恋をする、今。@ロジェ
2010年7月27日 タカラヅカ トップ娘役の資質ってなんなんだろう。
いろんな要因があるとは思うけれど。
いつもヒロインを演じ、いつも同じ男役の相手役を務める。それだけは決まっている。
決まっているからこそ。
どれだけ「感情移入できる女の子」かどうか、ってのが、必要な資質のひとつではないだろうか。
水くんが退団してしまう、っつーんで、『ロジェ』ではわたし、アホみたく水くんばっか見てた。オペラグラスピン撮り、ロジェって役は好きじゃないし共感もないんだけど、ただただその美しさ、格好良さに見とれていた。
それが前楽になってはじめて、レア@みなこちゃんを見た。
そうだ、みなこも最後なんだ、ちゃんと見ておかなきゃ、と思って。
前楽が最後だと思うからこそ、いろんなところを見ておかなきゃと思って。
それではじめて、レアを見て。
何故、彼女がヒロインなのかがわかった。
物語的にレアって別にいらなくね? と思っていた。主人公が誰も愛していない(バシュレとシュミット除く)状態なので、取るに足らない扱いをされているレアは、いなくても問題ない。
ただみなこちゃんに似合う役や仕事を書いたら、こーゆー立場の女性になったんだな、いなくてもシュミット探し出来たけど。
今までの正塚芝居なら、杏奈ちゃんがやっていた女上司あたりがヒロインじゃね? 仕事のことで対等にぶつかり合い、怒鳴り合いながらお互いのことを見つめ合っていく。んで、協力して事件を捜査するのさ。……正塚のヒロイン衣装着てたし(笑)。
ロジェが水くんをイメージ的に格好良く描いたものであるように、レアもみなこちゃんをイメージ的に鉄の女に描いただけのものかなと。正塚がどう思っていようと関係なく、そんな風にわたしは受け取っていた。
でも、最後の最後になって。
レアに注目して見てみると。
レアが、ヒロインだとわかる。
物語的にはいなくてもいい役。本筋にも絡まないし、主人公にも特別に愛されていないし。
されど、そんなことは関係ないんだ。
レアが、ロジェに恋しているから。
レアを見ていると、彼女の物語が浮かび上がってくる。彼女がロジェと出会い、恋に落ちる様が見えるんだ。
ロジェだけ見てるとわかんないけど。なにしろロジェさん、レアに(勝手な思い込み以外)興味ないから。
ロジェはロジェでなんか勝手にやってる。それはいい。レアはレアで、彼女個人で、彼女ひとりで、ひそかに恋をしているんだ。
彼女は、彼女自身の物語の主人公なんだ。
レアを見ているのが、快感だった。
恋に落ちる、快感。
日常ではもうさっぱりなくなった(笑)、情熱的なトキメキがずどんとくる。レアになり、ロジェに恋をする。
彼女の心の動きがリアルで、いちいち痛い。切ない。
復讐しか興味なくて、自分がそうだからと他人もそうだと決めつけて、狭い狭い自分だけの世界で完結してイキがっている、アホな男。哀れで滑稽な男。
見れば見るほどロジェさんてばだめんずなんだが、そんなロジェに恋するレアの、リアルさときたら。
心象風景ダンサーまで動員してカッコつけて歌ってるけど、ゆってる内容ダメダメだよね?なロジェをただ見つめるレア。
彼女の恋が見える。わかる。
彼女を通して視る、ロジェという男は、たしかにアホで哀れで滑稽なんだけど、なんだけど、なんかもう、めちゃくちゃ愛しい。
レアになって、ロジェに恋をする。
ロジェ単体で見ているときより、はるかに切なく、愛しい。レアを通して見る方が。
ロジェを好きで、なにかしたくてできることをするしかなくて、自爆しながら自嘲しながら、「殴るぞ!」とかウザがられながら、それでも懸命に食いついていく様が、痛々しくリアル。胸に迫る。
こんな恋しかできない、その不器用さに泣けてくる。
タカラヅカのトップ娘役の資質ってなんだろう。
キラキラしてて夢が見られる、異次元存在。二次元のお姫様みたいな、現実離れした存在。
それもたしかにそうなんだけど。
感情移入して、リアルに恋が出来るってのも、重要な資質のひとつじゃないだろうか。
いやその、リアル過ぎてタカラヅカじゃない、部分はあるかもしれないけれど。日常にありそうな痛さや切なさなんかいらない、おとぎ話のような恋をしたいのよ、てのはあるかもしれないが。
わたしはリアルな恋ってのも、すでにファンタジーとしてアリだと思っているので、膝を打ちましたよ。
何故レアがヒロインかわかった、って。
彼女になって恋すればいいんだ、ロジェに。
ただ素直に。
現実でだって、恋した相手の本筋に絡むことなんてそうそうないじゃん。勝手に出会って勝手に恋して、相手の意識が動いてからようやく、本筋に絡めるかなってなもんで、最初から絡んでいたらソレただの吊り橋恋愛、ハリウッド映画になっちゃうよ。
『ロシアン・ブルー』のときも千秋楽になってはじめて、そんなことに気づいたと書いていたような……あああ、わたしって鈍すぎる。ついつい、水くんばっか見ちゃってるから。
ロジェがどんだけ残念な人でも、それでもなお、愛しくてならない。
好きで好きでたまらない。
見ているだけで、泣けてくる。
それは水くんが卒業しちゃうとか会えなくなるとか、そんな外側のことじゃなくて。
ロジェが、恋しくて泣ける。
水くんではなく、ロジェが。
それが、ヒロインの意味。ヒロインの資質。
うわあああん、ロジェが好きだああ。愛しい。切ない。苦しい。
そして、そんな痛みごと、うれしくて仕方がない。
恋を、トキメキを、ありがとう。
それはたしかに、わたしがタカラヅカに求めるモノだよ。
いろんな要因があるとは思うけれど。
いつもヒロインを演じ、いつも同じ男役の相手役を務める。それだけは決まっている。
決まっているからこそ。
どれだけ「感情移入できる女の子」かどうか、ってのが、必要な資質のひとつではないだろうか。
水くんが退団してしまう、っつーんで、『ロジェ』ではわたし、アホみたく水くんばっか見てた。オペラグラスピン撮り、ロジェって役は好きじゃないし共感もないんだけど、ただただその美しさ、格好良さに見とれていた。
それが前楽になってはじめて、レア@みなこちゃんを見た。
そうだ、みなこも最後なんだ、ちゃんと見ておかなきゃ、と思って。
前楽が最後だと思うからこそ、いろんなところを見ておかなきゃと思って。
それではじめて、レアを見て。
何故、彼女がヒロインなのかがわかった。
物語的にレアって別にいらなくね? と思っていた。主人公が誰も愛していない(バシュレとシュミット除く)状態なので、取るに足らない扱いをされているレアは、いなくても問題ない。
ただみなこちゃんに似合う役や仕事を書いたら、こーゆー立場の女性になったんだな、いなくてもシュミット探し出来たけど。
今までの正塚芝居なら、杏奈ちゃんがやっていた女上司あたりがヒロインじゃね? 仕事のことで対等にぶつかり合い、怒鳴り合いながらお互いのことを見つめ合っていく。んで、協力して事件を捜査するのさ。……正塚のヒロイン衣装着てたし(笑)。
ロジェが水くんをイメージ的に格好良く描いたものであるように、レアもみなこちゃんをイメージ的に鉄の女に描いただけのものかなと。正塚がどう思っていようと関係なく、そんな風にわたしは受け取っていた。
でも、最後の最後になって。
レアに注目して見てみると。
レアが、ヒロインだとわかる。
物語的にはいなくてもいい役。本筋にも絡まないし、主人公にも特別に愛されていないし。
されど、そんなことは関係ないんだ。
レアが、ロジェに恋しているから。
レアを見ていると、彼女の物語が浮かび上がってくる。彼女がロジェと出会い、恋に落ちる様が見えるんだ。
ロジェだけ見てるとわかんないけど。なにしろロジェさん、レアに(勝手な思い込み以外)興味ないから。
ロジェはロジェでなんか勝手にやってる。それはいい。レアはレアで、彼女個人で、彼女ひとりで、ひそかに恋をしているんだ。
彼女は、彼女自身の物語の主人公なんだ。
レアを見ているのが、快感だった。
恋に落ちる、快感。
日常ではもうさっぱりなくなった(笑)、情熱的なトキメキがずどんとくる。レアになり、ロジェに恋をする。
彼女の心の動きがリアルで、いちいち痛い。切ない。
復讐しか興味なくて、自分がそうだからと他人もそうだと決めつけて、狭い狭い自分だけの世界で完結してイキがっている、アホな男。哀れで滑稽な男。
見れば見るほどロジェさんてばだめんずなんだが、そんなロジェに恋するレアの、リアルさときたら。
心象風景ダンサーまで動員してカッコつけて歌ってるけど、ゆってる内容ダメダメだよね?なロジェをただ見つめるレア。
彼女の恋が見える。わかる。
彼女を通して視る、ロジェという男は、たしかにアホで哀れで滑稽なんだけど、なんだけど、なんかもう、めちゃくちゃ愛しい。
レアになって、ロジェに恋をする。
ロジェ単体で見ているときより、はるかに切なく、愛しい。レアを通して見る方が。
ロジェを好きで、なにかしたくてできることをするしかなくて、自爆しながら自嘲しながら、「殴るぞ!」とかウザがられながら、それでも懸命に食いついていく様が、痛々しくリアル。胸に迫る。
こんな恋しかできない、その不器用さに泣けてくる。
タカラヅカのトップ娘役の資質ってなんだろう。
キラキラしてて夢が見られる、異次元存在。二次元のお姫様みたいな、現実離れした存在。
それもたしかにそうなんだけど。
感情移入して、リアルに恋が出来るってのも、重要な資質のひとつじゃないだろうか。
いやその、リアル過ぎてタカラヅカじゃない、部分はあるかもしれないけれど。日常にありそうな痛さや切なさなんかいらない、おとぎ話のような恋をしたいのよ、てのはあるかもしれないが。
わたしはリアルな恋ってのも、すでにファンタジーとしてアリだと思っているので、膝を打ちましたよ。
何故レアがヒロインかわかった、って。
彼女になって恋すればいいんだ、ロジェに。
ただ素直に。
現実でだって、恋した相手の本筋に絡むことなんてそうそうないじゃん。勝手に出会って勝手に恋して、相手の意識が動いてからようやく、本筋に絡めるかなってなもんで、最初から絡んでいたらソレただの吊り橋恋愛、ハリウッド映画になっちゃうよ。
『ロシアン・ブルー』のときも千秋楽になってはじめて、そんなことに気づいたと書いていたような……あああ、わたしって鈍すぎる。ついつい、水くんばっか見ちゃってるから。
ロジェがどんだけ残念な人でも、それでもなお、愛しくてならない。
好きで好きでたまらない。
見ているだけで、泣けてくる。
それは水くんが卒業しちゃうとか会えなくなるとか、そんな外側のことじゃなくて。
ロジェが、恋しくて泣ける。
水くんではなく、ロジェが。
それが、ヒロインの意味。ヒロインの資質。
うわあああん、ロジェが好きだああ。愛しい。切ない。苦しい。
そして、そんな痛みごと、うれしくて仕方がない。
恋を、トキメキを、ありがとう。
それはたしかに、わたしがタカラヅカに求めるモノだよ。
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