見守る。ときに行き過ぎた思いを抱いて。@激情/BOLERO
2010年5月24日 タカラヅカ 再演『激情』、全国ツアーではなく本公演でやってほしかったなあと思う。
改めて観て、おもしろい話だよなあ、と。
しかし全ツには全ツの愉快さ……組を半分に割っての公演だからこそ、キャスティングの妙がある。
メリメ@すずみん!!
端正な傍観者、解説者としての彼には「すずみんならそりゃそうでしょ」と安心していたんだけど、それにしても美しかった。
役者として、舞台人として、格の違いを感じさせるというか。
全ツゆえにセンター付近も本公演のレギュラー陣だけでない顔ぶれだからってのもあるかもしれないが、すずみんが出るたびに「スターが現れた」と思える。
役割が狂言回しだからこそ、彼が「舞台を切り裂く」感じが痛快だった。
そこだけ切り込みが入って、別の空間が開くのね。
そうやって別世界の人なんだけど、この世界で唯一ホセ@れおんとだけは同じ地平にいるの。
ふたりがまったくチガウ人間であることはわかるんだけど、同じ地平を踏みしめている。唯一同じ世界にいる、しかしチガウために手を握り会うことは出来ない、そんなちりちり肌をこがすような矛盾。
切り込みから顔を出して語っているだけだったのに、途中から彼、どんどんこちらの世界に入ってくるんだよね。
や、ダメだから。こっちに来ちゃダメ。
一歩踏み出すたびに、一歩壊れていく。
メリメが端正であるだけに、彼の一歩がこわくて、どきどきした。
ガルシアの化けっぷりもさすが。
メリメと同一人物が演じているなんて、その直後にメリメとして出てくることもあり、気づかない人も多いんだろうな。
2番手が正反対の役をやることが売りというか、ファンサービスのひとつになっている作品だと思うが、すずみんに関してはガルシアはなくてもいいかとも思った。
ガルシアかっこよかったけど、線が細すぎて……無理に2役せんでも……と思い、でも全ツだし他にトップスターと対峙できる役者がいるかというと難しいし、やっぱすずみんがやるしかないのかとか、ぐるぐる考えた。
初演のメリメはこんなに壊れてなかったし、「物語」のキャラクタとして生きてもいなかったと思う。
より冷静で傍観的というか……わたしがあのホセ相手にどうこう考えられなかっただけかもしれないが、メリメとしてのホセとの並びより、ガルシアとしてカルメンと並んでいる方がしっくり来たんだよなあ。
すずみんのメリメは、とても面白いキャラクタでした。
んで、別の意味で面白くて仕方なかったのが、エスカミリオ@ともみん。
ナニあれ、すげー面白いんですがっ?!(笑)
ともみんはショー『BOLERO』のトマケと合わせて、えらいオモシロキャラとして花開いているよーな?
エスカミリオ役に必要なのは、「スター!」力。
他のナニより、「スター!」力。
タカラヅカって恥ずかしいなあ、観るとなんかこう赤面するなあ。……そう思わせるエッセンスを濃縮したモノ、それがエスカミリオ!
それを演じるともみん! って段階で、もおたまらん(笑)。
ショーのトマケといい、ともみんは今「修行中」って感じだなあ。
すごい勢いで外側削って、カタチを作っているところっていうか。
エスカミリオ役は、とにかく無駄に格好良くてキラキラしていてキザで自信満々でクサくて「タカラヅカ!」の見本、お手本としてショーケースに飾られるくらいの「男役スター」スキルを全部使う。
この役をやれるのは、純粋培養のスター様のみ。
超下級生時代から抜擢され、「この子は将来トップスターになるんだ」と自他共に暗黙の了解があり、重ねて機会を与えられることでカタチを作られてきた、そーゆー男役スターが演じる役。
ところがともみんは、そーゆー育ちの子じゃない。
路線寄りのところにはいたが、卒業間際に新公主演が決まって「良かったね!」と喜ばれるあたりの子。
極端なひとりっ子政策ゆえに、気が付いたら星組には確固たる路線と呼べる中堅がおらず、「良かったね!」の子を奥から引っ張り出してきて、あわてて「スター」というカタチに削りだした印象。
少なくとも5年くらい掛けて削るカタチを、ここ1年くらいで突貫している?
その突貫工事中ゆえの微妙さで、ともみんがとても愉快。
や、工事が終われば無事に素晴らしいスター!様の竣工祝いを出来るのかもしれないが、今はまだ大あわてで削っているところだから。
その劇団事情の渦中で、竜巻の中の木の葉のようなともみんが、それでも一生懸命前を向いて吠えている姿が愛しい。
面白い。
これは、今の彼にしか出せない味。
……任を果たせているとは、ごめん、ぜんぜん思えないんだが、愉快なのでイイ。
彼をみているのが、面白くて仕方ない。
いいなあ、ともみん。あの不器用な健やかさが好きだ。
しかし、なんつーか……。
上級生はたしかに豊富なんだが、「スター!」な顔ぶれの少なさを、改めて感じた全ツだった。
芝居はともかく、ショーで特に。
なんつーか、ショーで芯を張れる経験値を持った人が不足している気がした。
脇の上級生でもなく職人の中堅でもなく、「スター!」として、真ん中を張れる人。
本公演でも十分活躍している、安定した力……華と見せる技術を持った人。加えて、そのセンターのスターのすぐ脇で踊る、「次代のスター」「鳳雛の品格」を持った少人数口の人々。
3番手のともみんが「路上運転練習中」の札を付けている感じなんだもんなあ。ココが「真ん中任せろ、どーんっ!」であるとか、真風が「場面のひとつやふたつ、ひとりでさらっていきますよ!」な新鮮な旋風キャラであるなら、よかったんだが。もしくはそれ以下の出番の人でも「アレは誰?! なんかキラキラした無名の若手スターがいますよ?!」系の新星をぱーんと売り出しているとか。
前の全ツで大活躍していたあかしを、なつかしく思い出す。
路線スター様ではなかったけれど、星組らしいクドいハッタリで場を締めることのできる人だったなあ。
星組だけのことではなく、どの組も多かれ少なかれそーゆー部分はあるんだろうけど、今回は特にそう感じた。れおんくんに掛かる比重の高さハンパねぇなと。
や、見守りますよ、これからも。
わくわくと、どきどきと。
あ、ショーのねねちゃんのかわいらしさに、心からほっとした。ねねちゃんはこっちの方がいいっす。
んで、本公演時に?マークが飛び交ったレ○プシーンがなくなっていてほっとし、だがそれゆえなんでヒロインがそこまで傷ついてバックレちゃったのか、ストーリーがさらにわけわかんなくなるという……。
草野せんせとはわかりあえないです、相変わらず(悔いのない笑顔)。
改めて観て、おもしろい話だよなあ、と。
しかし全ツには全ツの愉快さ……組を半分に割っての公演だからこそ、キャスティングの妙がある。
メリメ@すずみん!!
端正な傍観者、解説者としての彼には「すずみんならそりゃそうでしょ」と安心していたんだけど、それにしても美しかった。
役者として、舞台人として、格の違いを感じさせるというか。
全ツゆえにセンター付近も本公演のレギュラー陣だけでない顔ぶれだからってのもあるかもしれないが、すずみんが出るたびに「スターが現れた」と思える。
役割が狂言回しだからこそ、彼が「舞台を切り裂く」感じが痛快だった。
そこだけ切り込みが入って、別の空間が開くのね。
そうやって別世界の人なんだけど、この世界で唯一ホセ@れおんとだけは同じ地平にいるの。
ふたりがまったくチガウ人間であることはわかるんだけど、同じ地平を踏みしめている。唯一同じ世界にいる、しかしチガウために手を握り会うことは出来ない、そんなちりちり肌をこがすような矛盾。
切り込みから顔を出して語っているだけだったのに、途中から彼、どんどんこちらの世界に入ってくるんだよね。
や、ダメだから。こっちに来ちゃダメ。
一歩踏み出すたびに、一歩壊れていく。
メリメが端正であるだけに、彼の一歩がこわくて、どきどきした。
ガルシアの化けっぷりもさすが。
メリメと同一人物が演じているなんて、その直後にメリメとして出てくることもあり、気づかない人も多いんだろうな。
2番手が正反対の役をやることが売りというか、ファンサービスのひとつになっている作品だと思うが、すずみんに関してはガルシアはなくてもいいかとも思った。
ガルシアかっこよかったけど、線が細すぎて……無理に2役せんでも……と思い、でも全ツだし他にトップスターと対峙できる役者がいるかというと難しいし、やっぱすずみんがやるしかないのかとか、ぐるぐる考えた。
初演のメリメはこんなに壊れてなかったし、「物語」のキャラクタとして生きてもいなかったと思う。
より冷静で傍観的というか……わたしがあのホセ相手にどうこう考えられなかっただけかもしれないが、メリメとしてのホセとの並びより、ガルシアとしてカルメンと並んでいる方がしっくり来たんだよなあ。
すずみんのメリメは、とても面白いキャラクタでした。
んで、別の意味で面白くて仕方なかったのが、エスカミリオ@ともみん。
ナニあれ、すげー面白いんですがっ?!(笑)
ともみんはショー『BOLERO』のトマケと合わせて、えらいオモシロキャラとして花開いているよーな?
エスカミリオ役に必要なのは、「スター!」力。
他のナニより、「スター!」力。
タカラヅカって恥ずかしいなあ、観るとなんかこう赤面するなあ。……そう思わせるエッセンスを濃縮したモノ、それがエスカミリオ!
それを演じるともみん! って段階で、もおたまらん(笑)。
ショーのトマケといい、ともみんは今「修行中」って感じだなあ。
すごい勢いで外側削って、カタチを作っているところっていうか。
エスカミリオ役は、とにかく無駄に格好良くてキラキラしていてキザで自信満々でクサくて「タカラヅカ!」の見本、お手本としてショーケースに飾られるくらいの「男役スター」スキルを全部使う。
この役をやれるのは、純粋培養のスター様のみ。
超下級生時代から抜擢され、「この子は将来トップスターになるんだ」と自他共に暗黙の了解があり、重ねて機会を与えられることでカタチを作られてきた、そーゆー男役スターが演じる役。
ところがともみんは、そーゆー育ちの子じゃない。
路線寄りのところにはいたが、卒業間際に新公主演が決まって「良かったね!」と喜ばれるあたりの子。
極端なひとりっ子政策ゆえに、気が付いたら星組には確固たる路線と呼べる中堅がおらず、「良かったね!」の子を奥から引っ張り出してきて、あわてて「スター」というカタチに削りだした印象。
少なくとも5年くらい掛けて削るカタチを、ここ1年くらいで突貫している?
その突貫工事中ゆえの微妙さで、ともみんがとても愉快。
や、工事が終われば無事に素晴らしいスター!様の竣工祝いを出来るのかもしれないが、今はまだ大あわてで削っているところだから。
その劇団事情の渦中で、竜巻の中の木の葉のようなともみんが、それでも一生懸命前を向いて吠えている姿が愛しい。
面白い。
これは、今の彼にしか出せない味。
……任を果たせているとは、ごめん、ぜんぜん思えないんだが、愉快なのでイイ。
彼をみているのが、面白くて仕方ない。
いいなあ、ともみん。あの不器用な健やかさが好きだ。
しかし、なんつーか……。
上級生はたしかに豊富なんだが、「スター!」な顔ぶれの少なさを、改めて感じた全ツだった。
芝居はともかく、ショーで特に。
なんつーか、ショーで芯を張れる経験値を持った人が不足している気がした。
脇の上級生でもなく職人の中堅でもなく、「スター!」として、真ん中を張れる人。
本公演でも十分活躍している、安定した力……華と見せる技術を持った人。加えて、そのセンターのスターのすぐ脇で踊る、「次代のスター」「鳳雛の品格」を持った少人数口の人々。
3番手のともみんが「路上運転練習中」の札を付けている感じなんだもんなあ。ココが「真ん中任せろ、どーんっ!」であるとか、真風が「場面のひとつやふたつ、ひとりでさらっていきますよ!」な新鮮な旋風キャラであるなら、よかったんだが。もしくはそれ以下の出番の人でも「アレは誰?! なんかキラキラした無名の若手スターがいますよ?!」系の新星をぱーんと売り出しているとか。
前の全ツで大活躍していたあかしを、なつかしく思い出す。
路線スター様ではなかったけれど、星組らしいクドいハッタリで場を締めることのできる人だったなあ。
星組だけのことではなく、どの組も多かれ少なかれそーゆー部分はあるんだろうけど、今回は特にそう感じた。れおんくんに掛かる比重の高さハンパねぇなと。
や、見守りますよ、これからも。
わくわくと、どきどきと。
あ、ショーのねねちゃんのかわいらしさに、心からほっとした。ねねちゃんはこっちの方がいいっす。
んで、本公演時に?マークが飛び交ったレ○プシーンがなくなっていてほっとし、だがそれゆえなんでヒロインがそこまで傷ついてバックレちゃったのか、ストーリーがさらにわけわかんなくなるという……。
草野せんせとはわかりあえないです、相変わらず(悔いのない笑顔)。
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