タカラヅカである以上、やっぱビジュアルってのは重要である。。
 そして、こと下級生で美しい子というのは、貴重である。

 経験を積めばみな美しくなるものなので、その経験の浅い下級生時代、新人公演で「美しさ」を発揮するのは、芝居や歌の技術と同じように難しいことなのだろう。
 なにしろ下級生は、太い。
 若い娘さんは肌に張りがある分、ぷくぷくしている。
 オフではみんなスマートなスタイル良しさんたちだとわかっているが、舞台の上はスマート程度じゃ太って見えてしまう。ジェンヌは大変。

 すらりと痩せていて、スタイルが良くて、舞台の上で美しい顔立ちの男役、つーのはほんと、稀少なのだなと思ってみたり。
 脇で「あ、あの子きれい」と思ってみても、実際その子に役が付いて、たくさんの台詞や場面を与えられても「きれい」でいられるかは、また別問題だし。動いたらきれいでなくなる場合だってある。

 
 「きれい」は才能。持って生まれただけでなく、磨くことで光るもの。
 「きれい」ってだけですごい。
 「きれい」が技術である以上、新人公演で「きれい」であることは、すばらしい(笑)。

 て、前置きで。

 ホセ@キングが、美形だった。

 ホセ役って、美形悪役だったのか!!
 本役はハマコさんなので、そんなことカケラも考えなかったが(失礼)、キングときたら、笑えるほど「美形」に作ってました(笑)。←笑うのか。

 ストレート・ロン毛に前髪一筋垂らして、アニメかゲームのキャラみたいっす。黒髪が黒い服に栄えて、いかにも美形悪役風っす。

 いやあ、とにかく「美しく」あることで勝負懸けてるのは、見ていて気持ちいいね。だってここタカラヅカだし! なにはどうあれ、なにができようとできなかろうと、とにかくただひたすら「美しく」。
 ハマコと違ってラスボスというより、最後の崩壊っつーかへタレぶりがまた小物感満載なんだけど、美しいからそれだけでいいや(笑)的ステキ・キャラ。
 総督と「美形」としての役割が、本公演と新公では入れ替わっていた感じ。

 
 でもって。
 わたし的に今回の新公で、もっとも美しかったのは、実はガルシア@まなはるです(笑)。

 ほっぺたぷくぷく真ん丸顔の男たちの中、ふつーに小顔できれいなフェイスライン。長い手足、細いカラダ。
 役作りできっついメイクして、反り返った変な立ち方しているけど、顔もスタイルも美しいってばよ。

 てゆーかさ。
 ガルシアが、熊の体格でも、蟻の脳みそでもなかった。

 背は男役として、雪組として、十分な高さがあるけど、なにしろ細いので熊というほどのキャラではない。
 そしてなにより、本役ほど、アホキャラには見えなかった。

「まなはるは蟻の脳みそぢゃなかった! ヲヅキは蟻だったのに!!」
 新公観劇後、ヲヅキファンのチェリさんの嘆きが(笑)。
「ヲヅキがあんなにバカなのは、脚本のせいではなく、ヲヅキのせいなの?」と。
 いや、脚本に「蟻の脳みそ」とあるんだから、本当にバカに見えるヲヅキは正しいんだよ。
 正しいけど、ここはタカラヅカだから「かっこいいヲヅキが見たい……」と肩を落とすファンの言い分ももっともで。

 バカだけど脳みそが足りないのではなく、脳みそまで筋肉の、体育会系バカである新公ガルシアは、「え、アレ誰?!」ってくらいには、かっこよかった。

 かっこいい、けれどそれは別に、まなはるがかっこつけててアホな役をアホに演じていない、というわけじゃない。
 彼はとことんやっている(笑)。
 もとが今風の美形くんなのに、描き過ぎてすごい顔になっているお化粧、行き過ぎた表情、渾身のギャグ芝居と「蟻の脳みそのガルシア」をすげー鼻息で演じている。
 ヅカらしい美しい役ではないが、ガルシアは儲け役だ。そんな役がついたことがうれしいんだろうな。やる気があふれていて、ちょっと恥ずかしいというか、微笑ましい。

 『凍てついた明日』のときも思ったけれど、まなはるは下級生ながら「男役」なんだよなあ。「少年役」「子役」ではなく、タカラヅカの舞台の適齢期である年代の男役を作ろうとしている。
 ぷくぷくした男役未満の少年役ばかり目に付く下級生たちの中で、彼の早熟ぶりは貴重だと思う。
 美形でスタイル良しで、演技もアグレッシヴ。とっとと新公主演させて、もっと鼻息荒くさせてやってくれ、と思うよ。

 ……渾身のバカ男芝居が、「脳みそまで筋肉」止まりで「蟻の脳みそ」にならないのはソレ、持ち味の違いもあるが、演じているまなはるの鼻息の荒さも関係していると思う。
 アスリートのようにいい汗かいてるんですよ、あの人。あまりに本気で体当たりだからしかもそれすら楽しそうだから、そのがんばりが見えてしまっている分、思考力や知性があるように見える。
 経験を積めば、もっとバカに見える、ヌキの演技も出来るだろうけど……「蟻の脳みそ」を完璧に演じるスキルよりは、他のスキル磨く方が今後役立つだろうから、今のキャラでいいんじゃないかな(笑)。

 
 さて、文字数なくなってきたので。
 美形語り、最後はもちろん、キッキング・ベア@あずりんです。

 えー、よーするに「インディアン・チームのその他大勢」です。みんなと一緒に出てきて喋る人たちの後ろに立っていて、みんなと一緒に退場する、そーゆー役。

 …………台詞喋って、演技しているあずりんが見たい…………。
 彼の声とか喋り方とか、歌とか、できるのかどうかすら、よくわかんねーよ、今のままじゃ。

 が、しかし。
 台詞はなくてもライト当たらなくても、胸にマイクすら付いてないときがあっても、とりあえずあずりんは、イケメンです。
 
 あああ、かーっこいぃ。
 見た目がちゃんと「男役」で、クド過ぎる全身演技やってるので、モブ扱いでも見ていて楽しい。
 インディアンとメキシコ人やってるときは、とにかくクドいっす。そして、スペイン人やってるときは澄ましているので、ギャップが素敵。

 ベルナルドが死んだあとのワタン・タンカとかもー、濃いぃ濃いぃ。目がギラギラしてる。
 土臭い汗臭い男だ。感情が激しく、荒い。でも態度はいつも一歩下がったまま、立場をわきまえている感じ。いかにもインディアン。きっと、命の臭いがする男なんだろうな。

 あずりんは学年からいっても「若い男の子」であるんだけど、わたしが彼を好きなのは、最初から「かわいいけど、子どもだから対象外だわ」って思わないこと。
 わたしの年齢はさておき(笑)、「レンアイしてOKな年齢の青年」と思える。
 タカラヅカは夢の世界なので、旬な男たちを愛でたい。旬ってのは、自分にとっての「レンアイ可能な年齢」(笑)。そしてこれはジェンヌ個人の学年でも年齢でもなく、舞台の上での見た目やイメージの年齢ね。
 トウコちゃんやゆーひくんが今研いくつで、実年齢いくつであっても関係なく、舞台で旬な青年であるように。
 わたしはショタの気がまったくないから、子どもにはときめかない。どんなにかわいくても美少年でも、大人になってくれなきゃ、「旬」と思えない。
 そーゆー意味であずりんは、スカフェのぴっちぴちに若い男の子であったころからすでに、「対象外の子ども」ではなく、「旬な男」だった。
 最初から、「子ども」ではなく「男」だったから、ときめいたんだな。

 
 若い子はどうしてもぷくぷくで女の子っぽい。
 男役であること、男役として美しいこと、は才能であり技術であるので、若者ばかりの新公では余計に、「きれい」であること、「きれい」を作れる子に注目してしまう。

 ……まあ、所詮は好みの話でしかないけどな(笑)。

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