天然タラシ男、袋小路に降り立つ。@リラの壁の囚人たち
2010年5月17日 タカラヅカ わたしは、凰稀かなめを赦しているのかもしれない。
そう思った。
や、ゆるすもゆるさないもナイですよ、かなめくんはナニもしてません。つか、わたしとはなんの関係もない芸能人、雲の上の人。
かなめくんに限らず、すべてのジェンヌ、演出家含めスタッフ等、実生活でなんの関連もないので、そもそも利害も愛憎も別次元の存在です。
でも良い作品を観たら、出演者や作者に「ありがとう」と思うように、勝手になにかしら思い入れるわけです。
そんでもって、役者としてのかなめくん。
特技は美貌で、それ以外はよくわかんない。時折ツボにジャストミートするんだが、概ねあまり好みセンサーには引っかからない。足りないと歯がゆく思うことも多々あり。
だがしかし。
結局のところわたしは、彼の「キャラクタ」を愛でているのだと思う。認めているのだと思う。
出来ないことだらけ、足りないことだらけで、歯がゆいこともじれったいこともたしかだけれど、それでもいいんだ。
赦せてしまえるんだ。
これが「凰稀かなめ」なんだ、と。
そしてこの「凰稀かなめ」っぷりは、わたしの好みとは違っているはずなのに、彼のことを考えるとなんだかあたたかいキモチになる、ほわほわとうれしくなる。
って、わたし結局、彼のこと好きなんだ?
いやその、ずっと好きだったと思うけれど、なんか改めて思う。
英国の天然タラシ男エドって、どうなのよ?! と(笑)。
星組バウ公演『リラの壁の囚人たち』のことです。
初演は観てません。わたしがヅカヲタになる前の公演ゆえ。
ただあとになってビデオで見た。トドロキ目当てに。
目当てに見るにはあまりに出番が少なくてびっくりした……が、当時トドは研3ですか。役があるだけでもめっけもん。また、トドの相棒は天海祐希、研1だっけ? ふたりそろって大根だった……(笑)。学年からすりゃ当然なんだが。
トドと天海がコンビ組んでた……って、今思うとすごい並びだな。
映像は映像でしかなく、当時もわたしはナマ舞台にしか興味がなかった。舞台中継映像はあらすじを確認するとか、出席表にハンコを押してもらう程度の意義。人と話すときにあらすじもわかんないとつまんないし、ぐらいの感覚で眺めただけ。
ビデオはカットされている部分もあるし、キャストの顔ぶれとあらすじ確認でしかナイ身には、作品自体の良さも意味もわからず終了。
当時のビデオも発掘し、「見比べる」楽しみを得るために観劇前に見ておくか、新作として楽しむためにあえて見ないでおくか、迷った。
結局忙しくてビデオを見るヒマはないまま、なし崩しにバウへ行くことになっちゃったんだけど。
ここんとここんな話ばかり観ている気がする……ナチス占領下のパリ。
下町の袋小路の中庭に逃げ込んだレジスタンスのエドワード@かなめくんは、なんやかんやでその庭に面した建物に住む人たちに匿ってもらうことになる。
大都会パリの下町なので、建物ひとつとってもいろんな人たちが住んでいる。様々な人々、思惑の交差する中、エドはそのへんの人たちをタラシていく。って、えええ。そんな話?!
ナチス支配によって時が止まったパリ、壁に囲まれた「いつもの場所」「いつもの顔ぶれ」ゆえに時の止まった人々、そこへ混ざってきた異分子・異邦人の超イケメン。
黒船によって安寧が乱れるのはお約束、投げ入れられた小石は波紋を生み、さまざまに化学反応していく。
変わらないセット、時代の暗さとそれでもオシャレなパリ、袋小路。
いやはや、語るべきところはいろいろあるが、それにしたって、あの天然タラシ男。
フランスのレジスタンスとして活動をしていますが、エドくんはフランス人ではありません。
英国情報部将校、という、なんだかなーな肩書き持ちです。
なんでなんだかなーかというと、すごく嘘くさいからです。
厨な人が脳内で萌えなオリジナル物語を作るときに、「主人公はクールビューティな執事様なんだけど、実は凄腕の傭兵だったという過去があって……」とか、すごくてきとーな経歴だの暗い過去だのを山ほどつくってムヒムヒする感じ、というか。
下手な肩書きナシの方がかっこいいのに、と大人になってからは思うけど、若いころは「元殺し屋」とか「なんとか軍の将校」とか「IQ200の天才」とか、訳アリな肩書きがあるとすごいと思い込んでいたなあ、みたいな。
現在の行動がかっこよければ肩書きなんかいらない……むしろ肩書きに似合わないメンタリティや言動しかしないとプゲラになるっつーことを理解していなかったというか。設定だけ「天才」でも思考回路や言動の元になる知性が中学生の妄想レベルだと意味ねーっつーか。
そういう意味で、エドくんの「英国情報部将校」つーのが嘘くさい……つーか、むしろ「いらん設定」に思えます。
英国人でもいいから、ヒラでええやん……。やってることがなさけなさすぎるんやから。
なんの訓練も受けていない、愛国心や義侠心でレジスタンスとして闘っている若者、ならちょっと腕っ節が強い場面を見せるだけでも「すごい!」と思えるけど、仮にも英国情報部将校様が、負けて追われて一般人に匿われて、どこへも行けずにのらくらナニもせずに過ごしているところだけで2時間引っ張る物語は、どうかと思う(笑)。
物語の趣旨が、行き場のない人々を描くことなんだから、主人公もタダメシ食いのニート化してそこにいるしかないわけなんだけど、それなら肩書きがナイ方がよくね?と。
そのご立派な肩書きの似合う人ならともかく……。
いやまあとにかく、お陰様で、あのヘタレ風味漂う素敵なエドくんが、よりによって「英国情報部将校」という肩書きゆえに、ヘタレ度がさらに気前よくアップしていて素晴らしい、と(笑)。
んな肩書きでやってることはソレなのかと(笑)。
やってること……天然タラシ男(笑)。
男も女もその美貌でタラシまくる。オトシまくる。
そして最悪なことに、自覚、ナシ。
奇跡の芳香を放つ草食系美男子。
肉食系女子だけに留まらず、彼を目にした者たちは皆それまでの属性を捨て、肉食獣へ変わるという。
周囲の生態系を破壊したくせに、本人は無自覚。実際彼、ナニもしてないし。周りが勝手にわいのわいのとやってるだけだし。
ナニこの男。
どこの最終兵器?
そういう役でそういう脚本なんだろうけど、あまりにナニもしなさすぎる主人公。
こーゆーのを、しどころのない役、というのかもしれない。
きれいな人が、きれいに微笑んで立っているだけ。歌っているだけ。
……なんだけど、その説得力や、如何に。
とんでもないなあ、凰稀かなめ。
演技してるんだかしてないんだか、よくわかんないまま、その美貌で天下を取る。
クライド@『凍てついた明日』とどこがチガウんだかわかんない頼りなさで、それでも「キャラ勝ち」だと思う。
こんだけなにやってんだな姿で、ソレでもアリだと思う、OKだと思う。
わたしは、凰稀かなめを赦しているんだなと思う。
『リラの壁の囚人たち』、たのしかったっす。
そう思った。
や、ゆるすもゆるさないもナイですよ、かなめくんはナニもしてません。つか、わたしとはなんの関係もない芸能人、雲の上の人。
かなめくんに限らず、すべてのジェンヌ、演出家含めスタッフ等、実生活でなんの関連もないので、そもそも利害も愛憎も別次元の存在です。
でも良い作品を観たら、出演者や作者に「ありがとう」と思うように、勝手になにかしら思い入れるわけです。
そんでもって、役者としてのかなめくん。
特技は美貌で、それ以外はよくわかんない。時折ツボにジャストミートするんだが、概ねあまり好みセンサーには引っかからない。足りないと歯がゆく思うことも多々あり。
だがしかし。
結局のところわたしは、彼の「キャラクタ」を愛でているのだと思う。認めているのだと思う。
出来ないことだらけ、足りないことだらけで、歯がゆいこともじれったいこともたしかだけれど、それでもいいんだ。
赦せてしまえるんだ。
これが「凰稀かなめ」なんだ、と。
そしてこの「凰稀かなめ」っぷりは、わたしの好みとは違っているはずなのに、彼のことを考えるとなんだかあたたかいキモチになる、ほわほわとうれしくなる。
って、わたし結局、彼のこと好きなんだ?
いやその、ずっと好きだったと思うけれど、なんか改めて思う。
英国の天然タラシ男エドって、どうなのよ?! と(笑)。
星組バウ公演『リラの壁の囚人たち』のことです。
初演は観てません。わたしがヅカヲタになる前の公演ゆえ。
ただあとになってビデオで見た。トドロキ目当てに。
目当てに見るにはあまりに出番が少なくてびっくりした……が、当時トドは研3ですか。役があるだけでもめっけもん。また、トドの相棒は天海祐希、研1だっけ? ふたりそろって大根だった……(笑)。学年からすりゃ当然なんだが。
トドと天海がコンビ組んでた……って、今思うとすごい並びだな。
映像は映像でしかなく、当時もわたしはナマ舞台にしか興味がなかった。舞台中継映像はあらすじを確認するとか、出席表にハンコを押してもらう程度の意義。人と話すときにあらすじもわかんないとつまんないし、ぐらいの感覚で眺めただけ。
ビデオはカットされている部分もあるし、キャストの顔ぶれとあらすじ確認でしかナイ身には、作品自体の良さも意味もわからず終了。
当時のビデオも発掘し、「見比べる」楽しみを得るために観劇前に見ておくか、新作として楽しむためにあえて見ないでおくか、迷った。
結局忙しくてビデオを見るヒマはないまま、なし崩しにバウへ行くことになっちゃったんだけど。
ここんとここんな話ばかり観ている気がする……ナチス占領下のパリ。
下町の袋小路の中庭に逃げ込んだレジスタンスのエドワード@かなめくんは、なんやかんやでその庭に面した建物に住む人たちに匿ってもらうことになる。
大都会パリの下町なので、建物ひとつとってもいろんな人たちが住んでいる。様々な人々、思惑の交差する中、エドはそのへんの人たちをタラシていく。って、えええ。そんな話?!
ナチス支配によって時が止まったパリ、壁に囲まれた「いつもの場所」「いつもの顔ぶれ」ゆえに時の止まった人々、そこへ混ざってきた異分子・異邦人の超イケメン。
黒船によって安寧が乱れるのはお約束、投げ入れられた小石は波紋を生み、さまざまに化学反応していく。
変わらないセット、時代の暗さとそれでもオシャレなパリ、袋小路。
いやはや、語るべきところはいろいろあるが、それにしたって、あの天然タラシ男。
フランスのレジスタンスとして活動をしていますが、エドくんはフランス人ではありません。
英国情報部将校、という、なんだかなーな肩書き持ちです。
なんでなんだかなーかというと、すごく嘘くさいからです。
厨な人が脳内で萌えなオリジナル物語を作るときに、「主人公はクールビューティな執事様なんだけど、実は凄腕の傭兵だったという過去があって……」とか、すごくてきとーな経歴だの暗い過去だのを山ほどつくってムヒムヒする感じ、というか。
下手な肩書きナシの方がかっこいいのに、と大人になってからは思うけど、若いころは「元殺し屋」とか「なんとか軍の将校」とか「IQ200の天才」とか、訳アリな肩書きがあるとすごいと思い込んでいたなあ、みたいな。
現在の行動がかっこよければ肩書きなんかいらない……むしろ肩書きに似合わないメンタリティや言動しかしないとプゲラになるっつーことを理解していなかったというか。設定だけ「天才」でも思考回路や言動の元になる知性が中学生の妄想レベルだと意味ねーっつーか。
そういう意味で、エドくんの「英国情報部将校」つーのが嘘くさい……つーか、むしろ「いらん設定」に思えます。
英国人でもいいから、ヒラでええやん……。やってることがなさけなさすぎるんやから。
なんの訓練も受けていない、愛国心や義侠心でレジスタンスとして闘っている若者、ならちょっと腕っ節が強い場面を見せるだけでも「すごい!」と思えるけど、仮にも英国情報部将校様が、負けて追われて一般人に匿われて、どこへも行けずにのらくらナニもせずに過ごしているところだけで2時間引っ張る物語は、どうかと思う(笑)。
物語の趣旨が、行き場のない人々を描くことなんだから、主人公もタダメシ食いのニート化してそこにいるしかないわけなんだけど、それなら肩書きがナイ方がよくね?と。
そのご立派な肩書きの似合う人ならともかく……。
いやまあとにかく、お陰様で、あのヘタレ風味漂う素敵なエドくんが、よりによって「英国情報部将校」という肩書きゆえに、ヘタレ度がさらに気前よくアップしていて素晴らしい、と(笑)。
んな肩書きでやってることはソレなのかと(笑)。
やってること……天然タラシ男(笑)。
男も女もその美貌でタラシまくる。オトシまくる。
そして最悪なことに、自覚、ナシ。
奇跡の芳香を放つ草食系美男子。
肉食系女子だけに留まらず、彼を目にした者たちは皆それまでの属性を捨て、肉食獣へ変わるという。
周囲の生態系を破壊したくせに、本人は無自覚。実際彼、ナニもしてないし。周りが勝手にわいのわいのとやってるだけだし。
ナニこの男。
どこの最終兵器?
そういう役でそういう脚本なんだろうけど、あまりにナニもしなさすぎる主人公。
こーゆーのを、しどころのない役、というのかもしれない。
きれいな人が、きれいに微笑んで立っているだけ。歌っているだけ。
……なんだけど、その説得力や、如何に。
とんでもないなあ、凰稀かなめ。
演技してるんだかしてないんだか、よくわかんないまま、その美貌で天下を取る。
クライド@『凍てついた明日』とどこがチガウんだかわかんない頼りなさで、それでも「キャラ勝ち」だと思う。
こんだけなにやってんだな姿で、ソレでもアリだと思う、OKだと思う。
わたしは、凰稀かなめを赦しているんだなと思う。
『リラの壁の囚人たち』、たのしかったっす。
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