何故、この作品が支持されるのか。@再会
2009年10月8日 タカラヅカ わたしはイシダ作品が苦手だ。
そして『再会』も、嫌いだ。イシダのイシダらしい、嫌ったらしさに満ち満ちた作品だと思っている。女性を弄んで捨てることを笑うコメディなんて、正気とは思えない。
だが。
星組全国ツアー初日、改めて『再会』を観劇して。
どうしてこの作品が支持されるのか、わかった気がした。
いや、思い出した、というか。
昔々、この作品の初演を、わたしは初日から繰り返し観た。ムラだけに留まらず、東京まで追いかけていって観た。
当時わたしは、この作品を、キライではなかった。
初見では、無邪気に笑うことができるんだ。
先を知らないから、どうなるのかわかっていないから、そのときそのときだけを楽しめる。
さすがに初見から「女を騙して弄んで捨てる」のはどうかと思うが、これだけひどいことをネタにするには、なにか意味があるとかすばらしいどんでん返しがあると思うじゃないか。
ふつーに楽しく、笑って観ることができるんだ。
それが、リピートすると作品の酷さが目に付くようになって、どーにもこーにも気持ち悪くなる。
オチを知ったあとでは、なにひとつ笑えなくなってしまう。登場人物すべてが最低。みんな嘘。欲にかられた嘘だけで、他人を騙す物語。そしてそれを「相手のため」と偽善ぶる物語。
ストーリーもひどいが、作家の人間性が透けて見える気がして、それにも閉口。他人を傷つける様を笑う「コメディ」は、わたしの逆ツボ。
あとになればなるほど、嫌悪感しか残らない。
初演はもう、昔々、10年も前。
10年間、嫌悪感ばかりが強く残り、熟成された。
『再会』というと、最低な話。という感想。『ベルばら』というと、最低な話。という感想なのと同じ、わたし的枕詞の域。ぬばたまの、と言えば、黒髪と続く、ぐらい自然な言葉。
だから再演が決まったときに、心からうんざりした。
どの組の誰が演じるにしろ、勘弁してくれと。あんな最低な偽善話を「ちょっといい話」として再演を繰り返すのは絶望するからやめてくれと。
10年間嫌悪だけが積み上がって、初見時のキモチを忘れていた。
そうだわたし、あのころこの話をキライではなかった。
引っかかるところはあっても、そーゆーことより別のところが楽しくて、そこまで気を取られることがなかった。
全ツ初日。
れおんくんとねねちゃん、そしてかなめくんという若々しい新生星組の面々による『再会』を観て。
思い出した。
主役のファンならば、ものごっつー楽しめるのだということを。
たしかにひどい話で、主人公は最低最悪なんだが。
そーゆーことには思考をストップさせて、役ではなく役者個人を眺めるのは、ものすごくたのしい話なのだ。
かわいいんだ。
主人公ジェラールは、ストーリー内でどんどん立場が変わる。また、気持ちも変わっていく。
それを主人公目線でえんえんじっくり描かれる。
大雑把が基本のタカラヅカにおいて、主人公が恋に落ちていく様をじっくり眺められる物語は、稀有だ。
出会った瞬間恋に落ちてそれまでと別人とか、さっきまでふつーに世間話していたのに、しばらく舞台上で会ってない・出てこないのに、次の銀橋では愛の歌を歌っていたりするのがタカラヅカ。
いつ、なんで、恋に落ちたのか。どーしてその人なのか。
なんの説明もない、ただ「トップスターと娘役トップスターだから」というだけの恋物語を何十年何百作上演し続けるタカラヅカ。
そんななかで、出会いから恋、打ち明けられなくてじれじれ、すれ違ってじれじれ、もうダメだサヨナラだ、でもどんでん返しでハッピーエンド! を、フルコース主役目線でやってくれる作品は、ほとんどない。
「恋愛至上主義」の劇団なのに、ほんっとーに、ほとんどないんだコレが。
それがこの『再会』ときたら。
これでもか、と主役の感情のみを追い続ける。
主人公の表情、感情、浮き沈みの激しさを、たーーっぷり堪能できる。
てゆーか、恋に落ち、女の子にめろめろになって、自分の気持ちに振り回される主人公を見られる、って、すげーたのしいっ。
トドファンだったわたしが、当時どんだけ舞い上がっていたか。
愉快なイキモノ・グンちゃんにめろめろになって振り回されているトドが、どんだけかわいかったか。グンちゃんを見つめるトドの目が愛情と興味にあふれていて、アドリブでグンちゃん抱き上げてぐるぐる回ったりする姿に「どどどどーしたんだ硬派一途の九州男児が?!」と目を飛び出させたもんだった。
恋にコワレるトドロキ、という、未知の状況にくらくらしつつも、楽しそうで幸せそうなご贔屓に、こっちもつい頬がゆるむという状況で。
そうだった、コレ、すげーたのしいんだった。
1回観るだけなら、誰でもふつーに楽しいし、オチを知った上でもリピートしても、主演のファンなら楽しいんだ。主演に好意を持っているなら、楽しめるんだ。
なまじ何度も観すぎていて、映像でもなんでも見すぎてきて、最初の出演者への感想よりもあとから残る作品と作者への嫌悪感ばかりが大きくなっていた。
うおおお、10年ぶりの『再会』。
や、コム姫の再演は全国ツアーのみだったので観ていない。当時の全ツはほんとに全ツで、大阪では上演されなかったから。
だから初演以来の観劇。
ジェラール@れおん、かわいすぎ。
かわいいっ、ジェラールかわいいっ。
金髪のれおんくん、ステキ過ぎ、イケメン過ぎ。
ナニあの男、格好良すぎる。
彼の周りがきらきらして、リアル少女マンガだ!
「結婚なんてしないぞぉーっ」と若者らしく言い捨てているときもかわいいし、プレイボーイらしくいかにもなカッコ付けてるとこもステキ。そして、どんどんどんどんサンドリーヌ@ねねちゃんに夢中になっていくところが。
サンドリーヌの「ふしだらな過去」にショックを受ける様とか、混乱してぐるぐるしているとことか。
最後、再会したふたりの「嘘つき合戦」、嘘だからひどいことを言っているのに、サンドリーヌが泣き出してしまうかわいらしさ、それにジェラールの心の動く様。
ナニもかもが可愛すぎて、うきゃ~~~~っっとなる。
かわいいかわいいかわいい。
幕が下りたあと、見知らぬ隣席の人と、「ナニあれ、かわいすぎるっ」「ちえちゃんイケメン過ぎっ」「星組よ、とてつもなく星組だわっ」と盛り上がる(笑)。
うっわ、たのしい。
たのしすぎる。
つか、れおんくんマジやべえ。
かっこいい。
そして『再会』も、嫌いだ。イシダのイシダらしい、嫌ったらしさに満ち満ちた作品だと思っている。女性を弄んで捨てることを笑うコメディなんて、正気とは思えない。
だが。
星組全国ツアー初日、改めて『再会』を観劇して。
どうしてこの作品が支持されるのか、わかった気がした。
いや、思い出した、というか。
昔々、この作品の初演を、わたしは初日から繰り返し観た。ムラだけに留まらず、東京まで追いかけていって観た。
当時わたしは、この作品を、キライではなかった。
初見では、無邪気に笑うことができるんだ。
先を知らないから、どうなるのかわかっていないから、そのときそのときだけを楽しめる。
さすがに初見から「女を騙して弄んで捨てる」のはどうかと思うが、これだけひどいことをネタにするには、なにか意味があるとかすばらしいどんでん返しがあると思うじゃないか。
ふつーに楽しく、笑って観ることができるんだ。
それが、リピートすると作品の酷さが目に付くようになって、どーにもこーにも気持ち悪くなる。
オチを知ったあとでは、なにひとつ笑えなくなってしまう。登場人物すべてが最低。みんな嘘。欲にかられた嘘だけで、他人を騙す物語。そしてそれを「相手のため」と偽善ぶる物語。
ストーリーもひどいが、作家の人間性が透けて見える気がして、それにも閉口。他人を傷つける様を笑う「コメディ」は、わたしの逆ツボ。
あとになればなるほど、嫌悪感しか残らない。
初演はもう、昔々、10年も前。
10年間、嫌悪感ばかりが強く残り、熟成された。
『再会』というと、最低な話。という感想。『ベルばら』というと、最低な話。という感想なのと同じ、わたし的枕詞の域。ぬばたまの、と言えば、黒髪と続く、ぐらい自然な言葉。
だから再演が決まったときに、心からうんざりした。
どの組の誰が演じるにしろ、勘弁してくれと。あんな最低な偽善話を「ちょっといい話」として再演を繰り返すのは絶望するからやめてくれと。
10年間嫌悪だけが積み上がって、初見時のキモチを忘れていた。
そうだわたし、あのころこの話をキライではなかった。
引っかかるところはあっても、そーゆーことより別のところが楽しくて、そこまで気を取られることがなかった。
全ツ初日。
れおんくんとねねちゃん、そしてかなめくんという若々しい新生星組の面々による『再会』を観て。
思い出した。
主役のファンならば、ものごっつー楽しめるのだということを。
たしかにひどい話で、主人公は最低最悪なんだが。
そーゆーことには思考をストップさせて、役ではなく役者個人を眺めるのは、ものすごくたのしい話なのだ。
かわいいんだ。
主人公ジェラールは、ストーリー内でどんどん立場が変わる。また、気持ちも変わっていく。
それを主人公目線でえんえんじっくり描かれる。
大雑把が基本のタカラヅカにおいて、主人公が恋に落ちていく様をじっくり眺められる物語は、稀有だ。
出会った瞬間恋に落ちてそれまでと別人とか、さっきまでふつーに世間話していたのに、しばらく舞台上で会ってない・出てこないのに、次の銀橋では愛の歌を歌っていたりするのがタカラヅカ。
いつ、なんで、恋に落ちたのか。どーしてその人なのか。
なんの説明もない、ただ「トップスターと娘役トップスターだから」というだけの恋物語を何十年何百作上演し続けるタカラヅカ。
そんななかで、出会いから恋、打ち明けられなくてじれじれ、すれ違ってじれじれ、もうダメだサヨナラだ、でもどんでん返しでハッピーエンド! を、フルコース主役目線でやってくれる作品は、ほとんどない。
「恋愛至上主義」の劇団なのに、ほんっとーに、ほとんどないんだコレが。
それがこの『再会』ときたら。
これでもか、と主役の感情のみを追い続ける。
主人公の表情、感情、浮き沈みの激しさを、たーーっぷり堪能できる。
てゆーか、恋に落ち、女の子にめろめろになって、自分の気持ちに振り回される主人公を見られる、って、すげーたのしいっ。
トドファンだったわたしが、当時どんだけ舞い上がっていたか。
愉快なイキモノ・グンちゃんにめろめろになって振り回されているトドが、どんだけかわいかったか。グンちゃんを見つめるトドの目が愛情と興味にあふれていて、アドリブでグンちゃん抱き上げてぐるぐる回ったりする姿に「どどどどーしたんだ硬派一途の九州男児が?!」と目を飛び出させたもんだった。
恋にコワレるトドロキ、という、未知の状況にくらくらしつつも、楽しそうで幸せそうなご贔屓に、こっちもつい頬がゆるむという状況で。
そうだった、コレ、すげーたのしいんだった。
1回観るだけなら、誰でもふつーに楽しいし、オチを知った上でもリピートしても、主演のファンなら楽しいんだ。主演に好意を持っているなら、楽しめるんだ。
なまじ何度も観すぎていて、映像でもなんでも見すぎてきて、最初の出演者への感想よりもあとから残る作品と作者への嫌悪感ばかりが大きくなっていた。
うおおお、10年ぶりの『再会』。
や、コム姫の再演は全国ツアーのみだったので観ていない。当時の全ツはほんとに全ツで、大阪では上演されなかったから。
だから初演以来の観劇。
ジェラール@れおん、かわいすぎ。
かわいいっ、ジェラールかわいいっ。
金髪のれおんくん、ステキ過ぎ、イケメン過ぎ。
ナニあの男、格好良すぎる。
彼の周りがきらきらして、リアル少女マンガだ!
「結婚なんてしないぞぉーっ」と若者らしく言い捨てているときもかわいいし、プレイボーイらしくいかにもなカッコ付けてるとこもステキ。そして、どんどんどんどんサンドリーヌ@ねねちゃんに夢中になっていくところが。
サンドリーヌの「ふしだらな過去」にショックを受ける様とか、混乱してぐるぐるしているとことか。
最後、再会したふたりの「嘘つき合戦」、嘘だからひどいことを言っているのに、サンドリーヌが泣き出してしまうかわいらしさ、それにジェラールの心の動く様。
ナニもかもが可愛すぎて、うきゃ~~~~っっとなる。
かわいいかわいいかわいい。
幕が下りたあと、見知らぬ隣席の人と、「ナニあれ、かわいすぎるっ」「ちえちゃんイケメン過ぎっ」「星組よ、とてつもなく星組だわっ」と盛り上がる(笑)。
うっわ、たのしい。
たのしすぎる。
つか、れおんくんマジやべえ。
かっこいい。
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