雪組初日観劇感想の続き。じっくり書く予定はないので、簡単に、ざくっと。

 んで、2時間にもわたる芝居、『マリポーサの花』は。

 今すぐコレ、バウホールで上演してくれ。

 大劇場でやる芝居ぢゃない。
 よくも悪くも。

 わたしは今日2階の隅っこで観劇したんだが、舞台が遠かった……。
 普段ここまで「遠い」とは感じない。
 だって芝居が「小さい」の。言葉が悪いというなら、言い換えよう。「繊細」で「深い」ので、2500人劇場に向いてないの。
 広大な舞台全面を使って、たった2人か3人程度でえんえんえんえん向かい合って喋っている場面の連続。
 気分はストレート・プレイなので、歌やダンスが唐突で、無理矢理入れました感はあるわ、浮いてるわで。
 せっかくの戦闘シーンも舞台の広さに合ってない。場をもてあましている。

 フィナーレのショーシーンに至っては、もう、なんというか……正塚せんせ、ショーは向いてないんだね、つか、誰だ正塚にフィナーレ作らせたのは。て、感じだし。芝居も大劇場は向いてないんだね、と駄目押しされた気分(笑)。

 頼む、バウにしてくれ。
 せめて、ドラマシティ希望。
 その程度のハコでやるべき作品だ。

 バウ公演ならコレ、佳作になりうるから。

 大劇場で上演する意義がわからない。
 全ツで『銀の狼』を上演した意義がわからないように。

 『マリポーサの花』は、コースに入ってるからと、お弁当食べる座席目的でやってくる団体さんや、夏休みに行楽感覚でやってくる家族連れの楽しめる演目じゃない。
 一点に集中して2時間観劇できる、役者の呼吸がわかる範囲の小中劇場で、濃密な空間でやってくれ。

 もったいない。

 あの大きなハコで、散漫にダラダラ上演してしまうのが、もったいないよぅ。

 てゆーかわたしに、バウホール版『マリポーサの花』を見せてくれ。水夏希を見せてくれ。がうがう。

 や、とにかく水くんが格好いい。

 大丈夫、ファンは水くん眺めに通えます。
 あの人……水くんが演じるネロさん、好きです。

 愛し合うモノ同士なら地の果てでもしあわせ……てのがヅカ的世界観だけど、ネロはそうじゃなくて。

 愛する女の手を離してまで、闘う理由。
 ネロさん、好きです。
 
 となみちゃんは「正塚芝居のとなみちゃん」。いつも似たカラーになるのは、それが正塚のとなみちゃんのイメージなのかな?
 
 キムは学生革命家。若く、青く……そして、狂気を秘める。
 理想による暴力の正当化を語る彼は、純粋さと善良さの奥に毒があってえらいことになってます(笑)。

 ゆみこはワイルドキャラ。水しぇんに潔いまでに片想い。片想いゆみこ好きなんでたのしい。(役名で言おうよ)
 しかしほんとに片想い爆裂してんなー、可哀想だなここまで来ると。
 惚れた男の愛した女のために、生命懸けますか。どこまでも尽くし続けますか。すげー健気だぞヲイ。水しぇん少しは振り向いてやれよ!!
 と、思ってたら、最後、報われてるじゃん!!
 なんだー、まるきし片想いでもないんだー。よかったねー!! いい笑顔だ、ラスト。

 アタマのいい役をするかなめくんを、はぢめて見た気がする? アタマ良く見えにくいけど、アレってアタマいい役だよね?
 にこやかに冷酷、さわやかにドS?

 ヲヅキは何故ああまで笑われるのでせう……みんな、ヲヅキだからって笑い過ぎぢゃあ?
 大学院生の娘がいるんだから、40代だよね?
 熱烈に水夏希を口説く、緒月遠麻。そして、完膚無きまでに振られるヲヅキトオマ(笑)。いや、いいもん見た。(だから役名で言えって……)

 コマの役は必要なのか? や、正塚定番キャラだけど。
 定番といえばシナちゃんも、定番キャラだった(笑)。つか、メイドコス萌え。

 いづるん、たのしい。あの呼吸、うまい。
 しゅうくんがナニ気にオイシイ。

 まやさんがいるのは定番を通り越して当たり前なのでヨシとして。

 元軍人、という設定の水くんとゆみこのふたりが、ほんとーに「強い男」として描かれてます。
 ヘタに殺陣とかやるより、「強い」ことがわかる描き方してる。凄腕のプロフェッショナルたちなんだろう。ハードボイルドなんだろう。
 ……ヲヅキ演じるマフィアやハマコ演じる大統領がまぬけに見えるのが、ちとつらいですが。や、敵対するモノが強くないと、そんな奴らをのしても強く見えにくいから。

 2階席から見た戦闘シーンの空間のすかすかぶりがなあ……。戦闘服姿の水ゆみはすげーかっこいいのに。
 バウでなら、きっとかっこいい場面になったんだろうになあ。

 『ソロモンの指輪』は2階席からもそりゃー美しくてオススメだが、『マリポーサの花』は1階前方席で観るモノかもしれんな……。2階はつらい……。
 あ、『ソロモンの指輪』ではらしくない歌い方で大変なことになっていたゆみこが、『マリポーサの花』ではゆみこらしいきれーな歌声でじっくり聴かせてくれて、ほっとした(笑)。
 
 
 帰り道、わたしは宝塚駅下の書店で本日発売の「ファミ通」買って、電車の中でずっと読んでたわけだが(『SIREN』攻略記事、あれだけ?! 今わたし、最終章で詰まってんですけど?!)、ふと顔を上げると『マリポーサの花』のポスターが目に入った。

 美しい水しぇんと、美しいとなみちゃん、ふたりだけのポスター。

 わたしのヅカファン人生において、トップコンビだけしか載っていない大劇場ポスターって見たことなかったよな、と、以前過去を振り返ってみたんだ。
 『ミレニアム・チャレンジャー』東宝版はタカハナふたり写りだけど、それは新専科制度導入のどさくさで、ムラ版にはちゃんと2番手のワタルが載っていた。
 『追憶のバルセロナ』はブンちゃんまひるちゃんふたり写りだけど、このときは別に同時上演のショー『ON THE 5th』があって、2・3番手がそっちに載っていた。
 だからやっぱり、1枚こっきりのポスターでトップコンビふたり写り、つーのは異例中の異例なんだ。

 なんで2番手のゆみこが載っていないんだろう、とずっと不思議だったが、謎が解けた。

 水となふたり写りポスターに添えられたキャッチ・コピーは、「それは、生きている証」だ。

 そうかコレって、ゆみこのことだ。

 ゆみこが演じている役、えーと名前なんだっけ、なんか耳慣れない難しい名前(笑)。
 彼のテーマソングじゃん、生きる意味がどーのって。

 なんのために生きるのか、自分の人生に意味はあるのかって自問していた彼の、得た答え。
 それが、愛する男と、その男が生命懸けで守ろうとした女なんじゃん。

 ポスターにゆみこがいないわけだ。
 だってコレ、ゆみこの脳内にある「俺の宝物」「俺が守ったモノ」の図ぢゃん!!(笑)

 ……とまあ、そんなこんな。


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