しつこく続く、『はじめて愛した』感想。

 クロード@しゅうくんが、かっこいい。
 これほどかっこいい彼を見たのははじめて。
 体格的に悪役を振られることは多いけれど、クロードは大仰な記号的悪役ではなく、「生きた」悪の部分が物語の棘のように存在感を出している。

 最初はいきなり暴力シーン……つっても、殴られている側。
 殴ってるのがジュリアーノ@咲ちゃんで、はっきり言ってごめんよへたっぴだから、「こんなヘタレに殴られてるから、ヘタレ以下の人??」と誤解されそうだ。(ジュリアーノがヲヅキだったら本気でこわかったろうなあ、暴力シーン・笑)。
 まあ、脚をタコのよーにして「うわーんっ」と暴れているギャグマンガの子どものよーなジュリアーノは、他の役者と格が違いすぎるので置いておくとして。
 見るからに格下のバカに殴られながら登場の、クロードさん。
 ジュリアーノがアレだから気付いてなかったけど、敷物に血が飛び散るほどひどい折檻だったらしい。

 どう見たって、強そうなのはクロード。なのにアホボンに殴られ、罵られるまま。
 その気になれば、あのへろへろに遅い拳をかわして、むちむちしたカラダを殴り倒すことくらい、簡単だろう。
 でもそれをせずに、じっと耐えている。

 ジュリアーノに対しては、コミュニケーションを放棄しているらしく、ほとんど話さない。
 だからクロードの立ち位置がわからなかった。
 アホボンに殴られ威張られ、黙して従うのは、アホはアホとしてそんなぼんぼんを好きだからだろうか? 忠義心だろうか? ぼんぼんの親父に義理があるとか?

 クロードはただの「ジュリアーノの手下」とするには目立ちすぎている。
 台詞や出番が多いわけではないけれど、最初から「あれ?」と目をとめたくなるドラマを抱えている。
 カッセル@ホタテが、「刑事の片割れ」にしては目立ちすぎるように。

 ストーリー的に主要人物ではないのだけど、ただの脇で名前もない、刑事とか手下とかでくくられてしまっても仕方ない、そんな役がドラマを感じさせる……そこがツボです。

 キレやすいだけのゆるいおぼっちゃんにえらそーにされ、でもなんかただの端役にしては存在感、レイチェル@あゆっち相手にはぺらぺら喋ってとりつくろって下っ端感、カッセルごときに(笑)にやっつけられちゃう、カッセルともども立ち位置不明感、そして最後のアレ。
 
 最後のアレが、さいこーです(笑)。

 街中で突然狙撃されたジュリアーノ。驚いて駆けつけるけれど、それ以上ではなく。ジュリアーノ本人にどやしつけられ、いちおー介抱するふりはするけど、本心ではなく。
 絶命したジュリアーノに「清々したよ」で、死体放置。

 ただの下っ端にしてはなんか引っかかる、名前もない「手下」ではないのは、これだったのか!
 台詞だけならクロードは、異を唱えずにジュリアーノに従っている。
 だけどなんか引っかかる……彼がどう思っているのか、どんな立ち位置なのかわからない……そう思っていたのは、最後で昇華される。
 だからなのか、と。

 わたし的クロードのツボは、妻帯者であることです(笑)。

 ジュリアーノに言われるんだよね、「レイチェルを見つけてこないと、お前の女房ごと殺してやる」とかなんとか。
 あ、女房いるんだ。
 結婚しているかいないかはともかく、決まった女がいるんだ。

 ひとりものではない。
 ……それが、クロードという男を考えるのに大きく左右するよな。

 ひとりものなら、嫌気がさせばどこへでも行けるかもしれない。自分ひとりが戦い、殺されれば済むなら、反抗も出来るだろう。
 でも、妻がいるなら。
 愛した女がいるなら、そうもいかないよね。
 黙って耐えるしかないよね。リーマンはつらいやね(笑)。

 なんのしがらみも、守るべきモノもないまま、アホボンに仕えているのと、守りたい生活があるから耐えているのとでは、まったくチガウよなー。
 クロードひとりのことなら、ジュリアーノに好き勝手させて不満そうにしていると「それだけの器の男」だけど、妻のためにあえて留まっているなら、今の状態は彼の器とは別に考えられるもんな。

 でもっでジュリアーノのアホさ加減もいいよな。
 自分の愛する女を捜させるために、部下の愛する女を殺すぞと脅すなんて。
 どんだけ無神経かつ、身勝手。
 そりゃクロードにも愛想尽かされるわ。

 余分なことは言わず、死体を放置する姿が冷酷で、プロっぽくで素敵です。

 
 ジュリアーノの手下はあとふたり、ザッキーとレオくん、こちらはキャラ不明、名前はあっても「手下1、2」レベル。
 ナニかやっていたかもしれないが、わたしにはわからなかったよごめん。
 どちらもイケメンで、ジュリアーノチームは無駄にカッコイイ(笑)。

 でもってわたし、やはりレオくんの顔が好きです。
 ナニをしているでもないのに、目に入る。
 声を出すとけっこーあちゃ~な感じなんだがな(笑)。
 台詞無しで舞台横切っていくだけで「あ、今の!」と思う。ポイントはやはり横顔か(笑)。

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