『外伝 ベルサイユのばら-アンドレ編-』をキライだと書いた。
 好き嫌い以前に許容できない、見ることすら出来ない、自分の中から抹消するとまで書いた。

 だけど結局のところ、ベルナール@まっつ単体は、めちゃくちゃ好きだったりする。

 なんつー言動不一致。ダブルスタンダード。
 作品がどうの演出がどうのと語る資格ナシ。

 しかもベルナールを好きな理由っつーのがね、ただもお単純に、「カッコイイ」から、だけなのだわ。

 なんつーアタマ悪い理由。恥ずかしい理由。
 脚本がどうのテーマがどうのと語る資格ナシ。

 どんな作品だろうとどんな扱いのどんな役だろうと、ただたんに「**ちゃんが出てるから名作(はぁと)」「他の組? くだらないのわかってるから見ないわ、だって**ちゃんが出ていないもの」とのたまうある意味ヅカファンの究極のカタチ!
 あああ、わたしもまた、紛うことなきそーゆーヅカファンのひとりなのだわ!!
 だってあれほど大嫌いな植爺『ベルばら』なのに、おかまいなしにまっつまっつなんだもの! アンタよーするにまっつさえ出てればそれでいいんじゃん、今後作品がどうのとえらそーに語るなよ、てなもんですよ。

 いっそ「まっつがカッコイイから名作(はぁと)」と言い切る方が潔いですよ。
 作品を完全否定しながら、ご贔屓だけ肯定するなんて、卑怯すぎる。

 自分でもひでーなーと思うし、かっこわるいし恥ずかしいし、間違ってると思いますよ。

 しかし、事実なのだ。

 ベルナール@まっつは、カッコイイ。

 ……たぶんねえ、台詞がナイのが、幸いしているんですよ。
 植爺の『ベルばら』は、ほんっとにわたし、心から大嫌いで。原作レイプの気の狂ったよーな台詞を聞いていると、「うき~~っ!!」となるんですよ。
 その台詞はそーゆー意味で書かれたんじゃない、そんな場面で使われたんじゃない、何故原作の台詞をそのまま反対の意味や無意味な場面で使う?!
 いっそ原作と関係ない、植爺オリジナルの台詞ならもう少し心穏やかでいられるものを、原作のまま、原作を陵辱する意味でしか使用されないから、許せないの。
 役とかキャストとかへの愛情とは無関係に、ただもう植爺が許せないの。

 まっつのベルナールがどんだけかっこよくても、植爺台詞をべらべら喋っていたら、わたしはべつにときめかなかったと思う。
 ネタとして「ベルナール・コスプレをしているご贔屓」として受け止めるに留まったと思う。全ツ『アラン編』のジェローデルみたいに。

 それが、ベルナールは喋らない。
 わたしがアタマをシャットアウトして抹消しなければならないよーな、気の狂った台詞を言わない。

 アンドレ@まとぶんを闇討ちするのはよくわかんないが、喋らないし他に出番がないから、なにか事情があったんだと、脳内補完できる。

 あとは、市民のリーダーとして、武装した王宮軍を相手に立ちはだかる場面だ。
 ろくな武器も持たない烏合の衆なのに、敵わないことはわかっているのに、それでも立ち上がり、志を遂げようとする……その真ん中で、矢面に立つわけですよ。
 かっこいいじゃないですか。
 民衆のリーダーっつーことはだ、それだけの人望があるってことでしょ? そんだけ素晴らしい人格者だっつーことでしょ?

 だって、描かれてないし。

 台詞も出番もないから、ただ「ある」ものだけで判断すると、「民衆のリーダー」「勇敢に戦う」というものすごーく素晴らしいキャラクタ像だけで、そこから逆算すると「アンドレ闇討ち」にもなにかしら事情があったんだっつーことになるし。

 台詞がナイ、出番がナイゆえに、わたしは素直にベルナールを見た目だけで判断できるのですよ。

 彼の美貌と、弱き者たちを背中にかばって剣を取る男らしさ、無傷で戦い抜く戦士としての強さ、過ちを悔やんだり傷ついたモノをかばったり悼んだりする優しさ。
 目に映る情報ゆえに、ときめくのですよ。

 でもってまっつがまた、すげーストイックにハードに、本気で美形に演じているし。

 こんだけ真正面から美形キャラやってるまっつ、すげーひさしぶりに見る。

 アルバロ@『哀しみのコルドバ』は三の線入ってた。ヒョンゴ@『太王四神記』は愉快なおっさんだった。ジェローデル@『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』はたしかに二枚目だけどわたしの中ではノーカウント(植爺だから、キャラ破壊されてるから、まともに受け止められない・笑)。アブ・サラン@『愛と死のアラビア』はヒゲのおっさん。
 相沢くん@『舞姫』まで遡るのか? ……でもわたし、相沢くんを美形キャラだとは特に思ってなかったよーな……(笑)。や、まっつだからクール・ビューティだったけど。
 バロット@『メランコリック・ジゴロ』はバカキャラだったし、ジオラモ@『アデュー・マルセイユ』はこれまた愉快なヒゲオヤジだったし、書生さん@『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』はヘタレキャラだったし、リチャード@『MIND TRAVELLER』はマッド・サイエンティストだし。

 役としてはまあ、相沢くんやリチャード以来の、美形キャラなのか。

 なんかもー、すげー久しぶりに、本気でストイックに美形やってるまっつを見た。

 抜きどころナシに、本気に美しく、かっこよくやってる。
 途中弱い表情をすることはあるけれど、それはキャラクタのうちで、そーゆーところも含めて、美形キャラ。

 喋らないから、その美しい姿のみで、あとはいくらでも想像の翼を広げられる。
 彼がどんな思いで革命運動をし、あの日あのときサーベルを手に民衆の前に立ったのか。
 描かれてないからこそ、勝手に都合良く美しく想像できる。

 彼は平民だし、新聞記者という知的職業(文盲率の高かっただろう民衆の中で、書く側だったんだから、インテリだろう)でありつつ、黒い騎士なんかやっちゃう武闘派である。剣術にも長けているわけだよ。
 そーゆー強い強い男なわけで。

 あのまっつが、精悍だ。

 小柄で華奢、医者役者のまっつが。皇子とか弁護士とかのハマるまっつが。
 ベルナールは弱っちくない。ちゃんと強い。

 アンドレたち衛兵隊と合流したあと、男たちが吠える場面があるんだが、この吠えるまっつが、すげーカッコイイ。

 精悍なまっつ。ワイルドなまっつ。

 ときめくなという方が、無理だろう。

 最後の「やったぞおおお」のあと、死に逝くアンドレに対し腕を伸ばすとき、見るたびに表情がちがっていた。
 嘆き悲しんでいることも、苦痛に顔を歪めていることもあるんだけど。

 いつだったか、強い、決意のある表情をしていたことがあって。
 唇を引き結び、まっすぐにアンドレを見つめていた。

 その強い強いまなざしが、嘆き悲しむより姿よりも、なお見ているわたしの胸を締め付けて。
 いやあもお、アレはキたなあ。ぐさりと。

 まあさらに、今後アラン@壮くんと親友になるのかと思うと、楽しさ倍増だし(笑)。

 あああ。
 ベルナールかっこいー。ベルナール好き~~。

 アッタマ悪く、そんなことをほざいております。

 思いあまって「ベルナール・ストラップを作ろう」と貴○製作所とかウロウロしてるんだけど、サーベルのチャームって売ってないんだねー。
 どっか売ってるとこない? ベルナールっぽいモチーフで、てきとーにデザインして作りたいんだが……(笑)。

 
 ところで。
 「ベルナールは台詞ひとつだけ」だと、さんざん書いて来ましたが。

 「ル・サンク」見たら、そーぢゃなかったの。
 「引け!」の他に、「フ!」てのがあったの!!(笑)

 アンドレ闇討ちのとき、やたら気合い入れて声出してると思ったら、「フ!」っての、台詞だったのよ! 脚本に書いてあるのよ、「フ!」って、わざわざ感嘆符付きで!(笑)

 見たとき爆笑したわ。
 そっかー、ベルナールさん、台詞ひとつぢゃないじゃん。ふたつじゃん、2行あるじゃん。

 ははははは。

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