の目に触れる新公主演が回ってきたときには「無名の下級生の抜擢」でも「シンデレラ・ストーリー」でもなく、ただの「順当」「平凡」「日常」に成り下がっていた。
ある程度できても「路線だから当然」「今までだって主演してきたんだから当然」で、「抜擢された無名の新人」に対するわくわく感ゆえの寛大な目線ではなくなっている。
まさきがまったく無名のまま新公主演をしていたら、世間の評価も変わっていたんだろうなと思う。
今回の紅ゆずるの星組新公主演において、意外なほど世間が騒いだ。
配役発表があったときは、わたしもおどろいた。わくわくした。
実際に新公を観て、さらにわくわくした。
でも。
……ここまで騒ぐんだ、という驚きもある。
こーゆーあざやかな抜擢人事って、何年ぶり? 2005年の朝夏まなと抜擢以来か。まぁくんはほんと脇からの抜擢だった。ひとつ前の公演では新公ですら役らしい役が付いてなかった。
2001年の音月桂抜擢も当時は話題だったな。ただしこちらは今の明日海りお・真風涼帆に近い。組配属されてすぐに、新公で路線役がついていたから、「路線」という意識はすでに組ファンにはあったろう。しかし、研4での初主演は組を超えて注目された。
本人の勉強のためにはずーっと重要な役を与え続けたり、バウで主演させたりするのは有効だが、人気というと難しいよな、と思う。
登場時はたしかに「抜擢」で「シンデレラ・ストーリー」で、みんなわくわくしていたけれど。
舞台は経験が物をいうから、役や場を与えなければならない。
しかし役や場を与え続けると、シチュエーションの後押しがなくなり、マイナス・イメージになりかねない。
矛盾してるよなー。どこのカオス・フレームだ(笑)。
「シンデレラ・ストーリー」というプラス・イメージのシチュエーション無しで、露出が増えるごとに・知名度が増すごとに人気を得られるスターが登場すれば、それでいいのだろうけど。
現実問題、難しいよなあ。
まったくの無名から抜擢されて新公主演しても、そっから10年近くかかるんじゃあ、流れの速い現代、人気を持続することは難しいよなあ。
どうすれば本当の「スター誕生!」になるのかは、正直わからない。
人の好みも価値観も、多種多様すぎて、ヅカファンの数だけすべてをフォローできる魅力、なんてもの、想像もつかない。
ただ、一人っ子政策が、ファンのニーズとかけ離れていることは、わかる(笑)。
「無名からの抜擢」「脇や下積みから、光のあたる場所へ」てなシチュエーションが好まれるのだから、「オイシイ立場を独り占め」がマイナスなのは想像に難くない。
見事にみんなの大好きなシチュエーションでデビューした、ベニーの成長をわくわく見守りたい。
ムラの星組新公、すごかった。あの空気、拍手の音。
彼、おもしろいよ? 美貌と、タカラヅカ的な力を持っている。
キムやまぁくん、まさきがそうであるように。
スター誕生。
みんなみんな、わくわくしたかったんだね。
問題は、これからだ。
タカラヅカが好き。
結局いつだって、わくわくしている。
みんなが大好きな「スター誕生」、「シンデレラ・ストーリー」。
……もちろん、わたしが語っているのは、「あまねくすべての人々が大スターだと認め、ひれ伏すほどの圧倒的カリスマ性を持ち、すべての人が美貌と華を認め、非の打ち所のない技術を有し、ヅカ関係以外のマスコミも、ヅカを見たこともない一般人も、嗜好の枠を超えて魅了するほどの才能を持ったタカラジェンヌ」が登場する、という意味じゃない。
現代にそんなジェンヌは登場しないだろう。価値観が多様化し、趣味娯楽の選択肢が広がった今、たったひとつの価値観なんか、あるわけがない。
すべての人を唸らせることなんかできない。人間はひとりずつチガウのだから。
その前提の上で、より多くの人たちに好まれるためには、個人の資質だけでなく「シチュエーション」の後押しが必要、という話。
一般人が嫌悪と不信を持つシチュエーションでデビューするより、最初から好感を持つシチュエーションでデビューした方が有利だよね? って話。
わくわくしたい。夢が見たい。
スター誕生を、みんな待ちわびている。
重要なのは、知名度。
みんながわくわくするのは「無名の若者が抜擢されてスターになる」ってことであり、すでによく知っている、今現在路線扱いされている人が路線の役をもらうことでは、ない。それじゃわくわくしない。
抜擢もシンデレラ・ストーリーも、「無名」でないとダメ。
つーことで、登場時は「抜擢」で「スター誕生」だった人たちが、その後失速するのもまた、よくあること。
サクセスもののドラマなら、実力が認められて抜擢されて主演、でゴール、ハッピーエンドでいいけれど、タカラヅカはまだ先があるから大変だ。
新公主演のあとに、トップスターまでの道のりがあるからだ。
一般大衆は抜擢が好きでシンデレラ・ストーリーが好き。
なのにタカラヅカはシステム上それらが存在しない。
どんなに実力があって納得の抜擢を受けて新公主演をし、華々しく注目を浴びた子でも、そこから先新公主演を独占したり、本公演やバウ公演などで重要な役を独占したりする状態が続くと、人気は下降する。
人々が好きなシンデレラ・ストーリーでなくなってしまうからだ。
オイシイ立場の独占はシンデレラでなく、シンデレラの姉、ヒールのやることだからだ。
独占すること自体がマイナス・イメージになって、人気につながらない。
抜擢によりスター誕生!と新公主演しても、そのあとトップスターになるまで5年から7年、ヘタすりゃ10年とかかかっちゃう現状では、そりゃー飽きられるって。
10年間も主要な役をやり続けたら、ちっとも「シンデレラ」じゃないし、「スター誕生」でもない。人々が大好きなパターンじゃない。
価値観が多様化した現代、「みんなが好きなパターン」という後押し無しに「汎用的人気スター」を作るのは、そりゃ難しいだろう。
それゆえに「路線」として安泰コースを何年も歩き続けている人たちよりも、「脇」とされていた大空祐飛の人気が際立ってきたりするんだろう。「脇からの抜擢」はみんなが好きなシンデレラ・ストーリーだもの。
や、ゆーひくんほんと脇の人だったんだってば。新公主演してるけど、ずーっと脇扱いだった。それが長い時間を掛けて、真ん中へやって来たの。
もちろんゆーひくん自身の魅力あってのことだが、シチュエーションの後押しもあっただろう。なんせ、彼の歩んでいる道のりがすでにドラマめいてる。
また、最初の抜擢をまちがえると、思うように人気にならないんだよなー。
ベニーと似たケースに、月組の龍真咲がいる。
彼もまた新公ですらろくに役がつかず、副組長の役とか、路線扱いの子なら与えられない役をやっていた。素顔がきれいだからスカイフェアリーズはやっていたけれど、初期のスカフェならいざ知らず、今のスカフェが路線とは関係ないことは周知の事実。組ファンなら知っていても、他組ファンには無名。
それがまさかの抜擢でスター路線へ出てきた。……が。
まったくの無名の下級生の抜擢だったが、新公ではなくWS主演だった。
先に語った通り、WSは話題にはなっても、誰も、観に行かない。バウ公演つーのは、出演者のもともとの人気で集客するもので、「知らない子だから観に行こう」とは、ディープな人以外考えない。
実際に観た人は極少ないまま、名前だけがライト層にも認知される。
そのため、多くの人の目に触れる新公主演が回ってきたときには「無名の下級生の抜擢」でも「シンデレラ・ストーリー」でもなく、ただの「順当」「平凡」「日常」に成り下がっていた。
ある程度できても「路線だから当然」「今までだって主演してきたんだから当然」で、「抜擢された無名の新人」に対するわくわく感ゆえの寛大な目線ではなくなっている。
まさきがまったく無名のまま新公主演をしていたら、世間の評価も変わっていたんだろうなと思う。
今回の紅ゆずるの星組新公主演において、意外なほど世間が騒いだ。
配役発表があったときは、わたしもおどろいた。わくわくした。
実際に新公を観て、さらにわくわくした。
でも。
……ここまで騒ぐんだ、という驚きもある。
こーゆーあざやかな抜擢人事って、何年ぶり? 2005年の朝夏まなと抜擢以来か。まぁくんはほんと脇からの抜擢だった。ひとつ前の公演では新公ですら役らしい役が付いてなかった。
2001年の音月桂抜擢も当時は話題だったな。ただしこちらは今の明日海りお・真風涼帆に近い。組配属されてすぐに、新公で路線役がついていたから、「路線」という意識はすでに組ファンにはあったろう。しかし、研4での初主演は組を超えて注目された。
本人の勉強のためにはずーっと重要な役を与え続けたり、バウで主演させたりするのは有効だが、人気というと難しいよな、と思う。
登場時はたしかに「抜擢」で「シンデレラ・ストーリー」で、みんなわくわくしていたけれど。
舞台は経験が物をいうから、役や場を与えなければならない。
しかし役や場を与え続けると、シチュエーションの後押しがなくなり、マイナス・イメージになりかねない。
矛盾してるよなー。どこのカオス・フレームだ(笑)。
「シンデレラ・ストーリー」というプラス・イメージのシチュエーション無しで、露出が増えるごとに・知名度が増すごとに人気を得られるスターが登場すれば、それでいいのだろうけど。
現実問題、難しいよなあ。
まったくの無名から抜擢されて新公主演しても、そっから10年近くかかるんじゃあ、流れの速い現代、人気を持続することは難しいよなあ。
どうすれば本当の「スター誕生!」になるのかは、正直わからない。
人の好みも価値観も、多種多様すぎて、ヅカファンの数だけすべてをフォローできる魅力、なんてもの、想像もつかない。
ただ、一人っ子政策が、ファンのニーズとかけ離れていることは、わかる(笑)。
「無名からの抜擢」「脇や下積みから、光のあたる場所へ」てなシチュエーションが好まれるのだから、「オイシイ立場を独り占め」がマイナスなのは想像に難くない。
見事にみんなの大好きなシチュエーションでデビューした、ベニーの成長をわくわく見守りたい。
ムラの星組新公、すごかった。あの空気、拍手の音。
彼、おもしろいよ? 美貌と、タカラヅカ的な力を持っている。
キムやまぁくん、まさきがそうであるように。
スター誕生。
みんなみんな、わくわくしたかったんだね。
問題は、これからだ。
タカラヅカが好き。
結局いつだって、わくわくしている。
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