トド様DS『Fallin’ Love with Yu』は、狙っているのか偶然の産物なのか、ビジュアル的になかなか愉快なことになってました。

 トド様と、花組ふたり、お化粧違い過ぎ(笑)。

 いちかは女の子なのでまだ比較しにくいんだけど、トド様とまっつは笑えるくらい別世界でした。
 トド様はえらくラフな、フェミニンな薄化粧で、リップカラーだけ濃くててらてら浮いている感じ。
 一方まっつときたら、これでもかってな本気の「男役仕様」。

「トド様の倍ぐらい眉毛あったね(笑)」
 と、同行の友人たちに突っ込まれるほどに。

 いやあ、まっつの力みっぷりがいいねっ。なんかすげー本気だねっ、手加減ナシだねっ、融通きかないねっ(笑)。

 まっつの「仕事」ぶりがオトコマエでした。
 自分の役割をきちんと見据え、全霊をあげて誇りにかけて、必要な仕事をしている感じが、「大人の男」って感じでかっこよかったっす。
 まっつの職人ぶりを堪能。自分に求められていることをちゃんと判断して、成果をあげられる人なんだなあ、と。

 トド様との「距離感」がすげえなと(笑)。
 「間合い」と言ってもいいかな。

 武芸者同士が持つ、あの感じ。ここまではいいけど、こっから先に半歩でも入ったらアウトっていう。でも離れすぎたら立ち会いにならないぞっていう。

 まっつがすげー気合いで、その間合いを守っているのが、おもしろかった。

 せっかく歌える人を出演者として呼んだんだから、まっつの「声」を演出の手段として使えばいいのに、演出家の意志なのかトドの意志なのか、それはまったくナシ。
 トド様の声とまっつの声がどんなふうに響き合うのか、体験したかったんだけどなあ。や、声量では明らかにまっつが敗北しますが(笑)。
 マイクボリュームの寂しいコーラスのみで、一緒にいようがいまいが「トド様の声しかまともに聞こえない……(笑)」状態だったので、まっつ的に「姿」勝負になってる感じも、また愉快。

 あんなに「型」にこだわって踊ってるまつださん、すごくね??

 トド様の背景でひとり踊る場面があったんだが、これがもーすごい力みっぷりで。
 ぴしっぱしっと音が聞こえてきそうだった。
 折り目がしっかりついてるっていうか、ゆるい部分皆無っていうか。
 きれいになめらかに踊ってるんだけど、表面のつややかさと反対に、角をきちっと押さえてますっていうか。オセロで四隅をまず押さえてから、真ん中取りに行きますっていうか。

 いやそのまず、肩パッド入れすぎ(笑)、とか、思っちゃったけどね。強く書き込んだ気合いの眉といい、トド様の存在感に負けまいと、すげー「男役」ぶりだった(笑)。

 まっつの「声」がいちばんきれいに響いてたのは、最後の陰コーラス。
 ……て、「陰」かよ、出てこないのかよ?! と、ツッコミで終わったのも、オチとしてアリか(笑)。

 
 相棒のいちかちゃんもまた、すばらしい腕前だった。

 トド様と彼専用演出舞台で、「脇」として出演するのは、なかなかどうして難しいのだと思う。
 なにもできない若手ならともかく、キャリアのある中堅としては。

 なにをどこまでするか。
 どう「存在」するか。

 空気を読み、読んだ位置を「実践」する。
 それは技術だろう。

 いちかちゃんの舞台での「在り方」が、すばらしかった。
 他の舞台ではなく、あくまでも今この舞台で求められている役割を、過不足なく果たしていた。

 「娘役」というのはまぎれもなく「技術」であり、軽んじていいものではないと、改めて思ったよ。

 小柄なトド様と並んで絵になる小柄さ、こんなに小柄なのに美しいスタイル。
 得難い魅力のある人だ。

 そして、まっつ×一花カップルスキーにはたまらない、デュエット・ダンス。
 ミニマムで端正、しかも空気感のぴったり合った姿が小気味いい。

 
 よく見知ったふたりの、別の角度の姿というか。
 他組に特出したりしたら、やっぱりこれくらい緊張感ある姿を拝むことになるのかな。や、いつもがゆるんでるという意味ではなく。
 チガウ空気のなかでのふたり、というか。

 
 わたしがいちばん好きなのは、やはり「物語」なんだなあと思う。
 ダンスではまったくないし、実のところ歌でもない。
 コンサートでもっともたのしめるのは、「ドラマ」があるところなんだよなー。

 つーことで、でも、いちばんわくわくしたのは「百万本のバラ」でした。

 トド様がかっこいい。

 繊細な青年なの。
 派手なアクションなしで、物語が伝わってくる。
 無造作に椅子に坐ったところとか、すげーかっこいい。
 固めきっていない髪とか薄目の化粧とか、男役として作りきっていない姿なのに、彼はもうたしかに「彼」なの。物語の中の青年なの。

 彼があこがれるバレリーナ@いちか。
 彼女がまた、美しい。

 トド様と絡むことはないんだが、背景で無言で踊るだけで、説得力。この女性に恋し、青年が愁えているのだと。
 彼女が美しく神聖な女性でなければ、彼の恋が空々しくなる。曲の美しさ、せつなさに相応しい美女ぶりをいちかが表現している。

 ただ「歌」を歌うだけでなく、そこに「物語」を表現してくれる人が好き。
 歌手でなく役者のディナーショーであるということ。

 恋に悩むトド様を見て、「トドの恋愛モノが見てえぇぇ!!」と、心底思った。
 恋するトド様って、ほとんど見たことないじゃん? 女は添えモノでしかない英雄モノばかりでさ。『オクラホマ!』が恋愛モノに分類されるかもしれないけど、アレはわたし的にノーカウントなんで(笑)、もっと本気で恋愛に主題を置いた作品が見たいっすよ。

 客席降りでトド様が何回か横を通ってくれたんだが、ほんとにきれいな人だ……。
 トド様のDSに参加するのは実はこれで2回目だが、前のDSは超絶隅っこ席で、トド様はそばを通ってなんかくれなかったさ……。
 はじめて、近くでトドを見た。すぐそばで、立ち止まって歌ってくれたさ。
 たしかにカラダはちっちゃいが(笑)、んなこたぁどーでもいいくらい美しいさ。
 

 曲名とかはネットの海のどこぞにUPされてるだろーから、ここで書く気ナシ(笑)。教養がないので、どの曲がどうとか語るすべもナシ。

 HHIでのDSは初参加だったんだが、宝ホよりはホテル・スタッフの数が多く、飲み物を注文しやすかった。わたしは人一倍水分を必要とするイキモノなので、これは重要なポイント。オリジナル・カクテルがあるのはいいよな。(トド様の絵をイメージしたカクテルだそーな。ええわたし、ちゃんとトド様の個展も行きましたよ、これでもファンですから・笑)
 食事は宝ホと同じくフルコースではなかった。料理の数が少ない……けど、今のディナーってこれがふつーなのかな? びんぼー人なんで判断できないや、そんなの日常で食べ慣れないから。

 あ、DSのおたのしみだと思っているプログラム表は、とってもちゃちぃものでした。宝ホと同レベル。……新阪急だけなの? あんなに豪華なのは??
 

 トド様、まっつ、いちかと、好きな人たちしかステージにいない、なんかすごい確率で存在したDSだった。
 
 行って良かった。……びんぼーに拍車が掛かったがなー(笑)。

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