あのホセとあのカルメンと。@激情
2010年5月23日 タカラヅカ あれは、1999年か。
もう11年も経ったの? ついこの間のことなんですが……あああ年を取ると時間が経つのが異様に早い。
『激情』初演はなんつってもお花様のカルメンと、たかちゃんのガルシアでした、わたし的に。
花ちゃんがかっこよくてなあ……たかちゃんがかっこよくてなあ……。
ただ、わたしはどうもずんちゃんの芝居に共感できず、リピートすることはできなかったの。芝居はうまいヘタではなく相性だから、わたしと姿月あさと氏は接点がなかったらしい。月組時代とか、彼が脇なら別にかまわなかったんだが、真ん中だと作品自体の魅力がわかりにくくなっちゃって……。
ずんちゃんの色気のなさを常々憂えていたので、長身美形トップ3が並んだ宙組を、「美しい」とは思っても、萌えだとは思えなかった。
……ので、後ろの席の見知らぬお嬢さんふたり組が「ずんことたかこの接触度が高いと萌える」てな意味のことをクールに語っていたことにびっくり、おかげで忘れられない(笑)。
『激情』が終わった幕間に、そう語っていたんだよ。ホセ@ずんことメリメ@たかこの友情を超えた男同士の尊敬・愛情について。このふたりだからこそ萌えだと。
わたしはまさにそこ、「ホセとメリメっておいしいはずなのに、演じているのがこのふたりだからこそ萌えなくて惜しい、残念」と肩を落としていたところだったので、真逆の感想を持つ人もいるんだと瞠目。
ひとの感じ方はそれぞれなんだ、ほんとに。
また、わたしは初心者たかこファンをエスコートしていたんだが、その子が「あのガルシア役をやった人は誰? すごく素敵だった」と言い出し……「いやその、あれもたかこだから」「えええっ?!」てな会話をしたことも、忘れられない。
たかこだから素敵なのではなく、素敵なのはみんなたかこ。いやあ、ひとの好みってのはそれぞれだよねえ、ほんとに。
初演は知っているけれど、思い入れはあまりない。主役を理解できなかったために、消化不良な物語として記憶。舞台も音楽も美しくて、ホセを別の誰かが演じていたら、もっと違った感想もあったんだろうな、とぼんやり思う程度。
でもそれはあくまでもわたし個人の感想でしかない。『激情』は名作とされたし、宙組は人気だし、なんつってもずんちゃんの人気は凄まじい。世の多くの人が「素晴らしい」と思っていたわけだ。ネットの観劇感想でも疑問視されるのはお花様のカルメンがほとんどだった。
わたしはお花様のカルメンは素晴らしいと思ったんだがなあ……。
別の人が演じたら、と当時から思っていたので、再演は願ってもないことだ。今度こそ、楽しめるかもしれない。
あの有名な「カルメン」の、タカラヅカ・バージョン。
若く美しく、勢いのある星組での再演。
素直に楽しみにしていた。全国ツアーがはじまって約1ヶ月、最後の梅田で観劇。
んで、実際。
ホセ@れおん、素敵。
最近れおんくんの魅力にめろめろなわたしですが、さらにガツンとやられました。
かっこいーよー。
ホセは間違ってない。
や、罪を犯してしまうのだから間違ってるんだけど、そのことではなくて、彼の心理の流れは間違ってないの。
彼は、「まとも」だ。悲しいほど。
反応のひとつひとつがまともだからこそ、罪を犯すことも、それでもなおやり直せると信じていることも、納得できる。
あのカルメン相手に、本気でまともな未来を語っている。その現実の見えてなさ、そんな男がよりによってあのカルメンを愛してしまった悲劇……みんなまるっと、見ていてたのしい。
激しいラヴシーンがあるからではなく、ホセの生々しさがいい。カラダの厚みと体臭を感じさせるような。抱きしめられたら、じとっとしてそうだな、汗を感じそうだな、ってなところ。
タカラヅカというファンタジーの中で、ぎりぎり生々しいのがれおんくんの魅力だなあ。絵空事ではなく、リアルに女子をときめかせる感じ。
ホセという男の輪郭がはっきりとわかり、彼の生き様にとてもどきどきしたんだけど……。
わたし、カルメン@ねねちゃん、ダメだった……。しょぼん。
なんであんなことになってんだ、あのカルメン。
まず「カルメン」として型があって、それに当てはめるために無理をしている?
あの発声、喋り方、表情……何故そうしているのか、いちいちわからない。今の声は何故、今の発音は何故、今の表情は何故、彼女がなにかするたびにひっかかって、現実に引き戻される。
ここまで理解できないねねちゃんを見るのははじめてで、すべてにおいて混乱。
カルメンというには可愛らしすぎる丸い幼い顔と、不可思議な下品さ。スタイルは素晴らしく、胸の谷間も長い長い脚もいいんだけど……うーむ。
ただ、観ているウチに最初ほど違和感はなくなった。
でもそれは、いわゆる「カルメン」というキャラクタを離れ、ひとりの若い女の子に見えてきたためだった。
「カルメン」をやろうとして気合いの入っている前半はみょーなことになっていて、だんだん「カルメン」ではない、人生経験少なさそうなせまい世界できーきー言っている女子高生風になって。でもまた「そうだ、私はカルメン」とところどころ思い直すのか、また変な感じになり、でもまたわがままな女子高生になり……。
カルメンという、芯のあるエネルギーの固まりを、わたしは感じられなかった。
熱意はわかるんだが、いちいちいびつさに足を取られて。
それならいっそ、最初から「世界のせまい女子高生」でもいいのに。精神の幼さゆえの奔放さと残酷さで通してくれても良かったのに。
ねねちゃんゆえの持ち味で暴走してくれても、よかったんだけどなあ。真面目に「カルメン」に取り組んでたんだなー。
カルメンがもっといい女でないと、それに惚れてるホセが悲しいです……(笑)。
おかげでちょっと彼、カンチガイ風味というか、愉快なことになってたなー。
いや、それも味かもしれないが。
花ちゃんって、すごかったんだなあ、とまた改めて思う。
……ちなみに。
当時、花ちゃんはずんちゃんより先に辞めると思っていた。だからたかちゃんとのカップルを見られるガルシア×カルメンの並びの美しさは今限定だと信じ、心に焼き付けようとか、思っていた。
や、花ちゃんはすでにトップになってからキャリア長いし、ずんちゃんで4人目の夫だから、常識で考えて、ずんちゃんより先に退団すると思ってたんだよ……まさかまだ折り返し地点にも来てないとは夢にも思わず……(笑)。
もう11年も経ったの? ついこの間のことなんですが……あああ年を取ると時間が経つのが異様に早い。
『激情』初演はなんつってもお花様のカルメンと、たかちゃんのガルシアでした、わたし的に。
花ちゃんがかっこよくてなあ……たかちゃんがかっこよくてなあ……。
ただ、わたしはどうもずんちゃんの芝居に共感できず、リピートすることはできなかったの。芝居はうまいヘタではなく相性だから、わたしと姿月あさと氏は接点がなかったらしい。月組時代とか、彼が脇なら別にかまわなかったんだが、真ん中だと作品自体の魅力がわかりにくくなっちゃって……。
ずんちゃんの色気のなさを常々憂えていたので、長身美形トップ3が並んだ宙組を、「美しい」とは思っても、萌えだとは思えなかった。
……ので、後ろの席の見知らぬお嬢さんふたり組が「ずんことたかこの接触度が高いと萌える」てな意味のことをクールに語っていたことにびっくり、おかげで忘れられない(笑)。
『激情』が終わった幕間に、そう語っていたんだよ。ホセ@ずんことメリメ@たかこの友情を超えた男同士の尊敬・愛情について。このふたりだからこそ萌えだと。
わたしはまさにそこ、「ホセとメリメっておいしいはずなのに、演じているのがこのふたりだからこそ萌えなくて惜しい、残念」と肩を落としていたところだったので、真逆の感想を持つ人もいるんだと瞠目。
ひとの感じ方はそれぞれなんだ、ほんとに。
また、わたしは初心者たかこファンをエスコートしていたんだが、その子が「あのガルシア役をやった人は誰? すごく素敵だった」と言い出し……「いやその、あれもたかこだから」「えええっ?!」てな会話をしたことも、忘れられない。
たかこだから素敵なのではなく、素敵なのはみんなたかこ。いやあ、ひとの好みってのはそれぞれだよねえ、ほんとに。
初演は知っているけれど、思い入れはあまりない。主役を理解できなかったために、消化不良な物語として記憶。舞台も音楽も美しくて、ホセを別の誰かが演じていたら、もっと違った感想もあったんだろうな、とぼんやり思う程度。
でもそれはあくまでもわたし個人の感想でしかない。『激情』は名作とされたし、宙組は人気だし、なんつってもずんちゃんの人気は凄まじい。世の多くの人が「素晴らしい」と思っていたわけだ。ネットの観劇感想でも疑問視されるのはお花様のカルメンがほとんどだった。
わたしはお花様のカルメンは素晴らしいと思ったんだがなあ……。
別の人が演じたら、と当時から思っていたので、再演は願ってもないことだ。今度こそ、楽しめるかもしれない。
あの有名な「カルメン」の、タカラヅカ・バージョン。
若く美しく、勢いのある星組での再演。
素直に楽しみにしていた。全国ツアーがはじまって約1ヶ月、最後の梅田で観劇。
んで、実際。
ホセ@れおん、素敵。
最近れおんくんの魅力にめろめろなわたしですが、さらにガツンとやられました。
かっこいーよー。
ホセは間違ってない。
や、罪を犯してしまうのだから間違ってるんだけど、そのことではなくて、彼の心理の流れは間違ってないの。
彼は、「まとも」だ。悲しいほど。
反応のひとつひとつがまともだからこそ、罪を犯すことも、それでもなおやり直せると信じていることも、納得できる。
あのカルメン相手に、本気でまともな未来を語っている。その現実の見えてなさ、そんな男がよりによってあのカルメンを愛してしまった悲劇……みんなまるっと、見ていてたのしい。
激しいラヴシーンがあるからではなく、ホセの生々しさがいい。カラダの厚みと体臭を感じさせるような。抱きしめられたら、じとっとしてそうだな、汗を感じそうだな、ってなところ。
タカラヅカというファンタジーの中で、ぎりぎり生々しいのがれおんくんの魅力だなあ。絵空事ではなく、リアルに女子をときめかせる感じ。
ホセという男の輪郭がはっきりとわかり、彼の生き様にとてもどきどきしたんだけど……。
わたし、カルメン@ねねちゃん、ダメだった……。しょぼん。
なんであんなことになってんだ、あのカルメン。
まず「カルメン」として型があって、それに当てはめるために無理をしている?
あの発声、喋り方、表情……何故そうしているのか、いちいちわからない。今の声は何故、今の発音は何故、今の表情は何故、彼女がなにかするたびにひっかかって、現実に引き戻される。
ここまで理解できないねねちゃんを見るのははじめてで、すべてにおいて混乱。
カルメンというには可愛らしすぎる丸い幼い顔と、不可思議な下品さ。スタイルは素晴らしく、胸の谷間も長い長い脚もいいんだけど……うーむ。
ただ、観ているウチに最初ほど違和感はなくなった。
でもそれは、いわゆる「カルメン」というキャラクタを離れ、ひとりの若い女の子に見えてきたためだった。
「カルメン」をやろうとして気合いの入っている前半はみょーなことになっていて、だんだん「カルメン」ではない、人生経験少なさそうなせまい世界できーきー言っている女子高生風になって。でもまた「そうだ、私はカルメン」とところどころ思い直すのか、また変な感じになり、でもまたわがままな女子高生になり……。
カルメンという、芯のあるエネルギーの固まりを、わたしは感じられなかった。
熱意はわかるんだが、いちいちいびつさに足を取られて。
それならいっそ、最初から「世界のせまい女子高生」でもいいのに。精神の幼さゆえの奔放さと残酷さで通してくれても良かったのに。
ねねちゃんゆえの持ち味で暴走してくれても、よかったんだけどなあ。真面目に「カルメン」に取り組んでたんだなー。
カルメンがもっといい女でないと、それに惚れてるホセが悲しいです……(笑)。
おかげでちょっと彼、カンチガイ風味というか、愉快なことになってたなー。
いや、それも味かもしれないが。
花ちゃんって、すごかったんだなあ、とまた改めて思う。
……ちなみに。
当時、花ちゃんはずんちゃんより先に辞めると思っていた。だからたかちゃんとのカップルを見られるガルシア×カルメンの並びの美しさは今限定だと信じ、心に焼き付けようとか、思っていた。
や、花ちゃんはすでにトップになってからキャリア長いし、ずんちゃんで4人目の夫だから、常識で考えて、ずんちゃんより先に退団すると思ってたんだよ……まさかまだ折り返し地点にも来てないとは夢にも思わず……(笑)。
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