大人である愉しみを。@新人公演『ラスト プレイ』
2009年10月28日 タカラヅカ 本公演初日を観て、そりゃいろいろ思ったけれど、さらに、新人公演、どーする気だよこりゃ? と、思ったよ。
新公配役で知っていたのは主演がいつものみりおくんであることと、ふつーならヒロインの名前が載るところ、2番手男役の名前が併記されていて、男ふたりって変と思ったことと、さらにその併記されている名前が……誰? だったこと。
それまである程度の番手の役をやってきた子ならわかる。
宇月くん、ゆりやくん、煌月くん、千海くんあたり? 前回の『エリザベート』新公で番手のある役だった子たち。
しかし、みりおくんと共に載っている名前は、おぼえがない。誰? 珠城りょう?
……調べればわかった、ジュラ役の子だ。そのかに似ていた、研2の子。オレ、感想で「好みの顔」って書いてるよ……。
って、研2でいきなり2番手?!
いやその、同じパターンで星組麻央くんがすでに『太王四神記 Ver.II』で新公2番手やってますが、彼はほら、入団前から騒がれていた芸能人関係者で舞台人としてどうこう以前に知名度があった。ヅカも芸能界だから、知名度のある人を抜擢するのは過去いくらでも例がある。
しかしこの珠城くんって、特別な知名度はなかったよねえ?
わたしの周囲に月組ファンがいないから、組内で珠城くんが大人気とか実力者として有名とか、耳に届いてないだけという可能性もあるが。
とりあえず、わたしと周りの人たちは「誰?」状態だった。
どんな子なのかいまいちわかっていないから、ただ「研2」というだけで初日にアタマを抱えた。
この芝居を研2の坊やがやる?? 正塚芝居だよ? 研7の子でも手こずる独特の台詞回しと間、衣装の着こなしと立ち姿が必要な作品だよ?
しかもムーア@きりやんの役って、大人の役だよ、下級生が少年性でどーにかなる役ぢゃないよ、ヘタしたら主役より大変だよこれ……!!
てなことで、新人公演『ラスト プレイ』。
…………おどろいた。
堂々たるおっさんがそこに。
えーと。
研2、なんだよね?(首傾げ)
ふつーに体格のイイ、大人の男がいました。
ふつーにおっさん。ふつーにうまい。
ふつー? ふつーって? 研2だろ? 舞台経験ほとんどナイよね??
研7の主演みりおくんより、ふつーにおっさんでしたがナニか?
つか、この話って、ムーア主役だったんだ??
新公で本役さんたちのすごさを知るのはめずらしいことではないが。
この脚本と演出で、本公演にて主役として存在しているあさこちゃんの凄さを思い知りました。
だってふつーに演じてたら、主役はムーアだわコレ。
ムーアが物語を動かし、ムーアの感情が高ぶったときが歌になり、クライマックスになる。
アリステア、ナニもしなさすぎ。
新人公演は、ある意味本公演よりまとまっていた。
本公演の散漫でどーしよーもない感じ、ひとえに「脚本ひでぇ」の部分が、アリステア@みりおくんのブレのなさで補われていた。
アリステアは、まっすぐに「少年」だった。
少年が人生最初の試練につまずき、進路を変える。だけどやっぱり本来の道へ、障害を克服して試練を乗り越えて進んでいく、という正しい「少年成長物語」。
まだ少年だから女の子とどうこうなくても変じゃないし、大人たちの間でゆらゆらしていても変じゃない。
モラトリアム真っ直中で、なにをするでもなくうだうだしたり、反応がやたら素直で純粋でも納得。銃とダイナマイトの間に割って入ったりと、突然暴走するのもアリ。
ムーアがアリステアを拾うのも面倒を見るのも、相手がまだ未成年だから仕方ない。こんな子どもを放ってはおけないだろう。
ドラマでもよくあるよね、主人公は少年の方だけど、それと同時に彼に関わる大人もが主人公になっていること。視聴者の年齢や好みでどちらに感情移入して観てもヨシという。
まさにソレで、17歳のアリステアの青さや幼さを見守る38歳ムーアを主役として観るのもアリだろう、という感じでしたよ、『ラスト プレイ』新人公演。
きりやんムーアが恋人のあいちゃんエスメラルダと女関係でこじれている、という話の流れはリアリティなくて感情移入しにくかったが(きりやんムーアは浮気なんてしません)、新公ムーアはおっさん、浮気しちゃったんだ……ダメだよ、そーゆーことしちゃ。と、すんなり思えた(笑)。
で、男の浮気によって女との間に生じた亀裂が、ふたりが保護者になっている少年の事故をきっかけに修復され、女のために男が命を懸けることでさらに盛り上がり、少年の心の病気も無事に癒え、オールOK、ハッピーエンド。
キラキラと旅立つ少年を見守る保護司夫婦の図……で、幕。
少年サイドの多感な思春期物語は少年サイドで展開し、大人の視聴者は大人主役で大人の物語を楽しんでね!
という話に思えた。
みりおくん、若い……。でもって珠城くん、おっさん……(笑)。
ふたりが最初に出会うところ、アリステアの衣装が謎の若者ファッションなこともあり、彼の少年体型がことさら強調されて、すらりと背の高い大人のムーアとの違いが体型や頭身からもわかった。
珠城くん、ふつーにスーツ着こなしているし、立ち姿もふつーだ。違和感なく、正塚芝居してるし、歌もうまい。
ここ数作の正塚芝居の新公主演者たちより、なんかすんなり正塚芝居している気が……。
子どもに見えない、ことが大きいのだと思う。
若い男役はまず、ぷくぷくした女の子体型ゆえに、スーツを着ても大人の台詞を喋っても、「少年」にはなっても「おっさん」にはならない。
芝居が出来たとしても、お顔まるまる、お尻まるまる太股むちむちな女の子のままじゃあ「女子校の文化祭」の延長線になってしまう。
他はさておき顔と姿がすでに少年や子役ではなく、「男役」であることが大きいよな珠城くん。
声はそのか系というか、それほど低い訓練された男役声ではないもの。
研2の時点でふつーに「男役」であり、スーツ着て違和感なく芝居して、及第点の歌唱力を持つ。
これって、すごい。
「なんか、すごい新人が現れたね!!」
と、観劇後は仲間たちと盛り上がる。
珠城くんの学年を知らなかった人も「あれで研2? マジ?!」てなもんだし。
抜擢が納得の実力派の登場だ、すげえなヲイ。あの子好きだわ、次の新公も観る。これからが楽しみ。
と、にぎわっているにも関わらず。
「大型新人のキラキラ大スターが現れた、と思えないのもまたすごいね(笑)」
うん。
みんな珠城くんに感動して、きゃーきゃー言ってるんだけど、その、彼の持ち味っつーのが「キラキラ華やか美貌の若手スター!」ではなく、「渋い大人の男」だったりするもんだから……。
とりあえず、わたしを含めた脇スキーたちのハートを見事にゲッチュしました、珠城くん。
とくにケロファン、食いつき良すぎだ(笑)。
真ん中スキーの人とまだ話していないので、そーゆー人の目にどう映ったかはわかんないけど、ケロとかまっつとかそのかとかを好きな人たちの琴線に触れる男でしたよ、珠城くんムーア。
や、彼がどういう路線で育つのかはわかんないし、大型新人大スターとして驀進してくれても歓迎っす。だって大人の男だもの! 大人が演じられる新人ってどんだけ貴重か。
今後が楽しみですわ。
新公配役で知っていたのは主演がいつものみりおくんであることと、ふつーならヒロインの名前が載るところ、2番手男役の名前が併記されていて、男ふたりって変と思ったことと、さらにその併記されている名前が……誰? だったこと。
それまである程度の番手の役をやってきた子ならわかる。
宇月くん、ゆりやくん、煌月くん、千海くんあたり? 前回の『エリザベート』新公で番手のある役だった子たち。
しかし、みりおくんと共に載っている名前は、おぼえがない。誰? 珠城りょう?
……調べればわかった、ジュラ役の子だ。そのかに似ていた、研2の子。オレ、感想で「好みの顔」って書いてるよ……。
って、研2でいきなり2番手?!
いやその、同じパターンで星組麻央くんがすでに『太王四神記 Ver.II』で新公2番手やってますが、彼はほら、入団前から騒がれていた芸能人関係者で舞台人としてどうこう以前に知名度があった。ヅカも芸能界だから、知名度のある人を抜擢するのは過去いくらでも例がある。
しかしこの珠城くんって、特別な知名度はなかったよねえ?
わたしの周囲に月組ファンがいないから、組内で珠城くんが大人気とか実力者として有名とか、耳に届いてないだけという可能性もあるが。
とりあえず、わたしと周りの人たちは「誰?」状態だった。
どんな子なのかいまいちわかっていないから、ただ「研2」というだけで初日にアタマを抱えた。
この芝居を研2の坊やがやる?? 正塚芝居だよ? 研7の子でも手こずる独特の台詞回しと間、衣装の着こなしと立ち姿が必要な作品だよ?
しかもムーア@きりやんの役って、大人の役だよ、下級生が少年性でどーにかなる役ぢゃないよ、ヘタしたら主役より大変だよこれ……!!
てなことで、新人公演『ラスト プレイ』。
…………おどろいた。
堂々たるおっさんがそこに。
えーと。
研2、なんだよね?(首傾げ)
ふつーに体格のイイ、大人の男がいました。
ふつーにおっさん。ふつーにうまい。
ふつー? ふつーって? 研2だろ? 舞台経験ほとんどナイよね??
研7の主演みりおくんより、ふつーにおっさんでしたがナニか?
つか、この話って、ムーア主役だったんだ??
新公で本役さんたちのすごさを知るのはめずらしいことではないが。
この脚本と演出で、本公演にて主役として存在しているあさこちゃんの凄さを思い知りました。
だってふつーに演じてたら、主役はムーアだわコレ。
ムーアが物語を動かし、ムーアの感情が高ぶったときが歌になり、クライマックスになる。
アリステア、ナニもしなさすぎ。
新人公演は、ある意味本公演よりまとまっていた。
本公演の散漫でどーしよーもない感じ、ひとえに「脚本ひでぇ」の部分が、アリステア@みりおくんのブレのなさで補われていた。
アリステアは、まっすぐに「少年」だった。
少年が人生最初の試練につまずき、進路を変える。だけどやっぱり本来の道へ、障害を克服して試練を乗り越えて進んでいく、という正しい「少年成長物語」。
まだ少年だから女の子とどうこうなくても変じゃないし、大人たちの間でゆらゆらしていても変じゃない。
モラトリアム真っ直中で、なにをするでもなくうだうだしたり、反応がやたら素直で純粋でも納得。銃とダイナマイトの間に割って入ったりと、突然暴走するのもアリ。
ムーアがアリステアを拾うのも面倒を見るのも、相手がまだ未成年だから仕方ない。こんな子どもを放ってはおけないだろう。
ドラマでもよくあるよね、主人公は少年の方だけど、それと同時に彼に関わる大人もが主人公になっていること。視聴者の年齢や好みでどちらに感情移入して観てもヨシという。
まさにソレで、17歳のアリステアの青さや幼さを見守る38歳ムーアを主役として観るのもアリだろう、という感じでしたよ、『ラスト プレイ』新人公演。
きりやんムーアが恋人のあいちゃんエスメラルダと女関係でこじれている、という話の流れはリアリティなくて感情移入しにくかったが(きりやんムーアは浮気なんてしません)、新公ムーアはおっさん、浮気しちゃったんだ……ダメだよ、そーゆーことしちゃ。と、すんなり思えた(笑)。
で、男の浮気によって女との間に生じた亀裂が、ふたりが保護者になっている少年の事故をきっかけに修復され、女のために男が命を懸けることでさらに盛り上がり、少年の心の病気も無事に癒え、オールOK、ハッピーエンド。
キラキラと旅立つ少年を見守る保護司夫婦の図……で、幕。
少年サイドの多感な思春期物語は少年サイドで展開し、大人の視聴者は大人主役で大人の物語を楽しんでね!
という話に思えた。
みりおくん、若い……。でもって珠城くん、おっさん……(笑)。
ふたりが最初に出会うところ、アリステアの衣装が謎の若者ファッションなこともあり、彼の少年体型がことさら強調されて、すらりと背の高い大人のムーアとの違いが体型や頭身からもわかった。
珠城くん、ふつーにスーツ着こなしているし、立ち姿もふつーだ。違和感なく、正塚芝居してるし、歌もうまい。
ここ数作の正塚芝居の新公主演者たちより、なんかすんなり正塚芝居している気が……。
子どもに見えない、ことが大きいのだと思う。
若い男役はまず、ぷくぷくした女の子体型ゆえに、スーツを着ても大人の台詞を喋っても、「少年」にはなっても「おっさん」にはならない。
芝居が出来たとしても、お顔まるまる、お尻まるまる太股むちむちな女の子のままじゃあ「女子校の文化祭」の延長線になってしまう。
他はさておき顔と姿がすでに少年や子役ではなく、「男役」であることが大きいよな珠城くん。
声はそのか系というか、それほど低い訓練された男役声ではないもの。
研2の時点でふつーに「男役」であり、スーツ着て違和感なく芝居して、及第点の歌唱力を持つ。
これって、すごい。
「なんか、すごい新人が現れたね!!」
と、観劇後は仲間たちと盛り上がる。
珠城くんの学年を知らなかった人も「あれで研2? マジ?!」てなもんだし。
抜擢が納得の実力派の登場だ、すげえなヲイ。あの子好きだわ、次の新公も観る。これからが楽しみ。
と、にぎわっているにも関わらず。
「大型新人のキラキラ大スターが現れた、と思えないのもまたすごいね(笑)」
うん。
みんな珠城くんに感動して、きゃーきゃー言ってるんだけど、その、彼の持ち味っつーのが「キラキラ華やか美貌の若手スター!」ではなく、「渋い大人の男」だったりするもんだから……。
とりあえず、わたしを含めた脇スキーたちのハートを見事にゲッチュしました、珠城くん。
とくにケロファン、食いつき良すぎだ(笑)。
真ん中スキーの人とまだ話していないので、そーゆー人の目にどう映ったかはわかんないけど、ケロとかまっつとかそのかとかを好きな人たちの琴線に触れる男でしたよ、珠城くんムーア。
や、彼がどういう路線で育つのかはわかんないし、大型新人大スターとして驀進してくれても歓迎っす。だって大人の男だもの! 大人が演じられる新人ってどんだけ貴重か。
今後が楽しみですわ。
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