ウチへおいでよ。@はじめて愛した
2010年10月31日 タカラヅカ で、まだ続いている『はじめて愛した』感想。
なんか久々に楽しかったんだもん。
こんだけ「キャラクタ」に魅力を感じる公演はイイよなー。
物語的にどうよとか、キャスティングに疑問はあっても、キャラ萌えできるとそれだけでリピートが楽しくなる。
女性キャラはヒロイン・レイチェル@あゆっちの他はナタリー@夢華さんとジャンヌ@きゃびいぐらい。レイチェルママやぼんぼんの愛人やメイドさんや弁護士もあるけど、物語の中で「キャラクタ」として書かれているのは3人だけだよね。
愛人@かおりちゃんはすごく難しい役で、それをまた的確に演じていてすごいと思うけど、でも物語の中では「顔」のある役ではない……もったいないことに。
その、たった3人しかいない女性キャラの中、ナタリーはいい役なんだけど、容姿と役が合っていない感じ。大人ばかりが出てくるこの物語の中で、彼女の「若さ」と「幼さ」はハイライト的に活かせるはずなんだが、演じている夢華さんは柄違いの感が強い。
等身大の役だろうに、なんであんなに大人びて……つーか、若さがなく見えるんだろう。顔立ちのせいかなあ。
ぼんぼんジュリアーノ@咲ちゃんが、心の幼さはともかく、年齢的にはもっと大人の役なのに子どもっぽすぎるのと、対照的。
劇団期待の下級生に経験を積ませるのはもちろん大切だけど、足りなさすぎると作品として見る場合そこが残念だなぁ。
ナタリーがもっと、見るからに若いきらきらした女の子なら、レイチェルとの関係もガイ@キムとの関係も、変わって見えただろう。
なにより、クリッツィ@コマとの関係も。
クリッツィ好きな者としては、それが惜しくて仕方ない。
ナタリーって、『ラストプレイ』でいうところのポーリーン@蘭はなちゃんだよねえ。クラブで歌い踊る、若くてちょっと考え無しな、現代的な女の子。かわいいは正義、だけで生きてる系の。だから好意を持っている年上の男に、平気で「次のステージも見ていってよ」と言える。
夢華さん、ふつーにうまいんだけどね。きらきらした美少女ってわけじゃないので、「かわいいは正義」系の女の子の役はつらい。
ナタリーがいい年の大人の女だと、物語のニュアンスが変わっちゃうんだよなあ。
ので、ナタリーのことは置いておいて。
もうひとりの女性キャラ、ジャンヌ。
ジャンヌ最高。
場をさらう、って意味では、彼女は半端ナイぞ。
登場からキャラ立ちしているけれど、圧巻はヒステリー場面。
レイチェルを尋問する刑事@ちぎに食って掛かる!
殺し屋ガイを愛していると言うレイチェルを「おかしい」と言う刑事に「謝れ!」と詰め寄るジャンヌの剣幕、言葉の雨霰。
止めようとする相棒刑事@ホタテを振り切り、吠える、暴れる。
そして言うだけ言って、刑事に謝らせて、わーっと泣き出す。
彼女の感情の流れがリアルで、たまらん。
他人のために本気で怒って、怒鳴って、緊張の糸が切れて号泣。これは、わかる。わかるよジャンヌ。
てゆーか、一緒に泣いた(笑)。
彼女の剣幕が本気だから、食って掛かる彼女とたじたじの刑事は滑稽だから、観客は笑っているけど、たしかにおかしいけど、でも泣けた。
他人のために、やさしさゆえに感情を爆発させる、その姿がおかしいものか。
それが滑稽な風情でも、笑えることとは別に、泣ける。
本気ってのは、伝わるから。誠実さってのは、届くから。
刑事も彼女にたじたじで追い出されてしまうけれど、きっとあのあと「すげー女だなヲイ」って話したと思うけど、悪くは言わないと思うんだ。
ジャンヌが間違っていないこと、そしてレイチェルのために本気で怒っていたゆえだって、わかるから。
刑事ふたりはまともにいい人たちだから、自分たちが罵られたからといって、ジャンヌを悪人認定はしないはず。
むしろ、落ち込んだと思うぞ、レイチェルを好きな刑事くん。言い過ぎたのは事実だもの。それを自覚するだけの度量のある男だもの。そして相棒がそれをなぐさめる、と(笑)。
ジャンヌがすごいと思うのは、そうやって、「やさしさの表し方」を知っていること。
怒るべきときに怒り、いたわるべきときに、いたわる。
レイチェルがどん底にいるとき、特別なことはナニも言わないけれど、ただ「夕飯食べにウチへおいで」と声を掛け、出て行く。「こんなときひとりでいない方がイイよ」と押しつけてそばにいたりせず(笑)、相手を尊重して、その意志に任せる。「おいで」とあたたかい居場所を用意して、待っていてくれる。
これは、すげー上級者ですよ。
心底、見習いたいと思った。
若かりしころ、落ち込んで夜の道ばたに坐り込んで泣いていたとき、「帰ろ」とナニも聞かずに迎えに来てくれた、先輩(美人)のことを、思い出した。背中なでられて、べそべそ泣き続けたっけ……。先輩んちでお風呂借りて、そこでも丸まって泣き通して、でもお風呂から出たあとはなんとなく、生きていける気になったなあ。
てなことを、思い出してよりじーんとした。が、若かりしころの自分が、なんでそんなに泣いていたのかはおぼえていないという……あんときは生きるか死ぬかの大問題だと思ったからこそ、あんなに大騒ぎしていたはずなのに。がーん、トシとったなオレ。
そんな大きさ、やさしさのある大人の女になりたいですよ、無駄にトシ食うだけでなく。
自分はダメダメなままですが、だからこそ、ジャンヌのような女性にはあこがれます。大好きです。
アンリ@りんきらも、めちゃいい男だしなああ。でぶだけどさぁ。恐妻家ですっかり尻に敷かれちゃってるけど、そこがまたいいんだよなあ。
最後のどんでん返しのキモとなる、アンリ製の防弾シャツ。縫製係のジャンヌが手を抜いたために、ガイは大ケガするわけで。
そのことを悔やむジャンヌと、彼女の手抜きを知らずに自分の設計ミスだと悔やむアンリ。
アンリがジャンヌにダダ惚れだということが、わかるイチ幕(笑)。
彼女への大いなる愛で、すべてを背負い、包み込むアンリと、そんな夫の言葉をまったく聞いていないジャンヌ。
イイ。ここが、すごくイイ。
大好きだ(笑)。
きゃびいはいい役者になったなああ。しみじみ。
なんか久々に楽しかったんだもん。
こんだけ「キャラクタ」に魅力を感じる公演はイイよなー。
物語的にどうよとか、キャスティングに疑問はあっても、キャラ萌えできるとそれだけでリピートが楽しくなる。
女性キャラはヒロイン・レイチェル@あゆっちの他はナタリー@夢華さんとジャンヌ@きゃびいぐらい。レイチェルママやぼんぼんの愛人やメイドさんや弁護士もあるけど、物語の中で「キャラクタ」として書かれているのは3人だけだよね。
愛人@かおりちゃんはすごく難しい役で、それをまた的確に演じていてすごいと思うけど、でも物語の中では「顔」のある役ではない……もったいないことに。
その、たった3人しかいない女性キャラの中、ナタリーはいい役なんだけど、容姿と役が合っていない感じ。大人ばかりが出てくるこの物語の中で、彼女の「若さ」と「幼さ」はハイライト的に活かせるはずなんだが、演じている夢華さんは柄違いの感が強い。
等身大の役だろうに、なんであんなに大人びて……つーか、若さがなく見えるんだろう。顔立ちのせいかなあ。
ぼんぼんジュリアーノ@咲ちゃんが、心の幼さはともかく、年齢的にはもっと大人の役なのに子どもっぽすぎるのと、対照的。
劇団期待の下級生に経験を積ませるのはもちろん大切だけど、足りなさすぎると作品として見る場合そこが残念だなぁ。
ナタリーがもっと、見るからに若いきらきらした女の子なら、レイチェルとの関係もガイ@キムとの関係も、変わって見えただろう。
なにより、クリッツィ@コマとの関係も。
クリッツィ好きな者としては、それが惜しくて仕方ない。
ナタリーって、『ラストプレイ』でいうところのポーリーン@蘭はなちゃんだよねえ。クラブで歌い踊る、若くてちょっと考え無しな、現代的な女の子。かわいいは正義、だけで生きてる系の。だから好意を持っている年上の男に、平気で「次のステージも見ていってよ」と言える。
夢華さん、ふつーにうまいんだけどね。きらきらした美少女ってわけじゃないので、「かわいいは正義」系の女の子の役はつらい。
ナタリーがいい年の大人の女だと、物語のニュアンスが変わっちゃうんだよなあ。
ので、ナタリーのことは置いておいて。
もうひとりの女性キャラ、ジャンヌ。
ジャンヌ最高。
場をさらう、って意味では、彼女は半端ナイぞ。
登場からキャラ立ちしているけれど、圧巻はヒステリー場面。
レイチェルを尋問する刑事@ちぎに食って掛かる!
殺し屋ガイを愛していると言うレイチェルを「おかしい」と言う刑事に「謝れ!」と詰め寄るジャンヌの剣幕、言葉の雨霰。
止めようとする相棒刑事@ホタテを振り切り、吠える、暴れる。
そして言うだけ言って、刑事に謝らせて、わーっと泣き出す。
彼女の感情の流れがリアルで、たまらん。
他人のために本気で怒って、怒鳴って、緊張の糸が切れて号泣。これは、わかる。わかるよジャンヌ。
てゆーか、一緒に泣いた(笑)。
彼女の剣幕が本気だから、食って掛かる彼女とたじたじの刑事は滑稽だから、観客は笑っているけど、たしかにおかしいけど、でも泣けた。
他人のために、やさしさゆえに感情を爆発させる、その姿がおかしいものか。
それが滑稽な風情でも、笑えることとは別に、泣ける。
本気ってのは、伝わるから。誠実さってのは、届くから。
刑事も彼女にたじたじで追い出されてしまうけれど、きっとあのあと「すげー女だなヲイ」って話したと思うけど、悪くは言わないと思うんだ。
ジャンヌが間違っていないこと、そしてレイチェルのために本気で怒っていたゆえだって、わかるから。
刑事ふたりはまともにいい人たちだから、自分たちが罵られたからといって、ジャンヌを悪人認定はしないはず。
むしろ、落ち込んだと思うぞ、レイチェルを好きな刑事くん。言い過ぎたのは事実だもの。それを自覚するだけの度量のある男だもの。そして相棒がそれをなぐさめる、と(笑)。
ジャンヌがすごいと思うのは、そうやって、「やさしさの表し方」を知っていること。
怒るべきときに怒り、いたわるべきときに、いたわる。
レイチェルがどん底にいるとき、特別なことはナニも言わないけれど、ただ「夕飯食べにウチへおいで」と声を掛け、出て行く。「こんなときひとりでいない方がイイよ」と押しつけてそばにいたりせず(笑)、相手を尊重して、その意志に任せる。「おいで」とあたたかい居場所を用意して、待っていてくれる。
これは、すげー上級者ですよ。
心底、見習いたいと思った。
若かりしころ、落ち込んで夜の道ばたに坐り込んで泣いていたとき、「帰ろ」とナニも聞かずに迎えに来てくれた、先輩(美人)のことを、思い出した。背中なでられて、べそべそ泣き続けたっけ……。先輩んちでお風呂借りて、そこでも丸まって泣き通して、でもお風呂から出たあとはなんとなく、生きていける気になったなあ。
てなことを、思い出してよりじーんとした。が、若かりしころの自分が、なんでそんなに泣いていたのかはおぼえていないという……あんときは生きるか死ぬかの大問題だと思ったからこそ、あんなに大騒ぎしていたはずなのに。がーん、トシとったなオレ。
そんな大きさ、やさしさのある大人の女になりたいですよ、無駄にトシ食うだけでなく。
自分はダメダメなままですが、だからこそ、ジャンヌのような女性にはあこがれます。大好きです。
アンリ@りんきらも、めちゃいい男だしなああ。でぶだけどさぁ。恐妻家ですっかり尻に敷かれちゃってるけど、そこがまたいいんだよなあ。
最後のどんでん返しのキモとなる、アンリ製の防弾シャツ。縫製係のジャンヌが手を抜いたために、ガイは大ケガするわけで。
そのことを悔やむジャンヌと、彼女の手抜きを知らずに自分の設計ミスだと悔やむアンリ。
アンリがジャンヌにダダ惚れだということが、わかるイチ幕(笑)。
彼女への大いなる愛で、すべてを背負い、包み込むアンリと、そんな夫の言葉をまったく聞いていないジャンヌ。
イイ。ここが、すごくイイ。
大好きだ(笑)。
きゃびいはいい役者になったなああ。しみじみ。
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