空を飛べない魔法使い。@ロシアン・ブルー
2009年8月1日 タカラヅカ この作品を迷わず混乱せず楽しめる鍵は、わたしの視界の中心にいるのが水夏希だっちゅーことでしょう。
『ロシアン・ブルー』は大野くんらしいヲタク全開な作品であるため、散漫過ぎて「たのしいけれど、結局よくわからない」に陥りがち。
ヲタクはヲタクでもサイトーくんと違って、大野くんのヲタクっぷりはうんちくヲタクなんだよね。本編に関係ない、むしろ関係があると難解になって有害なうんちくを山ほど詰め込んであるため、主軸がわかりにくくなっている。
この作品を観てすっげー思ったのは、『ポリスノーツ』みたいだ……ってこと。
や、仲間たちに「言われてもわかんないから」と即却下されたんだが、昔、そーゆーゲームソフトがあったのよ。SFうんちくてんこ盛りっちゅーか、SFうんちくの合間にストーリーがある、みたいな本末転倒作品が。うんちくは別項目で選択して読むよーになっているにも関わらず、それらを全部上から下までいちいち選択してスクロールして「読んだ」フラグを立てないと次に進まないという……知らなくてもどーでもいいことをえんえんえんえん読まされ、制作者の自己満足をまんま押しつけられて閉口したという。
『ポリスノーツ』に似ている……イタい……イタいよ大野くん……(笑)。
うんちくに足を取られて思考停止すると、そこでもう本筋から落ちこぼれてしまう。や、ストーリー自体は単純なものだからついて行けても、キャラクタの心情がわからなくなるんだが、ポイントはアルバート@水くんに注目すること。
そーすりゃ迷わずにすむよ、このRPG。
ごちゃごちゃした他のことは全部スルー。魔法使い一族とか、執事とかメイドとかレビュー団とか、政治とか時代背景とかも、全部スルー。
ただ、アルバートだけを見る。
何故彼が今、ここにいるのか。
アメリカの下院議員の彼が、はるばるモスクワまでやってきて、単純でアタマ悪そーなレビューを上演しようとしているか。
そして、その現在の彼の行動を、イリーナ@みなこちゃんに「まがいものね」と一刀両断され、ヘコんでしまうか。
自分自身が内心疑問に思っている、でも見てみないふりをしている部分を、会ったばかりの女にずばりと突かれたら……そりゃ痛いわ。
そりゃ、その女が「特別」になるわ。
なまじ、その女の外見というか第一印象が、けっこー好み(本人は「悪くない」と表現していたが)だったとしたら。そのあとにぴしゃりとやられたら、キモチのアップダウンで吊り橋効果抜群だよな。
まがいもの、と言い捨てられ、軽蔑されたあとに、彼女に対して自己確認も含めて言い訳をしているのは、彼女に「悪く思われたままでは嫌だ」というキモチの現れであって。彼女に関心があるからであって。
ガチガチ官僚としての顔ではなく、年相応の若い娘の顔で笑う姿を「かわいい」と思ったりして。
アルバートが、イリーナに惹かれていく課程は、きちんと描いてある。
まだ無意識レベルの好意だったのが、「惚れ薬を飲んだ」という前提による思い込みでタガが外れた。
本来時間を掛けて育んだり自覚したりすることが、惚れ薬ならぬ偽薬効果、ステキにプラシーボ、一気に炸裂。
共に単純……もとい、純粋な性格ゆえに効果絶大。
そーやって「薬のせいで恋愛しちゃったよ、どーすんだ俺」ってときに、彼女の危機を聞き、素直に走り出してしまう。薬のせいだからと自分に言い訳して、でもたしかに薬の力で自分に素直になって。
アルバートだけを視界の中心に、彼の恋を出会いから成就までずーーっと眺める分には、なんの問題もない。
いちいち段階踏んで、確実に丁寧に、ぶっちゃけ「お約束」過ぎるほどありがちなレンアイをしているんだ、彼は。
なのになー。
それ以外がごちゃごちゃし過ぎていて、わかりにくい。
こんなにシンプルな他愛ない恋愛モノなのに。アルバートがナニ考えてるのかすら、伝わりにくいってどーよ。
だがしかし。
その、ごちゃごちゃし過ぎていてわかりにくい、主役の恋愛事情以外のあれこれ、こそに、この作品の魅力があるとも、思っているがな(笑)。
周囲のごちゃごちゃも楽しみ、かつ、アルバート中心の視界も楽しむわけだから、一粒で何度もオイシイんだよなー。
心ない笑顔@虹色ライト付き、が得意技だという政治家アルバートさん。
政治家やってる彼の原動力が、「みんなのしあわせ」であるという、シンプルな事実。
迫害された一族の末裔だから、今もなお本性を隠して生きなければならないから、そんなマイナスの立場の人間だからこそ、自分たちも含めどんな人も人種も民族も差別されることのない社会を作りたいと、政治家を目指すど真ん中さ。
世界征服のために幼稚園バスを襲ったり、ちまちま詐欺やったり密輸したりするんじゃなく、知事選に出馬する某特撮の悪役が異色だったよーに、物語の中では「政治家になる」なんて方法を取るのは正攻法過ぎてめずらしい。
みんなのしあわせ、という、口に出すと気恥ずかしい陳腐な夢のために、大統領を目指して奮迅しているアルバートさんを、好きだと思う。
目的のために下世話になりすぎて、そのことを気にしつつも見て見ぬふりして、でもやっぱり気に病んでいるどっちつかずさを、好きだと思う。
聖人君子ではなく、いつも微妙に公私混同しているところ、好きな女の子のために、また改めて大統領という目標を確認し直すところも、好きだと思う。
愛すべき人だよ。
彼を愛し眺めることで、この作品のイタいところは全部まるっと許せてしまう(笑)。
や、このどーしよーもないヲタクっぷりは、大野くんの個性だもんな。独自のカラーを持っているのは、良いことなのでは。
とってもステキにアルバートさんを愛でているのだが、気が付くと「ジョルジュモテモテ♪」と歌ってしまうのは、何故だろう……(笑)。
『ロシアン・ブルー』は大野くんらしいヲタク全開な作品であるため、散漫過ぎて「たのしいけれど、結局よくわからない」に陥りがち。
ヲタクはヲタクでもサイトーくんと違って、大野くんのヲタクっぷりはうんちくヲタクなんだよね。本編に関係ない、むしろ関係があると難解になって有害なうんちくを山ほど詰め込んであるため、主軸がわかりにくくなっている。
この作品を観てすっげー思ったのは、『ポリスノーツ』みたいだ……ってこと。
や、仲間たちに「言われてもわかんないから」と即却下されたんだが、昔、そーゆーゲームソフトがあったのよ。SFうんちくてんこ盛りっちゅーか、SFうんちくの合間にストーリーがある、みたいな本末転倒作品が。うんちくは別項目で選択して読むよーになっているにも関わらず、それらを全部上から下までいちいち選択してスクロールして「読んだ」フラグを立てないと次に進まないという……知らなくてもどーでもいいことをえんえんえんえん読まされ、制作者の自己満足をまんま押しつけられて閉口したという。
『ポリスノーツ』に似ている……イタい……イタいよ大野くん……(笑)。
うんちくに足を取られて思考停止すると、そこでもう本筋から落ちこぼれてしまう。や、ストーリー自体は単純なものだからついて行けても、キャラクタの心情がわからなくなるんだが、ポイントはアルバート@水くんに注目すること。
そーすりゃ迷わずにすむよ、このRPG。
ごちゃごちゃした他のことは全部スルー。魔法使い一族とか、執事とかメイドとかレビュー団とか、政治とか時代背景とかも、全部スルー。
ただ、アルバートだけを見る。
何故彼が今、ここにいるのか。
アメリカの下院議員の彼が、はるばるモスクワまでやってきて、単純でアタマ悪そーなレビューを上演しようとしているか。
そして、その現在の彼の行動を、イリーナ@みなこちゃんに「まがいものね」と一刀両断され、ヘコんでしまうか。
自分自身が内心疑問に思っている、でも見てみないふりをしている部分を、会ったばかりの女にずばりと突かれたら……そりゃ痛いわ。
そりゃ、その女が「特別」になるわ。
なまじ、その女の外見というか第一印象が、けっこー好み(本人は「悪くない」と表現していたが)だったとしたら。そのあとにぴしゃりとやられたら、キモチのアップダウンで吊り橋効果抜群だよな。
まがいもの、と言い捨てられ、軽蔑されたあとに、彼女に対して自己確認も含めて言い訳をしているのは、彼女に「悪く思われたままでは嫌だ」というキモチの現れであって。彼女に関心があるからであって。
ガチガチ官僚としての顔ではなく、年相応の若い娘の顔で笑う姿を「かわいい」と思ったりして。
アルバートが、イリーナに惹かれていく課程は、きちんと描いてある。
まだ無意識レベルの好意だったのが、「惚れ薬を飲んだ」という前提による思い込みでタガが外れた。
本来時間を掛けて育んだり自覚したりすることが、惚れ薬ならぬ偽薬効果、ステキにプラシーボ、一気に炸裂。
共に単純……もとい、純粋な性格ゆえに効果絶大。
そーやって「薬のせいで恋愛しちゃったよ、どーすんだ俺」ってときに、彼女の危機を聞き、素直に走り出してしまう。薬のせいだからと自分に言い訳して、でもたしかに薬の力で自分に素直になって。
アルバートだけを視界の中心に、彼の恋を出会いから成就までずーーっと眺める分には、なんの問題もない。
いちいち段階踏んで、確実に丁寧に、ぶっちゃけ「お約束」過ぎるほどありがちなレンアイをしているんだ、彼は。
なのになー。
それ以外がごちゃごちゃし過ぎていて、わかりにくい。
こんなにシンプルな他愛ない恋愛モノなのに。アルバートがナニ考えてるのかすら、伝わりにくいってどーよ。
だがしかし。
その、ごちゃごちゃし過ぎていてわかりにくい、主役の恋愛事情以外のあれこれ、こそに、この作品の魅力があるとも、思っているがな(笑)。
周囲のごちゃごちゃも楽しみ、かつ、アルバート中心の視界も楽しむわけだから、一粒で何度もオイシイんだよなー。
心ない笑顔@虹色ライト付き、が得意技だという政治家アルバートさん。
政治家やってる彼の原動力が、「みんなのしあわせ」であるという、シンプルな事実。
迫害された一族の末裔だから、今もなお本性を隠して生きなければならないから、そんなマイナスの立場の人間だからこそ、自分たちも含めどんな人も人種も民族も差別されることのない社会を作りたいと、政治家を目指すど真ん中さ。
世界征服のために幼稚園バスを襲ったり、ちまちま詐欺やったり密輸したりするんじゃなく、知事選に出馬する某特撮の悪役が異色だったよーに、物語の中では「政治家になる」なんて方法を取るのは正攻法過ぎてめずらしい。
みんなのしあわせ、という、口に出すと気恥ずかしい陳腐な夢のために、大統領を目指して奮迅しているアルバートさんを、好きだと思う。
目的のために下世話になりすぎて、そのことを気にしつつも見て見ぬふりして、でもやっぱり気に病んでいるどっちつかずさを、好きだと思う。
聖人君子ではなく、いつも微妙に公私混同しているところ、好きな女の子のために、また改めて大統領という目標を確認し直すところも、好きだと思う。
愛すべき人だよ。
彼を愛し眺めることで、この作品のイタいところは全部まるっと許せてしまう(笑)。
や、このどーしよーもないヲタクっぷりは、大野くんの個性だもんな。独自のカラーを持っているのは、良いことなのでは。
とってもステキにアルバートさんを愛でているのだが、気が付くと「ジョルジュモテモテ♪」と歌ってしまうのは、何故だろう……(笑)。
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