バイオリズムは大事でしょう・その2。@虞美人
2010年4月10日 タカラヅカ 『虞美人』は好きだけど、あちこちわたしのバイオリズムに合わない。
ここで盛り上がるはずだぁと思った次の瞬間盛り下がり、かっくんと肩透かしされる、その繰り返し。
あくまでもわたし個人のバイオリズム。世の中の人がどう感じているかはわからない。ただわたしには、リズムが合わないの繰り返しで観ていてキモチワルイ。
こまったなあ、という話、その2。
1幕でいちばん盛り上がるところってどこよ?
上がったり下がったりの規則的な曲線でいう、いちばん上の数値に達する場面。
わたしは秦の章邯との戦いだと思うんだ。そして、鴻門の会。
オープニングでどーっと盛り上げて、項羽のヒーローソングや民衆たちのコーラスでにぎやかにつなぎ(起)、両英雄の出会いに萌えをプラス(承)、背水の陣で臨む章邯戦で最高潮(転)、鴻門の会でさらにどーんっと2幕へ引く(転2)。
起承転結ならぬ、起承転転。「2幕も観てね!!」で終わるわけだから。一本モノだから続けて観客は観てくれるけど、連続モノならそこで続きを観てもらえなくなるかも?な終わりにしてはいけない、絶対に続きが気になるよーに幕を下ろさなければ。
転部分を盛り上げるために、その前後には抑えた部分を作り、転で爆発。
鴻門の会はいいとして、章邯戦の肩透かしぶりときたら……。
まず、獅子身中の虫を退治。宋義@まりんとお稚児さん@一花の場面はいいアクセントだと思うけど、軍の長を一刀のもとに斬り捨て、「さあ選べ」と兵に問いかけるの、会稽でも同じことやってるんですが。
1時間で同じ展開2回は勘弁してくれ。
それでも今回は事態が逼迫しているので、そのまま戦本番へ突入だ。
さあ、盛り上がるぞぉ~~!と、わたしは勝手にわくわくした。
1幕の中詰めキタ~~!!と。
が、しかし。
舞台で起こっていたことといえば。
なんにもないがらーんとした舞台に、章邯@みずぽんと、名も無き伝令@まぁくんとよっち。
銀橋で怒鳴る項羽さん。と、陰コーラスのみなさん。
なにもない舞台。
ヒゲが素敵な秦の3人と、項羽さん。がらーん。
ちょっと待て。
秦の大軍は? 獅子奮迅の勢いの戦闘は?
そこへ、「うわー」「わー」と声を張り上げながら楚兵のみなさんが広い客席を通って登場。
客席広いから、なかなか銀橋までたどり着かず、何度も「わー!」と声を上げる。
ちょっと待て、秦の人たち3人ですけど、どーやって戦闘するの?! と、思ったら。
戦闘、無し。
項羽さんが怒鳴って、楚の人たちが「わー!」って言ったら、それで終了。
唖然。
終わっ、ちゃっ、た……。
わたしの「盛り上がるぞ」はぁとの行き場は?!(笑)
昂揚したぶん、肩透かしされたぶんは、ストレスになる。
項羽@まとぶんと劉邦@壮くんを対照的に描いているわけだから、項羽パートがシリアスな分、劉邦で息を抜く作りなのはいい。
シリアス項羽とお気楽劉邦の、まったく色のチガウ世界への転換が、わたしの快感中枢に微妙に響かない。や、ふつーならこれだけチガウものを描かれたら、そのメリハリは気持ちいいはずなのに。
劉邦たちは命懸けで戦ったりせず、お気楽にゴールインしていた。
雨の中で寒さと飢えに苦しんでいた項羽軍と対照的。ピンクのハートが飛び交う「劉邦サマぁ♪」な世界。
対照的なはずなのに。効果的な転換なはずなのに。
……だってさあ、項羽さんもやっていたことって、銀橋で怒鳴ってただけだしさあ。
銀橋で女の子といちゃいちゃしている劉邦とのコントラスト、期待したほどナイよなあ。
ふたりの英雄の差を描くなら、手を抜かずに盛り上げるところは盛り上げようよ。
章邯戦は、項羽をいちばん格好良く描ける場面だったはずなんだ。
戦闘が激しければ激しいほど、そのあとの「劉邦サマぁ♪」が際立つのに。
章邯戦を盛り上げて欲しかった理由にはもうひとつ、1幕クライマックスの鴻門の会は、項羽を格好良く描きにくいことがある。
主人公は項羽なんだから、項羽を持ち上げてくれよ、いちばんに!
鴻門の会はたしかにおもしろい。いろんな人々の思惑が交錯し、画面的にもにぎやかだ。
しかし。
交錯しているのは他の人たちで、主人公の項羽はナニもしていないんだ、ココ。
范増先生@はっちさんや張良@まっつは策略めぐらして隙を見ての応酬しているし、項荘@しゅん様、桃娘@だいもん、衛布@みつるはそれぞれの思惑でそこにいるし、動いているし、劉邦とその仲間たちも命掛かってるから必死だし。
そーやってみんなナニかしらわいわいやってるなか、主人公項羽は虞姫@彩音ちゃんとラヴラヴしているだけ。
……おーい。
クライマックスなんだよ、これで幕が下りるんだよ。
項羽がなにかしら動いて、彼を中心に1幕を締めてくれよぉ。
それが無理ならせめて、そこにたどり着くまでのところで。
劉邦を断罪する目的で集まったのに、范増先生が何度合図を送っても項羽がそれを無視する、というくだりを、もっと盛り上げて欲しかった。
項羽が意志を持って沈黙している、というのがわかりにくい。
范増先生が合図を送るのも軽すぎるし、無視されたあとすぐさまふつーに会話を続けるのも、緊迫感につながらない。
この場に劉邦はただひとり味方も目撃者もない隔離裁判、ぶっちゃけ誰が「劉邦に死を」と宣言したって、この場で叩き斬ったって、経緯は闇に葬れる。項羽に合図を送るなんてまだるっこしいことしなくても、劉邦を殺すことが決定しているなら、ナニ言ってもしてもいい。
だから、何気ない合図にするために仕方なかった、というのは通らない。
わかりやすく合図していいじゃん。
それどころか、台詞で「劉邦に死を」とみんなが唱和して、うわ、絶体絶命じゃん!と追いつめたあとで、項羽がはじめて口を開く、とかで。
裁判部分がつまんなくてなあ。学級裁判みたいに口々に「劉邦くんはいけないと思いまーす!」と叫んでいるだけ、んで、言うたびに先生の顔色うかがって、先生まだ有罪判決出してくんないや、もう一度言おう、「劉邦くんは悪い子だと思いまーす」……のノリっつーか。
ひとりずつに責めさせるなら、検事役が被告人席の真横に来て、罪状読み上げようよ。遠くから叫ぶんじゃなく。次々と横に来て罪を責め、劉邦を追いつめようよ。
それを一喝して劉邦を救う、項羽がかっこよく見えるように。
鴻門の会はまっつファンとしては楽しくて仕方ないんだが、ふつーに項羽主役で見ると、この陰謀渦巻く中、恋人とひよひよ踊ってる色ボケっぷりで幕を下ろされるのはモニョると思うんだわ……。
なんかこう、すかーっとさせて、to be continuedさせてほしいのよ。
うおお、肩透かし続きでストレスが……(笑)。
ここで盛り上がるはずだぁと思った次の瞬間盛り下がり、かっくんと肩透かしされる、その繰り返し。
あくまでもわたし個人のバイオリズム。世の中の人がどう感じているかはわからない。ただわたしには、リズムが合わないの繰り返しで観ていてキモチワルイ。
こまったなあ、という話、その2。
1幕でいちばん盛り上がるところってどこよ?
上がったり下がったりの規則的な曲線でいう、いちばん上の数値に達する場面。
わたしは秦の章邯との戦いだと思うんだ。そして、鴻門の会。
オープニングでどーっと盛り上げて、項羽のヒーローソングや民衆たちのコーラスでにぎやかにつなぎ(起)、両英雄の出会いに萌えをプラス(承)、背水の陣で臨む章邯戦で最高潮(転)、鴻門の会でさらにどーんっと2幕へ引く(転2)。
起承転結ならぬ、起承転転。「2幕も観てね!!」で終わるわけだから。一本モノだから続けて観客は観てくれるけど、連続モノならそこで続きを観てもらえなくなるかも?な終わりにしてはいけない、絶対に続きが気になるよーに幕を下ろさなければ。
転部分を盛り上げるために、その前後には抑えた部分を作り、転で爆発。
鴻門の会はいいとして、章邯戦の肩透かしぶりときたら……。
まず、獅子身中の虫を退治。宋義@まりんとお稚児さん@一花の場面はいいアクセントだと思うけど、軍の長を一刀のもとに斬り捨て、「さあ選べ」と兵に問いかけるの、会稽でも同じことやってるんですが。
1時間で同じ展開2回は勘弁してくれ。
それでも今回は事態が逼迫しているので、そのまま戦本番へ突入だ。
さあ、盛り上がるぞぉ~~!と、わたしは勝手にわくわくした。
1幕の中詰めキタ~~!!と。
が、しかし。
舞台で起こっていたことといえば。
なんにもないがらーんとした舞台に、章邯@みずぽんと、名も無き伝令@まぁくんとよっち。
銀橋で怒鳴る項羽さん。と、陰コーラスのみなさん。
なにもない舞台。
ヒゲが素敵な秦の3人と、項羽さん。がらーん。
ちょっと待て。
秦の大軍は? 獅子奮迅の勢いの戦闘は?
そこへ、「うわー」「わー」と声を張り上げながら楚兵のみなさんが広い客席を通って登場。
客席広いから、なかなか銀橋までたどり着かず、何度も「わー!」と声を上げる。
ちょっと待て、秦の人たち3人ですけど、どーやって戦闘するの?! と、思ったら。
戦闘、無し。
項羽さんが怒鳴って、楚の人たちが「わー!」って言ったら、それで終了。
唖然。
終わっ、ちゃっ、た……。
わたしの「盛り上がるぞ」はぁとの行き場は?!(笑)
昂揚したぶん、肩透かしされたぶんは、ストレスになる。
項羽@まとぶんと劉邦@壮くんを対照的に描いているわけだから、項羽パートがシリアスな分、劉邦で息を抜く作りなのはいい。
シリアス項羽とお気楽劉邦の、まったく色のチガウ世界への転換が、わたしの快感中枢に微妙に響かない。や、ふつーならこれだけチガウものを描かれたら、そのメリハリは気持ちいいはずなのに。
劉邦たちは命懸けで戦ったりせず、お気楽にゴールインしていた。
雨の中で寒さと飢えに苦しんでいた項羽軍と対照的。ピンクのハートが飛び交う「劉邦サマぁ♪」な世界。
対照的なはずなのに。効果的な転換なはずなのに。
……だってさあ、項羽さんもやっていたことって、銀橋で怒鳴ってただけだしさあ。
銀橋で女の子といちゃいちゃしている劉邦とのコントラスト、期待したほどナイよなあ。
ふたりの英雄の差を描くなら、手を抜かずに盛り上げるところは盛り上げようよ。
章邯戦は、項羽をいちばん格好良く描ける場面だったはずなんだ。
戦闘が激しければ激しいほど、そのあとの「劉邦サマぁ♪」が際立つのに。
章邯戦を盛り上げて欲しかった理由にはもうひとつ、1幕クライマックスの鴻門の会は、項羽を格好良く描きにくいことがある。
主人公は項羽なんだから、項羽を持ち上げてくれよ、いちばんに!
鴻門の会はたしかにおもしろい。いろんな人々の思惑が交錯し、画面的にもにぎやかだ。
しかし。
交錯しているのは他の人たちで、主人公の項羽はナニもしていないんだ、ココ。
范増先生@はっちさんや張良@まっつは策略めぐらして隙を見ての応酬しているし、項荘@しゅん様、桃娘@だいもん、衛布@みつるはそれぞれの思惑でそこにいるし、動いているし、劉邦とその仲間たちも命掛かってるから必死だし。
そーやってみんなナニかしらわいわいやってるなか、主人公項羽は虞姫@彩音ちゃんとラヴラヴしているだけ。
……おーい。
クライマックスなんだよ、これで幕が下りるんだよ。
項羽がなにかしら動いて、彼を中心に1幕を締めてくれよぉ。
それが無理ならせめて、そこにたどり着くまでのところで。
劉邦を断罪する目的で集まったのに、范増先生が何度合図を送っても項羽がそれを無視する、というくだりを、もっと盛り上げて欲しかった。
項羽が意志を持って沈黙している、というのがわかりにくい。
范増先生が合図を送るのも軽すぎるし、無視されたあとすぐさまふつーに会話を続けるのも、緊迫感につながらない。
この場に劉邦はただひとり味方も目撃者もない隔離裁判、ぶっちゃけ誰が「劉邦に死を」と宣言したって、この場で叩き斬ったって、経緯は闇に葬れる。項羽に合図を送るなんてまだるっこしいことしなくても、劉邦を殺すことが決定しているなら、ナニ言ってもしてもいい。
だから、何気ない合図にするために仕方なかった、というのは通らない。
わかりやすく合図していいじゃん。
それどころか、台詞で「劉邦に死を」とみんなが唱和して、うわ、絶体絶命じゃん!と追いつめたあとで、項羽がはじめて口を開く、とかで。
裁判部分がつまんなくてなあ。学級裁判みたいに口々に「劉邦くんはいけないと思いまーす!」と叫んでいるだけ、んで、言うたびに先生の顔色うかがって、先生まだ有罪判決出してくんないや、もう一度言おう、「劉邦くんは悪い子だと思いまーす」……のノリっつーか。
ひとりずつに責めさせるなら、検事役が被告人席の真横に来て、罪状読み上げようよ。遠くから叫ぶんじゃなく。次々と横に来て罪を責め、劉邦を追いつめようよ。
それを一喝して劉邦を救う、項羽がかっこよく見えるように。
鴻門の会はまっつファンとしては楽しくて仕方ないんだが、ふつーに項羽主役で見ると、この陰謀渦巻く中、恋人とひよひよ踊ってる色ボケっぷりで幕を下ろされるのはモニョると思うんだわ……。
なんかこう、すかーっとさせて、to be continuedさせてほしいのよ。
うおお、肩透かし続きでストレスが……(笑)。
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