光をまとう。@Heat on Beat!
2009年10月9日 タカラヅカ 開く、という行為は、エクスタシーなのだと思う。
月組公演『Heat on Beat!』初日観劇。
暗闇が、開かれていく。門が開く。光によって。
その切り取られた空間が、どんどん広がっていく高揚感。ときめき。
そして。
闇の向こうに、トップスターがいる。
今、を最高潮に輝いているスターがいる。
開く。
そのときめき。
開いたその先に、あさこちゃんがいる。
光の中に、光をまとって、光そのものとして、瀬奈じゅんがいる。
…………いやあ、冒頭のテンション上がり方はハンパなかったっす、わたし的に。
そのあとのオープニング自体は明るく元気なんで、最初の胸がハクハクする感じとはまたチガウんだが。
相変わらず予備知識なく観たわけだが、『Heat on Beat!』はえらく盛りだくさん、つーか節操ないほどにバラエティに富みまくっている。
オギーみたいな「作品全部でひとつの、何重にも張りめぐらされた複雑な物語」になっているショーはともかく、ふつーのタカラヅカ・ショーでは、「ひとつだけでも、この場面のために通える」ってな魂揺さぶり系のツボ場面があれば、「好きなショー」とカウントしている、わたしは。
んで、この『Heat on Beat!』。
なんかツボにど真ん中キタんですけど。
前半の目玉だと思う、赤い椅子の場面。
白スーツの旅人あさこがたどりついた、エキゾチックなクラブ。
ここが、もお。
あさこちゃんの、美しさ。
洗練されたスーツのライン、落とした照明の中、浮かび上がる光。彼個人の光。
対する赤スーツきりやんの、毒々しさ。
きりやん毒全開!!
うわーん、このきりやさん好き、見たかったきりやんがそこに!!
あさこちゃんを翻弄するきりやん、そしてスーツの男たち。
椅子を相手に踊る官能、倒錯。
で、椅子を蹴るのあひくんだよね? かっこよかったわ。
男たちもエロいし、女たちもエロい。あさこちゃんが台の上で女の子ふたりに押し倒されて上に乗られてるのを見た日にゃあ、目が点になりましたよ。
そして、ファムファタルよろしく登場するあいちゃんの、艶やかさ……!
男たちが愛撫するように踊っていた赤い椅子が肉体を得たなら、まさしくこの女だろうと思わせる、デカダンスな大輪の華。
あさ×あいの、大胆なリフトもすげー美しい。
エロ美しいだけでなく、不吉で不安、まさしく耽美な場面だった。
この場面だけでも通えるでしょー、この作品。
久しぶりに、ショーで好みの場面を見た。(いつ以来かおぼえてないくらい、久しぶり……『ソロモンの指輪』以来か?)
とにかくバラエティ・ショーなので、やりすぎっていうか落ち着きのなさは感じた。
個人的に突然で無理矢理なラテン部分(「クンパンチェロ」だの「ベサメムーチョ」だの)には、思わず「ヲイヲイ」と突っ込んだ(笑)。やらにゃならんのか、ソレは。
でもそのごちゃ混ぜ感がいかにも「タカラヅカ」で、いいんだと思う。
全体としてどうよりも、「1場面お気に入りがあればOK!」なんだもの。
蛍光カラー部分入りのスーツのオープニング、いきなりあさこ様の両脇がそのかとマギーで、その渋さにびびった(笑)。組長も真っ赤な口紅でがんがん踊ってるし。
そのかより上の人たち、きりやん、あひ、もりえ、まさお、みりおは彼らだけで銀橋場面。だから最初はそのマギなわけねー。
いったん「オープニング終了」って感じに暗転したあと、「おまけ」ってな場面がちょろりとあったり。
芝居に引き続き、まさおセンターで1場面っつーのにびっくり。この学年と番手?で1場面って、キム以来かなあ、イメージ的に。
目玉はうらもえのバレエシーンのよーな気がしなくもないが(笑)、まさおくん中心で若い少年たちばかりでまるまる1場面って、信頼されてんだなあ。まさみりの並びが麗しい。
組ファンだとたのしさもまたチガウんだろうな、お気に入りの若手をがっつり眺められる場面なわけだから。
まあちと長い気がするんだけどね、ここも一旦終了と見せかけて、またさらに続くわけで。……ミッキーせんせのブームだろうか。
それとは別に、まさみりはまたしても女装して美脚を披露。あさこちゃんに絡んでました。ラテンな場面からの流れでだっけ?
柱がくるりと回って、そこから美女が登場するのは興奮するな(笑)。
ロケットも変則的な位置に挿入。つか、ほぼ真ん中あたり?
プログラム買ってないから確認も出来ないんだが、「え、ここでロケット??」と思った。
中詰めになるのかな、白い衣装の大人数群舞。
神が望み、人が夢見る明日。そんなフレーズが繰り返されていた。
エル・ビエント、風の吹き渡る空間。
中央で踊るあさこちゃんがどんどん透き通っていく。
輝度はそのままに、白い風になっていく。
美しい、ひろいひろい場面なのに、息詰まる感じがある。この美しい人が、この地上を離れて飛び立っていくのだと思い知らされるからだろうか。
見つめていると、自分も体重やら大地やらを見失ってしまいそう。
や、わたしは「落ちる」と思った。
だってわたしには翼はない。
あさこちゃんと同じように重力とは無関係に、大地から離れてしまったら、わたしは墜ちてしまう。羽ばたくあさこちゃんを、墜ちながら見上げるんだろう。
そーゆーたまらない場面。
かと思えば、タンゴもありーので。
古城でがっつり踊る人々がかっこいい。あひくんとしずくちゃんが踊りながら銀橋渡ってたのはここだっけ?
わたしゃここでの「あさこさん脱ぎ脱ぎプレイ」に気を取られてました。
だって、登場するなり階段降りてくる間にどんどん脱いでいくんだもの! さすが瀬奈じゅん、最後のショーにナマ脱衣シーン入れるのかよ?! と、心臓バクバクさせてました(笑)。
どこまで脱ぐんだ、と思ったら、最後の1枚をなかなか脱がなくて、「いつ脱ぐの、いつ?!」とじらしまくり。
いやその、最後の1枚ったって、ジャケット(周囲から浮いてる真っ赤なヤツ)のことなんだけどね。絶対アレも脱ぐぞ、脱ぐはずだ!と思って見ていたから……結局脱いだの最後だし。
黒燕尾大階段ダンスもあって、ほんとに「これでもか!」な作りだ。
この圧巻の黒燕尾男ダンス場面に、愛希れいかちゃんが混ざっているのを見てびっくり。ダンサーだから?
ちっこくてほっそいカラダで黒燕尾着て、下手奥のいちばん端でがんばって踊ってました。最後は上手端。
で、パレード直前に黒燕尾なわけだから、ロケット衣装でパレードする他の研1生たちとはちがい、ちゃんと黒燕尾で男役として階段降りて来た……でもって、なんか上手端でしばらくコーラスしてたよーな? びっくりしたー。
あ、あと輝月くんはロケットでも最後の階段でもわかりました。やっぱ好みなのかな、あのキャラクタ……。
あさこちゃんときりやんは、がっつり組んで歌って踊って。
ふたりだけの場面もあった。
銀橋とか、これから変わっていくんだろうな……てゆーかアレは、楽の日とか絶対泣けるぞヲイ。
あいちゃんはあさこちゃんよりも、きりやんとのデュエットダンス姿にきゅんときた。
ずっと相手役だったよね。今回は芝居も相手役だし。
あさこちゃんと現在の月組の魅力を存分に、縦横無尽に見せてくれるショーだと思った。
あああ、もっぺん見たい~~。チケット持ってない~~。
芝居? 芝居の話は、またいずれ……。うーん、アレはなあ……正塚よ……。溜息。
月組公演『Heat on Beat!』初日観劇。
暗闇が、開かれていく。門が開く。光によって。
その切り取られた空間が、どんどん広がっていく高揚感。ときめき。
そして。
闇の向こうに、トップスターがいる。
今、を最高潮に輝いているスターがいる。
開く。
そのときめき。
開いたその先に、あさこちゃんがいる。
光の中に、光をまとって、光そのものとして、瀬奈じゅんがいる。
…………いやあ、冒頭のテンション上がり方はハンパなかったっす、わたし的に。
そのあとのオープニング自体は明るく元気なんで、最初の胸がハクハクする感じとはまたチガウんだが。
相変わらず予備知識なく観たわけだが、『Heat on Beat!』はえらく盛りだくさん、つーか節操ないほどにバラエティに富みまくっている。
オギーみたいな「作品全部でひとつの、何重にも張りめぐらされた複雑な物語」になっているショーはともかく、ふつーのタカラヅカ・ショーでは、「ひとつだけでも、この場面のために通える」ってな魂揺さぶり系のツボ場面があれば、「好きなショー」とカウントしている、わたしは。
んで、この『Heat on Beat!』。
なんかツボにど真ん中キタんですけど。
前半の目玉だと思う、赤い椅子の場面。
白スーツの旅人あさこがたどりついた、エキゾチックなクラブ。
ここが、もお。
あさこちゃんの、美しさ。
洗練されたスーツのライン、落とした照明の中、浮かび上がる光。彼個人の光。
対する赤スーツきりやんの、毒々しさ。
きりやん毒全開!!
うわーん、このきりやさん好き、見たかったきりやんがそこに!!
あさこちゃんを翻弄するきりやん、そしてスーツの男たち。
椅子を相手に踊る官能、倒錯。
で、椅子を蹴るのあひくんだよね? かっこよかったわ。
男たちもエロいし、女たちもエロい。あさこちゃんが台の上で女の子ふたりに押し倒されて上に乗られてるのを見た日にゃあ、目が点になりましたよ。
そして、ファムファタルよろしく登場するあいちゃんの、艶やかさ……!
男たちが愛撫するように踊っていた赤い椅子が肉体を得たなら、まさしくこの女だろうと思わせる、デカダンスな大輪の華。
あさ×あいの、大胆なリフトもすげー美しい。
エロ美しいだけでなく、不吉で不安、まさしく耽美な場面だった。
この場面だけでも通えるでしょー、この作品。
久しぶりに、ショーで好みの場面を見た。(いつ以来かおぼえてないくらい、久しぶり……『ソロモンの指輪』以来か?)
とにかくバラエティ・ショーなので、やりすぎっていうか落ち着きのなさは感じた。
個人的に突然で無理矢理なラテン部分(「クンパンチェロ」だの「ベサメムーチョ」だの)には、思わず「ヲイヲイ」と突っ込んだ(笑)。やらにゃならんのか、ソレは。
でもそのごちゃ混ぜ感がいかにも「タカラヅカ」で、いいんだと思う。
全体としてどうよりも、「1場面お気に入りがあればOK!」なんだもの。
蛍光カラー部分入りのスーツのオープニング、いきなりあさこ様の両脇がそのかとマギーで、その渋さにびびった(笑)。組長も真っ赤な口紅でがんがん踊ってるし。
そのかより上の人たち、きりやん、あひ、もりえ、まさお、みりおは彼らだけで銀橋場面。だから最初はそのマギなわけねー。
いったん「オープニング終了」って感じに暗転したあと、「おまけ」ってな場面がちょろりとあったり。
芝居に引き続き、まさおセンターで1場面っつーのにびっくり。この学年と番手?で1場面って、キム以来かなあ、イメージ的に。
目玉はうらもえのバレエシーンのよーな気がしなくもないが(笑)、まさおくん中心で若い少年たちばかりでまるまる1場面って、信頼されてんだなあ。まさみりの並びが麗しい。
組ファンだとたのしさもまたチガウんだろうな、お気に入りの若手をがっつり眺められる場面なわけだから。
まあちと長い気がするんだけどね、ここも一旦終了と見せかけて、またさらに続くわけで。……ミッキーせんせのブームだろうか。
それとは別に、まさみりはまたしても女装して美脚を披露。あさこちゃんに絡んでました。ラテンな場面からの流れでだっけ?
柱がくるりと回って、そこから美女が登場するのは興奮するな(笑)。
ロケットも変則的な位置に挿入。つか、ほぼ真ん中あたり?
プログラム買ってないから確認も出来ないんだが、「え、ここでロケット??」と思った。
中詰めになるのかな、白い衣装の大人数群舞。
神が望み、人が夢見る明日。そんなフレーズが繰り返されていた。
エル・ビエント、風の吹き渡る空間。
中央で踊るあさこちゃんがどんどん透き通っていく。
輝度はそのままに、白い風になっていく。
美しい、ひろいひろい場面なのに、息詰まる感じがある。この美しい人が、この地上を離れて飛び立っていくのだと思い知らされるからだろうか。
見つめていると、自分も体重やら大地やらを見失ってしまいそう。
や、わたしは「落ちる」と思った。
だってわたしには翼はない。
あさこちゃんと同じように重力とは無関係に、大地から離れてしまったら、わたしは墜ちてしまう。羽ばたくあさこちゃんを、墜ちながら見上げるんだろう。
そーゆーたまらない場面。
かと思えば、タンゴもありーので。
古城でがっつり踊る人々がかっこいい。あひくんとしずくちゃんが踊りながら銀橋渡ってたのはここだっけ?
わたしゃここでの「あさこさん脱ぎ脱ぎプレイ」に気を取られてました。
だって、登場するなり階段降りてくる間にどんどん脱いでいくんだもの! さすが瀬奈じゅん、最後のショーにナマ脱衣シーン入れるのかよ?! と、心臓バクバクさせてました(笑)。
どこまで脱ぐんだ、と思ったら、最後の1枚をなかなか脱がなくて、「いつ脱ぐの、いつ?!」とじらしまくり。
いやその、最後の1枚ったって、ジャケット(周囲から浮いてる真っ赤なヤツ)のことなんだけどね。絶対アレも脱ぐぞ、脱ぐはずだ!と思って見ていたから……結局脱いだの最後だし。
黒燕尾大階段ダンスもあって、ほんとに「これでもか!」な作りだ。
この圧巻の黒燕尾男ダンス場面に、愛希れいかちゃんが混ざっているのを見てびっくり。ダンサーだから?
ちっこくてほっそいカラダで黒燕尾着て、下手奥のいちばん端でがんばって踊ってました。最後は上手端。
で、パレード直前に黒燕尾なわけだから、ロケット衣装でパレードする他の研1生たちとはちがい、ちゃんと黒燕尾で男役として階段降りて来た……でもって、なんか上手端でしばらくコーラスしてたよーな? びっくりしたー。
あ、あと輝月くんはロケットでも最後の階段でもわかりました。やっぱ好みなのかな、あのキャラクタ……。
あさこちゃんときりやんは、がっつり組んで歌って踊って。
ふたりだけの場面もあった。
銀橋とか、これから変わっていくんだろうな……てゆーかアレは、楽の日とか絶対泣けるぞヲイ。
あいちゃんはあさこちゃんよりも、きりやんとのデュエットダンス姿にきゅんときた。
ずっと相手役だったよね。今回は芝居も相手役だし。
あさこちゃんと現在の月組の魅力を存分に、縦横無尽に見せてくれるショーだと思った。
あああ、もっぺん見たい~~。チケット持ってない~~。
芝居? 芝居の話は、またいずれ……。うーん、アレはなあ……正塚よ……。溜息。
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