『虞美人』東宝、みんな熱演で隅々までみっちり濃い、たのしい。
 でもってやっぱ花娘のかわいさはハンパないっすね! どこ見てもかわいいわ、きれいだわ……。

 そんななか、だいもんが何故、第2ヒロイン役だったのかはわからないまま(笑)。
 だいもんの桃娘がめっちゃかわいかったこととは別に、ね。

 あの誰より大きな桃娘が、誰かのそばに寄るとき必ず、徐々に小さくなっていくことに、おばちゃんは感動していました。
 離れているときは「桃娘>衛布」なのに、衛布@みつるが悪役らしくがばっと迫ってくると、桃ちゃんはなんとなーく彼より小さくなってるんですねー。
 でもって、あんだけ華奢と言えない体格の娘が大暴れしているのに、衛布はびくともせず腕を押さえていたりして、「衛布って超力持ち!」と表現しているんですね。や、ふつーなら吹っ飛ばされるっしょ、あんだけ暴れられたら。

 韓信様@みわっちにしても、桃娘ったら一歩近づくごとになんとなく小さくなり、でも最後膝立ちになると安心するのか、それほど小さくない?……と、なかなかステキな混乱っぷり(笑)。

 
 韓信様はますます突き抜けていい男。
 一見まともそうで、実はじわじわとマイペースなところが、「大物はチガウよな」って感じ。
 あの人、ナニ気に自分中心じゃないですか?
 どんな場でも、周囲に合わせることはしない。自分が思ったことを言うし、またそれを決して曲げない。
 おだやかな物腰と男前な容姿で誤魔化されてるけど、ありゃーいいタマっすよ。
 桃娘に告白する場面だって、告るタイミング間違えちゃったかな、驚かせてゴメンね、てだけで、自分が振られるとか、身を引くことになるとか、まったく考えてないし。

 そもそもまったくの無名無冠時代から、「太刀を下げ、自分はいつか偉くなると言いふらす」男だったわけよね、韓信様。
 「いつか大物になるぞ」と思うのは男子らしいけれど、それを「言いふらす」って……。
 大望を持つのはかっこいいけど、なにもしないうちからただ言いふらしているのは、かっこわるい……。

 でもそーゆーことを、格好悪いとも思わずに、あの顔でしれっと「私は将来えらくなりますよ、ははは」とか言ってたのね、韓信様。
 ……萌え。

 自分が正しいと思うことに対し、なんの疑問も持たないし、それを曲げる気も譲る気もないから、場の空気も相手の気持ちもキニシナイ!
 「義兄弟を裏切れというのか」と劉邦@壮くんがあんなに悲壮に苦悩しているのに、あの場にいる人たちの中で唯一韓信様だけは、気にしてねえ!(笑)
 張良@まっつはナニもかもわかった上で、それでも劉邦に決断を迫っているし、他の兵士たちは停戦から講和までの流れを全部見ているから事情をわかっていて、劉邦のヘタレ講和に不満を持っている。
 あとから現れて、劉邦の気持ちをまーったく顧みずに「今攻めずにどうする!」と進言する韓信様のマイペースぶりが素敵。

 好き勝手やっていてなお、決してイヤナヤツにならないのは、みわっちの力だよなあ。
 「大きさ」を感じさせるから、素直に納得しちゃうんだわ。

 よかったね、桃娘。絶対幸せになれるよ、この男となら。いろんな意味で大物だもん(笑)。

 
 桃娘と虞姫@彩音ちゃんの関係も好きだった。
 桃娘の正体を知った虞姫が「事情は問いません。楽しかった時間に、ありがとう」と言うのが、すごく好き。

 事情は問わない、って。
 自分を騙していた、裏切っていた、ことがわかったのに。敵国のスパイだとわかったのに。
 それを知って、次の瞬間、なにもかも飲み込んで。
 たとえ自分や自分の夫の命を狙っていたのだとしても、そのために近づいたのだとしても、共に過ごしていたときに桃娘がやさしい子だったことは変わらない。
 虞姫が言及するのは、それだけ。近づいた目的ではなく、実際にやさしくしてくれた、愛してくれた、その事実だけを言及して、礼を言う。

 愛だけに生きる、虞美人ならではだよなあ。
 どんな罪も悪意も、彼女を汚すことは出来ないんだ。

 ……桃娘が本当に男の子だったら、虞姫に恋していたんじゃないかと思う。
 すでに、そんな感覚は、うっすらとあったのかもしれない。桃娘が項羽@まとぶんへの復讐を思い切ることが出来たのは、虞美人ゆえだろうし。
 崇拝と、敬愛と。
 衛布に身を汚され続ける桃娘は、自分は愛される資格はないと思い込んでいたようだし、それゆえになお、ただひとりの人に愛し愛され生きる虞姫は、崇高に映ったろうなあ。すべての憧れが、彼女に集中しただろうなあ。

 ……んで。
 あのかっこいー、でもちょっとナチュラルにカンチガイ入った韓信様に、
「私は虞美人に嫉妬しています。あなたにそんなに想われるなんて」
 とか、大真面目に言ってほしいなあ。虞姫付きの童をやっていたころの他愛ない思い出を語る桃娘に、韓信様がちくちく。嫌味で言うわけじゃないの、いつだって本気なのよ、韓信様は。
 んで、これまた冗談通じない桃娘があわてて、「私がお慕いしているのは韓信様おひとりです」とか言い出して……あー、犬も食わないお似合い夫婦。
 バカップル属性が垣間見える、韓信様と桃娘が好き(笑)。

  
 ところで、東宝からは蘭はなちゃんが出演しているわけで。
 月組を観るときのたのしみのひとつだった美少女の花組デビュー……つっても、もう千秋楽なんだけど、わたしにとっての花っこ初お目見え、プロローグからオペラでがっつりマークしました。

 が、最初なんか、わかんなくて。
 れみちゃんの位置、だよね? なんか知らない顔がある、とは思ったけれど、それが誰かわかんなくてなあ。
 カツラと衣装がアレだったから、つーのもあるかもしれないが……なんかとても地味に見えた。

 本役の戚はもちろんかわいいんだけど……なんかすごく若くて、劉邦がロリコンに見えるし(笑)。
 最後の花道でおなかをなでているのがなんとも背徳感っちゅーか……劉邦、じょしちゅうがくせえを孕ませちゃイカンよ……。

 と、みょーなとまどいがありました。

 あの蘭はなちゃんを飲み込んじゃうくらい、ほんとに花娘たちの美貌と華はハンパないんだな、と改めて思い知りつつ、蘭はなちゃんのこれからにも期待しています。

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