ボクの日記。@ラスト プレイ
2009年10月10日 タカラヅカ とりあえず正塚せんせは、モノローグだけで進む芝居をやめてくれ。
男役・瀬奈じゅん最後の公演『ラスト プレイ』観劇感想。
モノローグ過多はすでに芸風だとあきらめてはいるが、今回は特にひどい。舞台上の80人だかの脇出演者の総台詞量より、主役のモノローグの方が多いってな勢いで、モノローグだらけ。
モノローグもナマ台詞なら許せるが、全部録音。
観客はナマの芝居を観に来ているのであって、録音芝居を観たいわけじゃない。
モノローグで説明しないと話が進まないというか、ぶっちゃけ話がナイというか、もう大変だ(笑)。
主人公の自分探しなので、物理的なアクションより精神的な変化が重要、でもって精神面を描く手法が録音モノローグ。
ストーリー展開が日記風というか、「○月×日 こんなことがありました。ボクはこう思いました。」「○月××日 こんなことがありました。ボクはこう思いました。」とだらだら連なっていくだけなので、すげーテンポ悪い。
出来事が同じテンションで羅列されるだけなので、「これって何分の芝居だっけ……いつ本編はじまるんだっけ……なにがしたいんだろう……」と疑問符を飛ばしまくった。
孤児のアリステア@あさこはプレッシャーからピアノが弾けなくなった。ピアノで金を稼げる人になるのが、孤児の彼の唯一の生きる道だったのに。
人生途中で突然トラバーユを強いられたアリステアは、偶然出会った刑務所帰りの男ムーア@きりやんとつるんで新人生をはじめた。ムーアは裏世界にも詳しいようだが、あくまでもアリステアはムーアの表商売の相方。
なのにムーア狙いのマフィアに間違って撃たれてしまった。目ざめたアリステアは「私は誰? ここはどこ?」……記憶のないアリステアはプレッシャーもないのでピアノも弾ける。びっくりしたのはムーア、「えっ、こいつピアニストやったん?!」……ただの世間知らずのイケメンだと思ってたんだよなー。
で、とーとつに記憶は戻る。や、ほんと唐突に。理由なんてナイですよ、現実なんてそんなもん。大事件があってそれゆえ劇的に記憶が戻るなんて、物語の中だけですよお客さん。……でもコレ、フィクションなんだけど。記憶が戻ったら、またピアノは弾けなくなっちゃった。「ホンマはお前、ピアノ弾きたいんやろ」「ピアノはもう捨てたんだってば。弾く気なんかないよ」アリステアはまだうじうじ。まあ所詮、プレッシャーでコンクール本番に倒れた男ですから。
そんな折に悪のマフィア再襲来! 恋人エスメラルダ@あいちゃんを人質に取られたムーアはダイナマイト持ってマフィアへ殴り込み。ムーアの一大事だ、アリステアも駆けつける! 悪者どもをやっつけ……たというより向こうが勝手に自滅してハッピーエンド、と思いきや。
なんとムーアが撃たれていた! 「俺の最期の頼みや……ピアノ聴かせてくれ……俺、お前のピアノ聴きたいねん……」「バカ、最期とか言うな!!」アリステア、涙ながらにピアノに向かう!! 友情の力でプレッシャー克服だ、トラウマ打破だ! ムーアはアリステアのピアノを聴きながら……まあ、お約束の展開で、お約束はイイが、そこですとんと終幕。
えええ、これで、ここで終わるのか。あ、ムーアさんが関西弁なのはただのイメージです、本気にしないように。
ずーっと同じテンションで、「今日の出来事」だけが日記のようにモノローグ・モノローグ・モノローグで続いていく。
……誰か、添削してくれる人はいなかったのか。
もしもわたしが教師で、生徒がこーゆーレポート出してきたら、「テーマを絞って書き直しましょう」と一旦返却しているわ。
まず、出来事を1行にまとめて、それを時系列に箇条書きにする。「アリステア、ピアノコンクールに出場」「アリステア、コンテスト会場で倒れる」とか、そーゆー風に。端的に、出来事だけを整理して。
その上で、「いちばん描きたいこと」がその箇条書きのどの部分かを考える。
いろいろいろいろ思い入れはあるだろうけど、あえて1行だけ選ぶ。
「アリステア、記憶喪失になる」でもいいし、「ムーアの頼みで、ピアノを弾く」でもいい。
とにかく、1行、ひとつの出来事のみを選ぶ。
で、その選んだ1行を含む場面、事件だけの「物語」を描く。
記憶喪失なら、記憶喪失のみ。その前の孤児院でどーのとかアンティークショップ経営とか、そのあとの記憶が戻ったあとのギャングとのあれこれとかも、一切なし。
記憶喪失のアリステアがなにを感じ、どうやって日々を過ごしているかのみ描く。
それによってなにを表現したいのか、テーマだけを突き詰める。
ムーアの頼みでトラウマを乗り越えてピアノを引くのならば、そのふたりの最後のやりとりのみをじっくりねっとり描く。記憶喪失もその他の出来事も一切なし。
ムーアの頼み、それを叶えるためのアリステアの葛藤などだけを描く。
それによってなにを表現したいのか、テーマだけを突き詰める。
で、肝心要、ここがいちばん大切、と自分が選び、こだわり、まるまるひとつの物語をその場面だけで描ききる勢いで描いたあとに、最初の箇条書きを引っぱり出す。
ひとつだけ選んで描いた場面に関連する、直接キーとなっている出来事のみをピックアップし、時系列に並べる。
いちばん要の場面を活かす、そこをいちばん盛り上げる、ただそのためだけにそれ以外の出来事を配置し、演出する。
最重要場面のみはもうかなりのボリュームで出来上がっているから、それ以外の場面にはあまり時間を割かない。
テーマの確立と、ストーリーの緩急。
そこに時系列をあえていじったりの仕掛けを加え、クライマックスが盛り上がるように心がける。
主要人物以外の出番は、仕方ないからこのあとで付け加え。本筋にはまーーったく絡まないダンスシーンやクラブで女の子が踊る場面を入れるわけだな、正塚らしく(笑)。
ほんとは大筋を考える段階で、主要人物以外のモブをどう入れるかミュージカルらしい場面をどうするか考えるもんだけど、まあなにしろ正塚だし(笑)。すれ違う通行人たちと脈絡のないクラブのショーでお茶濁してすべてヨシなんでしょ?
と、えらそーに語ったところで、わたしは教師ではないのでただの素人のたわごと。
しかし、素人にすぎなくても、もどかしくてたまらない。
なんなの、あのダラダラした盛り上がらない「ボクの日記」は?
「物語」なら、起承転結緩急付けて、クライマックスでどーんと盛り上げて終了しろよー。
お笑いに逃げるのではなく。
頼むよほんと。
男役・瀬奈じゅん最後の公演『ラスト プレイ』観劇感想。
モノローグ過多はすでに芸風だとあきらめてはいるが、今回は特にひどい。舞台上の80人だかの脇出演者の総台詞量より、主役のモノローグの方が多いってな勢いで、モノローグだらけ。
モノローグもナマ台詞なら許せるが、全部録音。
観客はナマの芝居を観に来ているのであって、録音芝居を観たいわけじゃない。
モノローグで説明しないと話が進まないというか、ぶっちゃけ話がナイというか、もう大変だ(笑)。
主人公の自分探しなので、物理的なアクションより精神的な変化が重要、でもって精神面を描く手法が録音モノローグ。
ストーリー展開が日記風というか、「○月×日 こんなことがありました。ボクはこう思いました。」「○月××日 こんなことがありました。ボクはこう思いました。」とだらだら連なっていくだけなので、すげーテンポ悪い。
出来事が同じテンションで羅列されるだけなので、「これって何分の芝居だっけ……いつ本編はじまるんだっけ……なにがしたいんだろう……」と疑問符を飛ばしまくった。
孤児のアリステア@あさこはプレッシャーからピアノが弾けなくなった。ピアノで金を稼げる人になるのが、孤児の彼の唯一の生きる道だったのに。
人生途中で突然トラバーユを強いられたアリステアは、偶然出会った刑務所帰りの男ムーア@きりやんとつるんで新人生をはじめた。ムーアは裏世界にも詳しいようだが、あくまでもアリステアはムーアの表商売の相方。
なのにムーア狙いのマフィアに間違って撃たれてしまった。目ざめたアリステアは「私は誰? ここはどこ?」……記憶のないアリステアはプレッシャーもないのでピアノも弾ける。びっくりしたのはムーア、「えっ、こいつピアニストやったん?!」……ただの世間知らずのイケメンだと思ってたんだよなー。
で、とーとつに記憶は戻る。や、ほんと唐突に。理由なんてナイですよ、現実なんてそんなもん。大事件があってそれゆえ劇的に記憶が戻るなんて、物語の中だけですよお客さん。……でもコレ、フィクションなんだけど。記憶が戻ったら、またピアノは弾けなくなっちゃった。「ホンマはお前、ピアノ弾きたいんやろ」「ピアノはもう捨てたんだってば。弾く気なんかないよ」アリステアはまだうじうじ。まあ所詮、プレッシャーでコンクール本番に倒れた男ですから。
そんな折に悪のマフィア再襲来! 恋人エスメラルダ@あいちゃんを人質に取られたムーアはダイナマイト持ってマフィアへ殴り込み。ムーアの一大事だ、アリステアも駆けつける! 悪者どもをやっつけ……たというより向こうが勝手に自滅してハッピーエンド、と思いきや。
なんとムーアが撃たれていた! 「俺の最期の頼みや……ピアノ聴かせてくれ……俺、お前のピアノ聴きたいねん……」「バカ、最期とか言うな!!」アリステア、涙ながらにピアノに向かう!! 友情の力でプレッシャー克服だ、トラウマ打破だ! ムーアはアリステアのピアノを聴きながら……まあ、お約束の展開で、お約束はイイが、そこですとんと終幕。
えええ、これで、ここで終わるのか。あ、ムーアさんが関西弁なのはただのイメージです、本気にしないように。
ずーっと同じテンションで、「今日の出来事」だけが日記のようにモノローグ・モノローグ・モノローグで続いていく。
……誰か、添削してくれる人はいなかったのか。
もしもわたしが教師で、生徒がこーゆーレポート出してきたら、「テーマを絞って書き直しましょう」と一旦返却しているわ。
まず、出来事を1行にまとめて、それを時系列に箇条書きにする。「アリステア、ピアノコンクールに出場」「アリステア、コンテスト会場で倒れる」とか、そーゆー風に。端的に、出来事だけを整理して。
その上で、「いちばん描きたいこと」がその箇条書きのどの部分かを考える。
いろいろいろいろ思い入れはあるだろうけど、あえて1行だけ選ぶ。
「アリステア、記憶喪失になる」でもいいし、「ムーアの頼みで、ピアノを弾く」でもいい。
とにかく、1行、ひとつの出来事のみを選ぶ。
で、その選んだ1行を含む場面、事件だけの「物語」を描く。
記憶喪失なら、記憶喪失のみ。その前の孤児院でどーのとかアンティークショップ経営とか、そのあとの記憶が戻ったあとのギャングとのあれこれとかも、一切なし。
記憶喪失のアリステアがなにを感じ、どうやって日々を過ごしているかのみ描く。
それによってなにを表現したいのか、テーマだけを突き詰める。
ムーアの頼みでトラウマを乗り越えてピアノを引くのならば、そのふたりの最後のやりとりのみをじっくりねっとり描く。記憶喪失もその他の出来事も一切なし。
ムーアの頼み、それを叶えるためのアリステアの葛藤などだけを描く。
それによってなにを表現したいのか、テーマだけを突き詰める。
で、肝心要、ここがいちばん大切、と自分が選び、こだわり、まるまるひとつの物語をその場面だけで描ききる勢いで描いたあとに、最初の箇条書きを引っぱり出す。
ひとつだけ選んで描いた場面に関連する、直接キーとなっている出来事のみをピックアップし、時系列に並べる。
いちばん要の場面を活かす、そこをいちばん盛り上げる、ただそのためだけにそれ以外の出来事を配置し、演出する。
最重要場面のみはもうかなりのボリュームで出来上がっているから、それ以外の場面にはあまり時間を割かない。
テーマの確立と、ストーリーの緩急。
そこに時系列をあえていじったりの仕掛けを加え、クライマックスが盛り上がるように心がける。
主要人物以外の出番は、仕方ないからこのあとで付け加え。本筋にはまーーったく絡まないダンスシーンやクラブで女の子が踊る場面を入れるわけだな、正塚らしく(笑)。
ほんとは大筋を考える段階で、主要人物以外のモブをどう入れるかミュージカルらしい場面をどうするか考えるもんだけど、まあなにしろ正塚だし(笑)。すれ違う通行人たちと脈絡のないクラブのショーでお茶濁してすべてヨシなんでしょ?
と、えらそーに語ったところで、わたしは教師ではないのでただの素人のたわごと。
しかし、素人にすぎなくても、もどかしくてたまらない。
なんなの、あのダラダラした盛り上がらない「ボクの日記」は?
「物語」なら、起承転結緩急付けて、クライマックスでどーんと盛り上げて終了しろよー。
お笑いに逃げるのではなく。
頼むよほんと。
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