今さらだが、ちょっと前に『ステージトーク』の録画を見たんだ。
 友会限定イベントで、新人公演主演コンビが出演するアレ。
 月組はトップ娘役不在が長かったがそれでも新公にはちゃんと「トップ娘役の役を演じた娘役」がいた。劇団が人事で不思議なことをしていても、屋台骨は揺らいでいないというか、変わらないんだという安心感もあったんだが。

 『ラスト プレイ』は、この『ステージトーク』に男ふたりが出演していた。
 みりおくんと、珠城くん。

 …………男女カップルが出演するものなのに。
 東京開催の若手トークイベントの出演者はけっこーランダムだけど、ムラの『ステージトーク』は有史以来新公主演カップルなのに。
 男ふたりって。

司会者「相手役をひとことで表現して下さい」

 相手役なのか?!

 や、この質問はこのイベントのデフォなんだろうが、それは「男女カップル」に対して設定された質問だろう。野郎ふたりに対して言うのはどうなんだ。

 そして、前回の『ステージトーク』出演者からのメッセージ。

あまちゃき「珠城さんも、はじめての新人公演主演ですね」

 珠城くん、ヒロインだったの?! トップ娘役ポジで出演していたの?!
 つかアレって新公主演にカウントしていいものなのか。たしかに娘役なら主演なわけだけど。

 ほんとにわけわかんないっすね、「トップ娘役不在組」って。頼むよ劇団、こんな混乱必至なことは二度とやめてね。

 劇団のことはさておき、もともと「男女カップル」向きに設定されたイベント。
 そこに出演しているのが男ふたりだとしても、設定は変えられない。
 また、珠城くんが研2のヒヨコちゃんだということもあり。

 すげー新婚カップルくさい(笑)。

 なんなの、このホモカップル的なあれこれ。もともと男女カップル用フォーマットだからって、落ち着き悪すぎる。

 みりおくん単体だと、美貌の少年であるがゆえ彼の方が女の子役っぽいんだが、珠城くんが外見関係なしにピヨピヨしているので、それを見守るみりおくんに包容力が感じられて、なんかすごく落ち着かない画面になっている。
 かわいい女の子が大人で、おっさんが子どもで……?

 いや、素の珠城くんは決しておっさんではない。
 学年相応の少年だった。

 舞台ではあんなにおっさんだったのに?! 本役のきりやさんよりナチュラルに容赦なくおっさんだったのに?!
 あれって全部演技だったの?!

 なにがなんだか(笑)。

 
 ……と、前置きが長いですが。

 『HAMLET!!』の話です。

 観劇後、いつもの店でnanaタンと会ったわけですが(わたしは月バウ観劇、あちらはもちろん雪大劇観劇)、「で、月バウでは誰かイイ子はいたの?」と聞かれて、

「宇月くんが良かったーー!!」

 てのが実はわたしの第一声、「宇月くんのことはもとから好きじゃん、そーじゃなくて」とすっぱり切り捨てられ(笑)。うん、もとから好きだ好きだゆーてたから、説得力ナイわな、わたしの場合。

「珠城くんはどうだったの?」

 『ラスト プレイ』新公で衝撃のデビュー、わたしたち地味男スキーたち(ケロとかまっつとかゆみことかのファン・笑)のハートを鷲掴みした脅威の新人、珠城りょうくんは?

「わたし、珠城くんはおっさんの方が好きだ……(笑)」

 新公ムーア役が素晴らしかったから。ナチュラルにおっさんだったから。
 珠城くん=おっさん役者、だと思い込んでいたんだ。

 レアティーズ@珠城くんは、若者だった。

 初々しい、ぴっちぴちの青年だったんだわこれが。

 『ラスト プレイ』新公はなんだったの? 夢幻? きりやさんマジック?(by『ステージトーク』)

 うわー、なんかすげえな、珠城くん。
 見るたび別人でどうしようかと(笑)。

 きりやさんというお手本のある、さらにお化粧から髪型からきりやさんが相当面倒を見たらしい(by『ステージトーク』)新公とはチガウんだろうけど。
 それにしても。

 えーっと、その、珠城くんは学年相応の出来でした。
 『HAMLET!!』の彼を見て、「研22の間違いじゃ?」とは誰も思うまい。

 新公の中では堂々たるおっさんぶりだったが、バウでは顔に「いっぱいいっぱい」とはっきりマジック書きされた、下級生の男の子でした。
 
 新公であんだけ見事だった歌も演技も、バウではいろいろと大変そうで。アップテンポに弱いのか?

 若者役だと実年齢まんまでやれる分、自分自身に近づけて考える分、違ってくるのかもしれない。いっそかけ離れたおっさん役だと「別物」として1から作れるから、「カタチ」にしやすいのかもしれない。
 新公で仰天したほどの巧さや出来上がりぶりは、役を選ぶ結果かもしれない。

 が。
 新公であまりにうまかったため、期待が大きすぎただけのことで、「研2の男の子」としては十二分に実力派だ。

 「研16のきりやんよりおっさん」だった新公ほどでなくても、今回のレアティーズ役も新公長の学年くらいの実力はあったと思う。
 研7ではじめて大きな役がついた(すなわちそれまでの役付き経験はほとんどナシ)の子が、こんな感じじゃないか? テンパってるのは技術以前に経験がなさ過ぎて段取りや空気感が掴めていないため、という。

 なんつっても、見た目が「男役」であるということが、めちゃくちゃポイント高い。

 下級生のナニが大変かって、まず「見た目」だもの。素晴らしい歌唱力だのダンスだの心のあるお芝居だのを披露しても、見た目がぷくぷくぱつぱつの女の子だと、女子校の文化祭にしかならない。
 姿か声か、どちらかは「男役」になってもらわないと、舞台以前のところでわたしはつまずいてしまう。外部の舞台を見ているんじゃない、「タカラヅカ」を観に来ているのだから。
 
 珠城くんのあの体格はすばらしい武器だわ。
 かっこいいんですけど。入団2年目ですでに「男役」としての外見を持っているなんてすごいわ。(個性的な顔立ちはまあ、これからあか抜けていくとして・笑)。

 ちゃんと姿が青年で、存在が若々しく一途。
 その「体当たり」な感じが、役の慟哭ぶりと相俟って、いじらしい。
 カラダはでかいのに、ごついのに、いたいけできゅんとするキャラクタに。

 そんな彼が、悪の越リュウ様に抱きしめられていると、まずビジュアルの倒錯感にくらくらキますわ(笑)。

 華奢な美少年ぢゃないんですよ、がっつり硬そうな長身男子ですよ、それを抱きしめて 睦言 巧言をささやくわけですよ、あのエロエロ組長がっ。
 余計にヤヴァイわ、そんな画面。

 
 おっさんの方が好みなのはわたしの基本嗜好なので置くとして、珠城くんの今後がとても楽しみです。や、おっさんしかできないと将来が限られてくるが、若い役をやればふつーに若者だとわかったので、選択肢が広くて安心。
 次の『スカーレット・ピンパーネル』新公が楽しみだ。彼に主要キャラが回ってきますように。

コメント

日記内を検索