彼らは「相棒」であるはずなのに。@相棒
2009年12月25日 タカラヅカ 花組ドラマシティ公演『相棒』。
テレビドラマ、あの『相棒』との異色コラボ作品。
出演者たちはとても健気に、ドラマキャストのモノマネ……ゲフンゲフン、イメージを損なわないように、それぞれのキャラクタを演じている。
観劇した人たちはみなもれなく、キャラクタの再現率の高さにおどろく。
『逆転裁判』でもそうだったけど、ジェンヌたちの「創る力」は侮れない。文字データ以外の原作がある場合、それをこの三次元に、舞台という特殊空間の上に、見事に息づかせてしまうんだ。
彼らが懸命に『相棒』という作品を創り上げているのに、演出家がそれをぶちこわし、裏切っているんだ。
そのことに、唖然とした。
作劇クオリティが低いという話じゃない。そんなのいつものイシダだし、ものすごーい演出を見せてくれるなんて誰も期待してはいなかったろう。
そうではなくて、『相棒』という作品の根幹、スピリッツの問題。
イシダ作品に「心」がないのはいつものことだが、それを象徴しているのがよりによって、「相棒」というテーマ。
パリス@彩音ちゃんの専属調律師キャロル@あまちゃきは、パリス夫@みわっちと不倫していた。や、夫に言い寄られていただけで、相手はしていなかったのかもしれないが、まんざらでもなさそうな昼メロっぷりを見せていた。
が、彼女には秘密があり、パリスを二重に騙していたんだな。
パリスの調律師で付き人が夫と不倫していただけでも裏切りなのに、さらにそれすべてが演技で、他に目的があって仲間の振りをしていただけ、なんて。
ここまでものすごいことをしておいて、最後は「あなたを騙す仕事が終了したから、失業しちゃった。調律師として雇ってくれません?」「いいわよ、騙されていたけど、あなたは私の相棒よ♪」で、ちょっといい話風にまとめる、ものすごさ。
いやいやいや、ありえないから!!
さんざん騙していて利用して裏切って、「騙す仕事が終わったから、次は相棒」って、どんだけ、心がナイんだ、こいつら??!
人間としてありえないでしょう?
仮に、キャロルとパリスの間に深い信頼と友情があったから、誤解が解けて和解した、としよう。
でもそれなら、パリスは「親友のキャロルに裏切られた」ことで深く傷つき悩まなければならない。しかし、飲んだくれてわがままを言っているときの彼女から、そんな苦悩は伺えない。キャロルのことは「ただの使用人」「飼い犬に手を噛まれた」あたりの扱い。
友情も信頼もない、ただの腕の良い調律師だから雇っていた、というなら、「騙されていた」時点でロンググッバイでしょう。仕事で仕方なかったとはいえ、今までパリスが見ていたキャロルは全部偽りの存在、真のキャロルとは今出会った初対面みたいなもの。初対面で、しかも「仕事のためなら、平気で人を騙す」とわかっている人間を即「親友」認定できるか?
パリスの人格は分裂し破綻しているので今さらっちゃー今さらだが、ここでまたがくんとアゴが落ちた。
そしておろそしいことに。
この、パリスとキャロルの「私たちは相棒よ♪」という、背筋の寒くなるよーな偽善に満ちた「ちょっといい話」を、右京さん@まとぶんと神戸@壮くんへと、話題をスライドするんだ。
えー、神戸くんも、右京さんに近づいたのは上からの命令を受けて、です。
だから、キャロルと同じ立場なのね。
だから、キャロルとパリスの和解は神戸と右京の「相棒」に掛けてあるの。
でもチガウからっ、キャロルとパリスの「相棒」はひどすぎるから!! なまじ近づいた理由が神戸と右京の関係に似ているだけに、「相棒」という関係を、冒涜しているから。
これは、いくらなんでもナイだろ……。
…………誰か、止めるモノはいなかったのか…………。
いや、いたら、『外伝 ベルサイユのばら-アンドレ編-』なんてとんでもないモノが上演されているはずもないよな……そーゆーとこだよな……。
パリスとキャロルの「私たちは相棒よ♪」がなければ、まだセーフだったのに。
わざわざコレがやりたくてキャロルというキャラを仕込んだっぽいのがもお……遠い目。
「心」がナイのが作風とはいえ、コラボでコレは勘弁してくれ、ヅカの恥を外部にさらさないでくれ。
そして、なんといっても最悪な、「臓器移植キャンペーン」……。
つまらない話だけれどそれでもキャストの魅力だけで観ていたのに、いきなり冷水を浴びせられる感覚、つーのを味わいましたよ。
うすっぺらさを誤魔化す、都合の良い手段として利用するよーなことぢゃないでしょうに。
どこまで無神経なんだろう。や、今にはじまったことぢゃないけどさー。イシダってさー。溜息。
キャストのハマりっぷりを楽しむ、のは、あくまでも一見さんの楽しみ方ですよ。
リピートには向きません。
でも、1回は観る価値あります。なにしろ、キャラの再現率が半端ナイから。
たくさんの人たちが、1回だけでも観てくれますように。
タカラジェンヌってこんなに「創る力」があるんだそーってことを、見て欲しい。
テレビドラマ、あの『相棒』との異色コラボ作品。
出演者たちはとても健気に、ドラマキャストのモノマネ……ゲフンゲフン、イメージを損なわないように、それぞれのキャラクタを演じている。
観劇した人たちはみなもれなく、キャラクタの再現率の高さにおどろく。
『逆転裁判』でもそうだったけど、ジェンヌたちの「創る力」は侮れない。文字データ以外の原作がある場合、それをこの三次元に、舞台という特殊空間の上に、見事に息づかせてしまうんだ。
彼らが懸命に『相棒』という作品を創り上げているのに、演出家がそれをぶちこわし、裏切っているんだ。
そのことに、唖然とした。
作劇クオリティが低いという話じゃない。そんなのいつものイシダだし、ものすごーい演出を見せてくれるなんて誰も期待してはいなかったろう。
そうではなくて、『相棒』という作品の根幹、スピリッツの問題。
イシダ作品に「心」がないのはいつものことだが、それを象徴しているのがよりによって、「相棒」というテーマ。
パリス@彩音ちゃんの専属調律師キャロル@あまちゃきは、パリス夫@みわっちと不倫していた。や、夫に言い寄られていただけで、相手はしていなかったのかもしれないが、まんざらでもなさそうな昼メロっぷりを見せていた。
が、彼女には秘密があり、パリスを二重に騙していたんだな。
パリスの調律師で付き人が夫と不倫していただけでも裏切りなのに、さらにそれすべてが演技で、他に目的があって仲間の振りをしていただけ、なんて。
ここまでものすごいことをしておいて、最後は「あなたを騙す仕事が終了したから、失業しちゃった。調律師として雇ってくれません?」「いいわよ、騙されていたけど、あなたは私の相棒よ♪」で、ちょっといい話風にまとめる、ものすごさ。
いやいやいや、ありえないから!!
さんざん騙していて利用して裏切って、「騙す仕事が終わったから、次は相棒」って、どんだけ、心がナイんだ、こいつら??!
人間としてありえないでしょう?
仮に、キャロルとパリスの間に深い信頼と友情があったから、誤解が解けて和解した、としよう。
でもそれなら、パリスは「親友のキャロルに裏切られた」ことで深く傷つき悩まなければならない。しかし、飲んだくれてわがままを言っているときの彼女から、そんな苦悩は伺えない。キャロルのことは「ただの使用人」「飼い犬に手を噛まれた」あたりの扱い。
友情も信頼もない、ただの腕の良い調律師だから雇っていた、というなら、「騙されていた」時点でロンググッバイでしょう。仕事で仕方なかったとはいえ、今までパリスが見ていたキャロルは全部偽りの存在、真のキャロルとは今出会った初対面みたいなもの。初対面で、しかも「仕事のためなら、平気で人を騙す」とわかっている人間を即「親友」認定できるか?
パリスの人格は分裂し破綻しているので今さらっちゃー今さらだが、ここでまたがくんとアゴが落ちた。
そしておろそしいことに。
この、パリスとキャロルの「私たちは相棒よ♪」という、背筋の寒くなるよーな偽善に満ちた「ちょっといい話」を、右京さん@まとぶんと神戸@壮くんへと、話題をスライドするんだ。
えー、神戸くんも、右京さんに近づいたのは上からの命令を受けて、です。
だから、キャロルと同じ立場なのね。
だから、キャロルとパリスの和解は神戸と右京の「相棒」に掛けてあるの。
でもチガウからっ、キャロルとパリスの「相棒」はひどすぎるから!! なまじ近づいた理由が神戸と右京の関係に似ているだけに、「相棒」という関係を、冒涜しているから。
これは、いくらなんでもナイだろ……。
…………誰か、止めるモノはいなかったのか…………。
いや、いたら、『外伝 ベルサイユのばら-アンドレ編-』なんてとんでもないモノが上演されているはずもないよな……そーゆーとこだよな……。
パリスとキャロルの「私たちは相棒よ♪」がなければ、まだセーフだったのに。
わざわざコレがやりたくてキャロルというキャラを仕込んだっぽいのがもお……遠い目。
「心」がナイのが作風とはいえ、コラボでコレは勘弁してくれ、ヅカの恥を外部にさらさないでくれ。
そして、なんといっても最悪な、「臓器移植キャンペーン」……。
つまらない話だけれどそれでもキャストの魅力だけで観ていたのに、いきなり冷水を浴びせられる感覚、つーのを味わいましたよ。
うすっぺらさを誤魔化す、都合の良い手段として利用するよーなことぢゃないでしょうに。
どこまで無神経なんだろう。や、今にはじまったことぢゃないけどさー。イシダってさー。溜息。
キャストのハマりっぷりを楽しむ、のは、あくまでも一見さんの楽しみ方ですよ。
リピートには向きません。
でも、1回は観る価値あります。なにしろ、キャラの再現率が半端ナイから。
たくさんの人たちが、1回だけでも観てくれますように。
タカラジェンヌってこんなに「創る力」があるんだそーってことを、見て欲しい。
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