悪役と女史とその秘書と。@太王四神記 Ver.II
2009年7月29日 タカラヅカ 『太王四神記 Ver.II』初日でいちばんがっかりしたのは、プルキル@すずみんだ。
舞台人としての彼の能力に期待と安心していた分、そのダメダメっぷりに落胆した。
そうか、すずみさんにも出来ないことってあったんだ……と。なんでもそつなく及第点は出してくれる人だと思い込んでいたので。
日をおいて観に行く楽しみのひとつは、舞台の深化を確認できること。
天下の涼紫央が、あのダメダメなまま終わるとは思えない。すずみんはどーなっているかしら、とわくわくしていたら。
プルキルの目に、触覚が生えていた(笑)。
ナニやってんですか、涼さん!(笑)
プルキル@壮くんは眉が二股に分かれていたけれど、すずみんは目尻が二股に分かれていた。
デビルマンもびっくりだ。
悪役化粧が行き過ぎて、化物化粧になっている(笑)。
でもって演技もそのお化粧に相応しい、化物めいたものになっていた。
立ち方からしてチガウ。姿勢、声色、すべて「ふつーの男役」とは変えてきている。基本ジョブが「王子様」のキラキラすずみさんが、「美しく見える技術」すべて捨てて怪演している。
すごいなー。
さすが、すずみん。
それでも大劇場とこのトンデモ作品に相応しいハッタリは足りていないんだけど、役割を果たすために「美しさ」を捨ててくるところに舞台への誠実さと、役者の誇りを感じた。
自分が美しくあることよりも、役割を果たすことを選んだんだね。
や、それは別に舞台人としてふつーのことで、役と真摯に向き合った結果、化物プルキルに行き着いちゃっただけで、それ以上でも以下でもないんだろうけれど。イシダ作品でおてもやんをやる子が楽しそうに鼻水まで描き込むよーなもんで、役者としては当然のことなのかもしれない。
それでも、初日では美形悪役風だったプルキルが、どっから見ても怪しい人になっているのはGJだ。
あまりにあからさまに怪しいので、これがお茶の間なら子どもたちが「そいつ悪モンじゃん、なんでわかんないかな」と画面に向かって身も蓋もなく突っ込んでいることでしょう。
技術のある人が本気で新しいものに取り組むと、こんだけいつもと違ったものを作ってくるのか。
すげぇや、すずみん。
でも結果として、プルキルがヅカの悪役ではなく、ふつーに醜いラスボスになっているので、より一層「少年マンガ」になっている。
花組版は女性向きだったなぁ、つくづく。繊細でやさしいタムタム@まとぶんと、ひたすらかっこいいホゲ@ゆーひに、どこか愉快さもある派手な悪役プルキル@壮くん、キャラの立った元気少女スジニ@みわっち、と、女性向けヲタクコミック系のノリだった。
星組版はとにかく主役タムどん@れおんが追従を許さない強さで、ホゲ@かなめはタムどんにまったく適わないし、悪役プルキルはただの敵役の悪者だし、スジニ@みやるりはキャリアからして仕方ないんだけど、あの程度の描かれ方じゃそれほど目立たないし。「絶対いかなるときも主役が勝ち続ける」少年マンガみたいだ。
でもって、少年マンガっぽさに拍車を掛けているのが、恋愛要素の少なさ。
花組版でタムタムがキハ@あやねちゃんにベタ惚れデレデレだったのに対し、星組版のタムどんときたら。
キハ@ねねちゃんに、それほど惚れ込んでないよね?
好きは好きなんだろーけど、けっこー上から目線っていうか。
足場の悪いところをふたりで歩くとき、タムタムがキハを大切にやさしく抱き下ろしてやるイメージなら、タムどんは強引に引っ張り上げるイメージ。
男のタイプもチガウわけだから、とーぜんヒロインのキハもタイプがチガウ。
初日にキャラが見えなくて首を傾げたねねちゃんのキハは、なんかすごく堅い人になってました。
巫女じゃなくて、武人だよね、この人?
カクダン@まりもちゃんよりさらに硬質な、「仕事できる女」風というか。現代物ならびしりとスーツにまとめ髪、眼鏡が必須アイテムな女史風っていうか。
タムどんって女近衛兵たちとつきあっていそうなキャラだから、説得力はあったけどな。
そうかタムどん、こーゆータイプ好きなんだ。
女兵士みたいな、キビキビした堅い女。キャリアウーマン、男社会で対等に闘ってます風の女。
タムどんみたいに基本傲慢で強い男は、こーゆー強い女を組み敷くのが楽しいのかもな。
あ、ちなみにミョンヒョン山でのキスのあと、「ここはね」とゆーときのタムどんの声が好きだ。
かすれてみょーに色っぽいんだコレが。口説きモード入ってんですよ。「この女オトすぜ」とか「今夜キメる」とか、この男今思ってロックオンしてるなー、という「狙い定めた」感じが素晴らしいです。
仕事や使命に一途に生きてきた、強いお堅い女史を、年下の傲慢主人公がぱくっといただいちゃいますな、男目線のラブシーンがたまりません。
タムタムの「女性目線でうっとりするラブシーン」とは真逆。
花組版の作者は女性で、星組版の作者は男性だわ、きっと(笑)。
タムどんにとっての恋愛は、彼の人生の一部でしかなく、ソレ一途ってわけじゃない。なにしろ少年マンガだから、戦いや国の方が比重が大きいんだよな。
……だからこそ、ラストで戦いより国より女が大事、と言い出すのは不思議なんだけど。それでも、いかにも強そうに正しそうに宣言されちゃうと「そーゆーもんか」とも思えるし。
キハに神秘性はあまりなく、リアルなお堅い女史風だったので、サリャン@ともみんの存在が、気になります(笑)。
キャリアスーツに知的眼鏡女史の、寡黙な秘書。ガタイの良いことが、地味なスーツ越しにもよくわかり、終始控えめに付き従いながらも、彼が女史を愛していることはなんとなくわかる……という。
いつこの男が身分違いの愛を爆発させて、女史を押し倒すか毒殺を企むか(それってどこのアンドレ)気が気じゃない感じがいいです(笑)。
聖なるお方に心酔している、とゆーより、生身の女に恋している感じがイイですな。このサリャンにとって、あのキハは手の届かない人ではないですよ、多分、手を伸ばせば触れられるし抱くことも出来るふつーの女ですよ。
サリャンはクールに作っているし、どっかの堪え性のないアンドレと違って、キハに手を出すことはないとわかっているけれど、ふつーに生身と女と生身の男、という見てくれが、いい感じです。
舞台人としての彼の能力に期待と安心していた分、そのダメダメっぷりに落胆した。
そうか、すずみさんにも出来ないことってあったんだ……と。なんでもそつなく及第点は出してくれる人だと思い込んでいたので。
日をおいて観に行く楽しみのひとつは、舞台の深化を確認できること。
天下の涼紫央が、あのダメダメなまま終わるとは思えない。すずみんはどーなっているかしら、とわくわくしていたら。
プルキルの目に、触覚が生えていた(笑)。
ナニやってんですか、涼さん!(笑)
プルキル@壮くんは眉が二股に分かれていたけれど、すずみんは目尻が二股に分かれていた。
デビルマンもびっくりだ。
悪役化粧が行き過ぎて、化物化粧になっている(笑)。
でもって演技もそのお化粧に相応しい、化物めいたものになっていた。
立ち方からしてチガウ。姿勢、声色、すべて「ふつーの男役」とは変えてきている。基本ジョブが「王子様」のキラキラすずみさんが、「美しく見える技術」すべて捨てて怪演している。
すごいなー。
さすが、すずみん。
それでも大劇場とこのトンデモ作品に相応しいハッタリは足りていないんだけど、役割を果たすために「美しさ」を捨ててくるところに舞台への誠実さと、役者の誇りを感じた。
自分が美しくあることよりも、役割を果たすことを選んだんだね。
や、それは別に舞台人としてふつーのことで、役と真摯に向き合った結果、化物プルキルに行き着いちゃっただけで、それ以上でも以下でもないんだろうけれど。イシダ作品でおてもやんをやる子が楽しそうに鼻水まで描き込むよーなもんで、役者としては当然のことなのかもしれない。
それでも、初日では美形悪役風だったプルキルが、どっから見ても怪しい人になっているのはGJだ。
あまりにあからさまに怪しいので、これがお茶の間なら子どもたちが「そいつ悪モンじゃん、なんでわかんないかな」と画面に向かって身も蓋もなく突っ込んでいることでしょう。
技術のある人が本気で新しいものに取り組むと、こんだけいつもと違ったものを作ってくるのか。
すげぇや、すずみん。
でも結果として、プルキルがヅカの悪役ではなく、ふつーに醜いラスボスになっているので、より一層「少年マンガ」になっている。
花組版は女性向きだったなぁ、つくづく。繊細でやさしいタムタム@まとぶんと、ひたすらかっこいいホゲ@ゆーひに、どこか愉快さもある派手な悪役プルキル@壮くん、キャラの立った元気少女スジニ@みわっち、と、女性向けヲタクコミック系のノリだった。
星組版はとにかく主役タムどん@れおんが追従を許さない強さで、ホゲ@かなめはタムどんにまったく適わないし、悪役プルキルはただの敵役の悪者だし、スジニ@みやるりはキャリアからして仕方ないんだけど、あの程度の描かれ方じゃそれほど目立たないし。「絶対いかなるときも主役が勝ち続ける」少年マンガみたいだ。
でもって、少年マンガっぽさに拍車を掛けているのが、恋愛要素の少なさ。
花組版でタムタムがキハ@あやねちゃんにベタ惚れデレデレだったのに対し、星組版のタムどんときたら。
キハ@ねねちゃんに、それほど惚れ込んでないよね?
好きは好きなんだろーけど、けっこー上から目線っていうか。
足場の悪いところをふたりで歩くとき、タムタムがキハを大切にやさしく抱き下ろしてやるイメージなら、タムどんは強引に引っ張り上げるイメージ。
男のタイプもチガウわけだから、とーぜんヒロインのキハもタイプがチガウ。
初日にキャラが見えなくて首を傾げたねねちゃんのキハは、なんかすごく堅い人になってました。
巫女じゃなくて、武人だよね、この人?
カクダン@まりもちゃんよりさらに硬質な、「仕事できる女」風というか。現代物ならびしりとスーツにまとめ髪、眼鏡が必須アイテムな女史風っていうか。
タムどんって女近衛兵たちとつきあっていそうなキャラだから、説得力はあったけどな。
そうかタムどん、こーゆータイプ好きなんだ。
女兵士みたいな、キビキビした堅い女。キャリアウーマン、男社会で対等に闘ってます風の女。
タムどんみたいに基本傲慢で強い男は、こーゆー強い女を組み敷くのが楽しいのかもな。
あ、ちなみにミョンヒョン山でのキスのあと、「ここはね」とゆーときのタムどんの声が好きだ。
かすれてみょーに色っぽいんだコレが。口説きモード入ってんですよ。「この女オトすぜ」とか「今夜キメる」とか、この男今思ってロックオンしてるなー、という「狙い定めた」感じが素晴らしいです。
仕事や使命に一途に生きてきた、強いお堅い女史を、年下の傲慢主人公がぱくっといただいちゃいますな、男目線のラブシーンがたまりません。
タムタムの「女性目線でうっとりするラブシーン」とは真逆。
花組版の作者は女性で、星組版の作者は男性だわ、きっと(笑)。
タムどんにとっての恋愛は、彼の人生の一部でしかなく、ソレ一途ってわけじゃない。なにしろ少年マンガだから、戦いや国の方が比重が大きいんだよな。
……だからこそ、ラストで戦いより国より女が大事、と言い出すのは不思議なんだけど。それでも、いかにも強そうに正しそうに宣言されちゃうと「そーゆーもんか」とも思えるし。
キハに神秘性はあまりなく、リアルなお堅い女史風だったので、サリャン@ともみんの存在が、気になります(笑)。
キャリアスーツに知的眼鏡女史の、寡黙な秘書。ガタイの良いことが、地味なスーツ越しにもよくわかり、終始控えめに付き従いながらも、彼が女史を愛していることはなんとなくわかる……という。
いつこの男が身分違いの愛を爆発させて、女史を押し倒すか毒殺を企むか(それってどこのアンドレ)気が気じゃない感じがいいです(笑)。
聖なるお方に心酔している、とゆーより、生身の女に恋している感じがイイですな。このサリャンにとって、あのキハは手の届かない人ではないですよ、多分、手を伸ばせば触れられるし抱くことも出来るふつーの女ですよ。
サリャンはクールに作っているし、どっかの堪え性のないアンドレと違って、キハに手を出すことはないとわかっているけれど、ふつーに生身と女と生身の男、という見てくれが、いい感じです。
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