アルバロ@まっつは、知っていたのだろうか。

 エリオ@まとぶんの決意を。
 つまり、エバ@あやねちゃんと兄妹だと知ったエリオが、最後の舞台で死を選ぶことを。

 エリオの出生の秘密がわかる場面にて、その場にいる「部外者」はアルバロだけだ。
 エリオ一家とエバ母@ちあきさん、エバのパトロンであり彼女を巡る決闘相手のロメロ@ゆーひと、その甥フェリーペ@めおくん。フェリーペはエリオの捨てた婚約者アンフェリータ@いちかに惚れているという事情もある。
 そんな濃いぃ人間関係の中、アルバロひとりしがらみナシ。エリオの同僚ってだけ。

 ひとりだけ部外者で、いきなりあの騒動ですよ?
 アルバロが真のチャラ男なら、絶対逃げ出してますって。

 友だちに「告白のつきそい」を頼まれてついて行った校舎裏、ふつーに「好きです、つきあってください」で済むと思っていたら、母だの妹だの乱入してきて「オマエたちは実の兄妹~~!」とか「実は腹違いの~~」とか、他人のお家事情全開で慟哭されたら、泣いて逃げ出しますよあたしなら。ごめんなさい勘弁してくださいそんな濃ゆい世界に巻き込まないでください、聞かされても困ります背負い切れません。

 なのにアルバロ、その場にとどまって、全部聞いてるし。受け入れてるし。

 そもそもなんでアルバロが、エリオの決闘の立会人になったのか。
 下手したら、死を看取る相手なわけでしょ? 半端な人には頼めない。チーム・アントンはどの規模の団体なのかわかんないけど、人手不足だよな、明らかに。
 ビセント@みわっちが去り、ここでエリオがいなくなったら、もう正闘牛士はアルバロしかいないという(笑)。てゆーか、3人しかいないのか? あとは剣係とか見習いとかだよねえ?
 最初のパーティで正闘牛士として招待・紹介されたのが3人だけだったので、あとわいのわいのと何人もいるメンバーは、見習いかと思ったけど、実はらいらいやしゅん様も正式なマタドールなのか? プロとしてデビュー済で、アリーナにひとりで立っているのか?
 アルバロに光の衣装を着せていたマリオ@鳳くんは、剣係であって闘牛士ではないよね。正闘牛士はそんなことしないだろーから。だからマリオと同等あたりの男たちはみんな、アントンの弟子ではあっても闘牛士ではないはず。そりゃ彼らも衣装着て舞台には出るけど、主役じゃない。
 なんにせよ、同じ職場で立会人をしてくれるのが、アルバロしかいなかったのか?

 このへんの関係が明記されていないので(笑)、「他にいなかったから仕方ない」と消去法でアルバロなのではなく、たくさんいる中からあえてアルバロだった、としても。

 どっちから申し込んだんですか、エリオとアルバロ。
 エリオが「立会人になってくれ」とアルバロに頼んだの? それともアルバロが自発的にエリオに名乗り出たの?

 そんな重要な役を頼むような、間柄だったのか。

 エリオは信頼厚い人なので、彼の「トクベツ」になりたがる男たちは大勢いるんだろうけど、なにしろ「闘牛より仲間より、恋が大事、女が大事」と言ってのけて、仲間たちからつるし上げ食らっていた直後だ。
 このタイミングでエリオの味方になるのって……。

 知らなかったなあ、アルバロってエリオの親友だったんだ?(やっぱり消去法なんぢゃ……?笑)
 エリオとアルバロが、どっちが年上なのか、先輩なのかも、作中からはわかりません。お互いタメ口だよね。
 同期で同じ組、しかし片方トップスターで片方脇の職人とか、そんな感じ? 親友というほどべたべたしてないけど、同期だからいざというときは助け合う、みたいな? みんな退団していき、今は同期ふたりだけだよ、みたいな?

 とにもかくにも、実はエリオとアルバロが親友だった、つーことだとして。
 最初の疑問にたどりつくわけだ。

 アルバロは、知っていたのだろうか。
 エリオが、最後の舞台で死を選ぶことを。

 知る、とまで明確な思いはなくても、予感はあったんじゃないだろうか。
 エリオがなにかしら決着をつけるつもりだろう、と。

 だからこそ、光の衣装を身につけて現れたエリオと、無言で頷き合っているのだろう、と。

 エリオの秘密を知ってしまったという点では、ロメロとフェリーペも同じだが、彼らはエリオのことをよく知らない。今回知り合ったばかりの他人だ。
 同じ釜の飯を食ってきたアルバロとはチガウ。

 友人の秘密を知り、彼がなんらかの決着を……最悪の場合は死を選ぶだろうことを受け止めた上で、覚悟した上で、見守る、ってのは。

 担っているモノはものすげー重さと濃さなのに、あくまでもメインフレームに入らないところにいるからこそ、注目すると、たのしい。

 や、ほんとのとこがどうなのかは、なにしろ脇役ゆえに本編中で言及されていないので、観ているモノが勝手に妄想していいわけですよ。フリーダムですよ。

 エリオの決心に気づいていなかったとしていろんな展開をシミュレーションするのも、気づいていたとして心情をロールプレイングするのも、いちいちたのしすぎます。

 気づいてなかったら、いきなり自殺されてショック受けるだろうねえ。どーして気づかなかったのか、事情を知るただひとりの人間だった自分を責めるだろうねえ。
 気づいていたら、どれほどの痛みを持って最後の舞台を見守ったのか。なにを超えてなにをひきずって、受け入れたのか。純にも腐にも想像の翼がはばたいて、帰ってこられません(笑)。
 たーのーしーいー。

 アルバロさん主役で小説書けます、こんだけおいしい設定だと。
 『哀しみのコルドバ』という、同じタイトル、同じ出来事を使って。
 ただ、演じているのがまっつだから、あまりわかりやすく腐ってくれないっつーか、せいぜいキスシーン入れられるかどうか、てな軽い腐り具合になりそうだ。ちぇっ。まっつってあまり腐女子的にオイシイ人ではないと思うのですよ、そっち方面での色気やゆるさに欠けるってゆーかね。
 ……てのは、ただのひとりごとですから、深く考えないように。アルバロ×エリオ、とか、ただのひとりごとですから、深く考えないように。あー、やっぱ攻キャラが好きだなー。と、いかんいかん、ひとりごとが長いぞオレ。

 主人公がやたら盛り上がって大騒ぎで大変(笑)な場面で、台詞もないアルバロをガン見しているのがたのしいです。
 一旦背中向けて、だけどまた振り返って。表情もそんなに変わらないんだけど、顔芸とゆーよーなわかりやすい派手なことはしていないんだけど、たしかに感情が見える、相変わらず地味に堅実に仕事をしている様が、すげえツボです(笑)。



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