何度も書きかけて、やめた。
 言葉を綴ることが、ひどく嘘くさく感じる。

 安蘭けいの退団が発表された、ことについて。

 ほぼリアルタイムで公式を見ていたと思う。
 今後のチケ取り予定を手帳に書き込んでいるところだった。
 トップページ(html版)に何度目かに戻ったとき、最新情報が更新されていた。

 とりあえずなにか書こう、と思ってブログの入力画面へ行き……やめた。
 そしてまた、思い直して入力画面へ行き。

 それを、繰り返す。
 

 「安蘭けい」という、可能性。
 それはタカラヅカを離れたところで途絶えるわけではないだろう。

 だけどわたしが「見たい」と切望するのは「タカラヅカの安蘭けい」だった。

 他の誰でもない、トウコちゃんで見たいものが山ほどあった。
 具体的に役名などない。作品名などない。

 トウコが演じる。

 それだけで、「見たい」と思えるものだった。

 「物語」好きな人間として、安蘭けいが息づかせる「物語」を欲していた。ずっと、ずっと。
 これからも、いくらでも、欲し続けていた。

 
 時は無限ではなく、終焉があることは、わかっていた。
 予測もしていたし、覚悟もしていた。

 それでも、「タカラヅカの安蘭けい」という可能性が、終わりを告げるのが悲しい。
 切ない。


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