新人公演『Paradise Prince』感想の続き。

 宙組に詳しくないので、たぶんかなりとんちんかんなことを書いていると思うが、それもまた視点のひとつということで、寛大に見てやってくださいまし。

(ときどき、ふと我に返るらしい。んで、言い訳してみたくなるらしい)

 将来読み返したときに「うひょー、アタシこんなコト書いてたのか! ハズカシー!」と思うのもまたリアルタイム記録の醍醐味。人生とは恥をかくことですだ。
 
 つーことで、とにかくわたし視点の感想。
 

 ラルフ@ちーくんが、正しく、オイシイ役でした。

 アニメおたくのハイテンション小僧。ラストでは二枚目に変身。ええ、ラストはちゃんと二枚目でした、イモにーちゃんではなく。
 そう、そうなのよ。この役は本来、こーゆー役なのよ。

 無名の若者を押し上げるための役。おおむねシリアスに進む物語の中で大暴れして引っ掻きまわす、役名も顔もわかってないライトな観客でも「あのおたく役の子、おもしろかったわね」と帰り道で話題にする、そーゆー役。まず「おぼえてもらうこと」に主眼を置いた「オイシイ役」。

 だから、無名の若者のための役であって、すでに3番手スターとして名を馳せている人のやるべき役じゃないってば。

 わたしはちーくんが大人に見えてしまい、彼がスネを出して若ぶっているといたたまれない思いがするのだが……変だなあ、ついこの間少年チート役をなんの違和感なくやっていたと思ったのに、数年でなんでこんなに成長しちゃったんだ? 子猫が1年で成獣になっちゃう感じ?
 『殉情』か? 『殉情』が悪かったのか。アレは気持ち悪かった。ちーがロリコンの犯罪者に見えた。幼女にハァハァいってるヘンタイさんに見えた。やたら生々しい大人の男に見えて仕方なかった。
 だもんで、ちーが今さら若者ぶってはっちゃけているのを見るのは、本役さん以上に恥ずかしくてたまらなかったんだが、……やっぱわたし変? こんなこと、誰も思わないの??

 オイシイ役だ、よかったね、と思う反面、恥ずかしくて恥ずかしくて、いたたまれなかった……。
 潔いチリチリリーゼントも、アホアホなノリも、無邪気ぶった満面の笑みも、実力に裏打ちされた計算ゆえの演技だと、わかっているけど……いやその、わかっているだけに余計、うわー……な感じだった。

 今の時点でわかっていることは、わたしが、蓮水ゆうやを好きだということだけだ。

 『殉情』か? 『殉情』が悪かったのか。石田作品キライだし、なかでも『殉情』は史上最凶に大嫌いなんだが、そこでキモチワルイほど主人公を純に熱っぽく演じて見せたちーくんが、それでもなお好感度UPしたなんて、あたしはいったいどーゆー精神構造をしてるんだ。
 『パラプリ』本公演もアニメ・チームの場面はつい彼を見ていて、あとはタニウメ見てたら他の子たちを見ているヒマがないなんて、なんなんだこの負け犬感。
 下ろした前髪が似合わないとか、ショートパンツ男子姿が似合わないとか、なんでそんなことがたのしいんだ?
 『殉情』で幼女の脚に頬ずりしている姿がキモチワルイくらい、ナマに「男」に見えたことが、そんなにツボにクリティカルしたというのか?

 彼自身がどんなキャラクタで、これからどんな舞台人になっていくのかわからんが、とりあえず、アホアホぶりっこが正視できないくらいには、ちーくんを好きらしい。
 なんでこの役の彼がこんなに恥ずかしくてたまらないのか、考察し出すと藪から蛇を出しそうなのでやめておく。
 だがしかし、今後ますます彼を好きになりそうだ、という結論は述べておく。

 あああ。(なんか、アタマを抱えているらしい)

  
 えー、プルート@樹茉くんが、かわいかったです。
 てゆーか、うまい。
 こんなに喋ってる彼、はぢめて見た。
 変わり続ける表情、ちっともじっとしていない。饒舌なのが納得のせわしない、されど腰の引けた子役人キャラクタ。
 かーわーいーいー。

 アンジェラ@あまちゃきは、ちょっとびっくり。
 きつい。こわい。
 キャサリンのルームメイト、という設定だが、ほんとにただのルームメイトだった。友だちじゃないよね? ほんとはキャサリンのことキライだよね?
 アンジェラの立ち位置を「キャサリンの近くにいる、キャサリンを嫌っているキツイ性格の子」とするのも、ぜんぜんアリだと思う。アンジェラが悪役っぽくなると、キャサリンのヒロイン度がわかりやすく上がるから。いぢわるクラスメイトにいぢめられるがんばり屋のヒロイン、つーのは定番ですから!
 メイクもキツめで、目がつり上がったすごーくわかりやすい悪役風の姿になっていた。うわー、思い切りいいなぁ。

 エヴァ・グレイ@花露すみかちゃんの声、立ち姿がきれいだった。あ、なんかかっこいい人がいるぞ、と注目。
 ユーモラスな役ではなく、きりっとした大人の役を、きちんと演じられる人ってキモチいいな。

 ケヴィン@りくくんが、ハンサムでした。
 ナチュラルな若い男の子。リアルに、そのへんに生息していそうだ(笑)。違和感なく存在し、違和感なく喋っている。
 演技がうまいのかどうかまでわかんないけど、浮いていない、こわしていない、男の子に見える、というのは、学年からすればすごいなと。

 サマンサ@アリスちゃんは、たのしそうだった(笑)。
 真ん中経験者のあえて演じる脇役は、力があっていいよね。演じること、舞台に立つことを余裕を持ってたのしんでいる感じが。

 
 登場人物が若者ばかりで、あとはアニメみたいな記号的な役ばかりで、若者たちには演じやすい新公だったと思う。
 男役、娘役としてのスキルが低くても、若さだけで押し切れる系の。
 でもたまにはそーゆー新公もいい。
 着こなしだの立ち姿だの台詞回しだの、基本部分に引っかかってはらはらする新公ばかりでも、つかれる(笑)。
 若者たちが、若者だから出せるパワーで、きらきら押し切っちゃうのも、また「タカラヅカ」の姿だと思う。

 
 そんななかで、「大人」役のふたりが、なんか別次元を形作っていたのはまあ、仕方ないってコトで(笑)。

 ハワード@みーちゃんがひたすら素敵で、ロマンスグレイというより大人の美形で、落ち着いた美青年で、彼の出番が待ち遠しかった。台詞がなかろうが、とにかく舞台に出てくれ、顔を、姿を見せてくれ、と待ちわびてしまった(笑)。

 ローズ・マリー@せーこちゃんは、正直もう少しやりようがあるかなと思う。彼女には要求が高いのかな、新公のたび「もう少し」と思ってしまうような。本役さんまんまではなくてもいいんじゃ?
 最後の銀橋での、大人だけどあどけなさのあるかわいらしさは、きゅんとしました。
 あー、みーちゃんにプロポーズされたい~~。(みーではなくてハワードですから!)

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