いつから愛した。@はじめて愛した
2010年10月15日 タカラヅカ すみません、わからないことがあります。
ガイ@キムは、レイチェル@あゆを、いつ愛したのでしょうか?
タイトルが『はじめて愛した』で、いちお、この台詞が印象的に使われているのに、この疑問って……(笑)。
わたしがアホなだけだろうけど、マジわからん。
なにしろ、「いつものマサツカ」。
陳腐な、ふつーの恋愛ぢゃないんだぜ、俺様はそんなもん書かねーぜ、てなハリー哲学にて話は進む。
ガイがレイチェルを殺さなかったのは、彼女が美しい若い女性で、思わず手をさしのべてあげたくなるタイプだったからでしょう。不細工で憎々しげなおっさん相手に、同じことをしたとは思えない。
だから最初からレイチェルを好きだった、一目惚れだったとすることはできる。
でもガイはいちおー、そうではないというスタンスを取っている。恋愛感情や下心で助けたのではないと。
アンリ@りんきらが「そうなのか!」と脳内で盛大なラヴストーリーを展開しているらしいのに、「いやソレ、チガウから」と素でツッコミ入れてるし。
わたしにも、恋愛ではないように見えていた。
自分探しINGのガイが、揺らぐ自己の確立にレイチェルを……か弱きモノを助けることが必要に見えた。レイチェルが魅力的な女性であることが大きいにしろ、即恋愛ではないと。
レイチェルの記憶が戻った場面の緊迫感がたまらん。
ジュリアーノ@咲ちゃんをカッセル@ホタテくんが連行したあと、記憶の戻ったレイチェルに、ベルモンド@ちぎが立て続けに質問する。
殺人現場を、殺し屋を目撃したのではないか、という質問に。
話しているベルモンドではなく、レイチェルは離れたところに立つガイを見つめる。
進退の掛かったガイはもちろん、レイチェルを凝視している。
結ばれる、ふたつの視線。
ガイと見つめ合ったまま、レイチェルは「ナニも見ていない」「銃声はしたかもしれないけど、わからない」と答える。
共犯が、生まれた瞬間。
それまでは、犯人と目撃者、あるいは被害者、だったかもしれない。
でもこの瞬間、レイチェルは川を渡った。境界線を越えた。
見つめ合う罪びとたちの、しんと張りつめた美しさ。
なんの解説もない、でもレイチェルはこの間にすべてを理解したはずだ。ナニが起こっているのか、ガイが誰で自分が何故ここにいるのか。
その前の場面で、レイチェルの絶望、感情の爆発を知っているだけに、わたしは勝手に思いをめぐらして震撼しました。
「殺して」ってことよね?
ガイが殺し屋であることを警察には言わない、黙っていてあげる、そのかわり、殺して。
ジュリアーノを。
追いつめられて、絶望した女。
死のうとして果たせず、生き残った今、死ぬことさえ許されないとわかった。
あるのは、地獄だけ。
慟哭のあとの、虚脱、空白。
絶望、地獄、そして目の前に、殺し屋。
目の前の、殺し屋。
…………あの、緊迫感。
わたしが演出家なら、絶対「殺して」コースにするわ。
完全な被害者、天使のようなレイチェルが、罪に堕ちる瞬間。
天使は自ら翼を折り、殺し屋に魂を売る。
殺し屋の名は「バード」。
翼を失った天使と、飛べない鳥が、罪を共有して地を這う物語。
てな物語が、瞬時にしてわたしのアタマの中を走り回ったのですよ!!(机叩き)
いや実際は、そんなダークな話ではなかったんですがね。
あのみょーに明るいラストシーンにたどり着くためには、レイチェルが闇堕ちしたらまずい。
だからあくまでも、彼女が黙っていたのは「助けてくれたから」という、かわいらしい理由で、ガイとレイチェルの見つめ合いの緊迫感も、「殺し屋だってバラされたらどうしよう!」というだけの場面だった、てことですが。
そこは語りすぎない、不親切がデフォのマサツカ作品ですから、勝手に脳内補完可なんですよ。
ここでレイチェルが「殺して」の闇キャラ堕ちしたら、それって『銀の狼』になだれ込みだもんなー。『ラストプレイ』に着地する予定なのに、それはまずいよなー、なにしろお披露目公演だから、いくらキムがヤンデレ得意でも、最初からソレはまずいよなー。と、作家の事情も想像しつつ。
作品がどうあれ、見ているわたしがいろいろ想像の翼を広げられる、そういうモチーフを、場面を、エピソードを、あちこちにちりばめてくれているのが、ありがたいのですよ。
わたしが瞬時に煮えたぎった、闇展開のふたりではないにしろ。
ガイとレイチェルは、十分「運命のふたり」なわけで。
ふたりだけの世界に突入しているガイとレイチェル、そしてその横で必死に話しているベルモンド、の図がイイ。
ベルモンドが善良であればあるほど、ガイとレイチェルとの隔絶感が増す。
いやあ、ここのベルモンドが、めちゃくちゃ好きだ。
銃声を聞いたかどうかわからない、と言うレイチェルに、「そーですよね、それどころじゃなかったですもんね」と自己完結してるベルモンドが、かわいすぎるっ。
ベルモンドは、正しい人だ。
善良で誠実で、なにも間違ってない。彼は正しい。
でも彼は、誰も救えない。
あんなに必死になって努力しているのに。レイチェルに顧みることさえされず、ガン無視されて、実際ガイたちに利用されるだけで。
彼の優しさ、まともさ、正しさは、なんの役にも立たないんだ。
その現実の残酷さが、萌え。
ベルモンド好きだ……うおお。
ベルモンドのまともさを背景に、進んでいく罪びとたちの物語。
正しいのはベルモンドなのに、間違っているガイやレイチェルを中心に物語は進むんだ。
ガイはレイチェルを「見殺しにできない」と言う。それだけの理由で、彼女を連れて逃げる。
恋愛だとは本人も認めていないし、そう語ることもない。
それともあの、ぼそぼそぼそぼそ長々長々ゆってるモノローグ(録音)で、ナニか言ってたのか? あんまりモノローグばっかし続くんで、聴くことを放棄してたのが敗因?
好意があったから助けたんだろう、連れて逃げたんだろう、だからといって、お気楽な恋だの愛だのじゃない。
「死んだふり大作戦」をやるために、レイチェルが必要だった、「愛する女のためにのこのこ現れた」という理由付けのために利用した、そういうことだろう?
死の間際、血まみれで「はじめて愛した……(ごふっ)(がくり。ご臨終です)」をやるためだよね。
タイトルの台詞がフェイクって、すげえブラックだなヲイ。と、マジで思ったんですよ。
ガイがあそこで死んでないことは、観客はみんなわかっている。
嘘の演技だからこそ、やりすぎなほどクサイ台詞を吐いているんだと、思うよね?
たった一度のタイトルの台詞が、嘘。クサイ芝居。
って、さすがマサツカ!! こーゆー台詞使いさせたら天下一品よねー!
と、思っていただけに。
そのあと、再会したガイとレイチェルが「愛してる!」「うれしいっ」でハッピーエンド、ところかまわず音楽も照明も一気にチェンジ、ラヴラヴ・デュエットダンス、という『BOXMAN』仕様のラストにぼーぜん。
えええ。いつの間に??
てゆーかガイ、アンタ人格変わって……ゲフンゲフン。
いやあ、ツッコミどころの多さも含めて、好きですこの作品(笑)。
ガイ@キムは、レイチェル@あゆを、いつ愛したのでしょうか?
タイトルが『はじめて愛した』で、いちお、この台詞が印象的に使われているのに、この疑問って……(笑)。
わたしがアホなだけだろうけど、マジわからん。
なにしろ、「いつものマサツカ」。
陳腐な、ふつーの恋愛ぢゃないんだぜ、俺様はそんなもん書かねーぜ、てなハリー哲学にて話は進む。
ガイがレイチェルを殺さなかったのは、彼女が美しい若い女性で、思わず手をさしのべてあげたくなるタイプだったからでしょう。不細工で憎々しげなおっさん相手に、同じことをしたとは思えない。
だから最初からレイチェルを好きだった、一目惚れだったとすることはできる。
でもガイはいちおー、そうではないというスタンスを取っている。恋愛感情や下心で助けたのではないと。
アンリ@りんきらが「そうなのか!」と脳内で盛大なラヴストーリーを展開しているらしいのに、「いやソレ、チガウから」と素でツッコミ入れてるし。
わたしにも、恋愛ではないように見えていた。
自分探しINGのガイが、揺らぐ自己の確立にレイチェルを……か弱きモノを助けることが必要に見えた。レイチェルが魅力的な女性であることが大きいにしろ、即恋愛ではないと。
レイチェルの記憶が戻った場面の緊迫感がたまらん。
ジュリアーノ@咲ちゃんをカッセル@ホタテくんが連行したあと、記憶の戻ったレイチェルに、ベルモンド@ちぎが立て続けに質問する。
殺人現場を、殺し屋を目撃したのではないか、という質問に。
話しているベルモンドではなく、レイチェルは離れたところに立つガイを見つめる。
進退の掛かったガイはもちろん、レイチェルを凝視している。
結ばれる、ふたつの視線。
ガイと見つめ合ったまま、レイチェルは「ナニも見ていない」「銃声はしたかもしれないけど、わからない」と答える。
共犯が、生まれた瞬間。
それまでは、犯人と目撃者、あるいは被害者、だったかもしれない。
でもこの瞬間、レイチェルは川を渡った。境界線を越えた。
見つめ合う罪びとたちの、しんと張りつめた美しさ。
なんの解説もない、でもレイチェルはこの間にすべてを理解したはずだ。ナニが起こっているのか、ガイが誰で自分が何故ここにいるのか。
その前の場面で、レイチェルの絶望、感情の爆発を知っているだけに、わたしは勝手に思いをめぐらして震撼しました。
「殺して」ってことよね?
ガイが殺し屋であることを警察には言わない、黙っていてあげる、そのかわり、殺して。
ジュリアーノを。
追いつめられて、絶望した女。
死のうとして果たせず、生き残った今、死ぬことさえ許されないとわかった。
あるのは、地獄だけ。
慟哭のあとの、虚脱、空白。
絶望、地獄、そして目の前に、殺し屋。
目の前の、殺し屋。
…………あの、緊迫感。
わたしが演出家なら、絶対「殺して」コースにするわ。
完全な被害者、天使のようなレイチェルが、罪に堕ちる瞬間。
天使は自ら翼を折り、殺し屋に魂を売る。
殺し屋の名は「バード」。
翼を失った天使と、飛べない鳥が、罪を共有して地を這う物語。
てな物語が、瞬時にしてわたしのアタマの中を走り回ったのですよ!!(机叩き)
いや実際は、そんなダークな話ではなかったんですがね。
あのみょーに明るいラストシーンにたどり着くためには、レイチェルが闇堕ちしたらまずい。
だからあくまでも、彼女が黙っていたのは「助けてくれたから」という、かわいらしい理由で、ガイとレイチェルの見つめ合いの緊迫感も、「殺し屋だってバラされたらどうしよう!」というだけの場面だった、てことですが。
そこは語りすぎない、不親切がデフォのマサツカ作品ですから、勝手に脳内補完可なんですよ。
ここでレイチェルが「殺して」の闇キャラ堕ちしたら、それって『銀の狼』になだれ込みだもんなー。『ラストプレイ』に着地する予定なのに、それはまずいよなー、なにしろお披露目公演だから、いくらキムがヤンデレ得意でも、最初からソレはまずいよなー。と、作家の事情も想像しつつ。
作品がどうあれ、見ているわたしがいろいろ想像の翼を広げられる、そういうモチーフを、場面を、エピソードを、あちこちにちりばめてくれているのが、ありがたいのですよ。
わたしが瞬時に煮えたぎった、闇展開のふたりではないにしろ。
ガイとレイチェルは、十分「運命のふたり」なわけで。
ふたりだけの世界に突入しているガイとレイチェル、そしてその横で必死に話しているベルモンド、の図がイイ。
ベルモンドが善良であればあるほど、ガイとレイチェルとの隔絶感が増す。
いやあ、ここのベルモンドが、めちゃくちゃ好きだ。
銃声を聞いたかどうかわからない、と言うレイチェルに、「そーですよね、それどころじゃなかったですもんね」と自己完結してるベルモンドが、かわいすぎるっ。
ベルモンドは、正しい人だ。
善良で誠実で、なにも間違ってない。彼は正しい。
でも彼は、誰も救えない。
あんなに必死になって努力しているのに。レイチェルに顧みることさえされず、ガン無視されて、実際ガイたちに利用されるだけで。
彼の優しさ、まともさ、正しさは、なんの役にも立たないんだ。
その現実の残酷さが、萌え。
ベルモンド好きだ……うおお。
ベルモンドのまともさを背景に、進んでいく罪びとたちの物語。
正しいのはベルモンドなのに、間違っているガイやレイチェルを中心に物語は進むんだ。
ガイはレイチェルを「見殺しにできない」と言う。それだけの理由で、彼女を連れて逃げる。
恋愛だとは本人も認めていないし、そう語ることもない。
それともあの、ぼそぼそぼそぼそ長々長々ゆってるモノローグ(録音)で、ナニか言ってたのか? あんまりモノローグばっかし続くんで、聴くことを放棄してたのが敗因?
好意があったから助けたんだろう、連れて逃げたんだろう、だからといって、お気楽な恋だの愛だのじゃない。
「死んだふり大作戦」をやるために、レイチェルが必要だった、「愛する女のためにのこのこ現れた」という理由付けのために利用した、そういうことだろう?
死の間際、血まみれで「はじめて愛した……(ごふっ)(がくり。ご臨終です)」をやるためだよね。
タイトルの台詞がフェイクって、すげえブラックだなヲイ。と、マジで思ったんですよ。
ガイがあそこで死んでないことは、観客はみんなわかっている。
嘘の演技だからこそ、やりすぎなほどクサイ台詞を吐いているんだと、思うよね?
たった一度のタイトルの台詞が、嘘。クサイ芝居。
って、さすがマサツカ!! こーゆー台詞使いさせたら天下一品よねー!
と、思っていただけに。
そのあと、再会したガイとレイチェルが「愛してる!」「うれしいっ」でハッピーエンド、ところかまわず音楽も照明も一気にチェンジ、ラヴラヴ・デュエットダンス、という『BOXMAN』仕様のラストにぼーぜん。
えええ。いつの間に??
てゆーかガイ、アンタ人格変わって……ゲフンゲフン。
いやあ、ツッコミどころの多さも含めて、好きですこの作品(笑)。
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