『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』初日。
 わたしは、1階席ほぼドセンターにいた。劇場の真ん中あたり。「舞台」を観るにも、贔屓をガン見するにも最適なあたり。
 しかし。
 この席には、思わぬ落とし穴が。

 はいはいはい、お待たせしました、まっつの話です。
 誰も待ってない、とかのツッコミ不可、まずまっつを語らないと他の感想が落ち着いて書けないもんよ。

 
 全組使いまわしのオープニングが華やかにはじまったとき。
 ヒロインを真ん中に、2、3番手が並び(役とは無関係に序列だけで決まる、なにしろ全組使いまわし前提だから)、その周囲を小公女もどき、小公子もどきが半円を描いて囲む。「ベルサイユ~~、ベルサイユ~~」と、お約束の歌をみんなで歌う。
 わたしはなにしろドセンターにいるから、すべてが一望でき……一望……あれ? まっつが、いない?

 番手のない男たちは全員金髪マッシュルーム……つーか、おかっぱヘア、白タイツに宮廷靴で膝丈パンツ履いて「ソレ、なんの罰ゲーム?」なことになっている。まっつだってここにいるはず……だ。
 最初に目に飛びこんできたのは、めぐむ氏の満面の笑顔。金髪を揺らして、凶悪なまでににっこり笑っている。反対側にいるのは、りせだ。りせのすごいとこは、この学年になってもこーゆー格好がそれなりに似合っちゃうこと。このフェアリーめ(笑)。
 まぁくん、しゅん様、よっち……ふつーに学年順に並んでいる彼らのなかに、まっつがいない。
 なんで? あんまり似合わないからはずされた? て、めぐむより似合ってないってこと?(めぐむ氏に失礼です)

 答えは、しばらくしてから出ました。

 いる。
 まっつ、いる。

 彩音ちゃんの真後ろ!!

 ははは。前にいるのが彩音ちゃんぢゃ、まっつが見えなくても仕方ないな。体格的に同じくらいだもんな……て、そーゆーことぢゃなくてだ、大きなドレス姿だからだ、そうだとも! 決してどっちかがごついとかちっこいとかゆー話ではなくてっ(笑)。

 席がなまじドセン過ぎて、ちょーどかぶっちゃって見えなかったんですよ……。

 つーことで、かなり出遅れました。金髪キノコなまっつ捕獲。

 えーと。
 まあ、似あう似合わないで言えば、似合わなくてとーぜんなわけで。研11、*歳にもなって小公子は、いくらなんでも無理があってしかるべき。(ジェンヌはフェアリーです、年齢なんてありません。考えてはいけません)
 とくにまっつは顔のシワがチャームポイント。目許だの口元だのにシワがあるのが胸きゅんなわけです。しかし、シワのある小公子っつーのは……ゲフンゲフン。
 年齢と役が合っていないのはもうどうしようもないとして。

 けっこう、イケてるんじゃないですか?

 ……あ、あれ? 同意は得られませんか? ダメですか?
 顔の輪郭的には、おかっぱもOKだもん。エーベルバッハ少佐的な造作になってたわよ、輪郭と髪型が。
 そりゃ、真の意味でお似合いだとは思いませんが、思ったよりマシだったというか……あれ? チガウの? ダメ?

 キノコまっつに対し、友人たちがそろってニラニラ言葉を濁しているんですが。あのなまあたたかい笑いは、わたしに対してですか?
 そりゃわたしも、初日初回は「うわー」でしたけど、続けて見ているうちに耐性がついたってゆーか、「で、まっつのマッシュルームはどうですか」と聞かれて「けっこーかわいいんじゃね?」と答えて、「ええっ?!」と本気で叫ばれるよーには成長したってゆーか。いやその、叫ばなくてもいいじゃないすか。

 髪型もだけど、衣装も大概だよなアレは。白タイツって誰が穿いても微妙だわな。まっつのふくらはぎの細さを愛でるタイムだと思ってるけど。

 マッシュルーム自体はあっちゅー間で、まっつ以下6名だっけかな(プログラム買ってないんで復習できない)は、スミレ色の軍服に着替えて登場、こっちの方が長い。
 ほっとするけれど、そりゃ金髪キノコ脛剥き出しよりこっちの方がいいけど、でもまっつと軍服・縦ロールにおリボン、つーのは……いや、見慣れたら問題ナイからいいんだけど。
 『ベルばら』を構成するお約束のひとつひとつが、わたしのまっつ観と隔たっていて大変(笑)。

 6名いた軍服男たちは、パレード直前に2名に減る。まっつとりせを残して、他の4名がいなくなる。が、舞台には小公女・小公子がわらわら入れ替わりに現れるから無問題。まっつはいちかちゃんからシャンシャンを受け取ってパレードモードへ。このシャンシャン受け取りがなかなかに一瞬で、ふたりの目線の交わし具合とかいい感じ。

 銀橋がないときのパレード定番、同じところをみんなでぐるぐる回って、オープニング終了。さあ、こっから先、まっつの出番まではけっこー長い(笑)。

 まっつの役はジェローデル。
 しかしこのジェローデル、出番は1場面のみだし、アンドレ@壮くんとしか絡まない。絡むってゆーか、自分の世界に入っているアンドレ相手に、一方的に喋るだけ。会話になってない。てゆーか、ジェローデルとして舞台にいるのはわずか数分だけだ。
 歌もナイし、ダンスもナイ。
 いい役では、まったくない。
 こんなことなら、衛兵隊士の方がずっと良かったんじゃ……? とまあ、思えるよーな役なんだわな。

 しかし、見てみればわかるけど、衛兵隊に、まっつの入る余地はナイよ。

 オープニングが終って、カーテン前に衛兵隊士たちが登場する。
 めぐむ、まぁくん、しゅん様、よっち。
 ソロありの荒くれダンスだ。つか、めぐむのソロから物語開始だよ、おいしいなあ。

 この4人が、かっこいいんだわ。
 すらりとした長身に、着崩した軍服が映える。

 さらにカーテンが開き、りせ他の衛兵隊士たちがダンスに加わる。

 う・わー……。

 なんかこいつら、すげーかっこいいんですけど?
 みんな新公学年以下の若手たちで、声を出すとオンナノコで大変なんだけど、とりあえず体格には恵まれている。長身でスタイルよくて、かっこいい。
 花組って、いつの間にこんな長身男役が揃うよーになってたんだ?
 ちびっこ組はみんなDCで、でかいのばっか全ツに配役された模様。

 このビジュアル優先な若者たちの間に、まっつは入れない……。ひとりだけなんか世界が違ってしまう。

 声と所作ができているのはめぐむとまぁくん、しゅん様だけ、つーのが、まあ、大変っちゃー大変なんだけど。あ、今回よっちがすげーがんばってた。りせは……ええと、がんばれ。

 衛兵隊に入れないんじゃあ、役柄がかなり限られるよなあ。と、ちょっと哀しくなりました。時代は確実に流れている。
 まあそれはともかく。

 植爺脚本のものすごさにアゴを落とし、戦慄し、怒りだの嫌悪だのに振り回されながらも、熱演するアラン@まとぶ他のみんなに、胸が熱くなり。

 ついに、ジェローデル@まっつが登場した。

 続く。

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