太陽は、沈まない。@立樹遥退団発表
2008年12月23日 タカラヅカ 『タカラヅカスペシャル2008~La Festa!~』。2幕の組別クリスマス場面、星組はトウコちゃんが「クリスマス・イブ」を歌う。
このイベントでのトップ3人のトリはいつもトウコ。溜めをもって登場、派手に歌う。イベントの構成が、来年退団するトウコを中心に置くように盛り上げてある。
このクリスマスソング・コーナーでも、花組、月組ときて、トリがトウコの星組だ。
「クリスマス・イブ」は切ないラヴソングだ。
歌の世界観を、トウコのドラマティックかつ濃い歌声がより一層盛り上げる。
「きっと君は来ない ひとりきりのクリスマスイブ♪」
その歌声に乗せて。
しいちゃんが登場する。
街灯の前でたたずむ姿。
「きっと君は来ない」……それでも、待つために、ここへ来た。
そこへ、ドレス姿のあすかが現れる。
彼の待ち人だ。
来てくれた。
しいちゃんはあすかを見て、表情を動かす。
……いつものしいちゃんなら、ここでにぱっと笑う。大きな、輝度の高い、太陽の笑顔だ。
わたしも無意識のうちにその笑顔を期待した。
だが彼は。
太陽の笑顔ではなく、静かに微笑した。まっすぐにあすかを見つめながら。
切ない、大人の微笑だった。
きゅぅぅうん、と、鳴りました。ええ、鳴りましたとも。緑野こあらの胸が、きゅんと鳴りましたのよ。腹の虫ではなく!(←お約束のツッコミ)
聞いた話によると、別の回ではふつーにいつものように全開に笑っていたようなので、演出がどうとかではなく、たんにしいちゃんのそのときの気分によるものなのかもしれない。
ただ、わたしが見たときは、しいちゃんはひどく大人な笑い方をした。
とっさに頭に浮かんだのは、『Over The Moon』のアンリだ。
わたしの中で特別な、ものすごくかっこよかった「まちがった」男の役。
わたしののーみそはとても単純にできているので、単に「目の前のしいちゃんにときめいた」から、「過去のしいちゃんでいちばんときめいた姿」がオーバーラップしただけだと思う。
ただもう、今ここでこんなにしいちゃんにきゅんと来るとは思ってなかったので、ひとりでひーひー言ってた。……ひとり観劇だったから、誰とも感動を分かち合えないし! てゆーかふつーの人は歌うトウコちゃん見てて、しいちゃんガン見してないんじゃないかとか思うし。
うおおお、しいちゃんかっこいいー!!
なんなのよあの表情。しいちゃんなのに。太陽にぱぱっのしいちゃんなのにー!
そのあともしいちゃんは、ゆるやかな笑顔であすかを見つめ、ふたりで踊った。
あくまでも大人の男、大人の表情。明るさだけで持っていかない、大きさと深さ。
はずれない視線。ずっとずっと、ひとりの女だけを見つめている。
流れるのはトウコのドラマティックな歌声。
熱く、そしてどこか悲しい歌声。
微笑み、見つめ合う恋人同士なのに。幸福な、美しい姿なのに、どこか切ない。
美しかった。
踊るしいちゃんとあすかちゃんが美しくて、あすかちゃんの幸せそうな顔と、しいちゃんのほほえむ瞳が、とても美しくて……ありえない美しさだからこそ、どこか切なかった。
しいちゃんすげえ、ここまできてなお、この古狸みたいなわたしをときめかせるか。しいちゃんのことなんかずっと知ってるし見てるし、もう手の内なんかみんな知ってるつもりなのに、なのにまだこんなにときめかせるのー?! うおー、立樹遥すげえ!!
てなことを、いつもの調子でのんきに書く予定だった。
いつだってしいちゃんは、特別な人。
ずっとずっと、特別な人。
ふつうに考えれば、大きく世代交代が行われる今、退団するのは予測できたことだと思う。
しいちゃんの芸幅の狭さを考えれば、別格としてやっていくのには、いろいろと課題があるし。実力面から見ても、今がちょうど辞めどきなんだろう。
ポジション的に今ならぎりぎり「スター」として辞められるとか、今後これ以上のスター的扱いはされないだろうとか、そーゆー「ヅカ」にはまりきった、うがった見方をしても、今が辞めどきなんだろう。
舞台の充実ぶりとか輝きとか、絶頂期にあえて卒業することを美学とする「タカラジェンヌ」として、今がそのときなんだろう。
ふつうに考えれば。
でもわたしは、ふつーなんか考えてなかったし、求めてなかった。
どんだけ「辞めどき」の理由を指折り数えたって、関係ない。
しいちゃんは辞めない。
ずっとずっと、わたしの求めるままの姿でそこにいてくれる。
しいちゃんの意志とか人生とか考えず、ただそれだけをのぞんでいた。
あくまでもわたしの望みであり欲望でしかないので、わたしはわたしの都合のいい未来しか描かない。
しいちゃんがいなくなる未来なんか、想像してなかった。
ふつうに考えてどうだろうと、んなこと関係なく、「しいちゃんは退団しない」って思い込んでいた。
予感なんてないし、心構えもない。
ピュアしいちゃんファンの友人が静かに覚悟を決めていても、語っていても、わたしには馬耳東風、なに言ってんの? しいちゃんが辞めるわけないじゃん、本気でそう思っていた。
だから。
こまった。
わたしは、こまっている。
どうしたらいいのか、わからない。
しいちゃんがいなくなる未来が理解できない。
悲しいとか寂しいとか以前に、現実問題、こまっている。
だってそんなのありえないんだから。
「明日、太陽がなくなる」……そう言われてこまるのと同じように。
こまる。
途方に暮れる。
どうすればいいの?
このイベントでのトップ3人のトリはいつもトウコ。溜めをもって登場、派手に歌う。イベントの構成が、来年退団するトウコを中心に置くように盛り上げてある。
このクリスマスソング・コーナーでも、花組、月組ときて、トリがトウコの星組だ。
「クリスマス・イブ」は切ないラヴソングだ。
歌の世界観を、トウコのドラマティックかつ濃い歌声がより一層盛り上げる。
「きっと君は来ない ひとりきりのクリスマスイブ♪」
その歌声に乗せて。
しいちゃんが登場する。
街灯の前でたたずむ姿。
「きっと君は来ない」……それでも、待つために、ここへ来た。
そこへ、ドレス姿のあすかが現れる。
彼の待ち人だ。
来てくれた。
しいちゃんはあすかを見て、表情を動かす。
……いつものしいちゃんなら、ここでにぱっと笑う。大きな、輝度の高い、太陽の笑顔だ。
わたしも無意識のうちにその笑顔を期待した。
だが彼は。
太陽の笑顔ではなく、静かに微笑した。まっすぐにあすかを見つめながら。
切ない、大人の微笑だった。
きゅぅぅうん、と、鳴りました。ええ、鳴りましたとも。緑野こあらの胸が、きゅんと鳴りましたのよ。腹の虫ではなく!(←お約束のツッコミ)
聞いた話によると、別の回ではふつーにいつものように全開に笑っていたようなので、演出がどうとかではなく、たんにしいちゃんのそのときの気分によるものなのかもしれない。
ただ、わたしが見たときは、しいちゃんはひどく大人な笑い方をした。
とっさに頭に浮かんだのは、『Over The Moon』のアンリだ。
わたしの中で特別な、ものすごくかっこよかった「まちがった」男の役。
わたしののーみそはとても単純にできているので、単に「目の前のしいちゃんにときめいた」から、「過去のしいちゃんでいちばんときめいた姿」がオーバーラップしただけだと思う。
ただもう、今ここでこんなにしいちゃんにきゅんと来るとは思ってなかったので、ひとりでひーひー言ってた。……ひとり観劇だったから、誰とも感動を分かち合えないし! てゆーかふつーの人は歌うトウコちゃん見てて、しいちゃんガン見してないんじゃないかとか思うし。
うおおお、しいちゃんかっこいいー!!
なんなのよあの表情。しいちゃんなのに。太陽にぱぱっのしいちゃんなのにー!
そのあともしいちゃんは、ゆるやかな笑顔であすかを見つめ、ふたりで踊った。
あくまでも大人の男、大人の表情。明るさだけで持っていかない、大きさと深さ。
はずれない視線。ずっとずっと、ひとりの女だけを見つめている。
流れるのはトウコのドラマティックな歌声。
熱く、そしてどこか悲しい歌声。
微笑み、見つめ合う恋人同士なのに。幸福な、美しい姿なのに、どこか切ない。
美しかった。
踊るしいちゃんとあすかちゃんが美しくて、あすかちゃんの幸せそうな顔と、しいちゃんのほほえむ瞳が、とても美しくて……ありえない美しさだからこそ、どこか切なかった。
しいちゃんすげえ、ここまできてなお、この古狸みたいなわたしをときめかせるか。しいちゃんのことなんかずっと知ってるし見てるし、もう手の内なんかみんな知ってるつもりなのに、なのにまだこんなにときめかせるのー?! うおー、立樹遥すげえ!!
てなことを、いつもの調子でのんきに書く予定だった。
いつだってしいちゃんは、特別な人。
ずっとずっと、特別な人。
ふつうに考えれば、大きく世代交代が行われる今、退団するのは予測できたことだと思う。
しいちゃんの芸幅の狭さを考えれば、別格としてやっていくのには、いろいろと課題があるし。実力面から見ても、今がちょうど辞めどきなんだろう。
ポジション的に今ならぎりぎり「スター」として辞められるとか、今後これ以上のスター的扱いはされないだろうとか、そーゆー「ヅカ」にはまりきった、うがった見方をしても、今が辞めどきなんだろう。
舞台の充実ぶりとか輝きとか、絶頂期にあえて卒業することを美学とする「タカラジェンヌ」として、今がそのときなんだろう。
ふつうに考えれば。
でもわたしは、ふつーなんか考えてなかったし、求めてなかった。
どんだけ「辞めどき」の理由を指折り数えたって、関係ない。
しいちゃんは辞めない。
ずっとずっと、わたしの求めるままの姿でそこにいてくれる。
しいちゃんの意志とか人生とか考えず、ただそれだけをのぞんでいた。
あくまでもわたしの望みであり欲望でしかないので、わたしはわたしの都合のいい未来しか描かない。
しいちゃんがいなくなる未来なんか、想像してなかった。
ふつうに考えてどうだろうと、んなこと関係なく、「しいちゃんは退団しない」って思い込んでいた。
予感なんてないし、心構えもない。
ピュアしいちゃんファンの友人が静かに覚悟を決めていても、語っていても、わたしには馬耳東風、なに言ってんの? しいちゃんが辞めるわけないじゃん、本気でそう思っていた。
だから。
こまった。
わたしは、こまっている。
どうしたらいいのか、わからない。
しいちゃんがいなくなる未来が理解できない。
悲しいとか寂しいとか以前に、現実問題、こまっている。
だってそんなのありえないんだから。
「明日、太陽がなくなる」……そう言われてこまるのと同じように。
こまる。
途方に暮れる。
どうすればいいの?
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