昨年のTCAで、大泣きしたなあ。あれってオサ様サヨナラショーだったよなあ……中村Bの本家ショーより、よっぽど。
 そんなことを、ぼーっと考える。
 年々記憶力がおぼつかなくなっていて、昨年のことがひどく遠く、いっそ10年前の方が鮮明だったりする……ええソレが年寄りの証。

 生まっつの出る舞台は絶対観るわよおっ、な勢いで、とにかく駆けつけました、『タカラヅカスペシャル2008~La Festa!~』。水しぇん出演の友会優先公演。
 席は微妙な1階端席。まっつがかぶってしまって見えないんじゃないかと危惧しつつ、わたしのくじ運(+財力・笑)ではこの席が精一杯。
 まっつを見るためには2~3階席の方がいいのはわかってるけど、腐っても1階席、なんか客席降り多すぎでびっくりだ。端とはいえ通路際だったのでおいしかった。
 あかし席でしたわ、客席降り。あかし、顔芸すげえ。そしてまっつは遠かった……(笑)。

 
 1幕は日本物と聞いていたが……響きわたるのは派手なビート。
 えーと。
 すげえデジャヴ。
 あたしコレ知ってる……観たことある……年寄りの記憶回路が大昔の記憶を引っぱり出してくる。

 『ライト&シャドウ』(ドラマシティ公演。93年星組・麻路さき主演/94年雪組・高嶺ふぶき主演。両方観た)の2幕がこんなだった。
 民謡をロックテイストにハイテンポで展開させる、ナンチャッテ和物ショー。
 演出は、もちろん石田昌也。

 幕間に、改めて今回の『タカスペ』の演出家を確認しちゃったよ。
 ええ、1幕はイシダ作でした。
 93年度に『ライト&シャドウ』を観たときは「こんなもん観たくない、ふつーのかっこいいショーを見せてよ、イシダのバカっ!!」と憤慨した記憶があるが(笑)、今回はコレもアリだろうと、思った。

 クリスマス時期に「フェスタ」と名付けてやる今年最大級のイベントに、マジに日本物をやられたらたまんない。
 ナンチャッテ日本物ショーで、助かった。
 
 なんというか、忙しすぎる構成だった。

 腰を落ち着けて鑑賞する場が、ほとんどない。
 出てきたと思ったら引っ込む、イシダの幕末もの芝居と同じだな(笑)。わざわざセットを乗っけて袖から登場して、2~3言台詞を言うだけでまたセットごと袖に引っ張られて消えていく、アレ。登場時間2~3分の繰り返し。

 イベントだから、ソレもありなのかな。
 短いスパンでいろんな人たちがわいわい現れ、点呼を取るヒマも隙も与えず消えていく、その繰り返し。
 早送りビデオみたい。

 早送り再生が等速になるのは、民謡メドレー中盤、トップたちのソロになってからだ。
 それまでの民謡メドレーのセンターはまとぶんをトップバッターに、娘役トップ・2番手たちだった。まとぶんは最初の登場だからか、せわしない演出のままだった気がする。バックダンサーも10人以上いて、どさくさ感強し。そっからわずかな時間に次々とスターにソロを与え、その他出演者たちをバックで踊らせにゃならんので、もー大変。

 あさこちゃん登場の「佐渡おけさ」でよーやく、ほっと息をつける感じ。
 で、次のトウコがもお、すげータメ有り登場で、「真打ち!」って感じ。

 てゆーかトウコ、ナンチャッテ日本物ショー似合うなあ……。しみじみ。

 そうか、そうだよな、『花吹雪恋吹雪』の人だもんな。『厳流』の人だもんな。
 こーゆー、着物着てるけどテイストは洋モノって、トウコの十八番じゃん。
 
 そのハッタリ力の、気持ちよさ!!

 のびやかで大仰な歌声が、かっこよすぎる。

 まとぶは大勢と一緒、あさこはトップ娘ふたりをはべらして両手に花、だったのに、トウコはひとりで朗々と歌いきる。

 それから、あさこ、まとぶ登場、きりやんとゆーひも登場。トウコ真ん中に戦隊モノみたいで愉快。や、5人とも衣装が色違いで(笑)。
 かっこいい。

 この人たちが、この舞台の中心キャストなんだ。

 そう、今回のオープニング、なんとトドロキ理事は出ていなかった。

 ライトが点くなり舞台上にずらりと並ぶ出演者たち、真ん中は各組トップ、トウコ、あさこ、まとぶんのみだ。
 オープニングのあと、ちょろりとMCが入るんだが、それもトップ3人のみ。
 なんか新鮮な並びだ。新鮮な姿だ。
 トークはもちろんぐだぐだだが、いいんだソレで(笑)。

 トドはミエコ先生とふたりで、あのせわしない民謡メドレーの合間に愉快に踊っていた。そこが、初登場。
 あのトドロキがオープニングに出ないとは、時代は変わって行くんだねえ……。(まあ、その分2幕での出番が多かった気はするが、イベントの顔であるオープニングにいないのは、やはり感慨深い)

 劇場が梅芸で、オケボックスがないので、オケは舞台の上。
 1幕のセットは祭提灯を模したチープな吊りモノだけだったんだが、トップ+2場面の次に、いきなり屏風が登場した。

 それまでのわいわいきゃーきゃーな祭りムードが一転。
 急に、ドシリアスです。

 漢・トドロキ真骨頂。

 「田原坂」ですよ。
 最初の端正な姿もいいが、いったん屏風の後ろにはけたあとの、抜刀姿がまた、美しい。

 ナンチャッテ日本物ショーだから、みんな金髪リーゼントにヘッドマイク、派手な口紅で着物着て踊り狂ってるわけで。
 トドもまた、金髪っぽい茶髪をぴったり撫でつけた「男役」姿。
 日本物の化粧や髪型は、してないの。口紅だっててらてらピンクだし。

 それでも彼は、武士だった。

 右手に血刀 左手に手綱 馬上ゆたかに美少年、ですよ。トドのあの野太い声で「美少年」と言われると、ギャップでなんか耳に残りますな(笑)。

 トドがセリ下がったあと、ミエコ先生が派手な琉球衣装で登場……したけど、ソロではなく、キムとれおんがそれぞれ歌い、いちかとコトコトがコーラスしているので、そっちに気を取られる。

 キムとれおんは前半のメドレーでも、コンビで登場していた。

 キムが濃くて押し出しがいいのはいつものことだが、なんかれおんがさらに華を増した気がする。彼が登場すると、ばーーんっ、て感じ。それに、歌もうまくなったよねえ……聴いてて気持ちいい。

 こっから先は沖縄コーナー? 民謡フィナーレ?
 トップも登場、各組男役たちもみんな登場、舞台狭っ、めまぐるしっ。や、まっつ見るのに忙しいってゆーか(笑)。

 でもって、指揮者の御崎せんせがナニ気に「祭り仕様」、髪を束ねていなせにしているのが愉快だったし、コーラスの星組っ子たち、元気良すぎ(笑)。
 民謡だから合いの手ががんがん入るんだが……星っ子たち、味でてるよー(笑)。

 
 ここではじめて、カーテンが閉まる。
 ここまでずーっとワンセンテンスだったんだよねえ。そりゃ落ち着かないわなあ、怒濤だよなあ(笑)。

 カーテン前に現れたのは、微妙に金茶パツの……白洲次郎@トドロキだっ。

 てことで、文字数切れ。ぷりちーマヤさんの活躍は、別欄で。

コメント

日記内を検索