良くも悪くも、タカラヅカにはスター制度がある。

 トップスターを頂点とした、組単位のピラミッドだ。
 このシステムの是非を問うのではなく、前提として、すべてが語られ、回っていく。

 トップスターになるまでの道のりも、一本道ではないものの、通るべきチェックポイントは変わらずにあるので、途中枝分かれしていようが蛇行していようが関係ない。
 ファンは応援する生徒たちと同じように、ロールプレイングを楽しむことが出来る。

 新人公演主演、は、トップスターへの道の中にある、もっとも大きなチェックポイントだ。
 新公主演してはじめて、「スター」であると認識される。

 ジェンヌはみんな魅力を持っているし、トップ路線だけが価値ではないし、新公主演者のみをスターだと思っているワケじゃない。
 ただ、客観的な「記録」として最初に「スター」と認識されるのが新公主演だと思っている。

 スター制度の劇団である以上、「好きなスターのいる組しか観ない」という層が少なからず存在する。
 全部の組を愛し、観劇する人間も多いだろうが、ファン層の全部じゃない。
 「贔屓の組」だけ観ていれば完結できる作りなのだから、当然のことだ。

 その一定の組しか観ない人たちもが認識するのが「スター」だ。
 実際の人気とか実力とかではなく、ほんとーにただの便宜上のものとして、「新人公演主演者」というのは名前だけは出るんだ。公式雑誌にもテレビにも。

 組ファン以外のヅカファンの目に耳に名前や存在が入る、そのわかりやすい区切りだと思っている。

 
 て、なにが言いたいのかというと。

 新公主演していない下級生は、「無名」である。

 と、ゆーこと。

 いいえ、**さんは知っている人が多いから無名じゃないわ! とかゆー次元の話ではなく。
 機会を与えられ、ファンの目につく要素が多くても、それはただの口コミでしかない。
 新公主演してはじめて、いろんな出版物に名前が出、某スポーツ新聞に1面ぶち抜きで写真が掲載されたりするよーになる。

2009/01/15

月組公演『エリザベート』 エリザベート役について
5月22日~6月22日:宝塚大劇場、7月10日~8月9日:東京宝塚劇場において、『エリザベート』-愛と死の輪舞(ロンド)-[潤色・演出/小池修一郎]を月組により上演致しますが、この程、ヒロイン・エリザベート役が決定致しましたので、お知らせいたします。
尚、その他の配役につきましては、決定次第お知らせいたします。

エリザベート役 ・・・ 凪七瑠海(宙組)

※凪七は月組公演『エリザベート』に特別出演のため、4月17日~5月18日:宝塚大劇場、6月5日~7月5日:東京宝塚劇場における宙組公演には出演致しません。
-公式より-

 ……カチャを知らない人、多いんじゃね?

 月組しか観ないで、月組を愛してきた人にとって、どこの誰かもわからない人が突然やってくる……てな感じになるんじゃね?
 「スター」として認識のある人なら、「スターの特出」ということになるけど。
 無名の下級生の場合は?

 
 タカラヅカの主演というのはかなり特殊なポジションなので、真ん中に立つべき人は段階を踏んで鍛えていくもんだ。
 それをまったく無しでいきなり真ん中に立たなければならないカチャは大変だと思う。

 わたし個人としては、「エリザベート」という特別な役はちゃんと娘役で観たいし、トップスター制度と同じように組制度をヅカの特色として愛しているので月組の組子で観たかった。
 カチャは文化祭から見ている、わたし的に思い入れのある89期のスタイル良しさんで愛着のある子だ。初舞台ロケットではGOアカツキと共に、話題をさらった子だ。躍進してほしいと思う。
 

 こんなことして誰のためになるのかさっぱりわからないが、カチャにも月組さんにも幸多かれと願う。や、マジで願うよ。
 いい結果につながりますように。

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