陽月華という名前。

 最初はなんにも思わなかったけれど、あるときふと気づいた。

 太陽と月と花。
 タカラヅカが象徴するものに加え、わたしが個人的趣味で「必要だ」と思っている要素を、全部端的に揃えた名前なんだと。

 太陽っていうのは、光。
 タカラヅカスターに必要な、キラキラ。
 そして花は、美しさ。
 タカラヅカスターには、ナニより先に美貌が必須。

 ここまでは、一般論。
 わたしはその上に、「陰」が欲しい。

 ただ明るいだけ、痛みもヨゴレもなにもない、きれいなだけのキラキラ美形には、ほんとうの意味で惹かれない。
 わたしを虜にするのは、ヅカらしい美しさやスターらしさを持った上で、さらに「陰」の部分を持った人だ。

 太陽に対する、月。
 陰を表す言葉だ。

 太陽と月と花。
 見事に、わたしの好みを揃えている。
 しかも余分な説明無しで、ひたすら美しい並び、語感、字面。

 完璧だわ、この名前!

 と、震撼した。

2009/1/26
宙組主演娘役 陽月華 退団のお知らせ

宙組主演娘役 陽月華が、2009年7月5日の東京宝塚劇場宙組公演『薔薇に降る雨』『Amour それは・・・』の千秋楽をもって退団することとなり、2009年1月27日に記者会見を行います。

 予感はあったので、驚きよりも、寂しさと哀しさが強い。
 やはり、そうなのか、と。

 ひたすらあっけらかんとキラキラも出来るし、オギー作品で毒を滲ませることも出来る、陽と月とを併せ持つ美貌のスター。

 めずらしく買った「歌劇1月号」のウメちゃんの絵と文に大ウケしていたさ。
 ヅカヲタでありながら娘役トップスターであるという矛盾を、かろやかに両立してしまう姿に。

 類型に収まりがちなタカラヅカにおいて、前人未踏のキャラクタを造形してくれた、娘役トップスター。
 『バビロン』の女豹ちゃんで一目惚れして以来、ずっと特別な女の子だった。

 
 さみしいなあ。
 さみしいよ。

 どんどんみんな、いなくなる……。

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