千秋楽は、いつだって特別の日。

 ジェンヌたちだけでなく、ファンも言うんだね、「千秋楽おめでとうございます」。

 『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』東宝千秋楽の日。

 ファンクラブの後ろから、ジェンヌの楽屋入りのギャラリーをした。
 まっつの入りは一瞬で、代表さんがすちゃっとゼスチャーするなり、会の人たちが「いってらっしゃい!」と声を揃えて叫んだのにびっくり。おお、統制取れてるー! ヅカの「会」って感じー!(シロートゆえ、そんなことに感動する)

 ぬいぐるみ抱えて現れた花峰くんはやさしい表情のオトコノコで、声の出ないちあきさんはメッセージを書いたスケッチブック持って、ぴょんぴょん跳ねてた。

 良い日になりますように。豊かな1日になりますように。

 昼公演、そして千秋楽とW観劇、その合間をまっつメイトや、アーサーファン(笑)のせんせと一緒に過ごしながら、ドリーさんのツッコミを聞きながら、あわただしくいろんな人に会ったりなんだりで、ばたばたと日が暮れる。
 
 ちあきさんはやはり声が本調子ではなく、芝居はミュージカル場面が台詞になっていた。
 ブログに感想を書く暇もなかったが、実はわたしの東宝遠征はこの公演これで2回目で、さあやエトワールになったばかりのころにも観劇している。
 そのときのちあきさんは、ほんとに声が大変なことになっていた。

 退団公演で、その美声をたっぷり披露できる公演で、これはとても残念なことだと思う。彼女の胸の内を思うと、1ヅカファンに過ぎない身でも「うわああ」とうめきたくなる。

 でも彼女は不自由な声で、それでもできる限りの演技をしていた。「舞台人」として、そこにあった。

 プロの舞台人なら、歌えない以上代役を立てるべきなのかもしれない。
 これで退団でなければ、そうしていたのかもしれない。

 でも、そうはせず、歌を台詞に替えてまで、ちあきさん自身に演じさせつづける、「タカラヅカ」を好きだと思う。

 正しいかどうかではなく、それが「タカラヅカ」だという事実を、わたしは愛したい。

 いちばん声が出なかったころを見ているだけに、最終日にそれよりはずっと声が戻ってきていること、念願のエトワールもできたことに、心から拍手を送る。
 よかった。
 ほんとうに、よかった。
 本調子でないことはわかっているけれど、ちあきさんの本気の歌声はもっともっと素晴らしいことを知っているけれど、それでも、今、最後にエトワールとして大階段の真ん中に立つ彼女を見られて良かった。

 まとぶさんの演技はさらにさらに暑苦しく……(笑)、でも、ムラ楽あたりほどやりすぎてはいなくて、ほっとする。いやその、それはそれで好きなんだけど、ライナスは崩してはならないラインがあると思うの(笑)。

 全部で何回観たことになるんだ『麗しのサブリナ』、そして『EXCITER!!』。
 『EXCITER!!』は、通算何回観たんだ?
 初演時に何回?(おぼえてねー)、彩音ちゃんMSで3回、彩音ちゃんサヨナラショーで2回、そして再演時に……?
 もう一生分の『EXCITER!!』は観ました(笑)。

 でも感想は追いついていないので、ちっとも語れてないけどな。

 めおくんの腰振りのことや、らいのお姫様抱っこ、あきらの眼鏡、いまっちの「ご案内されま~す♪」、見どころだらけで目がいくつあっても足りない。
 てゆーかわたし、まっつばっかり見過ぎだっつーの。

 終演後の人混み、ガードで花道を作る会の人たち、その後ろのギャラリーたち。
 袴姿の退団者。すっきりとした、きれいな顔。
 わき上がる拍手。

 それらの「お約束ごと」ひとつひとつがうれしい、愛しい。「タカラヅカ」ってすごいなと思う。

 繰り返される、感謝の言葉。
 退団者が繰り返し、ファンがまた声を揃えて告げる。
 私服に着替えて楽屋から出てきたジェンヌたちが、それぞれのファンに告げる。ジェンヌの挨拶に聞き入る会のひとたちも、思いは同じだろう。

 そうやってこれからも続いていく、いつもの特別な日。
 特別な、いつも。

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