幽霊のいる風景。@外伝 ベルサイユのばら-アラン編-
2008年9月20日 タカラヅカ 私の名前はディアンヌ。
驚かないでね、ユ・ウ・レ・イ、なのっ♪
うふふ、あはは。
10年も前に死んじゃったんだけど、大好きなお兄さんに取り憑いて、ずーーっとこの世にいるの。
時が止まったままだから、いつまでも少女のまんまよ。
お兄さんはいい人だから、私が取り憑いていても、嫌がったりしないの。私が姿を現して、話しかけてもちゃんと相手をしてくれるの。
うふふ、あはは。
今日は想い出の場所にやってきたわ。お兄さんがフランス衛兵隊隊士だったころに毎日来ていた、練兵場跡。ベルサイユ宮殿の廃墟が見えるわ。
お兄さんはココで、昔話をはじめるの。昔愛したひとの話を。
うふふ、あはは。
私はそれをじっくり聞いてあげるの。
時間を掛けて、聞いてあげるの。
この場所にいなくちゃならないの。
だって。
もうすぐここに、ナポレオンの刺客がやってくるの。お兄さんを殺しに来るのよ。
だからここにいなくちゃね。
私がどうして死んだか、教えてあげるね。
自殺したの。
自分で死んだの。
裏切られて死んだの。
世の中全部、恨んで死んだの。
世界全部、呪って死んだの。
特に、お兄さんを憎んで死んだの。恨んで死んだの。呪って死んだの。
お兄さんは、私のモノだったのに。私だけのモノだったのに。
なのにお兄さんは、別の女性を愛した。
お兄さんの心が離れていくことに耐えられなくて、私は結婚を決めた。お兄さんの出世の手伝いができるように、貴族の男と。
私の力添えで出世できれば、きっとお兄さんは私に感謝する。なにも与えてくれないあのひとよりも、私を愛するようになる。そう思うと、結婚できることがうれしくてうれしくて、たまらなかった。
全部、お兄さんのためだった。
なのに希望を託した結婚が、ダメになった。相手の貴族は私を捨て、お金持ちの娘と結婚してしまった。
お兄さんの未来のために、あのひとからその心を取り返すために、最後の手段だったのに。身を捨てて、懸けていたのに。
お兄さんのために。お兄さんのせいで。
裏切られた私は、首を吊った。
世の中全部、恨んで死んだの。
世界全部、呪って死んだの。
特に、お兄さんを憎んで死んだの。恨んで死んだの。呪って死んだの。
苦しかったわ。悲しかったわ。惨めだったわ。
だから……ねっ。
お兄さんも、苦しまなきゃダメよ。悲しまなきゃダメよ。惨めにならなきゃダメよ。
うふふ、あはは。
お兄さんの愛したあのひとは革命で無惨に死に、お兄さんも片腕を失った。結婚もせず、私だけを話し相手に孤独に時を過ごした。
苦しい苦しい10年だったわね。
なのにお兄さん、偉くなり過ぎちゃったの。
隻腕将軍とかおだてられちゃって、このままいけば、きっと幸せになっちゃうわ。
そんなのダメ。許さない。
ほら、死の足音が近づいてくるわ。
うふふ、あはは。
私の名前はディアンヌ。
驚かないでね、ア・ク・リョ・ウ、なのっ♪
あんな死に方したんだもん、天国には行けないわ。
みんなみんな、不幸になるがいい。
☆
はいはいはい、大爆笑作『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』初日観劇して来ました。
すごかったっすよ、幽霊と話すヒーローの話。
整合性なんかどこにもない、正気の人間が作るのは不可能だろーめちゃくちゃさ。
きっとひどい作品だ、と心構えていたにもかかわらず、その斜め上を行く電波っぷり。
なんかねえ、途中から感動したというか、悟りの域に入っちゃって。
ここまですごいものを作ることが、ふつーの人間に出来るだろうか。いや、出来まい。やっぱ植爺はふつーぢゃないわ、と。
や、とりあえずおもしろいから、話のタネに1回は観てくれ! 損はない!(笑)
コムまー『ベルばら』でまさかのガチレズ話を展開した植爺、今回は近親相姦です。
ディアンヌが愛していたのは、実は兄のアランだった。告白されたアランは、「いじらしい妹よ」と話を絶妙に変換して華麗にスルー。おお、いいぞアラン、GJ!
でも、ふたりでラヴソングは歌っちゃう。
オスカルはステキに変人。ちょっと教祖様入ってるらしく、隙あれば「人間は自由なのだ教」の街頭演説はじめる。あのソレ、さっきも聞きました……がてんこ盛り。しょうがないか、教祖様だしな。
教義を語るだけではなく、向上心も持ち合わせている彼女は、ペロッと舌を出して自分のアタマをコツンとやり、(イメージです)「私もまだ修行が足りないな、反省、反省(はぁと)」と言ったりする(現実です)。
モテモテですが、誰を好きなのかは、謎です。……魔性の女?!(白目)
アンドレは、絶好調です。
もー、もー、この狂った作品を支えているのは彼だっ!! 最高だ、アンドレ!!
人の話は聞かない、空気読まない、自分の世界しか見えない。すげーことになっているが、彼こそが物語に正しく迎合し、自在に空気を吸って生きている。
独白の長いことってば。
どこの場所だか知らないが、1曲歌って「オスカル、オスカル、愛しのオスカル~~」と自分の気持ちやら立ち位置やらをえんえんえんえん独り言。
あんまり長々とやっているから、ジェローデルが通りかかった。まあもちろん、人の話を聞かないアンドレだから、ジェロ様の長台詞なんか聞いちゃいねえ。ジェロ様がいなくなっても関係ねぇ。
そのままやっぱり「オスカル、オスカル、愛しのオスカル~~」と自分の気持ちやら立ち位置やらをえんえんえんえん独り言。あのソレ、さっきも聞きました……てゆーか、「忘れもしない、お前とはじめて出会った日のこと」……リセットどころかマイナス地点から語り直すつもりかお前?!!
あんまり長々とやっているから、今度はアランが通りかかった。そしてふたりで「小学生のケンカ」をおっぱじめる。「お前のかーちゃんデーベーソ」「お前のとーちゃんデーベーソ」的やりとりの挙げ句、「なんだとーっ」「こいつぅ!」ととっくみあい……。てゆーかここ、どこ? ジェロがふつーに歩いてて、アランがふつーに歩いてる、いったいどこでアンタ、長々と独り言言ってたの?
このぶっとばしているアンドレに、これまたぶっとばしているオスカルが、絶妙の空気感で存在しているの。
あうんの呼吸、アンドレが回転レシーブ、それをそのままダイレクトにオスカルが弾丸スパイク、アラン取れない! コートに沈んだ!! ……あー、そんな感じっす。
いやあ、いいなあ、壮ドレにみわカル……。このふたり、いいよー。
大変なのは、アランだ……。
主役のハズが、やっていることと言えば、幽霊のディアンヌと「物語のあらすじ」を解説しているだけだし。
アンドレとオスカルがぶっとばしている分、リズム合わなくて空回ってるし。てゆーか、アランってばすげーまともな人だ……。
他の人たちがまともぢゃないから、ただひとりまともな彼が、ひとりで割喰ってる。
なのに、その唯一まともな彼のコント相手は、ゆーれいだし。
ナニ、この凄まじい話(笑)。
あー。
まとぶさんも、えりたんも、みわっちも、大好きだー。
花組ダイスキ。たのしー。
や、とにかくおもしろいですってば、『アラン編』。それは嘘ぢゃない(笑)。
驚かないでね、ユ・ウ・レ・イ、なのっ♪
うふふ、あはは。
10年も前に死んじゃったんだけど、大好きなお兄さんに取り憑いて、ずーーっとこの世にいるの。
時が止まったままだから、いつまでも少女のまんまよ。
お兄さんはいい人だから、私が取り憑いていても、嫌がったりしないの。私が姿を現して、話しかけてもちゃんと相手をしてくれるの。
うふふ、あはは。
今日は想い出の場所にやってきたわ。お兄さんがフランス衛兵隊隊士だったころに毎日来ていた、練兵場跡。ベルサイユ宮殿の廃墟が見えるわ。
お兄さんはココで、昔話をはじめるの。昔愛したひとの話を。
うふふ、あはは。
私はそれをじっくり聞いてあげるの。
時間を掛けて、聞いてあげるの。
この場所にいなくちゃならないの。
だって。
もうすぐここに、ナポレオンの刺客がやってくるの。お兄さんを殺しに来るのよ。
だからここにいなくちゃね。
私がどうして死んだか、教えてあげるね。
自殺したの。
自分で死んだの。
裏切られて死んだの。
世の中全部、恨んで死んだの。
世界全部、呪って死んだの。
特に、お兄さんを憎んで死んだの。恨んで死んだの。呪って死んだの。
お兄さんは、私のモノだったのに。私だけのモノだったのに。
なのにお兄さんは、別の女性を愛した。
お兄さんの心が離れていくことに耐えられなくて、私は結婚を決めた。お兄さんの出世の手伝いができるように、貴族の男と。
私の力添えで出世できれば、きっとお兄さんは私に感謝する。なにも与えてくれないあのひとよりも、私を愛するようになる。そう思うと、結婚できることがうれしくてうれしくて、たまらなかった。
全部、お兄さんのためだった。
なのに希望を託した結婚が、ダメになった。相手の貴族は私を捨て、お金持ちの娘と結婚してしまった。
お兄さんの未来のために、あのひとからその心を取り返すために、最後の手段だったのに。身を捨てて、懸けていたのに。
お兄さんのために。お兄さんのせいで。
裏切られた私は、首を吊った。
世の中全部、恨んで死んだの。
世界全部、呪って死んだの。
特に、お兄さんを憎んで死んだの。恨んで死んだの。呪って死んだの。
苦しかったわ。悲しかったわ。惨めだったわ。
だから……ねっ。
お兄さんも、苦しまなきゃダメよ。悲しまなきゃダメよ。惨めにならなきゃダメよ。
うふふ、あはは。
お兄さんの愛したあのひとは革命で無惨に死に、お兄さんも片腕を失った。結婚もせず、私だけを話し相手に孤独に時を過ごした。
苦しい苦しい10年だったわね。
なのにお兄さん、偉くなり過ぎちゃったの。
隻腕将軍とかおだてられちゃって、このままいけば、きっと幸せになっちゃうわ。
そんなのダメ。許さない。
ほら、死の足音が近づいてくるわ。
うふふ、あはは。
私の名前はディアンヌ。
驚かないでね、ア・ク・リョ・ウ、なのっ♪
あんな死に方したんだもん、天国には行けないわ。
みんなみんな、不幸になるがいい。
☆
はいはいはい、大爆笑作『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』初日観劇して来ました。
すごかったっすよ、幽霊と話すヒーローの話。
整合性なんかどこにもない、正気の人間が作るのは不可能だろーめちゃくちゃさ。
きっとひどい作品だ、と心構えていたにもかかわらず、その斜め上を行く電波っぷり。
なんかねえ、途中から感動したというか、悟りの域に入っちゃって。
ここまですごいものを作ることが、ふつーの人間に出来るだろうか。いや、出来まい。やっぱ植爺はふつーぢゃないわ、と。
や、とりあえずおもしろいから、話のタネに1回は観てくれ! 損はない!(笑)
コムまー『ベルばら』でまさかのガチレズ話を展開した植爺、今回は近親相姦です。
ディアンヌが愛していたのは、実は兄のアランだった。告白されたアランは、「いじらしい妹よ」と話を絶妙に変換して華麗にスルー。おお、いいぞアラン、GJ!
でも、ふたりでラヴソングは歌っちゃう。
オスカルはステキに変人。ちょっと教祖様入ってるらしく、隙あれば「人間は自由なのだ教」の街頭演説はじめる。あのソレ、さっきも聞きました……がてんこ盛り。しょうがないか、教祖様だしな。
教義を語るだけではなく、向上心も持ち合わせている彼女は、ペロッと舌を出して自分のアタマをコツンとやり、(イメージです)「私もまだ修行が足りないな、反省、反省(はぁと)」と言ったりする(現実です)。
モテモテですが、誰を好きなのかは、謎です。……魔性の女?!(白目)
アンドレは、絶好調です。
もー、もー、この狂った作品を支えているのは彼だっ!! 最高だ、アンドレ!!
人の話は聞かない、空気読まない、自分の世界しか見えない。すげーことになっているが、彼こそが物語に正しく迎合し、自在に空気を吸って生きている。
独白の長いことってば。
どこの場所だか知らないが、1曲歌って「オスカル、オスカル、愛しのオスカル~~」と自分の気持ちやら立ち位置やらをえんえんえんえん独り言。
あんまり長々とやっているから、ジェローデルが通りかかった。まあもちろん、人の話を聞かないアンドレだから、ジェロ様の長台詞なんか聞いちゃいねえ。ジェロ様がいなくなっても関係ねぇ。
そのままやっぱり「オスカル、オスカル、愛しのオスカル~~」と自分の気持ちやら立ち位置やらをえんえんえんえん独り言。あのソレ、さっきも聞きました……てゆーか、「忘れもしない、お前とはじめて出会った日のこと」……リセットどころかマイナス地点から語り直すつもりかお前?!!
あんまり長々とやっているから、今度はアランが通りかかった。そしてふたりで「小学生のケンカ」をおっぱじめる。「お前のかーちゃんデーベーソ」「お前のとーちゃんデーベーソ」的やりとりの挙げ句、「なんだとーっ」「こいつぅ!」ととっくみあい……。てゆーかここ、どこ? ジェロがふつーに歩いてて、アランがふつーに歩いてる、いったいどこでアンタ、長々と独り言言ってたの?
このぶっとばしているアンドレに、これまたぶっとばしているオスカルが、絶妙の空気感で存在しているの。
あうんの呼吸、アンドレが回転レシーブ、それをそのままダイレクトにオスカルが弾丸スパイク、アラン取れない! コートに沈んだ!! ……あー、そんな感じっす。
いやあ、いいなあ、壮ドレにみわカル……。このふたり、いいよー。
大変なのは、アランだ……。
主役のハズが、やっていることと言えば、幽霊のディアンヌと「物語のあらすじ」を解説しているだけだし。
アンドレとオスカルがぶっとばしている分、リズム合わなくて空回ってるし。てゆーか、アランってばすげーまともな人だ……。
他の人たちがまともぢゃないから、ただひとりまともな彼が、ひとりで割喰ってる。
なのに、その唯一まともな彼のコント相手は、ゆーれいだし。
ナニ、この凄まじい話(笑)。
あー。
まとぶさんも、えりたんも、みわっちも、大好きだー。
花組ダイスキ。たのしー。
や、とにかくおもしろいですってば、『アラン編』。それは嘘ぢゃない(笑)。
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