初日からドラマシティに駆けつけ、なんやかんやでジュンタンと並んで観劇。『シャングリラ-水之城-』、ええ、ふたりそろってまさこ登場に吹き出しました。

 つーのも開演前にみんなでプログラムを開いていて、いりす氏のスチール写真に食いつきまくっていたの。
 何故はっぴに蝶ネクタイ?! 実は旅館の婿養子で、鈴奈姐さん女将に尻に引かれていて、風呂掃除に三助もするし、宴会場で余興もやる……みたいな妄想が止まらなく展開されておりましてね。マジックを披露するも、タネを忘れて……みたいな。誰か止めろ(笑)。

 わたしの想像もアレだけど、実際のいりす氏ときたら、想像の斜め上を行く素敵衣装で。

 ときめきのあまり、大ウケしました。

 いやはや……まさこ素敵すぎる……(笑)。

 
 開演前のプログラム閲覧時、もっとも衝撃だったのは、もちろん言うまでもなく、ゆーひさんの美貌ですが。

 ナニあのビジュアル王っぷり! ありえねーわ。この世のモノではないわ。アニメ・ゲーヲタに見せびらかしたい自慢の美形サマだわ。

 予備知識はナイまま観劇。演目発表になったときにあらすじを読んで、あまりのラノベ臭さに眩暈がしたことしかおぼえてない。ええ、内容まではおぼえてません、登場人物の名前からして危険フラグ立ちまくっていたことぐらいしか(笑)。

 えー、ストーリーは、まさかの、記憶喪失モノ。
 はい、今までも何度となく語っている、ヲタク界でいうところのアホアホ設定(笑)。同人誌(素人の創作)の内容を判別する上で、このキーワードがあったら地雷、みたいな設定のこと。プライスカードに「記憶喪失ネタです☆」とか明記するレベルですよ。真面目な話だと誤解されないように、ネタ本だとわかるように。

 いや、描き手も読み手も、わかった上で「お約束」として記憶喪失ネタを遊び、楽しむ分には、都合の良い設定なんで、大昔から愛されている設定ですわ。
 ただ、ソレを大真面目に大上段に構えてやられちゃうと、相当恥ずかしいキモチになっちゃいますが……いやまあ、ヅカってもともと恥ずかしさをおもしろがる文化だし。
 アリだと思ってます。面白ければ。

 199X年、世界は核の炎に包まれた。だが人類は死滅していなかった。……という、日本一有名な(笑)フレーズからはじめたくなる、ナンチャッテ近未来。
 水が貴重品になっているため、水を管理している「シャングリラ」の王様がいちばんエライっつーことになっている、らしい。
 旅一座のミウ@すみかがうっかり拾った超絶美青年ソラ@ゆーひは記憶喪失で、彼は何故か旅一座の行方不明息子ラン@らんとむのネックレスを持っていた。
 ネックレスには「シャングリラで待つ」というメッセージ付きだったため、記憶を探すソラと、ランを探す一座のみんなは、一緒にシャングリラを目指すことになった。
 すべての謎はシャングリラに! ……てことなんだが、その謎っていうかええっと。

 ストーリー自体ははっきりいって、どうでもいいんだと思う。
 作者も別に、そこは気にしてナイんじゃね?
 目的は別にあって、その言い訳として、後付けにストーリーらしいものをでっちあげているだけで、ストーリーを見せる気はぜんぜんないんだと思う。
 アーティストのプロモーション映像みたいなもんで、物語があるっぽい雰囲気だけでOKっていうか。

 目的っていうのが。

 キャラと、ビジュアルを、楽しむこと。

 ポスター写真、プログラムのキャスト写真、そして舞台のオープニング。あーゆーのをやりたいがためだけに、あとは全部てきとーにでっちあげた。

 だからキャラ設定のお約束のみの記号っぷりとか、名前表記の日本語英語中国語めちゃくちゃ具合とか、ストーリーのトホホ具合とか、文化のありえなさとか、そんなこんなは「宙組ビジュアル軍団のプロモーション・ステージ」だと思えば納得じゃん?

 つっこむのは、野暮ってもんですよ。

 キャラとビジュアルを楽しむモノなんだから。ストーリーの粗とか、世界観の粗とか、作中で掲げているテーマの粗とか、考えちゃダメ(笑)。

 ゆーひさんをはじめとする、とんでもねー美形っぷりを堪能する。
 これも、タカラヅカだ。

 だがしかし。

 ひとつだけ、どーしても納得いかないことがある。
 ストーリーも世界観も作中で掲げているテーマも、どんだけアレでも気にしていない。この圧倒的ビジュアルの前には、そんなのどーでもいいと思う。

 こんだけビジュアル「だけ」で勝負している公演なのに、何故、みっちゃんがあの役なの?

 シャングリラの傀儡王・カイ。
 記号から察するに、絶世の美少年。盲目の天使。ちょっと白痴寄りっていうか、純粋過ぎて精神年齢10歳で止まってます系。

 すべてにおいて美しい『シャングリラ-水之城-』において、設定上のいちばんの美少年役が……ビジュアル、まちがいまくってます……。

 小柳タンはヲタクだと思うけど、腐女子ではないから。むしろ男子ヲタク的な感性をしている。アイスとカイの設定なんて、いかにも「腐女子ってこんなのが萌えなんだろ(笑)」とヲタク男子が書きそうだ(笑)。
 腐女子なら絶対みっちゃんにあの役はさせてないっ。なんでこの人はこう、いろんなところでハズすんだろう。
 自身の脳内記号に、かけはなれた生徒をあてがう。
 不細工設定のグラン・パとか、絶世の美少女吸血鬼アナベルとか、盲目の天使美少年カイとか。
 その生徒の魅力を発揮できる役は別にあるのに、似合わない役とカツラと衣装で「記号」に押し込める。

 みっちゃんはついこの間までメタボなおっさん演じてたんだよ……次が子役ってのはあんまりだろ……。
 カイは下級生の美形男役か、いっそ娘役に演じさせるべきだと思う。研12、今年研13にもなる大人の男が演じる役ぢゃない。演じていいのはコム姫くらいだ。

 ふつーにアイス@ともちんの役がみっちゃんでいいじゃん……大人の悪役やったら、絶対かっこいいのにー。
 や、ともちん演じるアイスは、ともちんスキーとして大好物だけど、みっちゃんの扱いがあんまり続きなので。
 みっちゃんがアイス役なら、ともちんは新キャラで、アイスLOVEな側近とか、ランLOVEなレジスタンスとかでいいじゃん。(ラヴってなきゃあかんのか。あかんのだ・笑)

 ボクちゃん喋りをしているみっちゃんが、歌い出すといきなりイイ声で、なよなよボクちゃんのみっちゃんが、踊り出すといきなりオトコマエなのが、惜しくて。もったいなくて。
 最初から、男役としてのみっちゃんの美しさ・オトコマエさを全開にする役じゃ、なんであかんかったんや、と。

 まあそれと、あのカイくんのビジュアルでは、対アイスでも対ソラでも萌えられない、という、個人的な都合もあります(笑)。

 とことん美しい舞台なのになー。

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