変わらない世界。@フラッシュ・タカラヅカ
2009年8月9日 タカラヅカ CSで『フラッシュ・タカラヅカ』を録画している。
『フラッシュ・タカラヅカ』は1984年から約11年間、関西テレビで毎週放送されていた1分間のタカラヅカ情報番組。
ネットもなくスカステもない時代、唯一のリアルタイム・ニュース。
著作権・肖像権などいろんな絡みで、放送できないものだらけらしいが、それでも11年分の半分くらいは放送してくれるようだ。
『フラッシュ・タカラヅカ』を藤京子さんのMCと共に再構成して作られた『Flush! Collection』一挙放送を機に、ちまちまと録画、データ整理をしている。解説は不要なので(ごめんなさい)番組本編のみを切り出し、ナンバー順に並べていく。
1回きりの放送だから、録り逃がしも数本出来ちゃったけど、まあ仕方ない。
この『フラッシュ・タカラヅカ』を改めて見て、まとめて1からずっと見て、思うことは、すごくタカラヅカだってこと。
眩暈するくらい、「タカラヅカ」だ……。
1984年ですよ。
今から四半世紀前ですよ。
なのに、なにも変わっていないって、どうなの。
タカラヅカの「タカラヅカ」らしさというか、独特の世界観はまったく変わっていない。
現在の「タカラヅカ・スカイ・ステージ」とまったく同じ放送を、25年前からやっているわけだ。
スカステは有料放送だから、一般人の目に触れることがなく、どんだけ特殊でもおかしくてもゆるくてもアリだと思うけど、『フラッシュ・タカラヅカ』はねー、一般放送だったんですよ。ふつーにお茶の間で、アレが突然流れるんですよ。
とんでもないなあ。
ちゃんとした番組なら意識して見る・見ないを決められるだろーけど、番組の隙間に入るニュースや天気予報、『世界の車窓から』や『くいしん坊!万才』と同じ54分から1分間だけ流れるミニ番組なんて、見るつもりがまったくなくても、油断したら、目に映ってしまう。
当時、ヅカにまったく興味もない友人が、『フラッシュ・タカラヅカ』独特の喋り方を真似てネタにしていたなあ。
「なんであんな変な喋り方するの? ありえない髪型してるの? 決まりなの?」
裏声でアタマのてっぺんから出す奇妙な喋り、金髪を不可思議に何箇所かで結んだお嬢様スタイル……ヅカメイクで歌い踊る舞台より、レポートをしている若手娘役の素顔の方が、一般人にはよっぽどショッキングだったらしい。
たしかに変だ。
変だけど、それが「タカラヅカ」。
今から数年前にあった音楽学校受験番組でも、模擬面接を受ける娘役志望の子は、同じ喋り方をしていた。「タカラヅカ娘役」はあの喋り方でないといかんらしい。
廊下の隅を指先を伸ばして小走りし、直角に曲がる姿と同じくらい変な光景。
タカラヅカは特殊な文化で、特殊だからこそ生き残ってこられた。
25年前の映像でも、「タカラヅカ」はまったく同じ、なにも変わっていない。
「女の園・宝塚歌劇団の舞台裏スペシャル」とか「タカラヅカってこんなところ」と、その歴史や特色、舞台を解説した番組はいくらでもあるけれど、そんなものより『フラッシュ・タカラヅカ』は、はるかに、「タカラヅカ」そのものだ。
誰かが「タカラヅカをこう見せよう」と思って編集したわけではなく、当時本当にソレがそのまま流れていたんだ。イタさもアレさも、「勘弁してよ」な部分も全部まるっと、そのまんま。
センスや服装、物言い、作品名、公演内容、イベント、なにもかもあるがまま。
容赦なく、記録映像。
解説なんかされるまでもなく、1分間の本編だけでアタマを抱えたさ。なんてイタく恥ずかしい世界なんだと。
そして、イタくて恥ずかしくて、これを指さして笑う人たちがいることも仕方ない、たしかに変だ、と理解しつつも、このイタ恥ずかしさこそを「タカラヅカ」だと思う。
ああちくしょー、たしかに変だよ、わかるよ、だけど好きなんだよ。この恥ずかしさやいびつさがなきゃ、「タカラヅカ」じゃないよ。
この「キモチワルサ」を愛していなければ、ヅカファンになんかなれないよ。
「男役」なんてもんに、惚れやしないよ。
さすがに、『フラッシュ・タカラヅカ』放送開始あたりの映像は、知らないものばかり。
大阪・阪急沿線で生まれ育った身としては、「タカラヅカ」は身近な文化で子どものころから知っていたし、観劇もしていたけれど、べつにファンじゃないし興味もなかった。
テレビで「タカラヅカ」がやっているのは、吉本新喜劇がやっているのと同じで、「ふーん」止まり、だからどうとも思わない。
名前はなんとなく知っている(それが阪急沿線在住ということ)けれど、ナマ舞台を見たことのないスターさんたちばかりだ、『Fタカラヅカ』初期の方は。
見たことない、知らないのに、それでも「あー、変わってないなー」と思えるタカラヅカってすごい(笑)。
そして、出てくる公演タイトルが、どれもくどい(笑)。
植爺センス全開。装飾されまくった、古い単語、古い文体。
ショーはとにかく「!」付き。
衣装も私服も肩パッド全盛期。
男も女も肩パッド。華奢な人はいてはならないらしい、みんなアメフト選手みたいな体型。
とくに「極めたな」と思えるのが、『ME AND MY GIRL』インタビューのウタコさん。
ケンシロウと同じ肩幅と胸板。うっわー、『北斗の拳』だ世紀末救世主伝説だ、すげえすげえ。
舞台インタビューぢゃないよ、素顔だよ、私服だよ。なのにケンシロウみたいなバランスになってるの、ジャケットの肩幅とアタマの大きさが。
眉は太く、同じ太さで描くのが当時の流行りだったんだろう、マジックで一本書きしたみたいな人たちばかり。
お化粧のセンスが今とチガウからこんなに微妙な顔になっているんだとわかっていても、80年代の某男役トップの顔が苦手で仕方ない。稽古場映像が辛すぎる。
ナマで舞台を見たら、美しい人だったのかな? 舞台映像もやっぱり顔立ちが苦手だ。映像とナマはチガウから、ナマを知らない以上善し悪しはわからんわけだが。
で、これもあくまでも映像を今見ているだけの印象でしかないんだが、高汐巴氏の素顔が、好み過ぎる。
稽古場での凛々しい表情がステキっす。面長でごつい顔立ちがたまらんっす。
と、思っていたら、私服センスが最強だった。
ジェンヌの私服や稽古着はみんなアレ過ぎる、と免疫のあるわたしですら、ぶっとぶぐらいすごかった。や、北翔さんとかメぢゃないですよ、あのオサレ具合は。
衝撃が大きすぎて忘れられない……。
今、ペイさんがいたら、ファンになっているかもしれん、素顔とあの私服センスゆえに。
レポーターを務める若手さんたちは、路線であるかどうかより「テレビ映りのいいかわいこちゃん」というチョイスだったのか。ある程度の推しはあるんだろうけど、それでも一般人の目に触れるわけだから、ビジュアルも考えて選んでいるんだろうなという印象。
ぜんぜん知らない名前もあったけれど、みんなきれいだったり、かわいかったり。
……だからまあ、そこにコウちゃんが現れたときは、ごめん、他とのギャップにびっくりした。
ああ、この驚きは、阪急お正月ポスターにみなこちゃんが登場したときのおどろきと同じだなー。一般人も目にする場だから、ビジュアル重視だと思っていたら、そうじゃなかったのか、と。
90年代に入ってからは、レポーターもビジュアルだけでなく、「路線かどうか」も選考基準に加わったみたい。もちろん、路線だけでもないんだけど、ビジュアル重視でもなくなったようだ。
そーゆー不透明さも、すごく「タカラヅカ」で、ああ、変わってないなあと思う(笑)。
権利問題がいろいろあるんだろうけど、未放映分もいつか放送してほしいな。
楽しすぎる、『フラッシュ・タカラヅカ』。
☆
んで、もー今さら過ぎなんだけど。
6月15日の朝7時の「タカラヅカ・ニュース」、変じゃなかった?
わたしは録画予約してあるヤツをあとからまとめてチェックすることが多いんで、リアルタイムで見ていなかったんだが、数日遅れで6月15日午前7時の録画データを見たら、「2月20日」のニュースだった。
スカステHPを見てもなんの記述もなかったし。
おかげで6月15日のニュースは録り損ねているの。存在していないの、放送されなかったから。
んで、ナニも知らず翌日のニュース録画に失敗していたため、宙組新公インタビュー、ちさきちゃんだけ録画できなかったという。総集編はハナから録画予約していないし。
それとも、わたしのレコーダだけが、「2009/06/15 07:00」という日時で2月20日の過去映像を時空を超えて録画したのかしら。
『フラッシュ・タカラヅカ』は1984年から約11年間、関西テレビで毎週放送されていた1分間のタカラヅカ情報番組。
ネットもなくスカステもない時代、唯一のリアルタイム・ニュース。
著作権・肖像権などいろんな絡みで、放送できないものだらけらしいが、それでも11年分の半分くらいは放送してくれるようだ。
『フラッシュ・タカラヅカ』を藤京子さんのMCと共に再構成して作られた『Flush! Collection』一挙放送を機に、ちまちまと録画、データ整理をしている。解説は不要なので(ごめんなさい)番組本編のみを切り出し、ナンバー順に並べていく。
1回きりの放送だから、録り逃がしも数本出来ちゃったけど、まあ仕方ない。
この『フラッシュ・タカラヅカ』を改めて見て、まとめて1からずっと見て、思うことは、すごくタカラヅカだってこと。
眩暈するくらい、「タカラヅカ」だ……。
1984年ですよ。
今から四半世紀前ですよ。
なのに、なにも変わっていないって、どうなの。
タカラヅカの「タカラヅカ」らしさというか、独特の世界観はまったく変わっていない。
現在の「タカラヅカ・スカイ・ステージ」とまったく同じ放送を、25年前からやっているわけだ。
スカステは有料放送だから、一般人の目に触れることがなく、どんだけ特殊でもおかしくてもゆるくてもアリだと思うけど、『フラッシュ・タカラヅカ』はねー、一般放送だったんですよ。ふつーにお茶の間で、アレが突然流れるんですよ。
とんでもないなあ。
ちゃんとした番組なら意識して見る・見ないを決められるだろーけど、番組の隙間に入るニュースや天気予報、『世界の車窓から』や『くいしん坊!万才』と同じ54分から1分間だけ流れるミニ番組なんて、見るつもりがまったくなくても、油断したら、目に映ってしまう。
当時、ヅカにまったく興味もない友人が、『フラッシュ・タカラヅカ』独特の喋り方を真似てネタにしていたなあ。
「なんであんな変な喋り方するの? ありえない髪型してるの? 決まりなの?」
裏声でアタマのてっぺんから出す奇妙な喋り、金髪を不可思議に何箇所かで結んだお嬢様スタイル……ヅカメイクで歌い踊る舞台より、レポートをしている若手娘役の素顔の方が、一般人にはよっぽどショッキングだったらしい。
たしかに変だ。
変だけど、それが「タカラヅカ」。
今から数年前にあった音楽学校受験番組でも、模擬面接を受ける娘役志望の子は、同じ喋り方をしていた。「タカラヅカ娘役」はあの喋り方でないといかんらしい。
廊下の隅を指先を伸ばして小走りし、直角に曲がる姿と同じくらい変な光景。
タカラヅカは特殊な文化で、特殊だからこそ生き残ってこられた。
25年前の映像でも、「タカラヅカ」はまったく同じ、なにも変わっていない。
「女の園・宝塚歌劇団の舞台裏スペシャル」とか「タカラヅカってこんなところ」と、その歴史や特色、舞台を解説した番組はいくらでもあるけれど、そんなものより『フラッシュ・タカラヅカ』は、はるかに、「タカラヅカ」そのものだ。
誰かが「タカラヅカをこう見せよう」と思って編集したわけではなく、当時本当にソレがそのまま流れていたんだ。イタさもアレさも、「勘弁してよ」な部分も全部まるっと、そのまんま。
センスや服装、物言い、作品名、公演内容、イベント、なにもかもあるがまま。
容赦なく、記録映像。
解説なんかされるまでもなく、1分間の本編だけでアタマを抱えたさ。なんてイタく恥ずかしい世界なんだと。
そして、イタくて恥ずかしくて、これを指さして笑う人たちがいることも仕方ない、たしかに変だ、と理解しつつも、このイタ恥ずかしさこそを「タカラヅカ」だと思う。
ああちくしょー、たしかに変だよ、わかるよ、だけど好きなんだよ。この恥ずかしさやいびつさがなきゃ、「タカラヅカ」じゃないよ。
この「キモチワルサ」を愛していなければ、ヅカファンになんかなれないよ。
「男役」なんてもんに、惚れやしないよ。
さすがに、『フラッシュ・タカラヅカ』放送開始あたりの映像は、知らないものばかり。
大阪・阪急沿線で生まれ育った身としては、「タカラヅカ」は身近な文化で子どものころから知っていたし、観劇もしていたけれど、べつにファンじゃないし興味もなかった。
テレビで「タカラヅカ」がやっているのは、吉本新喜劇がやっているのと同じで、「ふーん」止まり、だからどうとも思わない。
名前はなんとなく知っている(それが阪急沿線在住ということ)けれど、ナマ舞台を見たことのないスターさんたちばかりだ、『Fタカラヅカ』初期の方は。
見たことない、知らないのに、それでも「あー、変わってないなー」と思えるタカラヅカってすごい(笑)。
そして、出てくる公演タイトルが、どれもくどい(笑)。
植爺センス全開。装飾されまくった、古い単語、古い文体。
ショーはとにかく「!」付き。
衣装も私服も肩パッド全盛期。
男も女も肩パッド。華奢な人はいてはならないらしい、みんなアメフト選手みたいな体型。
とくに「極めたな」と思えるのが、『ME AND MY GIRL』インタビューのウタコさん。
ケンシロウと同じ肩幅と胸板。うっわー、『北斗の拳』だ世紀末救世主伝説だ、すげえすげえ。
舞台インタビューぢゃないよ、素顔だよ、私服だよ。なのにケンシロウみたいなバランスになってるの、ジャケットの肩幅とアタマの大きさが。
眉は太く、同じ太さで描くのが当時の流行りだったんだろう、マジックで一本書きしたみたいな人たちばかり。
お化粧のセンスが今とチガウからこんなに微妙な顔になっているんだとわかっていても、80年代の某男役トップの顔が苦手で仕方ない。稽古場映像が辛すぎる。
ナマで舞台を見たら、美しい人だったのかな? 舞台映像もやっぱり顔立ちが苦手だ。映像とナマはチガウから、ナマを知らない以上善し悪しはわからんわけだが。
で、これもあくまでも映像を今見ているだけの印象でしかないんだが、高汐巴氏の素顔が、好み過ぎる。
稽古場での凛々しい表情がステキっす。面長でごつい顔立ちがたまらんっす。
と、思っていたら、私服センスが最強だった。
ジェンヌの私服や稽古着はみんなアレ過ぎる、と免疫のあるわたしですら、ぶっとぶぐらいすごかった。や、北翔さんとかメぢゃないですよ、あのオサレ具合は。
衝撃が大きすぎて忘れられない……。
今、ペイさんがいたら、ファンになっているかもしれん、素顔とあの私服センスゆえに。
レポーターを務める若手さんたちは、路線であるかどうかより「テレビ映りのいいかわいこちゃん」というチョイスだったのか。ある程度の推しはあるんだろうけど、それでも一般人の目に触れるわけだから、ビジュアルも考えて選んでいるんだろうなという印象。
ぜんぜん知らない名前もあったけれど、みんなきれいだったり、かわいかったり。
……だからまあ、そこにコウちゃんが現れたときは、ごめん、他とのギャップにびっくりした。
ああ、この驚きは、阪急お正月ポスターにみなこちゃんが登場したときのおどろきと同じだなー。一般人も目にする場だから、ビジュアル重視だと思っていたら、そうじゃなかったのか、と。
90年代に入ってからは、レポーターもビジュアルだけでなく、「路線かどうか」も選考基準に加わったみたい。もちろん、路線だけでもないんだけど、ビジュアル重視でもなくなったようだ。
そーゆー不透明さも、すごく「タカラヅカ」で、ああ、変わってないなあと思う(笑)。
権利問題がいろいろあるんだろうけど、未放映分もいつか放送してほしいな。
楽しすぎる、『フラッシュ・タカラヅカ』。
☆
んで、もー今さら過ぎなんだけど。
6月15日の朝7時の「タカラヅカ・ニュース」、変じゃなかった?
わたしは録画予約してあるヤツをあとからまとめてチェックすることが多いんで、リアルタイムで見ていなかったんだが、数日遅れで6月15日午前7時の録画データを見たら、「2月20日」のニュースだった。
スカステHPを見てもなんの記述もなかったし。
おかげで6月15日のニュースは録り損ねているの。存在していないの、放送されなかったから。
んで、ナニも知らず翌日のニュース録画に失敗していたため、宙組新公インタビュー、ちさきちゃんだけ録画できなかったという。総集編はハナから録画予約していないし。
それとも、わたしのレコーダだけが、「2009/06/15 07:00」という日時で2月20日の過去映像を時空を超えて録画したのかしら。
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