おーぞらゆーひさん。78期、研18。
 みすずあきさん。84期、研12。
 その差、6期。6年。

 小学校に入学した子が、卒業するほどの期間。まっつが新入学おめでとうランドセル背負って給食袋ぶらさげているときに、ゆーひさんはセーラー服着てたりするわけだ。
 実年齢は6つも離れていないことは知っているけど、タカラヅカは学年重視、ジェンヌはフェアリー、年齢などなく学年があるのみ。
 ゆーひさんとまっつは、6年違い。

 6年って、けっこー大きな差だと思うんだけど……。

 「少年」役が苦手なのは、どちらの人ですか?

 全ツ『Red Hot Sea II』の名場面「引き潮」において。
 ゆーひさん研18、まっつ研12、だいもん研7……このメンバーでそれぞれが若々しい初恋を演じているわけだが。

 ……研7のだいもんに、初々しさ、少年らしさで勝てないのは仕方ない。しかしっ。
 研18のゆーひさんに、初々しさ、少年らしさで勝てないのはどーゆーことっ?! ぶっちゃけ負けてますがなっ!

 いやその。
 まっつさんも、すごーくがんばってます。まっつさん的に相当がんばって若ぶってます。実際、かわいいです。でも。

 ……波打ち際でうふふあははこいつぅ♪と戯れる少年少女、つーのには、そぐわない人だと思います……いろいろと。

 ゆーひくんといちかちゃんカップルの叙情性がすごいです。台詞はひとつもないけれど、彼らの物語が見えます。
 いちかの、青空の下が相応しい白さだけれど、決して透明でも幻でもない存在感が、ゆーひさんの現実離れした美しさをこちら側へ引きつけ、このふたりが現実の存在だと教えてくれます。

 だいもんののびやかな少年らしさと、姫花ちゃんのアンドロイドっぽい美しさは、ジュブナイルのかほり。

 まっつの全開の笑顔と少年ぶりっこと、ゆゆちゃんの意外な大人っぽさ。
 ほんとにゆゆちゃんは大人の女性が無邪気に笑っている感じで。そしてまっつががんばって年齢下げているので、ちょっとよくわかんないカップルになっているよーな気が、しました。
 まっつ、もう少し無理のない年齢にしてもよかったかも……。ゆーひさんカップルより年少にしなければならないという縛りがあったのかもしれないが、向こうの相手役がいちかである以上そのへんはもう勝てないとあきらめて、「少年ではないけれど、大人でもない」あたりを狙った方が良かったのでは……?

 それでも、これほど設定年齢の若いまっつを見ることはそうそうないだろうからと、ガン見してました(笑)。

 そっかぁ、考えてみるとゆーひ、まっつ、だいもんって、それぞれ4つ違いなのか……バランスはいいはずなのに、なあ。(ジェンヌはフェアリーです、年齢はありません)

 
 しあわせそうな妊婦@あやねちゃんと、彼女になつく妖精さん@みわっち。
 銀橋がないせいか、みわっちが妖精さんオンリーでないせいか、妖精さんの比重が下がって見えた。

 大劇で見ていたときは、もっと妖精さんの気持ちがダイレクトに伝わってきたんだけど。彩音ちゃんのこと好きなんだな、でも妖精さんの姿は彼女には見えないし、プレゼントした貝も置き去りにされるしで、彼女への愛情分悲しみや不満がわきあがったんだな、と。
 自分を振った相手のことを恨めしく思い、「なんだよ、あんな子、不幸になればいいのに」と、心のどこかで思った……その通りに、相手に不幸が訪れ、彼女の夫が殺された。
 本気じゃないし、ちらりと思っただけで、本当に不幸になれと願ったわけでもないし、実際に手を下したわけでもない。
 妖精さんが悪いわけではまったくない。だけど。
 心に闇を持ったのは、ほんとうで。
 その闇ゆえに、彼女が不幸になったのだとしたら……。
 葬列を見送る妖精さんの嘆きが痛々しく、だからこそ、そんな彼を抱きしめに現れる風のゆーひくんが救いになった。

 それが、今回はさらっと流れた印象。妖精さんの物語ではなく、あくまでも彩音ちゃんや、その夫まとぶんの物語に見えた。……妖精さん、いなくても問題なし、ぐらいに。

 彩音ちゃんに絡む男@まっつの野獣っぽさは、なんなんだろ。
 貴族とか医者とかが似合うまっつだけど、彼がチンピラを演じるとすごく下卑な男になる。
 大劇でまとぶんの首を絞めて哄笑する男を演じていたときも、その笑いがすごく下卑で厭ったらしくておどろいた。
 今回の役も下品、という以上に卑しく、凶暴な感じ。
 壮くんが持っていた可愛げのようなものが無い。

 なんかすごく露骨に……生々しく「厭」なものを感じる。
 うわ、この男、厭だ。

 踊っているときはその厭さが薄まり、ふつーにかっこいいんだけど。
 ダンスから芝居へ移行するなり、また「厭」度がぐーんと上がる(笑)。

 わたしは暴力的なものが大の苦手で、テレビドラマとかでも暴力団絡みとか、不幸や破壊の臭いのするものがすごく苦手。一般人が友だち同士で殴り合いのケンカ、とかならいいんだけど、下卑な男たちが暴力で弱者をいたぶる系はほんとダメなの。取り立て屋とか、立ち退き系のいやがらせをする人とか、ドラマでよく出てくるあーゆーの。
 この縄使いまっつに感じる「厭」さは、そーゆー厭さ。うわ、こっち系になるのか、まっつって。

 まっつ、ステキ。

 ……どっちやねん。
 て、自分でツッコミますが。

 こんだけ「厭」なモノを見せつけられると、吊り橋効果抜群ですわ。その「厭」さから、目が離せない(笑)。
 そっかぁ、まっつってこっち系になるんだ、それならいっそ、こーゆー役を芝居でやってほしいなあ。
 とことん悪で、そして、安っぽいの。「ほんとはいい人」でもなくて、「裏社会でそれなりの地位」もなくて、ほんとにただのチンピラ。悪意と暴力だけの人。
 古い話で恐縮だが、浅倉@『仮面ライダー龍騎』とかを見てみたいなぁと思う。

(放送当時、仮面ライダー王蛇@浅倉が変身する悪役ライダー役のシャンゼリオンな彼が、成瀬こうきに似ていると思っていたので、そっからの連想だと思われます。今、いきなり思ったんだわ。てゆーか、『仮面ライダー龍騎』のヅカ妄想キャスティングしたらたのしそーだ・笑)

 で、話戻って、まとぶんを殺してしまったあとのまっつ。
 それまでの下卑た凶悪男から一転して、よわよわヘタレになってあわくって逃げ出していく……のが、違和感。
 この男なら、殺人くらいでびびらんでしょう。舌打ち程度で身を翻していいんじゃないの?

 思わぬ殺人でいきなりヘタレになるのは、演出家のセンスの問題かと思う。
 壮くんのチンピラならば、殺人のあとあわくって逃げ出してOKだけど、まっつのチンピラはそうじゃないでしょう。壮くんにはスカートめくりをさせて、まっつにはもっと直接的な暴力をふるわせておきながら、何故最後だけ同じ演出にするかな。
 それとも、演出家意図よりもはるかにまっつが悪になっちゃってるから、ラストが合わなくなっているのか。まさかまっつがこんだけ厭な男になるって、ファンでも思ってなかったし?
 しかし、ラストが変だから、もっと全般に悪を押さえるか、ラストの演技を変えるかするべきだと思ったさ……。

 それとも二重人格で、彩音ちゃんに絡んでいるのはハイド氏で、最後でジキル博士に戻ったの?

 
 まっつを語ると長くなるなあ。半端に続く。 

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