れおんくん、ねねちゃん、トップスターお披露目初日、おめでとう。

 新生星組スタートだ。

 そして、かなめくん、復帰おめでとう。

 ちょっともー、どきどきしちゃったよ、塀から飛び降りる演出あるんだもん。不自然なほどのクッション付きだったけど(笑)。

 
 新生星組お披露目公演『太王四神記 Ver.II』初日へ行ってきました。

 『Ver.II』です。続編でも新作でもなく、『Ver.II』。
 花組の『太王四神記』に、ちょっくら手直しをして、展開をなめらかにした感じ。
 ぶっちゃけ、『Ver.1.5』って感じ。『2』まで行ってないよーな。バグ取りだけして、急遽発売したソフトって感じ……ゲフンゲフン。

 変更点は大きいのから細かいのまでいろいろあったが、わたし的にいちばんツボった変更点は。

「キハが生むのはオマエの子だ……俺は指一本触れていない」

 ですね!!(笑)

 ヤラせてもらえなかったのか、ホゲ!!

 ……表現が下品ですみません。
 でもでも、すっげーツボった。ウケた。

 そう、婚約発表パーティで、ホゲ@かなめとキハ@ねねには、キスシーンがなかったのよ!!

 あれ? 花組版ではあったよね? ホゲ@ゆーひの冷たいキスが萌えポイントのひとつだったはず。
 なのになんで? キスしなかったぞ?? それともわたし、よそ見していた?

 と、思っていたら。

 死の間際に、この台詞!!

 ヤラせてもらえなかったのか、ホゲ。
 キハの寝室には、鍵が掛けられていたんだな。

 ガウン姿でいそいそ寝室へ行ったのに、鍵が掛かっていてがーん、扉の前で「開けておくれ♪」と歌うホゲが脳裏をよぎった。

 こんなところでアテ書きしてるのか、イケコ!

 ゆーひくんのホゲは、やることやってると思う。
 冷たい目をして偽りの婚約者にくちづけ、人形のようなカラダを抱くんだろう。
 それこそが萌えだ。

 しかし、かなめくんのホゲはキハに手を出さない。キハに拒むことが出来ないとわかっていても、強引に奪ったりしない。
 妄執に取り憑かれているとしても、根はやさしい青年だ。
 タムドク@れおんの恋人を抱くことはできなかったんだろう。

 
 イケコの手直しは的確で、ほんとにアレンジ力はある人なんだと思った。
 骨組みは同じなので、「間違っている」ところはそのままなんだが(タムドクが王位を放棄してキハと逃げちゃったり、ヤン王の言動がめちゃくちゃだったり、ヤン王殺人事件追求がうやむやめちゃくちゃだったり)、大筋を変えないところで細かく改稿してなめらかにしてある。

 なんつっても、タムドクが、アホの子ぢゃなかった。

 ……まとぶが不憫に思えるほど、脚本変わってます。

  
 まず、神話時代と無駄な2役がなく、タムドク一本になっているのでわかりやすい。
 タムドクの初登場場面がカッコイイ。
 王となる宿命を背負わされた少年タムドクにオーバーラップするカタチで、大人のタムドク登場。
 「その女の子たちは私の練習相手だ」という、わけのわかんない登場ではない。

 女の子たち相手に武術の稽古をしているよわっちい王子様ではなく、すでにカクダン@まりもちゃんたちよりはるかに強くなっており、女の子たちが5人がかりでかかっても、タムドクには敵わなくなっている。

 で、これってかなり大きな変更だと思うんだが、「チュシンの夜に生まれた」というのは秘密ではない。
 タムドクが10歳のとき、前王@組長が次期王を選定するときに、周知のこととなっている。このときから、「タムドクはチュシンの王」と天地神堂の託宣アリ。
 タムドクはヤン王@一樹さんの次の王だと決まっている。

 タムドクとホゲの関係がより自然な友人同士になっている。
 タムドクは託宣で「王になれ」と言われており、ホゲは母親や周囲の期待で「王になれ」と言われている。双方「別に王にならなくていいんだけどなー」と思いつつ、「周囲がそう言ってるから、どーしたもんか」と思っている。
 立場が同じであり、かつ、ホゲはタムドクが世間で言われるアホでないとわかっているらしい。本音でつきあっているようだ。ふたりともチュシンの夜に生まれた、と彼らも観客もみーんな知っているので、「チュシンの星の元に♪」の歌が嘘くさくない。

 秘密じゃないから、王宮の書庫でキハと出会ったときに、「チュシンの夜に生まれた」と話しても変じゃない。みんな知ってることだもの。
 チュシンの夜に生まれ、神様も父王も自分に次の王になれと言ってるけど、同じチュシンの夜に生まれたホゲが王になるべきじゃないかと悩んでいる、のは、タムドクのまともさ表しているよな。

 また、タムドクとキハは、子どものころに出会っている。
 書庫が初対面じゃない。「あのときの……」ということで、親近感を持って話している。

 「じしゅれん?」と舌っ足らずに首を傾げる無知な少年時代もないし、母親が命がけで守った秘密(山の中でこっそり出産したりしなかったら、死なずにすんだんじゃないの、タムドクママ)、父王が生涯懸けて守ろうとした秘密を、会って数分の見知らぬ女にぺらぺら喋る、父王のもとに会って数分の見知らぬ女を連れて行くということもない。

 タムドクがアホの子じゃない。
 ふつーに大人だ。

 書庫に忍んできていたキハに「特技を見せてくれたら、ナイショにしてあげるよ」と言うところも、王子らしい、上から目線だ。
 なにも考えてない無邪気さでねだっている風じゃない。

 で、タムドクさいてーポイントの大きなひとつである、2幕最初のコムル村。
 「チュシンの王タムドク様に、身も心も捧げます」と平身するコムル村の人々に「や、そんなことより自分の恋の方が大事」とぬかす、仰天場面。
 チュシンの王として覚醒し、幕。……だったあの1幕の終わり方はなんだったの? 国より世界より、女のことかよ?! と、観客の目を点にしたあのアホ場面が、変更されていた。

 神話が冒頭ではなく、この2幕のコムル村場面に「伝承歌舞」として挿入されており、ファヌンとカジン、セオの物語の中にキハの姿をフラッシュバックして、物思いに耽る。
 「チュシンの王」としての務めを否定するのではなく、「今は疲れているから」と断ってコムルの民から離れ、そこではじめてキハを想う歌を歌う。

 
 タムドクがさいてーぢゃない。
 おかしなところはそりゃあるが、少なくとも、直せるところは直してある。
 ちなみに、ホゲの初登場シーンより、タムドク初登場シーンの方が、ちゃんと目立って格好良くしてある。タムドクがただのアホで、ホゲがやたらかっこよくしてあった花組版とチガウ。

 イケコGJ。
 
 GJだし、れおんと新生星組のために、『Ver.II』がブラッシュアップしてあることがうれしいし、よろこばしい。
 が。
 ……オレ、花担だからちょっと寂しい(笑)。まとぶんのタムドクにも、これくらいちゃんとアホにならない脚本を書いてあげてほしかったよ。
 花組版が先にあったから、失敗した部分を手直しできたんだろうけどさ。
 や、まとぶんのタムドクは、脚本のアレさをカバーするアツさや誠実なまっすぐパワーがあったからいいんだけどさ。ソレとは別に、こーゆー描き方もアリだよなと。

 
 ともあれ、新しい時代のスタートだ。
 みなに幸あれ。

 
 他の変更点、感想は翌日欄へ続く。

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