粗忽者と呼ばれた男・その2。@ロミオとジュリエット
2011年1月14日 タカラヅカ 『ロミオとジュリエット』、ベンヴォーリオ@まっつ語り、その2。
3場銀橋にて、夢見る夢子ちゃんロミオ@キムを捕獲するベンヴォーリオ。
ここもものすごーい道化喋り。
かわいいけど、それほど好きなわけでもない……まっつの若作りの違和感がいちばんキツイ場面というか。(若作り言うな!)
ロミオの二枚目ぶりを強調するために、ベンヴォーリオはこういう演出なんだろうなと思う。
オンナの話にニカニカ興味津々、先走ってみたり、説教してみたり、こーゆーところが「粗忽者」なんだろう。
……でもベンヴォーリオがそーゆー言動を取るのはココだけで、ココがかなり浮いてるのはどうかと思う(笑)。
くしゃみがやたらイイ声で笑える。そして、ロミオを捜す声がまたイイ。……ああもお、あの声大好き(笑)。
6場の市街。モンタギューチーム勢揃い。
「ここにいたのか」と、ロミオを捜して現れるベンヴォーリオ、よっぽどあちこち捜し回ったのか、見つけるなりぺたんと膝を突き……。
ロミオの脚を掴み、そのまま地面に転がってしまう……のだが、最近どんどんロミオが冷たい(笑)。
初日近辺はもう少しちゃんと、脚を掴ませてくれていたと思う。でも回を重ねるごとにろくに掴ませてもらえず、ベン様ひとりぺしゃっと潰れている(笑)。
「お前はいつもロミオのあとを追いかけてるな。ロミオはまるでお前の王様だな」……って、文字だけで見ると相当の萌え台詞だ(笑)。
実際はそーゆーBL的な気配のない、健康かつ幼稚な様子で言われる。
マーさんにこう言われたときの、ベン様の子どもっぽいぶーたれた顔はかわいい。「なんだよソレ!」みたいな反論顔。
ロミオはベンヴォーリオの王様じゃない。
だけど、崇拝の対象ではある、のだろう。
たぶんベン様は感じている。ロミオがどこか自分たちとはチガウ次元に立っているって。
チガウところにいる人だから、彼とこの世界をつなぐ役目が必要で、自分こそがそうなんだと……無意識にでも思っている、そーゆー立場の役だと思うんだ、ベンヴォーリオって。
いつもロミオのあとを追いかけている、の「いつも」がイイですな。
そうか、いつもなのか。
キムのロミオはある日ふと消えてしまいそうな、別次元へ飲み込まれていきそうな不安感がある。
ロミオを守るために、得体の知れないナニかに彼を奪われないために……ベンヴォーリオがロミオを手の届くところにおいておきたくてあがいているのだとしたら、とても切ない。
や、全体的に彼らはみんな子どもなので、そんなことは気づきもしない、無意識の話ですが。
でも子どもだからこそ、敏感に察することはあるよね。
そして、盛り上がりナンバー「世界の王」へ。
ロミオの歌声を受けて、まずベンヴォーリオが歌う。
その声の良さもいいけれど。
いちばん血がざわざわして昂揚したのは、コーラスになってからだ。
ベンヴォーリオがオブリガートをはじめたとき。
うわ、スイッチ入った!
実際、マイクのスイッチ入ったのかもしれないが(笑)、まっつの声がどーんと響いた瞬間の感動。
近年はソロで歌わせてもらうことも多くなった。でもソロはソロで完結しているし、コーラスになれば多重のなかのひとり。『Red Hot Sea』の幽霊船コーラスは素晴らしかったけれど、まっつひとりの声が前に出る類いのコーラスではなかったし。
彩音ちゃんMSで声を重ねたときにすごく響く人だということはわかったけれど、それはあくまでもホテルの宴会場という小さなハコでの話。
大劇場でソレを披露することがあるなんて、そして完璧にやってのけるなんて、想像したこともなかった。
主旋律と絡み合いながら、対になる旋律をガンと入れる、響かせる。
踊り、暴れながらも背をそらし、全身を使って「音」を出している。奏でている。
まっつの小さくて華奢なカラダ全体が動いているのがわかる。弾んでいる、はじけている、外に向かってうなりを上げている。
そんなまつださん、見たことがない。
たしかに役割的にはじめてっつーのもあるが、それ以前に、「未涼亜希」という人が変わった気がする。
それをいちばん顕著に思い知らされたのが、このときだ。
だから初日は心臓ばくばくして、「ナニが起こってるの」「あの人にナニが??」とうろたえまくった。
歌いながら、キムちぎまっつが銀橋に来る。
この3人。
ああ、この3人でこれからやっていくんだ。
まっつは変わり、ここに居場所を見つけた。
キムくんが笑っていて、ちぎくんが笑っていて。ここに居場所を作ってくれている。そこでまっつも楽しそうに笑っている。
ああほんとうに、組替えしたんだ。
感傷とか安堵とか過去とか未来とか、いろんなものが押し寄せてきて、涙なしにはいられなかったよ、初日。
公演も中日を迎えようかって今はもう、大好きな楽しい場面ってだけだけど。
この元気で楽しいナンバーのあと、打って変わって妖しいナンバー、「マブの女王」になるのがいい。
ここはマーキューシオのソロなので、ベンヴォーリオはダンスのみ。
モンタギューチームのひとりとして仮面のダンスをする、その動きが素敵。
ここでだっけ、ひとりメンバーたちの後ろに身を引き、髪をいじるの。
長い後ろ髪を直す感じで、必ず手をやる。無造作に見えてナル入ってる感じがたまらん(笑)。
ひとり群れをはずれ、またナニ喰わぬ顔で戻る。
彼の性格というか、立ち位置が見えてイイ。
芝居部分は初日とかはここでもかなり道化的で、ロミオを捜していたハクション銀橋的な演技だったんだけど、どんどん落ち着いて、大人びてきた。
「女の子をちょっとからかって退散するだけ」と悪い遊びの提案をするマーさんに、ドキマギする芝居をしていたんだ、初日あたり。
まるでベン様も相当うぶな男の子、みたいに。
「今日家に誰もいないから、兄貴が隠してたエロDVD鑑賞会やるぞー」と言い出した女ったらしのマーさんに、「そういうの興味ナイ」という優等生ロミオくん、「オオオオレは行くぞっっ」と、普段は悪ぶってるけど実は未経験のベンくん、声がうわずってます、みたいな感じだった。
これこそが脚本通りの「女ったらしのマーキューシオと粗忽者のベンヴォーリオ」なのかもしれないが……途中からベン様は声をうわずらせることなく、ふつーに「面白そうだから行く」という芝居に変わった。
いや、ほっとしました。ベン様がチェリーボーイだとオープニング他の大人び方との差が微妙なので(笑)。
続く。
3場銀橋にて、夢見る夢子ちゃんロミオ@キムを捕獲するベンヴォーリオ。
ここもものすごーい道化喋り。
かわいいけど、それほど好きなわけでもない……まっつの若作りの違和感がいちばんキツイ場面というか。(若作り言うな!)
ロミオの二枚目ぶりを強調するために、ベンヴォーリオはこういう演出なんだろうなと思う。
オンナの話にニカニカ興味津々、先走ってみたり、説教してみたり、こーゆーところが「粗忽者」なんだろう。
……でもベンヴォーリオがそーゆー言動を取るのはココだけで、ココがかなり浮いてるのはどうかと思う(笑)。
くしゃみがやたらイイ声で笑える。そして、ロミオを捜す声がまたイイ。……ああもお、あの声大好き(笑)。
6場の市街。モンタギューチーム勢揃い。
「ここにいたのか」と、ロミオを捜して現れるベンヴォーリオ、よっぽどあちこち捜し回ったのか、見つけるなりぺたんと膝を突き……。
ロミオの脚を掴み、そのまま地面に転がってしまう……のだが、最近どんどんロミオが冷たい(笑)。
初日近辺はもう少しちゃんと、脚を掴ませてくれていたと思う。でも回を重ねるごとにろくに掴ませてもらえず、ベン様ひとりぺしゃっと潰れている(笑)。
「お前はいつもロミオのあとを追いかけてるな。ロミオはまるでお前の王様だな」……って、文字だけで見ると相当の萌え台詞だ(笑)。
実際はそーゆーBL的な気配のない、健康かつ幼稚な様子で言われる。
マーさんにこう言われたときの、ベン様の子どもっぽいぶーたれた顔はかわいい。「なんだよソレ!」みたいな反論顔。
ロミオはベンヴォーリオの王様じゃない。
だけど、崇拝の対象ではある、のだろう。
たぶんベン様は感じている。ロミオがどこか自分たちとはチガウ次元に立っているって。
チガウところにいる人だから、彼とこの世界をつなぐ役目が必要で、自分こそがそうなんだと……無意識にでも思っている、そーゆー立場の役だと思うんだ、ベンヴォーリオって。
いつもロミオのあとを追いかけている、の「いつも」がイイですな。
そうか、いつもなのか。
キムのロミオはある日ふと消えてしまいそうな、別次元へ飲み込まれていきそうな不安感がある。
ロミオを守るために、得体の知れないナニかに彼を奪われないために……ベンヴォーリオがロミオを手の届くところにおいておきたくてあがいているのだとしたら、とても切ない。
や、全体的に彼らはみんな子どもなので、そんなことは気づきもしない、無意識の話ですが。
でも子どもだからこそ、敏感に察することはあるよね。
そして、盛り上がりナンバー「世界の王」へ。
ロミオの歌声を受けて、まずベンヴォーリオが歌う。
その声の良さもいいけれど。
いちばん血がざわざわして昂揚したのは、コーラスになってからだ。
ベンヴォーリオがオブリガートをはじめたとき。
うわ、スイッチ入った!
実際、マイクのスイッチ入ったのかもしれないが(笑)、まっつの声がどーんと響いた瞬間の感動。
近年はソロで歌わせてもらうことも多くなった。でもソロはソロで完結しているし、コーラスになれば多重のなかのひとり。『Red Hot Sea』の幽霊船コーラスは素晴らしかったけれど、まっつひとりの声が前に出る類いのコーラスではなかったし。
彩音ちゃんMSで声を重ねたときにすごく響く人だということはわかったけれど、それはあくまでもホテルの宴会場という小さなハコでの話。
大劇場でソレを披露することがあるなんて、そして完璧にやってのけるなんて、想像したこともなかった。
主旋律と絡み合いながら、対になる旋律をガンと入れる、響かせる。
踊り、暴れながらも背をそらし、全身を使って「音」を出している。奏でている。
まっつの小さくて華奢なカラダ全体が動いているのがわかる。弾んでいる、はじけている、外に向かってうなりを上げている。
そんなまつださん、見たことがない。
たしかに役割的にはじめてっつーのもあるが、それ以前に、「未涼亜希」という人が変わった気がする。
それをいちばん顕著に思い知らされたのが、このときだ。
だから初日は心臓ばくばくして、「ナニが起こってるの」「あの人にナニが??」とうろたえまくった。
歌いながら、キムちぎまっつが銀橋に来る。
この3人。
ああ、この3人でこれからやっていくんだ。
まっつは変わり、ここに居場所を見つけた。
キムくんが笑っていて、ちぎくんが笑っていて。ここに居場所を作ってくれている。そこでまっつも楽しそうに笑っている。
ああほんとうに、組替えしたんだ。
感傷とか安堵とか過去とか未来とか、いろんなものが押し寄せてきて、涙なしにはいられなかったよ、初日。
公演も中日を迎えようかって今はもう、大好きな楽しい場面ってだけだけど。
この元気で楽しいナンバーのあと、打って変わって妖しいナンバー、「マブの女王」になるのがいい。
ここはマーキューシオのソロなので、ベンヴォーリオはダンスのみ。
モンタギューチームのひとりとして仮面のダンスをする、その動きが素敵。
ここでだっけ、ひとりメンバーたちの後ろに身を引き、髪をいじるの。
長い後ろ髪を直す感じで、必ず手をやる。無造作に見えてナル入ってる感じがたまらん(笑)。
ひとり群れをはずれ、またナニ喰わぬ顔で戻る。
彼の性格というか、立ち位置が見えてイイ。
芝居部分は初日とかはここでもかなり道化的で、ロミオを捜していたハクション銀橋的な演技だったんだけど、どんどん落ち着いて、大人びてきた。
「女の子をちょっとからかって退散するだけ」と悪い遊びの提案をするマーさんに、ドキマギする芝居をしていたんだ、初日あたり。
まるでベン様も相当うぶな男の子、みたいに。
「今日家に誰もいないから、兄貴が隠してたエロDVD鑑賞会やるぞー」と言い出した女ったらしのマーさんに、「そういうの興味ナイ」という優等生ロミオくん、「オオオオレは行くぞっっ」と、普段は悪ぶってるけど実は未経験のベンくん、声がうわずってます、みたいな感じだった。
これこそが脚本通りの「女ったらしのマーキューシオと粗忽者のベンヴォーリオ」なのかもしれないが……途中からベン様は声をうわずらせることなく、ふつーに「面白そうだから行く」という芝居に変わった。
いや、ほっとしました。ベン様がチェリーボーイだとオープニング他の大人び方との差が微妙なので(笑)。
続く。
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