タカラヅカはわたしが生まれる前からある文化で、阪急沿線で育ったわたしが当たり前に呼吸してきたモノのひとつだ。

 ずーっとあったのだから、これからもあるに違いない。
 なんの根拠もなく、わたしはそう思い込んできた。

 それが今回の2010年宝塚歌劇ラインアップ発表を見て、本気で不安になった。

 タカラヅカがなくなる未来もあるんだ? と。

2010/06/10

2010年 公演ラインアップ【全国ツアー】<11~12月・花組『メランコリック・ジゴロ』『ラブ・シンフォニー』>
花組
■主演・・・(花組)真飛 聖、蘭乃 はな
サスペンス・コメディ
『メランコリック・ジゴロ』
-あぶない相続人-

作・演出/正塚晴彦

グランド・レビュー
『ラブ・シンフォニー』

作・演出/中村一徳

2010年 公演ラインアップ【シアター・ドラマシティ、東京特別】<10~11月・雪組『はじめて愛した』>
雪組
■主演…(雪組)音月 桂
『はじめて愛した』
作・演出/正塚晴彦

2010年 公演ラインアップ【宝塚バウホール・東京特別】
<10~11月・雪組『オネーギン Evgeny Onegin』(仮題)/11~12月・花組『コード・ヒーロー』>

雪組 
■主演…(専科)轟 悠
ミュージカル
『オネーギン Evgeny Onegin』(仮題)
原作/アレクサンドル・C・プーシキン
脚本・演出/植田景子

花組
■主演…(花組)朝夏 まなと
BOW MUSICAL
『コード・ヒーロー』

作・演出/谷正純

2010年 公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】<11月~2011年1~2月予定・宙組『誰がために鐘は鳴る』>
宙組
■主演…(宙組)大空 祐飛、野々 すみ花
ミュージカル
『誰がために鐘は鳴る』

Based on the novel FOR WHOM THE BELL TOLLS by Earnest Hemingway
Copyright © The Hemingway Foreign Rights Trust
Japanese musical performance rights arranged with
The Hemingway Foreign Rights Trust
through Japan UNI Agency, Inc., Tokyo
原作/アーネスト・ヘミングウェイ
脚本/柴田侑宏  演出/木村信司


 今までも、自分の好みではない人事や作品ゆえにオーマイガッなキモチになって「タカラヅカの未来」を憂えることはあった。特に半年前、ゆみこ退団発表のときにゃ、はじめて「タカラヅカって潰れるのかも?」と思った。
 ゆみこちゃん個人がどうこうというより、ここ20年来なかった事態が起こっていることに対して、組織存続が揺らいでいるのではないかと思った。
 しかしまあ、それでも、そーゆー人事を行ってでも運営していこう、続けていこうとしているのだということはわかった。

 今回も、続けていこう、としているのはわかる。
 人事がどうとか作品がどうとか、言いたいことはあっても、それはわたし個人の好みでしかないので置くとして。

 とてつもなく不安になったのは。

 劇団に、お金がない。ってことが、透けて見えることだ。

 今まですごーく華やかに着飾っていた知人が、あるときから同じ服ばかり着るようになって、散財もしなくなって外食もしなくなって、本人は相変わらず陽気で楽しそうにテンション高く話してるけど、つきあい悪くなったなー、と思ってたら、破産して夜逃げしたみたいよ、てなオチにたどり着く、てな。

 劇団には、ショーの新作を作る資金がない。使い回しの再演しかできない。

 芝居1本モノで安く済ませる。
 版権の安くなった古い古い映画ばかりを発掘し(まさしく発掘、前時代の遺物)、使い回しの衣装とスカスカのセットと安い音楽で、生徒やスタッフの給料以外の努力や労力は無料だからそこに丸投げしてしのぐ。
 魅力的な舞台を作ることより、「安い経費で作ること」を主眼とする。

 また、同じ組で同じ作品を短いスパンで再演するのは、「別のキャストに合わせて微調整する」経費を落とせるんだろう。大劇場公演が終わったあと同じものを1ヶ月後に東宝へ持っていく、それで生じる経費ぐらいに押さえたいんだろう。

 「この作品やだー」とか「この演出家やだー」とか言ってる次元じゃない。
 それを語る以前のところで、不穏すぎる。

 植爺を使い続ける劇団なんて未来が暗いわ、とぶーたれるのとは、意味が違うのよ。

 劇団、そんなにやばいんですか。
 なくなっちゃうかもしれないんですか?

 宝塚ファミリーランドがなくなっちゃったみたいに?

 ……と、リアルにこわくなりました。

 そんな意味で悲しいラインアップ発表って……。
 演目自体の話ができないって……。

 文句もしこたまゆーてますが、わたしはタカラヅカが大好きな1ヅカファンなので、なくなってほしくないっす。
 
 今は再演ばかり、1本モノばかりでしのいでも、また盛り返してくれることを祈る。
 きらびやかな新作ショーをばんばん上演する、「宝塚歌劇団」に戻ってくれることを祈る。

 
 ……つっても、所詮びんぼーな1ファンですから、代わり映えのしない再演だの、わくわくしない古い再演1本モノだのに、どんだけ通えるかはわかりません……。
 お金を儲けるために必要なんだ、劇団存続に必要なんだ、とわかっていても、『ベルばら』(外伝はもとより、本編も)に通えなかったように。
 お金ないんですもの。面白くないモノを何度も観られないよー。切実。ショーがあれば、まだ救われるけど。芝居だけとかショーがいつも同じとかじゃあ。

 『ベルばら』はヅカファンからではなく、外貨を稼ぐために必要だったとわかるけれど、安易な再演チープ作品は、ヅカファン・ヅカファン以外の人たちから、どれくらい集金できるんでしょうか?
 「稼ぐ」ことよりも「潰れない」ことにポイントを置いているよーな気がして、さらに不吉ですな……。びくびく。

 
 最近また体調がすぐれず、プログ更新する気力もナイよーな状況なので、さらに後ろ向きな反応になっているかもしんない。
 こんなに心が沈む発表、に感じられたのは、わたしの体調のせいだけだと思いたい。
 

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