張良さん@まっつに、もう会えない。
 『虞美人』が終わってしまった……。

 しょぼん。

 なんかもお、しみじみと、張良さんが好きです……。
 

 わたしはもともとキムシン好きだけど、それには、彼の描くところのキャラクタが萌えるってこともあるんだよね。キムシンの描くアテ書きキャラが好きなんだ。

 や、もともと好きだったよ。萌えだったよ。しかし。

 贔屓にアテ書きされると、こんなにキモチいいものなんだ! 目からウロコ。

 なにしろ前回のまっつ出演キムシン作品では、ただのその他大勢だったからなー。複数の役全部合わせて台詞4つだったからなー。アテ書きの快感なんかわかんないわなー。

 張良さんの、キャラってば。
 まず最初の范増先生@はっちさんとの自画自賛場面。

 「偉大なモノの価値は、偉大なモノにしかわからない」という歌い出しのソロからして震撼モノのキャラ立ちっぷりですが、そのあとの先生との会話がいちいちイイんだこれ。

「始皇帝を暗殺しようしかけたのだから、見上げたモノだ」
 とハンゾー先生が誉めにかかってるのに、張良はそれをさっくり話を変えるんだ。それまでとは声色を変えて、ぴしゃりと。すげー意志のある、話題転換。
 自分のことを語りたくないんだな。たしかにいろいろとんでもない経歴をお持ちで(笑)、誉める人もいるかもしれないけど、良ちゃん的には過去を誉められるより現在が大事。
 郷愁モードっつーか、ハンゾーせんせが親近感丸出し、愛情丸出しで語りかけてるのに、それをさくっとスルーするのが、クール過ぎて楽しい。
 その矜持の高さ、性格の良くなさ(笑)。

 爪を隠さない鷹同士の会話なんだけど、基本ハンゾーせんせの方が愛情過多なの。彼は頭脳明晰なだけでなく人格者でもある。項羽@まとぶんが人の言うことをきかないとわかっていても、その苛烈かつ不器用な人柄ごと愛でているよーに、若いヤンチャ男子を懐深くかわいがる器量があるんだろう。
 張良が多少無礼じゃね?ってな露骨な会話ぶったり切りをしても、そこでとまどうことも深追いすることもなく、一瞬で切り替えてくる。
 張良をよく理解している范増先生だからこそ、彼との会話でより張良のキャラがわかるんだよねー。

 張良の、ものすげー張良らしい台詞。
 范増先生と話しているときの、
「当然の結果です」
 楚王宮で宋義@まりんの演説にチャチャを入れる、
「言うだけならたやすい」

 クールかつドライな性格を表す、この物言い!!
 他人の失敗、それゆえの死を突き放して評価する冷徹さ、情のなさ。小物の大言壮語を嘲笑うシニカルさ、ひとこと言わずにいられない辛辣さ。
 
 「彼はこういう性格の人物です」という解説はされなくても、ストーリー本筋とは関係ないちょっとしたひとことで、張良の性格が浮き彫りにされる。

 それがもお、たのしくてっ。(ばんばん机を叩く勢い)

 まっつの冷え冷えした美貌、冴え冴えとした佇まいが映えまくってて。
 ナニあのクールビューティっぷり!
 見たかったまっつがそこに!

 范増先生との共犯者めいたやりとり(この世はバカばっか、優れた自分たちだけがまともな会話ができる)も実に素敵だし、楚王宮にて劉邦@壮くんの剛胆さに微笑むところ(さすが私が見込んだ男、と自画自賛?)も大好きだ。

 それ以外にツボっている張良さんは。

 咸陽に先乗りしてちやほやされた劉邦がご機嫌にしているところで、彼の言葉を聞きながら天を仰いでぐるんと目を回す。
 だめだこりゃ、みたいな。

 鴻門の会に挑む前の、「そんな反応ですか」というところも張良先生にしてはコミカルでかわいいんだけど、その前の部分が実はさらにかわいいという(笑)。

 このあたりいいよなー、劉邦に愛情というか、愛着が感じられて。けっこういいコンビじゃん?てな。

 そして、みょーにツボってるのが、鴻門の会で金印を持って登場する張良さん。
 金印を載せた三宝を両手で捧げ持って、下手からすすすすっと猛スピードで走ってくる。
 動きの少ない張良さんの、唯一に近い激しいアクション!!(笑)

 ココ、まっつファン的ツボらしく、「金印を持ってくる張良」って言えばまっつメイトなら「ああ!!」と、どこを指しているのか瞬時にわかってもらえるという(笑)。

 あのちっちゃなまっつが、そして動きの少ない、ゆったりした良ちゃんが、手を離したチョロQみたいにカサカサ動いてるんだよ、ツボらないわけがないっ。

 かわいいかわいいかわいいっ。

 いつも澄まし返ってる張良さんが、クールな顔の下でどんだけテンパってるか。
 それがわかる場面。

 鴻門の会は、張良さん楽しすぎる。劉邦とやたら目配せして。おまいらアイコンタクトし過ぎだ、目と目だけで通じ合いすぎだ(笑)。
 范増先生のたくらみを察し、抜け出そうとして見咎められて、また坐り直す表情とか。
 いろーんなことをぐるぐる考えてそうな、マンガなら絶対こめかみに汗マークがついている表情とか。

 顔にはあまり出ていないけど、かなり真剣、かなり切羽詰まってる。
 おかげで劉邦相手に声を荒らげる。

 せっかく切り抜けたのに、「項羽に挨拶してない」と言い出す劉邦ののーてんきぶりに、「天下を取ったモノが天子」と一喝。
 ここの良ちゃんのテンパりぶりが……(笑)。

 クールなまっつさんですが、公演が進むにつれ感情が入るようで、最後の方になるとここの怒声が聞き取りにくくなっていた。明瞭で耳に優しい滑舌のまつださんが、本気で怒鳴って台詞が聞き取りにくいという、本分を忘れるほどの熱演。や、もともと聞き取りにくい音の羅列だけどさー、早口言葉みたいで。

 ああ、やっぱ張良さん、劉邦のこと好きだよね、こうやって見ると。
 ただの道具でただの駒なら、ここまで取り乱して守らないよ。張良的にも命懸けじゃん、カラダ張って守ってるじゃん。
 劉邦逃がして、敵の本陣にただひとり残るんですよ? 言動ひとつで即ヌッコロされかねない状況ですよ? それでも、劉邦の無事が最優先なんだ。

 「あとは任せて欲しい」と言ったあと、劉邦とまたしても目で語り合う。頷き合うのな、男ふたり。

 劉邦としても、わかってるはず。
 自分が逃げ出したあとの場に残していくということは、ヘタすりゃ責任問題で殺されるかもしれないってこと。今生の別れかもしれない、でも、張良が「任せろ」というから、それを信じて頷くんだ。その指示に従うんだ。

 銀橋を駆けていく劉邦とハンカイ@らいらいを見送り、ひとりその場に残る張良さんの、厳しい顔。
 どんだけの覚悟。
 剣を持って戦うことのない文官な彼だけど、まぎれもない「戦士」の顔だ。

 あああ、かっこいー。

 
 と書いているうちに文字数切れ。
 まっつ語るとキリがないのはいつものこと。
 続くっ。

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