物語以前。物語以外。@コインブラ物語
2009年10月21日 タカラヅカ 書く順番や日付がめちゃくちゃですが。
ちゃきちゃんはいったいどうしてしまったの?!
なんかもお、わけわかんないっす。
才能ある子なのに。努力して難関突破して入った劇団だろうに、こんなラストはつらすぎる。
DC休演もびっくりだったが、きっと有終の美を飾るために万全を期しているのだと信じていた。願っていた。
もう、ヅカの舞台でちゃきを見ることはないってこと?
なんてこったい……。
『コインブラ物語』初日、イザベラ@ちゃきは華やかに歌い踊ってました。
退団発表は残念だけれど、最後の舞台できっと燃焼してくれる、きっと2番手娘役なのだろうし、と思っていたので、実際舞台を見て首を傾げた。
あれえ? 役的には2番手娘役はお姫様だけど、お姫様はちゃきちゃんじゃない……。なんで?? ちゃき、役は?
イザベラは早い話がいなくてもいい役で、まあそれを言うとほとんどの人がそうなんだけど、それにしてもコレだけなのか、と肩を落とした。いやその、いい役だよ、このどーしよーもない話の中で、歌とダンスがあって1場面ヒロインのよーに真ん中に立てるんだから。
ただの脇役、ただのモブなんだけど、それでもダーリン@ともみんがいて、キャラクタとその背景を役者も観客も想像できるのはありがたい。
愛だよね、愛。
ちゃきの最後の役が、愛のある役でよかった。
真ん中で歌うイザベラは、義賊役のペニーたちがそうであるように、本筋と無関係なのにいきなり1場面ミュージカルする。
本筋をストップさせて大騒ぎ。
で、この本筋と関係ない、主要人物でない人たちの場面が本筋より遙かに派手で盛り上がる……という、『コインブラ物語』ってのはほんとどーしよーもない作品。
も、本筋やるのやめたら? と言いたくなる(笑)。
脚本を書いた人が「物語」としての基礎をまったくわかっていないんだと思う。「物語」ってさ、方程式とか数字的なルールがあるんだよ? それに則って書かないと成り立たない部分っていうのはあるんだよ? それがナニか理解してもいない、できない人は、そもそも作劇に向いてないからやめておいた方が恥をかかなくて済むよ?
素人が書いた設計図を元に家を建てろと言われた酒井せんせは気の毒だが、酒井せんせも物語を構築する能力のない人だ。ショーは作れるけど、ストーリーを作り進めまとめることは最初から出来ない。
こんなふたりが組んで作ったもんだから、そりゃーもーステキにめちゃくちゃ。
とりあえずショー作家の酒井せんせが自分のスキルで出来る、「ストーリー以外の部分」は楽しく作ってあるんだけど……なにしろ「ストーリー以外」で「本筋と関係ナシ」だから、そこが楽しかったり盛り上がったりすると余計『コインブラ物語』自体が「いらない」ものになるという。
とまあ、建てられた家はボロボロなのに、なまじ権力者たちの遊び場だから、家具や装飾品はやたら豪華絢爛。
キャストも豪華で、衣装も豪華。
トドを求道者だと思うのは今にはじまったことじゃないが、トップスターになって以降、彼は劇団の意向に諾々と従うようになった。やんちゃはしない、わがままは言わない。与えられた仕事を黙々とこなす。
どんなひどい作品のひどい役でも、全霊を挙げて演じる。
……ただそれはファンや観客に向けて、開かれた演技をするのではなく、自分の中に向かって極めていく職人のようだ。己れの道を極めることにこだわる求道者のよう。
そーやって『花供養』他、権力者たちの遊びにつきあって、「主演」と持ち上げられてきた。
トドの立ち位置がどうかは置くとして、役者として男役として、極みの域に入った人だと思う。
どんだけ理にかなわない内容でも展開でも、感情をつなげて爆発させて、無理矢理演じきってしまう。
あの「大仰芝居」はすごいスキルだと思うよ、トド様。公平氏や植爺他、ご高齢の方々にわかりやすく響くタイプの芝居なんだろうな。
ただわたしは、トド様はそれだけの人ではないと思っているので、いっつもいっつも同じよーな扱いと同じよーな芝居色を求められていることが残念だ。
トド様自身が「いつもの役」「いつもの扱い」しか求めていないとしても、やらせれば出来るんだから、他のこともやらせてみればいいのに。そんだけの能力がある人なのに。やれと言われれば諾々とやりますよあの人。
もったいないわー。きりきり。←歯ぎしりの音。
んでもうひとり。
今回、がたがたの家を支え、装飾するために連れてこられた人、すずみん。
楽しいのも盛り上がるのも、本筋以外のショー場面だから、本筋に出演しているビメンタ@すずみんは辛抱役。
本筋に出演、ったって、その本筋も3行あったら片が付くよーなすっかすかぶり(作者がもとのあらすじをふくらませていない)なので、ただきれーな衣装を着て立っているだけのよーな役。
政略結婚させられたお姫様を愛し抜く親衛隊長役なわけだが、これがもお、いろんな意味で大変で。
ないに等しいストーリーの、ないに等しいキャラクタで、ただきれいなお衣装だけ与えられて、作品を華やかに波瀾万丈に盛り上げなければならない。
や、ストーリー作ってないのは作者じゃん! キャラクタ作ってないのも作者じゃん! なのに豪華な着せ替えだけさせて、役者に「あとはヨロシク」ってナニゴト?!
こんな状況ですずみんが、ストイックに戦ってます(笑)。
お姫様を愛している臣下の男……だから、いかにも王子様になってしまってはまずい。抑えなければならない部分もあり、基本スキル「王子様」なすずみんも手こずってます。
また相手役のお姫様が華やかに美しい人ならすずみんももう少しやりやすかったと思うけど、ええっとその、相手はかなり下級生だし、いろんな足りない部分をすずみんが補ってやらなければならないんだよね。
これだけ苦戦している涼さんっていうのも、なかなか味がありますな(笑)。プルキル@『太王四神記 Ver.II』とはまた別の手こずり方。
プルキルは役に対してすずみんが足りてなかったけれど、今回は役不足すぎて抑えるのが大変、抑えながらも作品は支えなきゃって、「どっちやねん!」などーしよーもなさ……。
ベニーやともみん、ちゃきはある意味良かったのかもしれないよ。
本筋に関係ある役の人たちはみんな、大変なことになっていたから。作者が作劇をわかっていないもんだから。
役のナイ人たちの、ストーリー以外の場面こそが、『コインブラ物語』の醍醐味だから。
ちゃきちゃんはいったいどうしてしまったの?!
2009/10/29
星組 東京特別公演 休演者のお知らせ
星組 東京特別公演 日本青年館『コインブラ物語』の休演者をお知らせいたします。
星組 水瀬千秋
■代役 イザベラ役 ・・・夢妃杏瑠
※体調不良の為、全日程(2009年10月30日~11月5日)休演いたします。
なんかもお、わけわかんないっす。
才能ある子なのに。努力して難関突破して入った劇団だろうに、こんなラストはつらすぎる。
DC休演もびっくりだったが、きっと有終の美を飾るために万全を期しているのだと信じていた。願っていた。
もう、ヅカの舞台でちゃきを見ることはないってこと?
なんてこったい……。
『コインブラ物語』初日、イザベラ@ちゃきは華やかに歌い踊ってました。
退団発表は残念だけれど、最後の舞台できっと燃焼してくれる、きっと2番手娘役なのだろうし、と思っていたので、実際舞台を見て首を傾げた。
あれえ? 役的には2番手娘役はお姫様だけど、お姫様はちゃきちゃんじゃない……。なんで?? ちゃき、役は?
イザベラは早い話がいなくてもいい役で、まあそれを言うとほとんどの人がそうなんだけど、それにしてもコレだけなのか、と肩を落とした。いやその、いい役だよ、このどーしよーもない話の中で、歌とダンスがあって1場面ヒロインのよーに真ん中に立てるんだから。
ただの脇役、ただのモブなんだけど、それでもダーリン@ともみんがいて、キャラクタとその背景を役者も観客も想像できるのはありがたい。
愛だよね、愛。
ちゃきの最後の役が、愛のある役でよかった。
真ん中で歌うイザベラは、義賊役のペニーたちがそうであるように、本筋と無関係なのにいきなり1場面ミュージカルする。
本筋をストップさせて大騒ぎ。
で、この本筋と関係ない、主要人物でない人たちの場面が本筋より遙かに派手で盛り上がる……という、『コインブラ物語』ってのはほんとどーしよーもない作品。
も、本筋やるのやめたら? と言いたくなる(笑)。
脚本を書いた人が「物語」としての基礎をまったくわかっていないんだと思う。「物語」ってさ、方程式とか数字的なルールがあるんだよ? それに則って書かないと成り立たない部分っていうのはあるんだよ? それがナニか理解してもいない、できない人は、そもそも作劇に向いてないからやめておいた方が恥をかかなくて済むよ?
素人が書いた設計図を元に家を建てろと言われた酒井せんせは気の毒だが、酒井せんせも物語を構築する能力のない人だ。ショーは作れるけど、ストーリーを作り進めまとめることは最初から出来ない。
こんなふたりが組んで作ったもんだから、そりゃーもーステキにめちゃくちゃ。
とりあえずショー作家の酒井せんせが自分のスキルで出来る、「ストーリー以外の部分」は楽しく作ってあるんだけど……なにしろ「ストーリー以外」で「本筋と関係ナシ」だから、そこが楽しかったり盛り上がったりすると余計『コインブラ物語』自体が「いらない」ものになるという。
とまあ、建てられた家はボロボロなのに、なまじ権力者たちの遊び場だから、家具や装飾品はやたら豪華絢爛。
キャストも豪華で、衣装も豪華。
トドを求道者だと思うのは今にはじまったことじゃないが、トップスターになって以降、彼は劇団の意向に諾々と従うようになった。やんちゃはしない、わがままは言わない。与えられた仕事を黙々とこなす。
どんなひどい作品のひどい役でも、全霊を挙げて演じる。
……ただそれはファンや観客に向けて、開かれた演技をするのではなく、自分の中に向かって極めていく職人のようだ。己れの道を極めることにこだわる求道者のよう。
そーやって『花供養』他、権力者たちの遊びにつきあって、「主演」と持ち上げられてきた。
トドの立ち位置がどうかは置くとして、役者として男役として、極みの域に入った人だと思う。
どんだけ理にかなわない内容でも展開でも、感情をつなげて爆発させて、無理矢理演じきってしまう。
あの「大仰芝居」はすごいスキルだと思うよ、トド様。公平氏や植爺他、ご高齢の方々にわかりやすく響くタイプの芝居なんだろうな。
ただわたしは、トド様はそれだけの人ではないと思っているので、いっつもいっつも同じよーな扱いと同じよーな芝居色を求められていることが残念だ。
トド様自身が「いつもの役」「いつもの扱い」しか求めていないとしても、やらせれば出来るんだから、他のこともやらせてみればいいのに。そんだけの能力がある人なのに。やれと言われれば諾々とやりますよあの人。
もったいないわー。きりきり。←歯ぎしりの音。
んでもうひとり。
今回、がたがたの家を支え、装飾するために連れてこられた人、すずみん。
楽しいのも盛り上がるのも、本筋以外のショー場面だから、本筋に出演しているビメンタ@すずみんは辛抱役。
本筋に出演、ったって、その本筋も3行あったら片が付くよーなすっかすかぶり(作者がもとのあらすじをふくらませていない)なので、ただきれーな衣装を着て立っているだけのよーな役。
政略結婚させられたお姫様を愛し抜く親衛隊長役なわけだが、これがもお、いろんな意味で大変で。
ないに等しいストーリーの、ないに等しいキャラクタで、ただきれいなお衣装だけ与えられて、作品を華やかに波瀾万丈に盛り上げなければならない。
や、ストーリー作ってないのは作者じゃん! キャラクタ作ってないのも作者じゃん! なのに豪華な着せ替えだけさせて、役者に「あとはヨロシク」ってナニゴト?!
こんな状況ですずみんが、ストイックに戦ってます(笑)。
お姫様を愛している臣下の男……だから、いかにも王子様になってしまってはまずい。抑えなければならない部分もあり、基本スキル「王子様」なすずみんも手こずってます。
また相手役のお姫様が華やかに美しい人ならすずみんももう少しやりやすかったと思うけど、ええっとその、相手はかなり下級生だし、いろんな足りない部分をすずみんが補ってやらなければならないんだよね。
これだけ苦戦している涼さんっていうのも、なかなか味がありますな(笑)。プルキル@『太王四神記 Ver.II』とはまた別の手こずり方。
プルキルは役に対してすずみんが足りてなかったけれど、今回は役不足すぎて抑えるのが大変、抑えながらも作品は支えなきゃって、「どっちやねん!」などーしよーもなさ……。
ベニーやともみん、ちゃきはある意味良かったのかもしれないよ。
本筋に関係ある役の人たちはみんな、大変なことになっていたから。作者が作劇をわかっていないもんだから。
役のナイ人たちの、ストーリー以外の場面こそが、『コインブラ物語』の醍醐味だから。
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