こっそりと、記録。

 雪組『ソルフェリーノの夜明け』『Carnevale睡夢』千秋楽。

 当日券は、当日B席42枚、立見100枚。先着順。
 並んだ人は250人ほど。ただし、抽選ではないため、朝8時半くらいから係員が並ばせないようにしていたようだ。

 並びのピークは午前3時~4時。
 そこで一気に50人ほどになる。始発が動く前に、車で乗り付けるわけだな。車内で暖をとりつつ、交代で並ぶグループたちで当日B枠は埋まる。
 電車組に残されているのは立見券のみだ。

 始発は大体午前5時台なので、家の近さにもよるが、6時~7時台に第二次並びピークを迎えるわけだ。
 今回は7時過ぎで締め切りが来た模様。始発か、その次くらいで動いた本気の人しか間に合わなかったようだ。
 
 
 何故今回先着順で、抽選にはならなかったか。
 係の人に質問したり、過去の自分の経験を元に考えてみる。

 まず、現在の当日券発売方法になったのは、2009年1月1日からである。
 まだ1年ちょっとしか経っていない。
 そのため、劇団的にもデータが少なすぎるのだと思う。

 この1年あまりの間にあった「サヨナラショーのある、男役トップスター以外の千秋楽」のデータは、となみちゃんの『ZORRO 仮面のメサイア』しか「ない」んだ。

 2009年より前なら、単独退団する娘役トップスターや、新専科さんたちが何人もいた。が、当時は現在のような発売方法ではない。

 現在の発売方法……つまり、「立見券は、前売り発売ナシ」。

 2008年までは、立見券も前売りされていた。一度でも座席券が完売すると、立見券が発売された。その後戻りがあって座席がガラガラになっていたとしても、一度立見券を売ったわけだから、引き続き立見券も売り続け、高くて観にくい2階S席は売れないまま、1階で観られる安価な立見券が売れ続ける、という事態になっていた。

 立見も含め完売している千秋楽の場合、当日券として販売されるのは、当日B券42席のみ。ちょっとした公演の千秋楽には、いつもの徹夜組がいるので、当日券は大体売り切れて早々に終了。ファンもわかっているので、それっぽっちの当日券を求めて前日から並ばない。

 また、立見券100~150枚ほどが前売りされているため、「押さえ」として買っている人が多く、会での取次が判明したあと掲示板やサバキに複数飛び交うことになる。
 当日券に無理して並ばなくても、選択肢はあった。

 それが、去年から立見券の前売りがなくなった。
 東宝と同じように、立見券は当日券が完売したあとにはじめて売り出されることになった。

 その結果、新人公演や通常の千秋楽は立見が激減した。あの広大な大劇場がクズ席まで完売しないことには立見が買えず、また、システムが変わっても感覚的には以前と同じ気分が抜けず、「完売」と書かれるともうチケットは存在しないようなキモチになる。
 いや、「完売」というのは、当日券が立見を含めて142枚以上発売されるって意味なんだけど、今までのムラで完売ってのは、立見まで売り切ってほんとーにふつーの人は買えない状況を指していたから。

 「完売」に対する認識にズレがあるまま。
 となみちゃんのサヨナラショー付き千秋楽は、売り切れなかった。

 座席券は売り切れたが、立見券は残った。
 入場前点呼では70番くらいまでしか呼ばれなかった。

 発売開始時刻である午前10時までに並んでいた人たちは、100人くらい。当日券は座席50枚ほど+立見券100枚で、150枚は用意されていたのに。

 それまでと同じ、前売りで立見まで発売していれば、ふつーに立見券まで完売していたと思うんだ。
 とりあえずチケットを持っていたい人や、反対にチケットを前もって用意してないとあんな僻地までわざわざ行かない人が、押さえにかかるから。

 過去のデータが、ソレしかないわけだ。
 150枚用意して、100人しか並んでおらず、結果完売しなかった、という。

 
 それゆえに、今回も同じように先着順で150枚ほど用意していたら……並んだ人数がまったくちがった、と。

 劇団的にも、予想外のことだったんだろう。
 そして、予想外というあたりが、読みが甘いっちゅーか、今回の事態をナメてかかっていたんだなと。

 当日券抽選を行うのはトップスター退団時のみ、という確固たる信念があり、それ以外の場合はたとえ何千人並んで大混乱を起こしても先着順である、という勢いでやっているのではないと思う。
 単に、「通常の千秋楽は混乱するほど人は来ないから、やる必要なし」と思っていたことが、透けて見える。

 2番手退団である、ということ。

 20年ほどなかった異常事態が起こったのだ、起こしたのだということ。

 
 正直なとこ、この過剰反応はゆみこちゃん単体の人気かどうかわからない。
 わたしの周りはゆみこファンだらけだし、とても人気のあったスターさんだと思っているが、この祭りっぷりは「2番手退団」というショック、判官贔屓感情も大きく関わっていると思う。
 最初からここまで大人気スターだったら、劇団的にも認識と扱いが違っていただろう。
 
 準トップスターを切る、という事態がどういうことなのか、どれほどの人心を動揺させるか、劇団は想像していなかったんだろうなと思う。
 千秋楽のこの対応を見ても。

 過去の例と照らし合わせて、通常通りの販売体制を取った。
 …………2番手退団は、「通常」の事態ではない、つーことを、劇団は気づいてないんだ、うわあ。

 この異常事態が通常にならないことを、心から祈る。

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