ちまちまと古いビデオテープの整理をしている。
 まだスカイステージがなかったころ。地上波のふつーのテレビでヅカ関連番組があると、なんでもかんでも片っ端から録画していた。なにがなんやら、めちゃくちゃに録り溜めてある。
 中身も確かめずに、とりあえずレコーダーにまるっとダビングしたデータを、番組ごとに分割、番組名がわかるものはタイトル入力。
 てなことをやっていたら、画面に音楽学校時代のきりやんとゆみこが映って、びびった。

 本科生のときだな。首席と次席だからインタビュー受けてる。ひとりずつ画面から切れるくらいのドアップ。モロ本名のテロップ付き。
 えーと、93年の『水曜特バン!「これを見ると10倍面白くなる!芸能界の裏側」』。いろんなネタの中、ヅカ話は15分ほど。華やかな舞台で輝くためには、ものすごーく努力してなきゃなんないんですよ、みたいな流れ。それが「タカラヅカの裏側」らしい。

 ふたりとも、きれいになったなあ……。
 いやその、まだハタチ?であろういとーちゃんとゆみこちゃん、お肌はぴちぴちなんだけど、いやそのえっと。なにしろ音校生だし、お化粧も髪型も縛りがあるし。
 タカラジェンヌは劇団に入団し、舞台その他で磨かれて、美しく、あか抜けていく。
 ただ若い、というだけの時期よりも、年輪を重ねた方が美しいんだ。

 ふたりとも、きれいになった。
 その人生が、美しさを作っているんだ。

 編集画面から通常のテレビ画面に切り替えると、現在のゆみこちゃんが話しているところだった。雪組の「NOW ON STAGE」の最後の放送がオンエアされている。きれいだなあ、ゆみこ……。

 
 雪組東宝楽。
 遠く大阪の地で、想いを馳せておりました。
 快晴で良かった。あたたかいのに、でもなんか肌寒くて、「春」だなと思う。4月ももう終わりで、春というより初夏に近いのかもしれないけれど、それでも「春」を思う。出会いと、別れの季節。

 mixiやTwitter他で報告してくれたみんな、ありがとう。ハマコの袴写真に、なんかガツンと衝撃を受けた。……ゆみこちゃんの袴姿に対してすごーく構えていた分、その前のハマコで思いがけず動揺する。いやそのわたしハマコ大好きだからそれはわかっていたけどああやっぱりこんな。

 千秋楽おめでとう、卒業おめでとう。
 友人たちがそう書いているのを見て、ああそうだおめでたいんだと、改めて思う。
 自分の寂しさとか悲しさとかが先に立っちゃって。いかんね。旅立ちだものね。祝福しなくちゃね。

 自分も現地でなにかしら参加していると、否応なしに現実にもまれて納得していく部分があるんだけど。
 なんかしみじみと、寂しいな。

 出会いと別れがあって、タカラヅカは続いていく。人生と同じように。
 古い映像整理しながら、現在が過去になるのを実感する。「宝塚音楽学校本科生」とテロップ付けられて喋っていたゆみこちゃんは、今日を限りに「宝塚歌劇団卒業生」になる。

 古ぼけたテープの映像の中で、やはりジェンヌたちがあの舞台の上にいて。電飾が輝きスパンコールが輝き。
 出会えたことは奇跡だよなあ、なにもかも。なんかぼーっと、そんなことを思う。

 ……それにしても、昔も今も変わらずヅカヲタやって、テレビ番組を録画している自分の行動にも、ちょっとアタマを抱えつつ。

 わたしも書こう。
 千秋楽おめでとうございます。卒業おめでとうございます。
 退団者のみなさんに、素晴らしい未来が広がっていますように。(と書いて、「未来」といえば「優希」じゃん、と思うわたしの脳みそときたら……あああ、ハマコ~~)

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